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「繊研新聞」掲載記事から就職・採用関連記事の一部を掲載します。文頭の日付は掲載日です。

【2007年01月】

2007/01/22
ビジネス直結の色彩教育・検定 人材支援のsora 色見本のパントン・ジャパンと連携 マーケティングも同時に学ぶ
 人材育成や採用などの支援事業を行うsora(ソラ、神戸、角本紗織代表)は07年春から、大手の色見本会社であるパントン・ジャパンと組み、色彩の教育・検定事業を始める。色の見え方や見せ方の知識とビジネスに活用するスキルを育成する講座と検定試験「トーコル」を実施し、技能認定する。「ファッション業界の人材育成にも役立つ」とし、資格の取得だけでなく、ファッション企業の研修や服飾学校での教材としても普及させたい考えだ。
 「さまざまな業種の人材支援を行う中で、色彩に関する知識の重要性を改めて実感した」と角本代表。分野、職種が違っても「高齢者にも見やすい色の使い方や、他国でも理解されるカラーなど、色に関する基礎的な知識が必要」で、「デジタル化が進んでもデータ上では色と完成形のミスマッチは防げない」と痛感したのが新事業立ち上げの背景だ。
 トーコルでは、色と光の関係から、どんな画面や場所で、どのように発色し、どう見えるかという知識を重点にする。配色重視の既存の色彩検定とは異なる。専門家の監修のもと、パントンの色見本を使ったテキストを作成し、講座と検定試験を実施する。
 講座はベーシック、エキスパート、マスターの3コースから成る。基礎的な知識から次のエキスパートコースでは色に関するコミュニケーションなどを学び、マスターでは色の知識を生かしたマーケティングやプレゼンテーションなど、ビジネスの実践的なスキルを教える。うちベーシックコースはインターネットでも学習、受験が可能で、幅広く受講者を募る。各過程ごとに試験して資格を認定する。
 受講者は初年度1万人、5年後20万人を計画し、当面は就職内定者や新入社員の研修、学校教育の一環として裾野を広げていく考えだ。ファッションや飲食関連企業の人材育成も見込み、「売り場の内装の色や照明、魅力的に見える発色効果を計算した陳列などで、店頭と購入後で商品の色が微妙に違うなどのトラブルを減らすことができる」と強調する。色見本を毎シーズン提供するパントン・ジャパンは「教育は事業目標の一つ。受講者獲得にも、協力していく」とする。
 受験料は9800~12万5000円。

2007/01/19
【SC特集】 白熱ロールプレ 接客力向上に認識高まる
 日本ショッピングセンター協会はSC業界の発展と成長をテーマに、SC内で働くテナント従業員の接客技術向上をめざして95年から毎年「SC接客ロールプレイングコンテスト」を実施している。今回で12回目を数える。全国8地区に分けて昨年9月から予選会を開催し、25人が25日の本選に臨む。専門店やSCで「究極の差別化は接客力」という認識が高まっており、本コンテストが専門店やディベロッパーに大きな注目の的になっている。
25人が力競う  今年のコンテストのテーマはお客様の心に振れる接客――顧客満足から顧客感動へ――」。SC全国大会の最終日(25日)に本選が実施され、25人がファッション・物販部門と食品・飲食・サービス部門に分かれて接客技術を競う。  今年はファッション・物販部門のお客役の俳優は昨年まで2人だったが、1人になり、接客時間が10分(前回は6分)とじっくり接客できる時間を設けたのが特徴。接客力がより試されることにもなった。食品・飲食・サービスは前回と同じ2人連れのお客を相手にする。業界内外の有識者が審査し、お客に満足と感動を与える接客かどうかをポイントに「好感度」「コミュニケーション力」「販売力」の3項目で審査する。  前回大賞を受賞した丸ビルの「ブリーズ・オブ・トウキョウ」の横堀玲那さんは「一期一会を大切に感謝の気持ちを忘れずに笑顔で接することが大切」と話し、コンテストの経験を生かして日々精進している。参加者の多くがコンテストを機にもう一段上をめざした接客力の向上に努めている。
高いレベル  本選出場をめざして、テナント企業やSC単位で選抜会を独自に開催するケースが増えており、盛り上がりを見せているのが特徴だ。専門店(テナント)の売り場では「人不足」「人材難」などと言われ、要員確保の厳しい環境に人員配置や接客力向上に悩まされているのが現実。  そうした中で「限られた要員でも最大限の接客力を発揮して顧客を獲得する」と、接客力を高めるムードが一気に高まっている。年々、競技者や見学者が増え、参加者の応援団が盛んに声援を送るなど内容の濃い、レベルの高いコンテストになっている。  「十分な商品知識を持つスタッフがブランド価値を確実にお客に伝えることができなければ生き残れない」というディベロッパーもいて、売り場スタッフの接客力を高めることに、テナントオーナーとディベロッパーが一緒になっててこ入れするケースも珍しくなくなっている

