繊研新聞 アーカイブ/就職・採用関連記事

「繊研新聞」掲載記事から就職・採用関連記事の一部を掲載します。
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2009年10月の主な就職・採用関連記事

2009/10/29
JFW推進機構副理事長の平井克彦さん JFWの事業間連携に成果 財政的自立には時間
 第9回東京発日本ファッション・ウィーク(JFW)が閉幕した。コレクション事業の企画・運営に新たなパートナーが加わり、第2ステージの活動が始まった。人材育成やテキスタイル事業など事業間連携も進んだ。
 コレクション事業では初参加のブランドや海外からの若手デザイナーもあり、世界への登竜門的な役割は大きくなってきた。中国をはじめ、海外メディアもこれまでより多く、国際化が進んだ。新しい体制によってオープニングショーやウイークエンドパーティーなど一般消費者も楽しめるようなイベントも充実し効果はあった。
 人材育成では、新人デザイナーファッション大賞が50カ国から1万点以上の応募があるなど規模が拡大している。表彰するだけでなく、その後、ビジネスにつながるような支援の体制もしっかりしてきた。
 2回目となるシンマイ・クリエーターズ・プロジェクトも先ごろ開催されたJFWジャパン・クリエーション(JFW‐JC)の出展企業から生地を選んで、来年3月のショーに臨むなど成果は出ている。
 JFW‐JCは、事業間連携のプラットホームとして重要な位置付けだ。日本の素材の高感度高質な提案も維持されており、今後も期待している。今秋から国際化の取り組みにも拍車をかけ、インターテキスタイル上海にもJFW‐JCコーナーを設けた。海外バイヤーへのアピールの次の段階として、近いうちに、海外企業にも出展の門戸を開放する方向だ。
 課題は自立化だ。11年度以降の自立化は重々承知しているが、財政問題が大きい。今回からコレクション事業、テキスタイル事業でもコスト削減策には取り組んでいる。景気の厳しさもあり、協賛企業を増やすのは簡単ではない。自前ですべて運営するには時間もかかる。現状、経済産業省からの財政的な支援がなければ運営は困難なため、同省への協力を強く求める。

2009/10/27
総合大学のFB講座が人気
 有名総合大学の正規授業に導入されたファッションビジネス(FB)講座が人気だ。大学側担当教員を含めた関心の方向は、旧来ビジネスの限界性を超える、新しいFBに向かっているようだ。大学院での授業も始まり、研究対象としての位置付けも高まりそうだ。

●東大「ファッション産業政策」 日本の現状、将来性を多彩な講師から学ぶ
 東京大学駒場キャンパスで09年度後期に開講した「ファッション産業政策」が、担当教官の予想を超える人気だ。初回の受講生は、中規模教室が満杯の72人(昨年初回は23人)になった。座り切れない様子を見て入室しなかった学生も10人近くいた。昨年後期に「コンテンツ産業政策」の名で実施した内容をタイトル変更した効果と見られる。担当の中村仁東大大学院情報学環特任講師は「同様の内容で今年度後期に初開講した東京工業大学でも初回に256人が出席した。若者のファッション人気の健在ぶりを実感する」と話している。
 東大では08年度から全学自由研究ゼミナールとして、正規の授業にFBを導入した。日本のファッション産業の現状と将来性、産業政策の在り方を多彩なゲスト講師から学ぶゼミで、「品質面では高評価を得ている日本のアパレル企業やブランドが、国際競争面では伸び悩むのはなぜか」など、FB業界が抱える大テーマを考え合う。
 初回の今月9日の講義では、中村仁講師が、モード(ハイファッション)の世界の代表としてパリ・コレの豪華なショーを紹介する一方、東京ガールズコレクションの様子を対比的に見せて、FBの多様性を解説した。

●青山学院大学大学院「FB論」 討論を主体に今後のビジネス考えあう
 青山学院大学大学院で「FB論」の授業が始まった。IFI(ファッション産業人材育成機構)ビジネス・スクールのFB大学講座の一環だが、従来の連続講演スタイルとは異なり、ゲスト講師と院生が個別テーマごとにビジネス展開の在り方を議論しながら進める。担当の堀内正博教授は「互いの気づきを促進し、FBの発展に役立つものにしたい」としている。
 FB論を新設したのは総合文化政策学研究科文化創造マネジメント専攻(修士課程)。今年度は後期の「政策マネジメント特殊講義」(2単位)に組み入れた。1回を60分の問題提起、60分の討論、50分程度のリーダーによるまとめ、またはレポート提出で構成し、全6回行う。受講生は7人(社会人2人、外国人3人、学部からの進学2人)。
 創・工・商の各分野から各2人を問題提起者として招く。第1回目の今月1日は、久米繊維工業の久米信行社長が、Tシャツビジネスの潜在的可能性を具体的な方策を提示して投げかけた。
 次回以降の問題提起者は、高橋正実マサミデザイン代表、長谷川功文化ファッション大学院大学教授、吉川稔リステアホールディングス副社長、安達覚三井不動産商業施設本部本部長補佐、長谷川晴彦パーソナルケアシステムズ社長の予定。

