繊研新聞 アーカイブ/就職・採用関連記事

「繊研新聞」掲載記事から就職・採用関連記事の一部を掲載します。
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2011年11月の主な就職・採用関連記事

2011/11/29
人材サービスの課題発表 転職、育成支援など 4団体が研究会
 全国求人情報協会、日本人材紹介事業協会、日本人材派遣協会、日本生産技術労務協会の人材関連4団体は、人材サービス産業の機能や社会的役割、今後の課題をまとめた研究結果を発表した。
 同産業は年間801万件の求人を扱い、年間売り上げは9兆円を超える。また、475万人に対してマッチングや就業管理を行っており、需給調整機能を担っている。今後、さらに高度な機能が求められると想定され、6月から各団体代表と学識者らで研究会を重ねてきた。テーマは、中高年就業希望者の採用・就業における「年齢の壁の克服」、転職の際に需要が少ない仕事から多い仕事への転換が迫られる「キャリアチェンジの支援」、国際間の労働移動に伴う「グローバル人材支援」、安定的な雇用への転換や処遇の向上など「キャリア形成への貢献」、人材サービス産業の高度化に向けた「人材育成」の5項目。
 産業構造の変化に伴い、産業別の就業者構造も変わる。10年から20年にかけて流通業の就業者は139万人減少することや、異なる産業や職業へのキャリアチェンジは必ずしも容易ではないことから、繊維産業でもキャリアチェンジ支援への期待は高い。
 横断・連携組織を設置し、取り組みの具体化に向け検討を開始する。12月8日には、4団体初の共同開催となる公開シンポジウムも実施する予定。

2011/11/25
杉野服飾大学 大学院を来年4月開設 修士課程で美術造形教育実施
 杉野服飾大学(中村賢二郎学長)は12年4月、大学院を開設する。文部科学省が認可し、修士課程として造形研究科造形専攻の新設が決まった。定員は1学年10人の2年課程。院を出て数年で、内外の“衣の創造”の世界で独立した“造形作家”やアパレル産業のデザイナーとして活躍する人材の養成を目指す。
 大学院新設の理由は「大学4年間で衣服の造形作家として独立するための創作能力全ての習得は不可能。学部で教えるのは、ファッション産業向けの工業用パターンを基にした服作り。世界に通用する芸術的な創作力をもつクリエーター育成のためには、修士課程を設け、工芸分野としての衣を題材とした美術造形教育も行う必要がある」(中村学長)。
 院では、新たに美術的造形教育を行うのが特徴。自らの創意による衣の形態を創出するための構想力、構成力、技術力、表現力を培う場としたい考えだ。
 ホールと大学院用の施設を併設した新校舎も年内に完成の予定。4階の5室が院専用で、採光や照明、壁面塗装ほか美術造形に適した仕様の演習室も設け、大学院用に環境を整備した。
 願書受付は来週から開始し、Ⅰ期は28日~12月7日、Ⅱ期は来年2月13~22日とする。作品・ポートフォリオを指定の期日に提出後、面接をⅠ期は12月17日、Ⅱ期は3月3日に行う。出願資格は(1)来年3月時点で4年制大学を卒業(見込み)者(2)学士の学位を授与された(見込み)者(3)外国で学校教育16年の課程修了(見込み)者(4)大学院入学が認められる専修学校専門課程修了(見込み)者など。
 問い合わせは入試広報課、電話03・3491・8152。