2007/01/19
【SC特集】 接客・人財 ルミネのCS診断 客との共感性高めて信頼関係作る努力を 商品の魅力伝える
 多くの小売業が人材を「人財」としての認識を高めている。少子高齢化社会や商業施設や小売業間の競争激化を乗り切るには「人材育成」を重要なテーマに掲げ、本格的な取り組みを始めた。SC業界でもディベロッパーとテナントがともにCS(顧客満足)推進の一環として接客力向上に真剣になっている。日本ショッピングセンター協会は「全国大会」の最終日に「SC接客ロールプレイングコンテスト」を実施しており、これに向けてSC単位で独自にコンテストを行う傾向が強まっている。専門店でもコンテスト参加のいかんにかかわらず全店舗を対象にした接客ロールプレイングを実施するところが増えた。SCの生き残り戦略の要を握る人材育成を探る。
●高得点
 ルミネは接客力の向上をめざして全テナント(1400店)を対象に、05年から独自の接客ロールプレイングコンテスト「ザ・ルミネスト」を開催し、優秀なスタッフを選出・評価している。加えて毎年、全ショップを対象に専門家によるCS診断「専門家診断」を行い、より高いCSの発揮と接客力の強化を図っている。
 06年度は9月から10月の2カ月間実施。今回は昨年策定した「ルミネ理念」の具現化に向けて「お客様の購買心理に沿った接客スタイル」を基準に診断項目を変更して精度を高めた。
 その結果、笑顔、マナー、環境などのベーシック項目に関しては5点満点のところ「4・5」と高得点。一方、「商品説明」などの専門技術に関しては平均「3・4」と改善点が明らかになった。
●完璧
 全体の傾向は、CS向上に向けて継続的に取り組んできた「店作り」「クリンリネス」「身だしなみ・バッジ」など店舗環境に関する項目は高得点で高い診断結果が出た。花崎淑夫社長は「この間のCS推進活動の効果からベーシックに関することはほぼ完全にできるようになった」と評価する。
 今回から新たな診断項目に設定した接客・販売の専門的な技術については低い結果になった。中でもアプローチ(待機・声掛け)と客のニーズチェック、商品説明が低い。ただ、すべての接客スタッフに求められる共感的なコミュニケーション力に関しては聞き方、話し方とも比較的高い評価を得た。笑顔やあいさつは食品店や物販店は高く、飲食店、セルフ店が低いという業種による評価の格差が目立った。
●強み
 ファッションなどの物販店の接客の強みは、「身だしなみ・バッジ」は5点満点が全体の79・4%。4点以上は96・6%と高い水準だった。ファッションショップはショップの個性に合った服装で接客しているのが好感度を持たれた。「店作り」は5点満点が全体の73・6%、4点以上が96・3%。商品整理が行き届き、客が見やすく選びやすい陳列が目立ち、鮮度の高い売り場作りが評価されている。「クリンリネス」は5点満点が78・3%。4点以上が97・8%。
●弱み
 一方、物販店の接客の弱みは「ニーズチェック」が5点満点中、2点以下のショップが全体の33・1%を占めた。客に要望や好みを質問していない傾向がくっきり出た。質問してもタイミングが悪かったり、客が答えやすい質問をしていないスタッフが多い。比較品や関連商品と関連付けてニーズを探る質問や、客から聞いたニーズを踏まえて商品を絞り込むための次の質問をしているスタッフは全体の6・3%しかいなかった。一方的な小品説明に終始し、ニーズ確認の質問をしないまま、客のニーズと異なる「ショップが売りたい商品」や「今売れている商品」を薦めている接客が全店舗共通の課題になっている。
 また「アプローチ」は2点以下のショップが22・0%で、動的待機ができていないことや客から声を掛けられてから接客するという受身の姿勢が目立った。アプローチも一般的な接客トークのため、客の興味を引き、接客のきっかけを作れない場合が多数あった。「商品説明」では2点以下が7・8%。何らかの商品説明を行っているが、商品の特徴や魅力をわかりやすい表現で伝えることができるスタッフはまだ多くない。豊富な商品知識を背景にお客様が納得する商品説明や情報提供、コーディネート提案ができる、客にとってのメリットを伝えながら商品を提案できるレベルの接客はまだ少ない。
●改善策
 改善ポイントは「ニーズチェック」は、ニーズを聞くことと質問することで客は答えやすくなる。商品を紹介したら、次に好み、こだわりを聞くようにすると無理なくニーズを確認することができる。客の答えを聞いたら客と共感することで接客力が向上する。「アプローチ」は客に視線を向け、客が何に興味を持っているのかを観察して、興味を持った商品を紹介する気持ちがアプローチをすることで好印象になる。
 「商品説明」は、客との共感性を高め、信頼関係を作ること、商品の魅力が伝えられるトークをトレーニングすることが重要だ。

