意見広告:日本発ものづくり提言プロジェクト
意見広告「日本発ものづくり提言プロジェクト」へのご賛同のお願い
各 位 日本のファッションビジネスを支えてきた国内の繊維・アパレル製造業はいま、存亡の危機に立たされています。私たちは、日本発のものづくりの待ったなしの危機を直視し、国内製造の存続と強化を志ある業界人が呼びかける意見広告運動を提唱します。各位のご賛同を切にお願いします。2010年9月21日 日本発ものづくり提言プロジェクト実行委員会事務局
国内生産の縮小が続いています。 最近の新聞報道などでご承知の通り、テキスタイル・染色・縫製など中小企業を中心とした国内の繊維・アパレル関連製造業の倒産、廃業、事業撤退、事業所閉鎖が相次いでいます。直近の工業統計表によると、国内の繊維製造業の事業所数は97年からの10年間で45%減少、バブル期末の91年から見ると58%も減少しています。テキスタイルのうち、撚糸、織物製造、ニット生地製造企業はこの10年間でほぼ半減、染色加工は40%ほど減っています。布帛・ニットを合わせた「衣服」製造業の従業者数は21万5728人で、ピーク時(1971年)の71万6098人に比べて3分の1の水準になっています。縫製業ではこれまで、「外国人研修生・実習生抜きには考えられない」と言われてきましたが、外国人研修生・実習生制度が今年7月、新たな「外国人技能実習制度」に替わったのをはじめ、厳しい受注状況(受注減、工賃ダウン、短納期、小ロットなど)、構造的な労働力不足(低位な労働条件で人は集まらない)などを考えると、既に限界点に達している縫製企業の廃業・閉鎖は今後も増え、更なる縫製人口の減少は避けられないと見られています。 問題は、産地の有力テキスタイル・染色企業や「残って欲しい縫製工場」などが少なからず消えて行っていることです。技術力のある国内製造業が無くなってしまうと、国内にシフトしようにも必要な工場が確保出来ないという事態が目の前に迫っているのです。
受注に応えられない事態も起こっている。 ファッション・アパレルにとって販売やマーケットを重視するのは当然ですが、これまでモノ作りや生産に十分な利益配分がなされてこなかったのは否定できません。そうしたことの結果、国内生産は今まさに存亡の瀬戸際まで追い込まれているのです。 衣類の輸入浸透率は数量ベースで95%を超えています。逆に言えば、国内の衣料「自給率」は5%を切っています。国の安全の観点から問題とされる農産物の自給率と比較しても衣料の自給率の低さは歴然としています。減少したとは言え、縫製工場だけでも全国各地域で20万人以上を雇用するファッション・アパレル製造業の再構築は、雇用創出の観点からも重要な課題です。 国内生産の縮小は生産と市場のグローバル化という流れが背景にあることは事実です。しかし、グローバル化の中身は刻一刻と変化しています。世界の生産基地と言われてきた中国のポジションの変化はその最たる例です。中国でのアパレル生産は納期遅れが深刻化し、根底には短納期、小ロット、価格や品質に厳しすぎる日本流のアパレル生産にノーを突きつけ始めたという事実があります。 そこで「国内回帰」を決めても、日本でモノを作る所が無くなれば、アパレル自体の存続が危 うくなるということです。ものづくりの外部依存を続けてきたアパレルには、ものづくりのノウハウが無くなっています。「今までは工場がどこのアパレルと組むかが問題だったが、これからはアパレルがどの工場と組むか、という時代になる」という指摘は事態を正確に言い当てていると言えるでしょう。
今がチャンス!市場もメード・イン・ジャパンを求めています。 依然として厳しい消費市場ですが、一時の極端な価格志向から、やや「価値志向」に振れ始めています。しかし、今後も低価格の定番カジュアルやファストファッションなどは一定の部分を占め、高品質・高価値商品との二極化になると見られています。前者でバングラデシュなど海外生産を行うのは自然の流れですが、後者の高品質・高価値商品の場合、海外では簡単ではありません。市場や消費者のニーズをくみ取り、企画者と生産者が感性を共有しながらものづくりを行うのは困難を伴うからです。 一方、中国などから日本を訪れる旅行者が「日本製」や「メード・イン・ジャパン」を求めるという声をよく聞きます。これは「メード・イン・ジャパン」が国際化の中で新たな差別化戦略になり得るということです。単に「国内生産が危ないから」という理由だけでなく、もっと積極的な意味で、品質など内容を伴う「メード・イン・ジャパンの創出」という目標達成のためにも国内生産は必要不可欠なのです。 以上のような生産背景の変化や市場の要求は、国内生産にとってフォローの風と言えるでしょう。一方、アパレルにとっても新たなパラダイムへ向けて、工場との関係強化などに取り組む最後の機会です。その意味では、工場・アパレル双方にとって「今がチャンス」です。 こうした折り、繊研新聞が4月に開始した「新・ものづくり宣言」キャンペーンと、アパレル工業新聞が7月1日付で掲載した「欲しい時に国内の工場がない」の報道は事実認識と危機感で共通点が多く、広範な業界人の共感を呼んでいます。このテーマで「もう黙ってはいられない」と声を上げる業界幹部は少なくありません。 そうした声を受けて私たちは、業界へのインパクトある問題提起になる意見広告運動を起こすことにしました。多数の皆様のご賛同をお願いする次第です。
意見広告運動にご協力下さい。 賛同者を募集し(賛同金お一人1万円。原則として個人参加に限る)、一定の人数に達し次第順次、繊研新聞とアパレル工業新聞の1面に意見広告を掲載します。また、両紙の編集紙面で業界人有志の自主的な動きを報道していきます。実行委員会は世論形成に尽力し、意見広告の反応を見ながら、第2弾、第3弾の行動を考えます。 趣旨にご賛同の方は、別紙申込書に必要事項をご記入の上、実行委員会事務局までFAXにてお申し込み下さい。
「日本発ものづくり提言プロジェクト」実行委員会 発起人(順不同) 稲荷田征(日本モデリスト協会会長)、大沼淳(文化学園理事長)、貝原良治(カイハラ会長)、久米信行(久米繊維工業社長)、小林道和(エドウイン商事専務)、貞末良雄(メーカーズシャツ鎌倉会長)、森奥信孝(岩手モリヤ社長) 発起人代表 貝原良治(カイハラ会長)
- ▶ 趣意書・参加申込書(PDF形式/292KB)
※「ご賛同者の第一次集約分100名による意見広告は、繊研新聞11月4日付、アパレル工業新聞11月1日付に掲載します。第二次集約分は11月下旬以降に紙面掲載します。