2011/11/18
【記者の目】 ミセスアパレルのオリジナル素材開発 アパレル、産地、小売りの連携を 若手デザイナーの育成は急務
 ミセスのアパレルメーカーが、店頭での同質化を避け、独自性を高めようと、産地企業と協業してオリジナルの素材開発・生産に力を入れている。しかし、在庫のリスクは高く、開発資金や人材も必要なため、どの企業もできることではない。加えて産地の疲弊、後継者不足は続いており、専門店からのオーダーは遅く、1回あたりの発注量も減るなど、アパレルの開発・生産環境はさらに厳しくなっている。その中でオリジナリティーの追求、メード・イン・ジャパンを存続していくためには、アパレルメーカー、産地企業、小売りの3者が連携、協力する時期を迎えている。(安部裕美)
リスクの高い素材開発
 百貨店や専門店のミセスの売り場でも、リーマンショック以後の低価格一辺倒が収まり、「ちょっと高くてもいい物を」との買い方が戻ってきた。単品カジュアルが定着していることからカジュアルな企画・提案は外せないが、そうした店頭での流れもあり、売り先である百貨店や専門店らしさを強調し、カジュアル専門店やSCとのグレードや価格の違いを素材から追求し、付加価値を上げる動きがミセスのアパレルメーカーに強まっている。
 例えば、ラピーヌは昨年からカシミヤ、ウール、アンゴラ、シルク・綿の中空糸を4種、獣毛用の撥水(はっすい)・防虫・防汚加工、シルクアミノ酸加工の加工2種を数社と共同で開発し、「ラピーヌブランシュ」を皮切りにスーツやコートに使っている。
 エムエフシー(販社はミズワン)の「インプレヴィスト」では、展示会の1年以上前から先染め織物、プリントなどでオリジナル生地を作りこんでいる。「アラミス」ではほとんどがオリジナルプリントだ。トーベルの「ベルサフィーナ」もデザイナーが年2回ほど桐生に赴き、オリジナルのジャカードを作っている。
 ただし、「オリジナル素材を作りたくても、売り場を持っていないと難しい」(木場勝之アビア社長)のが現状だ。素材製造のミニマムロットは以前に比べて小さくなったとはいえ、専門店卸だけでは、受注があるかどうかわからず、在庫リスクが高すぎる。そのため独自の素材開発は、直営店や百貨店インショップなど素材を使い切るだけの販路を持つアパレルにほぼ限られる。糸から作る場合や耐久試験が必要な後加工では、開発から店頭販売までの期間が約1、2年かかるため、資金力もいる。
 加えて現在の多くの専門店は製品の在庫リスクを避けるため、期初のオーダーを減らし、期中に追加を増やす発注傾向にあり、1年以上前から素材を仕込むアパレルにとっては受注が読みにくい。アパレルが計画的な生産・受注生産を徹底しながら、リスクを張って生地を作り、専門店も独自性を求めるのであれば、売り場が期初にまとまった数量を発注するように努めなければならないだろう。
産地の維持、活性化策
 オリジナル素材の開発にあたって懸念されるのが、人材不足と産地の疲弊だ。ワールドの「ビルダジュール」は、差別化された素材こそがブランドの根幹と言い、ほぼ全量オリジナルとインポートの生地で占める。桐生などで作る先染め織物の場合、色柄を考えるだけでなく、最終製品をイメージ、縫製の難易度なども考慮しながら、糸の撚糸回数や織物の打ち込み本数など織物設計からデザイナーが考える。これは、エムエフシーやマツオインターナショナルなど他社でも同様だ。
 さらに、多くの機屋が糸を多種ストックしなくなったため、「経糸は共通で、緯糸を変えることで印象の異なる生地を数種作る」など、限られた材料をやりくりして、独自性を高めることが要求される。アパレルメーカーでは若手、特に40代以下に素材知識のあるデザイナーが減っていると言われ、アパレル各社で人材育成が急務だろう。  いま独自素材を開発しているアパレルも、産地の疲弊や後継者不足から、「作れる場所が減ってきた」「いつまで開発を続けられるか」という声が強まってきた。マツオインターナショナルグループの松尾産業は、後継者不足などから廃業する織布工場、丸栄商事(新潟県見附市)の事業を継承し、匠の夢を設立した。
 丸栄商事は、マツオインターナショナルのコアブランド「慈雨」の主力の織物工場だった。慈雨は素材から個性を表現するブランドで、海外へ販売する上でも独自素材は不可欠だった。内製化は、安定的な生産ラインの確保やデザイナーの意図をダイレクトに反映しやすいなどのメリットも出るが、設備や人的投資、在庫管理など財務リスクも高まる。同グループは今後、同様の事業継承は考えていない。
 内製化以外の産地の維持、活性化策をアパレルメーカーも取り組むべきと考えるが、参考にしたいのがマツオインターナショナル主催の産地商談会だ。日本の物づくりを応援するため同社が旗振り役となり、アパレルメーカーや若手クリエーター、産地企業のそれぞれ25~30社が集まる商談会「匠の会」を過去10回開いてきた。最近は、産地企業10社と自社のデザイナー、マーチャンダイザーを集めた展示商談会に切り替えたが、目的や規模から、中身の濃い場となっている。
 「まだ接点のない機屋は多くある」(トーベル)と産地に興味がありながらも、開拓しきれていないアパレルは多い。できれば匠の会のように、企業の枠を超えたビジネスマッチングの場を開催する意欲的な企業の登場に期待したい。