2007/01/17
服飾系専門学校 相次ぎカリキュラム改革 産学協同ベースに学生確保・人材育成 産業の魅力・活性化と結び
 少子化による大学全入時代が服飾系専門学校を直撃している。ファッションビジネス(FB)志向の学生の減少も続くダブルパンチの中、「(人材の)量の減少が今後も続けば質の維持も難しくなる」(仁野覚エスモード・ジャポン代表)という声も出始め、各校は産学協同をベースに学生を確保、人材育成に取り組む。
溝を埋める
 文化服装学院は、07年度から新設するファッション高度専門士科に続き、08年度からビジネス系のファッション流通専門課程を刷新する。「業界の求人ニーズはビジネス系人材中心だが、学生はクリエーター志望が多い。この溝を埋めるため、ビジネス系の学生のモチベーションを大幅に引き上げる内容にする」(川合直教務部長)。この一環として、ワールドから提案を受けていたストアマネジメント専攻も08年度の3年次から導入する。
 ワールド側は3年間一貫教育のプログラムを打診していたが、文化服装学院は「自分の適性の見極めは学生生活の中で徐々に固まるもの」とし、用意されたカリキュラムの1年間への圧縮や企画・技術系学科を含む全学生から受講者を募るなどの意向を伝え、昨年12月上旬に同社と合意した。教育機関としての自立性にこだわる姿勢は、産学協同のすべてで貫くとしている。
 モード学園は、服飾・IT(情報技術)・医療福祉、3系統の学校を統括する大規模新校舎の建設が大詰めを迎える。東京は08年10月、名古屋は同年2月に完成の予定だ。経営目標の「3領域の教育事業の統合、充実」(青木稔法人本部学務室室長)をここで実現する考え。現在、相互乗り入れ可能な授業を調査中で、07年度から一部で実験も始める。
 具体的には、(1)服飾×医療福祉=福祉住環境コーディネーター育成カリキュラム、(2)服飾×IT×医療福祉プラスユニバーサルファッション協会=ユニバーサルデザインカリキュラムの方向で進める。
 このほか、就職活動を保障するため長期インターンシップ(就業体験)を2期制に移行、企業ニーズを授業に直接取り入れた産学協同型授業の拡充など、カリキュラム全般を大きく組み直す。
学校信頼を
 エスモード・ジャポンは「100%に近い専門職への就職実績」を強みに、クリエーター志望の学生募集に注力する。大卒、専門学校卒、社会人向けの訴求が重点という。「企業はもっと学校や学生を信頼して各種のリサーチや商品開発、ブランド開発の依頼をしてもいい」(仁野代表)という発想で、企業や団体へのアプローチを本格化する。
 ファッション産業人材育成機構(IFI)ビジネス・スクールと協業で行っている期間限定のショップ実習(ルミネ新宿)で、「サマンサタバサ」の限定商品を開発した経験を生かし、「企業にもメリットが感じられる継続性のある協同を広げたい」としている。
 学校と多様な業界の協同が「ファッションに内在する魅力を広げ、業界を活性化する」という考えから異業種も対象にする。フランス・リヨン校で実施した人気ゲームソフト主人公の衣装デザインなどの事例を参考にする。
 杉野学園は、「財務の健全化の達成」(中村賢二郎理事長)を受け、大学と専門学校で第2段階の改革に入る。杉野服飾大学・同短大は立体裁断授業の強化が柱、短大は昨年はじめた長期履修生制度で社会人入学増を期待する。ここ数年、入学者減が続いていたドレスメーカー学院は、ワールドと組んだストアマネジメントコースと、高度アパレル専門科を軸に反転をめざす。「08年度から入学者数増に転じたい」(中村理事長)としている。