2009/10/26
優秀な人材とるチャンス 出展締め切りは年内いっぱい FB就職セミナー2011
 毎日コミュニケーションズとMORIパーソネル・クリエイツは、11年3月卒業の4大・短大・専門学校生向け「ファッションビジネス(FB)就職セミナー2011」(「マイナビ2011」と連携)を来年1月末~2月上旬に東京、大阪、名古屋の3会場で開く。業界最大のFB就職セミナーだが、今回は厳しい雇用情勢を反映し、出展申し込みが遅れており、前回並みの出展社数確保が微妙な情勢だ。
 浜田憲尚毎日コミュニケーションズ常務就職情報事業本部長は、「マイナビでも掲載社数が前年割れ、1社あたりの求人人数も減る傾向が続く。11年の就職戦線がどうなるか、まだ読めない」と話す。「ある有名女子大学では10月現在でも内定率が30~40%にとどまっている状態だ」。かつて、不況時の就職の受け皿にファッション販売職がクローズアップされたことがあったが、「求人数減は販売系にも及んでいる。さらに就職できなかった学生が来年の戦線に上積みされるのも心配」(浜田常務)。
 FB就職セミナーについては「他産業が採用を絞る今、優秀な人材を採るチャンス」とし、年内いっぱいまで出展の締め切りを延ばし、FB志望度の高い学生が集まるメリットを強調して営業攻勢をかける。対アパレルメーカーでは苦戦が予想されるため、小売系企業へのアプローチを強める。都心部への出店戦略からファッション性を強化中の有力衣料品専門店や今後成長が期待される中堅SPA(製造小売業)への働きかけを本格化する。

 前回は東京=出展47社・来場4462人、大阪38社・3658人、名古屋28社・1476人だった。

2009/10/09
派遣FB販売職へ 規制強化にらみ重点先に 「買い手市場」―質の向上進む
 ファッションビジネス(FB)の販売職で、派遣人材の活用が広がっている。急な人員減を迫られた時の負担を軽減し、採用実務の合理化にもつながるからだ。FB業界は06年頃には販売スタッフの不足が深刻になり、待遇改善や正社員化が相次いだ。しかし、景気悪化で人材市場が「買い手市場」になり、さらに企業収益の悪化が重なり、非正規を含む直接雇用化・正社員化の流れは止まった。従来、製造業や一般事務職向けを主業務としていた大手人材派遣会社は、伸ばせる余地がまだある分野としてFBに注目している。FB専門のアイ・ディ・アクセスを含め、「紹介予定派遣」などを足がかりに、企業の採用・教育ニーズを丸ごと受注しようという動きもある。各社、単独一括契約のメリットを強調し、シェア争いにしのぎを削る。
専門チーム設置
 FB業界を対象にした人材派遣会社には、総合大手系とFB専門がある。近年注目されているのは、大手でFB専門チームを設置し、営業攻勢をかける動きだ。新政権の誕生で人材派遣への規制強化が行われる可能性は高い。こうした環境の変化もFBシフトを促進させている。
 テンプスタッフグループの営業・販売職専門の人材派遣会社テンプスタッフマーケティング(東京)は、02年12月にアパレル事業部を開設、09年4月からコスメを加え、アパレル・コスメ東京事業部とした。販売員に特化し、常時約1500人を派遣している。
 スタッフは東京スタイル出身の堀井謙一郎オフィスマネジャーをはじめ、FB業界出身者ばかり。アパレル部門の売上高は「毎年30~50%増。好調が続く携帯電話ショップを除くと伸びが顕著」と言う。最近は、大手アパレルメーカーのブランドで販売代行の仕事を始めるなど業容を拡大中だ。このアパレルの人事課長は「ブランドのテイストに合う人がすぐ調達できる。採用と教育の手間も要らない」と導入メリットを強調する。
 「良い人材があぶれており、登録人材の質は向上中。登録者数も一昨年対比で1・8倍ペース。店舗を全国展開する企業には便利な存在」と堀井氏。今後は販売代行や人材紹介を強化し、同社との単独一括契約のメリットを強調する。
 総合大手ではアデコ(東京)も、インダストリー&リテイル事業本部でファッション関連にてこ入れしている。派遣人数は公表していないが、「同業他社に先行していると自覚している」(中尾克也首都圏第2・東海エリア長)。子会社化していないのも特徴。FB販売職を「若年層やスキルのまだ低い人に仕事を提供していく上で重要」(広報宣伝課)とし、他の職種の優れた人材を販売職に送り込む役割を果たす考えだ。
すでに競合激化
 一方、FB専門のアイ・ディ・アクセス(大阪)は、外資系企業の欠員補充抑制が響き、10年2月期の売上高目標65億円(09年2月期は54億2000万円)の達成は微妙なものの、新規契約の伸びと受注の1社集中化で「2ケタ増収は行ける」(加福真介社長)。百貨店の美容部員ニーズを取り込むとともに、海外ファストファッションの上陸が追い風になった。「当社はラグジュアリーやコスメだけではなくなってきた」(同)。
 ただし競合は激化しており、今年に入って営業担当者を20%増やした。(1)独自の資格制度などFB販売に特化した教育システム(2)全国展開の利便性の拡充(3)年間400人の正社員化の目標(実績は300人)――を売りに、総合大手系と差別化する。FB向け人材派遣ビジネスの最大のヤマ場であるクリスマス商戦では、前年実績の2倍の「通常月稼働(約2500人)プラス1500人」を目指す。