2011/11/11
【記者の目】 曲がり角に立つ繊維リソースセンター構想 産業支援と収益の挟間で 事業大幅縮小、会社清算も
 88年に策定された新繊維ビジョンに基づき構想された繊維リソースセンター(RC)。自治体や組合、地元大手企業や素材メーカーなどが出資する第三セクター方式で、90年に今治、大阪、石川、91年に浜松、東京、93年に倉敷にそれぞれ設立された。「繊維産業の商品企画力、情報収集、発信力を強化し、繊維産業の各部門の相互交流を促進するための基盤施設」としての機能が期待され、事実、各種展示会や講演会、人材育成事業や情報発信事業などが実施されてきた。しかし、今年に入り大阪繊維リソースセンターが事業規模を大幅に縮小し、浜松ファッションコミュニティセンターが会社清算するなど、RCが転機を迎えている。(三冨裕騎)
激変の時代に対応
 89年、3月22日に開かれた衆議院商工委員会の議事録によると、当時の三塚博通商産業大臣は、「相互にネットワーク化することによって、繊維産業全体の総合的な情報収集発信システムを構築する、こういうことで激変の時代に対応していく」とRC設立の意義を語っている。企業個々では難しい賃加工からの脱却を、グループ化することで可能にしていこうという狙いがあった。
 採算性については、当時の岡松壯三郎通商産業省生活産業局長が「初期投資としてはかなり多大な投資ということになりますので、率直に申しまして短期間で採算性をとるというのはなかなか難しい点もあります。しかし、次第に期間とともに償却負担も逓減していくと考えられますし、また事業の内容が繊維事業者に浸透してくるに伴いまして、利用率の増大、それに伴う事業収入も増加すると見込まれますので、中長期的には採算性は確保できるものになる」との見通しを語っており、当初からやや甘い見通しであったと言わざるを得ない。
 こうした狙いは達成されたのか。海外との競争に立ち向かうために、産地にとっての支援を行うと同時に株式会社としての収益が求められる事業を、第三セクターで実施することは、やはり難しいのだろうか。
 慢性的な赤字が続いていた大阪繊維リソースセンターは、6月に大阪府からの20億円の借入金問題が原因で、大胆な合理化を実施。常勤取締役を3人から1人に減らし、正社員も8人を2人へ削減した。賃貸収入を軸とした再建計画であり、繊維への支援事業は、主に民間企業が受け継ぐ形となった。
 支援事業が、収益をなかなか伴わないことは、前もって分かっていたはずだ。例えば大阪繊維リソースセンターは11年3月期決算で、資本金27億円に対し、営業収益は約3億円。ほかのRCにも言えることだが、資本金を大きくして、金利収入を見込んでいたものの、低金利で目算が狂ったことが、収益を圧迫する一因となった。
 会社清算を実施した浜松ファッションコミュニティセンターは、「一部優良なリーディングカンパニーが、産地を牽引(けんいん)していく構造が、完成段階を迎えつつある」として5月に解散を決定した。
 浜松の場合も財政問題は大きかった。09年3月期に累積損失を解消、10年3月期も黒字を計上したものの、今後の建物の修繕費負担増に加え、繊維産業のイベント、人材研修などの受注が激減。収益の向上は難しいと判断した。土地建物の売却などで出資金の約85%を出資者である自治体や組合、企業に返還した。繊維産業の支援事業については、浜松商工会議所を中心に実施を継続している。
今治などは順調な運営
 そのほかのRCは、現状、単年度で黒字のところが多く、特に今治などは「今治タオル」ブランドの成功もあり、累積赤字を解消するなど順調な運営をしている。
 展示会の実施やJAPANブランドの支援、人材育成など、RCが果たして来た役割は小さくない。
 しかし、海外との競争力が向上したとは言い難く、繊維産業を取り巻く環境は厳しくなるばかりだ。「今後遅かれ早かれ、RCの多くは立ち行かなくなる」との指摘もあり、支援を重視すれば収益性が損なわれ、収益性を重視すれば、支援が出来ないというジレンマに陥る可能性がある。
 RC構想を法的に定めた繊維産業構造改善臨時措置法は99年に廃止、繊維政策は一般施策に統合された。中小事業者の自立化支援を主な目的とした繊維特別対策も03年に開始し、08年度末に廃止となった。経済産業省は10年4月に公表した「今後の繊維・ファッション産業のあり方に関する研究会」報告書の中で、「全ての事業者の生き残りは不可能」と明言。「100%の補助は難しい」とし、事業者への自助努力を要求している。
 全体の底上げを図るような産地支援から、産地内の一企業への支援と色合いが変化するにつれて、産地の中小の機屋、染色加工業などの間には、将来への不安が増しつつある。やる気のある産地の機屋にしてみても、「設備投資はしたいが、果たして償却できるのかが極めて不安」との声もある。しかし、別の見方をすればそれは、いままで過度に政治力を発揮して来たがゆえの甘えに映るかもしれない。
 では、誰が繊維産業に対し責任を持って支援するのか。行政による産地、産業支援は限界に達した感がある。高齢化や、サプライチェーンの崩壊など諸問題は非常に多く、このままでは産地はなくなる恐れがある。支援の必要性の是非も含め、改めて考える必要がある。