2007/01/15
織維ファッション産学協議会 次代のクリエーター育成 産学ビジョン実行の年 インターンシップ 07年度中に実証実験
 繊維ファッション産学協議会(中瀬雅通理事長)が06年7月に発表した「産学ビジョン・産学連携で育むファッションクリエーション」の具体化が始まる。同ビジョンは「ファッション産業の生命線はクリエーション」とし、この分野の人材育成を産学協に参加する10団体に呼びかけたもので、昨年秋以降、事務局が中心になり推進体制を検討していた。
 ビジョンが掲げる四つのプロジェクトのうち「若手へのサポート体制」を除く三つで主幹事団体が決まった。「インターンシップ」(就業体験)は、日本アパレル産業協会と日本ファッション教育振興協会、「繊維産地とのコラボレーション」はジャパン・クリエーション実行委員会と日本ファッション教育振興協会、「デザインラボラトリー」はファッション産業人材育成機構(IFI)がプロジェクトの推進に責任を持つ。今後、各団体の07年度事業計画へ反映するため、それぞれのテーマの活動内容とスケジュールを策定する。
 このうち、インターンシップは、日本アパレル産業協会が19日に開く人材育成委員会人事小委員会で産業側の基本プランを組み立て、日本ファッション教育振興協会側に提起する。4月以降、両者が随時合同会議を行いながら、07年度中に実証実験に入る。成果と問題点を検証した上で広範な企業と学校が参加できるプログラムを08年度からスタートさせる予定だ。  一方、若手へのサポート体制は「構想をきちんと練る段階」(産学協事務局)とし、主幹事団体決定は先送りされた。「各種コンテスト入賞者を対象にプロ野球のドラフト制のような仕組みを作ってはどうか」「基金を設け財政支援を確立したい」「有力小売店に新人チャレンジコーナーを」など、多彩な意見が出ているものの、団体ごとに思惑が微妙に異なり、業界を挙げての取り組みとしては整理が必要とされた。また、産学協に参加していない東京ファッションデザイナー協議会(CFD)との連携に向けた話し合いもテーマの性格上、懸案事項だ。CFDとこの課題をどう共有するか。JFW(東京発日本ファッション・ウィーク)の活用も視野に、産学協の枠を超えた調整が必要になっている。

 繊維ファッション産学協議会の参加団体は、日本アパレル産業協会、日本ボディファッション協会、日本織物中央卸商業組合連合会、日本百貨店協会、日本専門店協会、日本衣料管理協会、日本ファッション教育振興協会、ファッション産業人材育成機構、ファッションビジネス学会、ジャパン・クリエーション実行委員会。

2007/01/12
ワールド 店長育成で4校と協同 服飾系専門校 3年間一貫教育で
 ワールドは、07年度から服飾系専門学校4校に販売系人材養成コースを開設する。提携する各校はカリキュラムをほぼ固め、第1期生の募集に懸命だ。軌道に乗れば、販売系人材の確保・育成と学生集めなど、互いの直面する課題の打開につながる。
 この協同は、本人が希望しない場合を除き、ワールドの店舗への就職を特徴にしており、各校には同社の店長候補教育と同等の実践的なカリキュラムが組み立てられる。ワールドは独自の奨学金制度も設け、販売のプロをめざす学生を支援する。  こうした専門学校の教育と就職、販売のプロへの成長を直結させた3年間一貫教育のシステムは例がない。企業と学校、両者の課題に大きく踏み込んだ産学協同だ。
 「ワールドと取り組む全国4校の基本モデル」と位置づける上田安子服飾専門学校(大阪)ファッションビジネスストアマネージメント学科の場合、1年次から週3日、各3時間程度の店頭実習があり、そのための基礎教育が施される。2年次からワールド(ワールドビジネスブレイン)から講師派遣を受け、3年次には店頭実習が週4日に増え、授業のほとんどもワールドが提供する内容になる。
 それだけに学生生活の自由度が狭まる、敷居が高いと感じる高校生も少なくないようだ。「従来のファッションビジネス学科の方を選ぶ高校生もいる」(同校)。しかし、現在、ストアマネージメント学科への入学が内定している10人は「目的意識が明確で向上心のある人ばかり」という。
 杉野学園ドレスメーカー学院(東京)は、1年前にワールドから「ワールドストアマネジメントについて」(仮称)という企画提案を受け、秋に同社と有効期限を10年4月1日までとする基本契約を締結、ファッションビジネス科にストアマネジメントコースを新設することにした。二宮柊子学院長は「長期インターンシップ(就業体験)は海外では珍しくない。挑戦する価値はある」と語る。ワールドのライバル企業への就職の障害にならないか、他社との産学協同は可能か、などの懸念もあるが、「リスクが大きい分、私たちの力になる要素も大きい」(二宮学院長)とする。ファッションビジネス科の通常コースへの刺激も期待する。「最大手の企業とがっちり組めば、教員の意識も切り替わる」
 マロニエファッションデザイン専門学校(大阪)は、ファッションビジネス学科ストアマネージメント専攻という形で立ち上げる。目下、学生募集中だが、学生時代から積極的に実社会を体験したい層から手応えを得ている。男子が多いという。中京圏では、名古屋ファッション専門学校にも同様のコースが設けられる。4校とも入学者目標は30人。
 ワールドは、これらの学校でワールドストアパートナーズの販売員研修実施も検討中だ。