2009/10/08
【学ぶ・育てる・教育で変わる人、組織】 営業力アップに欠かせない
 中小企業ばかりのファッションビジネス(FB)。採用後に育てる社員教育のシステムが整っていない会社は少なくない。産業全体が成長拡大し、ファッション業界で働きたい若者があふれ、大手企業で一人前になった経験者を中途採用できていた時代はこの弱点はあまり目立たなかった。しかし、FBを取り巻く環境が様変わりした今、人材の使い捨て発想は企業ブランドを低下させ、消費者からの信頼も失いかねない。現有の人材の力をいかに伸ばすかはいまや経営の重要命題。「自社で人材を育てる」――、他の業界や大手企業から見れば、当たり前で初歩的に見える試みも業界の未来を開く一歩であり、今後の広がりを期待したい。

営業職の養成●エー・アイ・ディー
 「営業の強い会社にしたい」と言うのは、マルキュー系婦人服メーカーのエー・アイ・ディー(大阪)の黒木讓CMO兼営業部部長。社員数40人ほどの同社は、この1年で思い切って6人を採用。うち3人を営業職として養成している。
 黒木さんは他業界出身。アパレル業界に入ってまず実感したのが、「プロっぽい人がいない」ということだった。「営業も、ただ売れているデザインですよと薦めるだけで、説得力がない。市況の悪化で、取引先の目もシビアになっている今、そんなやり方じゃ通用しない」
 そこで、営業担当の教育で強調するのは、「うちの商品を買えばもうかる、というイメージを相手に植え付けること」。そのために入社間もない社員にも、積極的に取引先の店舗を見に行かせている。「遠方であっても、絵型を送って済ませるのでなく、実際に店を見てもらう。そこでは何が売れていて、何が足りないのかを把握させます」
 入社1年目の山内正治さんは、元芸人。アパレルでの経験は全くなく、「しかもレディスで、未知の世界からのスタートだった」と振り返る。服のたたみ方から始めて、「グループ未来」などの合同展で、社内外の営業スタイルを学んできた。すでに、九州を中心に専門店約20社を担当。ほとんどが新規で、黒木さんは全く関与していない。「取引先に、君が言うならもう1枚買うよ、と言われるまで関係が出来た時がうれしい」という。黒木さんは、山内さんの持ち味を「低姿勢で人に慕われるところ」とみている。「1年目はその人柄を生かしながら、相手と信頼を築いてほしい。それからは、取引先の人件費や家賃を把握したうえで、数字面から論立てて話せるような、知識を身につけてほしいですね」

英語の学習会●ピーチ・ブルーム
 社員数人の小さな帽子メーカー、ピーチ・ブルーム(東京)は今年初め、「毎週木曜日は英語の日」を始めた。
 同社の主力販路は合同展で開拓した国内の雑貨店やセレクトショップだが、コペンハーゲンやパリの展示会に参加するようになって、卸先は海外にも広がり、英語の電話やメールも来るようになった。突然の電話を受けたスタッフはたどたどしい英語で応対、誰からかかってきたかも分からない状態だった。そこで始めたのが、入澤恭子社長がIFIビジネス・スクールの英語講座で学んだ内容を共有化する学習会。「アトリエにいる誰もが簡単な応答ができるようにしたかった。いずれは私以外も海外展の仕事ができるようにしたい」(入澤社長)
 「週1回程度ではなかなか上達せず、『入澤さんはこういう勉強をしているんだ』とスタッフに知ってもらう程度。でも、何か新しいことを学ぼう、というムードが組織を活性化しているのは間違いない」と入澤さん。カタチは気にせず、とにかく始めることが大事なのだ。