2011/11/04
グローバル人材の採用と育成 産能大総研の実態調査から 9割の企業に不足感 今後の育成・投資計画は6割超す
 海外への出店や海外展への参加など、事業のグローバル化が進展している。それに連れてグローバル人材の確保と活用、育成の取り組みが広がっている。しかし、社内の公用語を英語にする企業が話題になるなど、動きはまだ始まったばかりで、グローバル対応の人材育成システムを整えている企業は限られる。そうした貧弱な現状が産業能率大学総合研究所の行った「グローバル人材の育成と活用に関する実態調査」で明らかになった。調査は2月下旬から4月下旬に、従業員300人以上の4300社を対象に行われ、142社の回答結果を速報としてまとめた(年内に企業インタビューを行って最終報告とする予定)。
 現状のグローバルな人材の不足感は極めて強い。日本人の「グローバルリーダー」(グローバルな異動の対象となり、世界各地や本社の経営を担う人材)が「不足」の企業は86・7%、「グローバルマネジャー」(グローバルな異動の対象となり、世界各地でプロジェクト推進等を担う人材)の不足は91・6%で9割を超えた。日本以外の特定の拠点に根ざして経営や職場管理を担う現地人材である「ローカルマネジャー」の不足感も74・7%。
 逆に現状で「充足している」との回答企業はローカルマネジャー16・9%、グローバルリーダー4・8%、グローバルマネジャー3・6%。
 3年後の不足感も、いずれに関してもほぼ同率で減らない予測。むしろグローバルマネジャーが不足すると読む企業は1ポイント多かった。
 外国人の不足感も高い。現状はグローバルリーダー68・8%、グローバルマネジャー72・5%の企業が不足しているとし、3年後もそれぞれ75・9%、83・1%へ増えると予測する。