2007/01/09
 地域の支援人材不足
 ◇…政府が決定した07年度の繊維関連予算案は業種横断的な新規施策として「地域資源活用売れる商品づくり支援事業」に41億3000万円の内数や同継続施策のJAPANブランド育成支援事業に13億1000万円の内数(前年度10億1000万円)を確保した。両施策は中小繊維製造事業者が行う販路開拓が目的。
 ◇…昨秋、地域中小企業政策の在り方を論議した中小企業政策審議会ではさまざまな課題が明らかになった。その一つは、販路開拓を支援するコーディネーターやクリエーターなどの人材が大都市に偏在し、各地域で不足している実態である。
 ◇…「中央から呼ぶと高コストになる。一緒に売りに行ってくれるコーディネーターが欲しい」との意見も地域の委員から出た。一方で昨秋の中小機構「自立事業を考えるシンポジウム」では、教訓として“外部人材に丸投げしない”重要性が指摘された。支援人材の育成は必要だが、人任せにしないことも重要。(亀)

2007/01/09
〈フォーカス人材〉 ゼイヴェルグループのルミネクス 携帯求人サイトで新サービス 職場の知りたいコトを聞きます 「JOBきく」 販売員専門の紹介事業も
 アルバイト・正社員の携帯求人サイトを運営するルミネクス(東京、平間理一郎社長)は、「ガールズウーマン」(http://g-w.st/)内での新サービス「JOBきく」と、ファッション販売員に特化した人材紹介事業の二つのサービスを開始した。どちらも求人に悩む企業に対し、取りこぼしと採用後のミスマッチを防ぐのが狙い。
 JOBきくは、ガールズウーマンサイトの求人案件について、求職者が応募前に確認したい問い合わせを代行したり、他の人物が問い合わせた質問と答えを閲覧できるようにするサービス。求職者は自分では聞けないような職場環境、福利厚生、上司や仲間のことなど細かい内容まで問い合わせできる。企業側にとっては職場環境を理解した求職者が応募する確立が高くなるメリットがある。採用後のミスマッチを防止するとともに、知名度が優先しがちな応募数も改善されるとみている。
 サービスは無料。12月27日から、登録している全企業の案件でスタートした。
 人材紹介事業は4日から開始。ガールズウーマンのユーザーアクセスの多さや、会社やブランドの特性を把握している実績を生かし、ルミネクスが企業に見合った求職者を紹介してミスマッチをなくす。求人サイトとは違い、非公開で採用活動を進められる。
 料金は成果報酬で、採用決定者が経験者の場合は想定年収の30%、未経験者は一律40万円となっている。入社後3カ月以内で退社した場合には、一定の料金が返金される仕組みだ。
 同社は「ガールズウォーカー」を運営するゼイヴェルの関連会社。同サイトで人気のショップ、ブランドなどファッション関連の求人募集が8割を占める。昨年4月、事前に求人情報を告知することで希望者を募る新サービス「JOBくる」の提供を開始し、230ブランド、9000の案件を掲載している。ユーザーは20代女性中心。

2007/01/05
【学ぶ・育てる】 日本で学び活躍したい アジア圏から留学ニーズ高まる 日本企業の採用視野にも広がり
 日本のファッションスクール業界でアジアからの留学生ニーズが高まっている。少子化が進む中、有望な人材の獲得・育成を活発化したい各学校にとっては、一つのチャンスでもある。日本企業側にも「優秀な留学生を採用したい」という意向は強まりつつある様子だ。現状をリポートした。
5年で3倍に
 留学生の受け入れが大きく進んでいるのが文化服装学院。学生数はこの5年間で大きく広がり、06年度の留学生数は約360人になっている。中でも伸び率が大きいのが韓国と中国。同年度の国別学生数は韓国が230人以上、中国40人以上で、それぞれ約3倍増えた。台湾は50人前後で横ばい傾向が続いている。
 同校はソウルで毎年春にファッションショーを開き、独自にアピールし続けている。またアジアに提携校があるため、現地で知名度がある。中国は北京服装大学と提携していたり、上海に4年生の学科「東華大学―日本文化服装学院」や、連鎖(提携)校の上海装苑文化服装学院がある。今年は広州大学とも提携した。昨年6月にはタイでも連鎖校を学生数30人でスタート。タイからの留学希望者も増え始めている。
 大阪文化服装学院は、9月にソウルとプサンで、日本の専門学校と大学、日本語学校合わせて121校で開かれた合同学校説明会に初参加し、予想以上のニーズを実感した。ソウル会場では50人以上の学生がブースを訪れ、「日本でファッションを学び就職したい」と話す姿が目立った。

 同校には毎年1人のペースで中国から留学生が入学している。今後は目的意識が高く、有望な学生であることを前提に、「中長期的には年間10人をメドに受け入れることができれば」と考えている。
 上田安子服飾専門学校は現在、韓国や中国、台湾からの留学生が若干いる。最近の留学生数はコンスタントに増えてはいないが、卒業まで熱心に学ぶ、目的意識の高い留学生が目立つという。
引っ張りだこ?
 留学生の卒業後の就職進路だが、各校ともこれまでは、帰国してから就職活動する学生が多かった。しかし、文化服装学院によると、「かつてはビザ等の関係で日系企業が積極採用できないこともあったが、今は日本企業が優秀な人材採用に前向きになり、定着してきた」と言う。
 韓国人留学生は帰国して就職するケースがまだ多いが、留学生全体ではこの3年ほど毎年15人前後が日本企業に就職し続けている。給与待遇も日本人と同等で扱われることが増えた。就職後も離職せず、有力企業で活躍している人材がいるという。「最近は中国人留学生が引っ張りだこの面もある。今年度も日本で就職する人数は確実に増えそう」と近況を語る。
 留学生が日本で就職するケースが増えていることを背景に、同校は今後も留学生を現在ぐらいのペースで増やしていく考えだ。06年度からは上海装苑文化服装学院を卒業後、同校へ留学する学生も加わり始めた。中国でも今後、大学との姉妹提携や直接進出などで連鎖校を増やしていく考えがある。

2007/01/01
【伝える】 もの作りの現場を選ぶ若者たち
 もの作りを仕事に選ぶ若者が増えている。日本国内の繊維産業は、他の製造業の例に漏れず、空洞化が進み、将来の見通しは決して明るいとは言えない。仕事の内容も地味で単調だし、楽なものでもない。むしろきつい。消費者は華やかにショーウインドーを飾る商品に目を奪われるが、それを作る過程にまで心を配ることはまれだ。それでもあえてもの作りの現場に飛び込む若い世代がいる。世代を越え、人から人へ伝わり、受け継がれていく技術やノウハウ。新しい血を注がれた現場では、うつむいて作業をするのではなく、顔を上げてファッションの最先端を見据え、身に付けた力を生かし、今までにはなかった日本のもの作りの価値を生み出そうとする姿勢が少しずつだが、見え始めている。

近藤 素材からデザイン支えたい
 近藤は愛知県一宮市の意匠糸メーカーだ。“ウールの尾州”の一翼を担い、ニット用のファンシーヤーンの国内最大手でもある。この会社が06年4月、久しぶりに新入社員として迎えたのが藤枝大裕さん。埼玉県出身の22歳だ。
 「友達には、よく行くよねぇ…って言われましたが」。苦笑する藤枝さんは文化服装学院のニットデザイン科を卒業した。デザイナー志望が当たり前の中の変り種だが、「素材から作ってみたい」と一宮にやって来た。学生時代、よく分からなかった物の一つに素材があったからだ。分からないだけに興味があり、分かるようになれば、強みになる気もしていた。
 配属は企画部。さまざまな原料をもとに、ファンシーヤーンを作り、糸の染めの指示を出すだけでなく、編み地や二次製品のデザインまでをこなす技術が必要だ。その基礎を身につけるため、「何でもやる」日々。とにかく、いろいろな原料や糸に触れる中で、ウールやシルク、多彩な化合繊と、それぞれの素材の微妙な重さや風合いの違いを実感している。入社前には、そんな差があることすら知らなかったが、「引き出しが増えていくことが楽しい」。
 「地元の人は繊維に来ない時代」。岩原出専務は尾州産地をはじめとする繊維業界の疲弊ぶりを実感する一人だ。同時に、もの作りが軽視される傾向に危機感がある。「ただ、そこにある物で間に合わせるような、これまでの手法では限界」との見方だ。これからは、世界のファッションの動きや素材の流れをつかみ、一貫した技術的な裏づけを持って提案できる人材が欠かせないはずだ。「そんな人材なら、業界の財産にもなるだろう。できれば、育てていきたい」。藤枝さんの採用の裏には、そんな思いがあった。
 藤枝さんも、「この選択は間違っていない」と意を強くし始めた。社内の先輩だけでなく、紡績や染色の技術陣も、初めて会った日から「何でも教えてやる」と言ってくれる。素材や機械などの特性と同時に、技術的な限界も学びながら、それを新たなニット作りに生かせる感覚がある。デザイナーのしたいことや得意なことをくんで、「しっかりともの作りを手伝える」サポーターになりたいと考えている。