 採用・登用、育成に悩む企業の姿も浮き彫りになった。
 「高度外国人社員(単なる労働力ではなく、将来の幹部候補や特定の専門性を持った人材)の採用が難しい」との問いに対して「あてはまる」32・1%、「どちらかといえばあてはまる」42・0%で計7割を超えた。「現地人材の幹部への登用が進んでいない」とする企業も約6割(59・0%)で、採用や登用が進んでいない。
 育成の課題は派遣するリーダーから社員の意識やスキル向上、現地スタッフの教育と多面的で内容も幅広いため。
 「海外派遣者の能力不足が顕在化している」との質問のみが「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」が計40・2%で唯一5割を下回ったが、他の質問の「グローバルリーダーの育成が進んでいない」「海外拠点の現地人材の日本への異動が難しい」「海外拠点の現地人材がなかなか育たない」「国内の日本人従業員のグローバル対応能力が不足している」「国内の日本人従業員のグローバル化に対する意識が低い」「日本の職場のグローバル化対応(外国人社員のマネジメントなど)が進んでいない」と答えた企業は6割以上だった。
 「グローバルリーダーの育成」を「日本人のみを対象に候補者を選抜して行っている」のは31・4%と3分の1にとどまり、「実施の予定がない」と応えた企業は14・0%。「今後の実施を検討している」は47・7%あるが、日本人を対象にした育成が主流のようだ。

 人材のグローバル対応で導入が進みつつあるのは「自社の理念・価値観の浸透施策の世界的展開」(「実施」「検討中」合わせて70・9%)、「国内の採用基準への海外で活躍できる要件の盛り込み」(同67・1%)、「評価やキャリア、能力等の情報を蓄積したグローバル人材データベースの構築」(55・3%)が主流だ。
 海外派遣者に求める能力=グラフ2=では、「コミュニケーション力」(72・2%)「異文化適応力」(69・6%)「英語力」(68・4%)が3大能力。英語は「不足している能力」の1位で、以下は「英語以外の語学力」「赴任先の歴史・文化・社会に関する知識」「財務・会計に関する知識・スキル」の順だ。
 ともあれ今後海外派遣者への教育投資を増加すると回答した企業は6割を超えた。海外派遣者の予備軍教育にも5割が「実施」し、「実施検討中」を含めると7割に達する。海外に挑戦する条件は広がる。

2011/11/02
三越伊勢丹 2月に総営業時間短縮 顧客サービス売り上げ検証 接客強化+人材確保
 三越伊勢丹ホールディングスは伊勢丹新宿本店の営業時間を短縮するとともに、定休日を同店を含む首都圏9店で増やす。いずれも12年2月に限って実施する。時間短縮を百貨店の強みである顧客への接客体制の強化に結び付けるのが狙い。売り上げ、販売サービスへの影響を検証しながら、総営業時間の短縮に向けた一歩を踏み出す。
 新宿本店は開店を30分繰り下げ、閉店を30分繰り上げることで、営業時間を1時間短くする。それに合わせて従業員の勤務体系を原則、一本化する。早・遅番の交代シフトをなくすことで、社員間のコミュニケーション不足、取引先派遣販売員の確保難を解消する環境を整える。
定休日広げる
 定休日は8月に復活させた新宿本店、三越日本橋本店、銀座店の3店のほか、首都圏の全支店に拡大する。伊勢丹は火曜日、三越は月曜日(千葉店を除く)を1日ずつ休業する。
 8月の新宿本店の売り上げは、同年同月比12億円の減少となった。これは、平日売り上げの4日分となる。一方で、社員の出勤率の上昇で顧客への接客時間が増え、販売サービスが強化されたことによる増収効果や経費削減のプラス効果が大きかった。実際に休業日を増やしても「事前告知などの徹底で顧客に対する大きな混乱がなかった」(同店)という。
社内に一体感
 3月から閉店時間を30分早めて営業時間を短縮した地方百貨店では「社内のコミュニケーションや一体感が生まれた」という。売り上げへの影響はほとんどなく、同じメンバーが始業から終業まで働くことでモチベーションの向上に結び付いている。
 百貨店各社は90年代以降、SCや駅ビルとの競合激化で、営業時間の拡大、休業日の削減を一気に進めてきた。しかし、総営業時間の拡大が必ずしも売り上げ増につながっていない。固定客に対する販売スタッフの不在によるサービス体制の弱体化、従業員の労働時間の長時間化、取引先派遣販売員のシフト編成の困難など悪影響が表面化していた。
 取引先のアパレルメーカーは「時間短縮は大きな課題だ。人材を確保するためにも、休業日を増やすことと営業時間を短縮することが必要」と話している。

2011/11/02
デニム通じ人材育成 倉敷で日仏の学生が交流ショー
 フランスと日本の学生が交流する合同ファッションショー「デニム航海路2011・ニームから倉敷へ」(主催=デニム航海路実行委員会)が10月29日、岡山県倉敷市で開かれた。日仏8校の学生が、17世紀の日本とフランスをテーマにデニムで作った約50作品で、倉敷川沿いを華やかに彩った。
 このプロジェクトは、デニム発祥の地とされる仏ニームと、日本産ジーンズ発祥の地である倉敷児島が協力し、国際交流や人材育成を推進し、繊維をはじめとした産業振興を目指すもの。日本からは倉敷ファッションカレッジ、中国デザイン専門学校、倉敷市立短期大学、大阪ファッションデザイン専門学校の学生が参加した。
 6月にパリ・ボージュ広場、7月にポルトガル・カステロブランコで開催した。同実行委員会会長の眞鍋寿男ジャパンブルーグループ社長は「倉敷児島はこの5年間で世界的な産地になり“デニムバレー”と呼ばれるようになった。ニームと交流して学ぶことで、次の時代を作る若い世代にがんばって欲しい」と話した。来年も継続していく考えだ。

2011/11/01
〈トップに聞く〉 ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション学長 フランシス・コーナーさん 多角的教育で人材輩出 産学連携でリアルに学ぶ
 世界最大規模の芸術総合大学で、六つの単科大学から成るロンドン芸術大学の一つ、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(LCF)。学生の半数近くが留学生で、ビジネス構造全体からファッションを多角的に教える教育内容は、国際的にも高い評価を得ている。

 少子化の進む日本では入学者の確保に悩むファッション系の学校も多いと聞くが、英国ではファッションは人気学科。当校は国内唯一のファッション専門カレッジで、加えて世界中から学生が集まってくるので、入学者減少の問題は全くない。在校生約5000人のうち45%が留学生で、欧州からが3分の1、最も多い中国ほか台湾、香港などアジアからの留学も目立つ。
 とはいえファッションを学び、基礎から専門課程へ進んでいくための学費は安くない。学生を集めるには水準の高い教育を行い続けることが最も重要だ。もう一つ大切なのは、FB(ファッションビジネス)が経営やVMDほか色々な仕事から成り立っていることを学生に知らせること。常に生まれてくる新しい分野に対応し、MDやメークなど多くの新しいコースも設け、FBの構造全体がつかめ、クリエーション以外にも目が向くように心がけている。
 営業職採用が減るなど不景気の影響はあっても、卒業生の8割がFB関連に就職する。国内やロンドンの大学平均より就職率は高い。専門技術以外にも、顧客ニーズやFB産業で求められる広い知識の教育に努めた成果だ。
 卒業後は欧州各国やトルコ、中国と世界中に巣立っていくのもLCFの特徴。広く活動の場を求められるように、学校としても世界各地との関係作りに力を入れている。企業に入ったり進学したり、教職に就くなど各国に散った卒業生と関係を保ち、組織している点も強みだ。