ウエルズ 指示待ちでなく柔軟に
 ジーンズ加工のウエルズ(岡山市)で、入社2年の藤森康普さん(22歳)が担当するのは洗いをかける前の生ジーンズに手を加える「前工程」といわれる作業。やすりで擦ってヒゲをつけたり、ポケット口や裾などを削ってダメージを出すといった、見た目の仕上がりを左右する重要な工程だ。
 そのチームを束ね、藤森さんを指導するのは入社5年の山下順一さん(24歳)。キャリア数十年のベテランが新人を育てるといった職人のイメージとはかけ離れているが、これも20代のスタッフ中心に創業わずかで成長してきたウエルズの特性だ。
 ジーンズ加工は単に経験を積めば通用するというものではなく、その時々のトレンドに応じた新しい加工法や表現が求められる。ウエルズの取引先の多くは、デザイナーブランドやマルキュー系といった独創性、トレンド性が重視される相手だけになおさら。逆に長い年数やっていると、昔からのやり方にとらわれるあまり、新しい発想を妨げることにもなりかねない。過去の失敗は重要な経験として積み上げながらも、常に柔軟な思考や感性が求められる。
 一見華やかに思える仕事だが、実際の作業は単調だ。「ジーンズが好きだから」とあこがれて入ってくる若いスタッフもあるが、イメージと現実の違いにやめていく人が多いという。「指示されたことをこなすだけでは続かないし、中国の工場にも負ける。みんなでクリエーションしていかなければ日本の存在価値がない」と山下さん。最近、閑散期を利用したミーティングも始め、スタッフの新しい発想を促している。
 藤森さんはジーンズが好きで入った訳ではなかったが、「自分なりの工夫やアイデアを提案できるようになって面白くなりだした」という。今ではかっこいいジーンズを見かけると、「どうやって加工しているのか気になる」というほどのめりこんでいる。目標は、海外でも評価されるような加工を手掛けることだ。

壹番館洋服店 手仕事の良さを若い人に
 東京・銀座の老舗テーラー、壹番館洋服店の工房には黙々と紳士服を仕立てる若い女性の姿がある。
 「もの作りの1から10まで全部にかかわれるのが魅力です」と服飾専門学校卒業後、テーラーの世界に飛び込んで4年目となる鈴木洋美さん(24歳)。派手な印象のレディスファッションではなく、地味な紳士服を選んだのは「流行を作ったり、新しい服を次々と生み出したりと華やかだけど、一時的ブームで消費されていくのは悲しい。お客さまにとって宝物になるような服が作りたいから」と笑顔で話す。大手アパレルではもの作りの空洞化、分業化が進み、すべては経験できない状況だ。
 3年間、裁断や縫製の基礎技術を60代のベテラン職人から学んできた。「すぐ実践に組み込まれ、技が体に染み付くまで、とにかく量をこなしました」。2、3カ月の合宿や1カ月の早朝練習も経て、当初の3倍のスピードで縫えるようになった。現在は若い層をターゲットに改装したカジュアル色の強い新売り場の企画、ブランドプロデュースを任されている。技術の向上については「常に新たな課題をクリアしていくだけ。目標は高くなっていくばかりで終わりはありません」。
 渡邊新副社長は「人材教育は第一」と言い切る。現場主義を徹底している。現場には教科書には載っていないノウハウがあふれている。ただし、今の職人に求められるのは「技術だけではない。単なる技術では中国に負けるかもしれない。顧客の思いを具現化できるかだ」という。そのため、入社3年間は3カ月ごとに裁断、縫製、営業事務の部署をローテーションして直接顧客と触れ合う機会を設けている。
 鈴木さんは、これからも技術の向上はもちろんだが、新ショップで「テーラーに対する古臭いイメージを打破したい。若い人にも手仕事のよさを伝えていきたい」と意欲的だ。