 産学協同事業には50年ほど前から取り組み、ジョン・ルイスとは研修や商品開発などで長い付き合いだ。現在もイエーガーやザ・ボディショップ、アディダス、ソニーほか多くの世界的な企業とプロジェクトを進め、あるスポーツブランドとはロンドン五輪のユニフォームを開発中だ。
 学生にも現実の仕事に触れ、FBの仕事はデザインや好きなことだけで成立しないとリアルに知ってもらうことが狙いだ。企業も学生の斬新な発想が得られ、学校はFB業界や時代の最新の流れを知って教育内容に反映させることができる。
 学校同士の連携も大切だ。アジアのファッション先進国、日本からの留学生は以前から多く、文化学園と単位認定や教員交換、研究交流をしたり、ヒコ・みづのジュエリーカレッジとも学学連携の企画を検討している。

2011/11/01
文化服装学院 業界人が就職相談乗ります
 文化服装学院は低下する学生の“就活”率の向上を目指して、現役の業界人を招いた半日就職相談室を定期的に開く。
 就職相談室はキャリア支援室が開設しており、外部相談員が担当するのは毎週水曜日の午後。期間は来月初めの文化祭終了後から来年3月まで。外部相談員は30歳前後の卒業生5人ほどに依頼し、予定表を掲示して予約制で相談に応じる。特別授業以外で学外から現役の業界人を迎えるのは初めて。
 超氷河期の就職戦線を前に、なかなか就職活動を始めない学生も増えている。同学院では夏休み前までに求人のあった企業への紹介状を申請した学生は7割にとどまり、早期活動者は数年前から減少傾向だという。
 格好いい職種や好きなテイストなど就職先の選択肢が狭いことも、就職率と就活率の低下の一因と同支援室はみる。「著名人の成功談ではなく、年齢の近い先輩からのリアルな話が仕事の面白さだけでなく、人としての在り方や社会常識を教わる、等身大の就職指導になる」と半日相談室に期待する。

2011/11/01
【情報プラザ・セミナー】
◆「海外バイヤーが語る販路開拓のヒント」(2、3日/東京ビッグサイト) インテリアライフスタイルリビング展内で、ジェトロ(日本貿易振興機構)が開く。「海外バイヤーが語る海外市場販路開拓のヒント」と題し、2日は中国バイヤー、3日は欧米中東バイヤーが講師を務める。両日とも午後4時から。入場無料。要予約。問い合わせはジェトロ生活文化産業部デザイン産業課、(電話)03・3582・5015。
◆第3回「IFI 次世代ファッション・マーケティング研究会」(10日/IFIビジネス・スクール=東京都墨田区横網1の6の1) ファッション産業人材育成機構が主催する、市場環境の変化を踏まえて新しいビジネス手法を探る連続講座。今回はMIGプロジェクト代表でフォトグラファーの田口まき氏が「スーパーフラット時代がやってきた!パートⅡ~クールジャパンの次に来るもの」をテーマに話す。午後6時30分~8時。会費5000円。問い合わせは(電話)03・5610・5705。
◆第4回「IFIネット・ビジネス研究会」(21日/IFIビジネス・スクール=東京都墨田区横網1の6の1) ファッション産業人材育成機構による連続セミナー。講師はシンクエージェント取締役兼CMOの樋口進氏。テーマは「ファッションビジネスにおけるEコマース戦略」。午後6時30分~8時。定員30人。会費5000円。問い合わせは(電話)03・5610・5705。
◆日本小売業協会の未来戦略セミナー(22日/東京商工会議所ビル7階=東京都千代田区丸の内3の2の2) 小売り・流通業の企業力向上をテーマに、人材育成、物流機能、IT(情報技術)の3部構成で、大川恵之輔元伊勢丹専務執行役員、和佐見勝丸和運輸機関社長、藤野直明野村総合研究所ビジネスイノベーション事業部長が講演する。午後1時30分~5時。受講料は会員5000円(税込み)、一般6000円。問い合わせは(電話)03・3283・7920。