花菱縫製 ひたむきに今より前へ
 「最初から最後まで自分で作りたい」と話す直井茂明さん(25歳)。花菱縫製のフルハンド工房に勤める。伊ピッティ・ウォモに出展するスーツも担当した若手の“柱”だ。
 専門学校でレディスのパターン作りを学んだ。「紳士服の型紙を見たら、本当に面倒くさい作りなのに、それが逆に楽しそうで」。普通のアパレル企業に就職し、企画やパターン職についても「現物を作らないと飽きちゃう」と卒業後は、テーラーに入社し、修業した。
 フルハンドの工房に引かれてこの夏、花菱へ。「学べるものは何でも学びたい」。いずれは「自分の名前を前面に出したスーツを作りたい」と夢を語る。
 一方、宮城のマシンメード工場で働く小林優一さん。技術管理を担う同じく25歳。「物作りは好きだったけど、服を作るとは思わなかった」。高校卒業後、地元のこの工場へ。
 「新しいことを覚える楽しさ」を感じながら縫製の各工程をこなすうち、物を作ることが好きな自分に改めて気づいた。作業に打ち込む熱心な姿が、本社の目に留まった。
 1年前に工程の技術や品質管理を担当するようになった。「今も現場で作っている方が楽しい」が「この工場を盛り上げたいという気持ち」も芽生えた。自分ひとりでなく、みんなと作り上げる仕事へ。今は「より大きなオペレーションをする立場に成長したい」。
 「最近、モノ作りの現場に若者が入ってきて、びっくりしている。みんな夢を持っていて辛抱強く頑張る」と話すのは若手を指導する大石三郎生産部生産技術リーダー。
 夜10時まで働くのが当たり前だった40年前、「自分の師匠は5時で仕事を切り上げ、後は自分の時間を持て」と言った。欧州の修業にも行かせてくれた。その経験が教える立場になっても生きている。
 「若い人が興味を持って前向きに仕事ができるよう配慮している。強制せず、今より一つ上の仕事を少しずつこなして、上達してもらう。技術を習得したらリーダー役が不足する現状を変えていって欲しい」

宮城興業 環境整え技術も心も磨く
 70年以上の歴史をもつ山形県の紳士靴工場、宮城興業に全国各地から靴作りへの憧れを抱いた若者が集まっている。ここ1、2年、研修生としベテランの職人に混じって働き、日々技術を磨く。
 そのうちの一人、荒井弘史さん(34歳)は13年前に工場の門をたたいた。「自分の手で作った靴を売るところまで見届けたい」との思いからだ。地元以外からの働き手はそれまで存在せず、今では社長から“元祖研修生”と呼ばれる。しかし、社長はもとより、ベテラン社員みんなから「将来性ないよ」「ちょっと覚えたら東京に出たほうがいいよ」とさんざん言われたと入社当初を振り返る。単純作業も多く、毎日、仕上げの工程で、1000足以上革の靴を磨き続けた。その後も裁断や縫製、組み立てなど各工程で技術を学んだ。「最初は好きな靴に囲まれた現場にいるだけで楽しかったが、数年経ち製造業の厳しさを実感した」。それでも続けてこられたのは、「自由に靴作りができたから」と強調する。就業時間後、工場の一部を開放し、革や機材も使えるなど、若者が創作活動、技術の向上に没頭できる環境を提供してきた。
 「製造現場として技術の伝承は不可欠だが、昔ながらの物作りを何十年もかけて学んでもなぞるだけでは工場に未来はない」と断言する。工場のあり方も変わり、パターンオーダーのグッドイヤーウェルト製法の正統な革靴からモード系のブーツ、スニーカーまで小ロットで何でもこなせる工場として今では業界でも評価されている。荒川さんも現在、現場のもの作りではなく、商品開発や営業企画など重要な任務を任され、若手のリーダー的存在となった。
 高橋和義社長は技術の伝承について「当社も07年問題でベテランがごっそり抜ける。若い人へのバトンタッチは急務」と言う。かつて不人気だった靴工場、それも東北の田舎町に人材はそう簡単に集まらない。その打開策として、最近、研修制度を設け、英国で靴の専門学校で学んだ人や靴屋の跡継ぎ、工業デザイナー志望などさまざまな靴好きの若者が集まった。ただし、それだけでは安泰ではない。残って一緒に働き、消えかけているもの作りの火を盛り上げることができるかどうかが問題だ。高橋社長は「ベテランの職人にもまれ、技術だけでなく、心も磨いてほしい」と若者の成長を見守る。


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