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「繊研新聞」掲載記事からネット関連記事の一部を掲載します。文頭の日付は掲載日です。
2003年9月の連載「ブロードバンド時代を迎えて」
2003/09/19
〈連載〉 ブロードバンド時代を迎えて 井上雅博ヤフー社長の講演から-上 急速なネットの普及 ブロードバンド化の途上に
日本ダイレクトマーケティング学会が開いた「第2回全国研究発表大会」中で、「ブロードバンド時代のダイレクトマーケティング」と設定した統一テーマに沿って、ヤフーの井上雅博社長が特別講演した。その要旨を紹介する。
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最重要ツールに
インターネットの普及は目覚ましく、03年4月で推定利用人口5000万人強、世帯普及率51・6%という調査資料もある。99年9月では1368万人、19・1%だったから、まさに急速な普及だ。10代から40代を中心に普及し、今年7月には個人全体の4割に達している。
男性では10~40代で、女性も10~30代で、それぞれ6割を超えている。8年ほど前は、利用者の8割が男性で、25~30歳に集中し、それも技術者中心だったことを思えば、一般化が顕著だ。
企業にとってインターネット利用が重要な理由として、第1に消費者が購買の最終意思決定を行うメディアであること。第2に消費者の声を収集するメディアであること。第3にニーズのある消費者にだけ適切な情報を提供できるメディアであり、第4としてメディアとチャンネルの融合を挙げることができる。
インターネットは情報量が無制限で、24時間365日無休、消費者がコミュニケーションの流れを主導できるメディアである。知らせるだけの告知媒体ではなく、コストパフォーマンスに優れ、リアルタイムで集計・分析が可能である。
テレビは何となく見ることもあるのに対して、見たい人しか見ないプル型メディアであり、ターゲッティングに優れ、しかも絞り込みが自在に行える。さらには告知から商品購入にとどまらず、フォローマーケティングの手段としても有効である。
企業のホームページの歴史をみると、第1世代はおおむね会社案内で広報部の担当、第2世代は商品案内で宣伝部の所轄で、大方の企業の到達点は、このあたりであろうか。第3世代は商品販売で担当も商品部に移り、日本もかなりこの領域に入ってきた。
日本は今、ナローバンドからブロードバンドへの変化の途上にある。ブロードバンドはユーザーの幅が広く、一部の限られた人のツールから生活者すべての必需品へと発展しており、企業にとって最重要のマーケティングツールとなっている。
目立つ休日利用
ブロードバンドは低額・定額の常時接続の環境下にある。家庭への浸透で一日中電源が入っている道具となっており、インターネット利用時間はさらに増大していく。映像、音楽、ゲーム、オンライン教育などリッチコンテンツのスムーズな受信が可能で、動画などより豊かな表現へと発展する。情報収集からコミュニケーション、遊び、買い物など利用目的の多様化も進む。
ブロードバンド化は今年1月に5割に達し、今7月には62%になっている。ブロードバンド化によって、利用頻度は2倍、利用時間は2・3倍と、明らかにネットへの接触は増加している。一日のネット接触時間は、深夜型から午後9時~10時のプライムタイム型に移っている。最近では、休日の利用増が目立つ。ブロードバンド化、常時接続化が、その理由と考えられる。
2003/09/20
〈連載〉 ブロードバンド時代を迎えて 井上雅博ヤフー社長の講演から-下 有力メディアへ 規模拡大で“進化” 必要な人に必要な情報を
ブロードバンド(高速大容量)通信でインターネットへの接触時間はどう変わったか。今年7月の調査によると、20~39歳と60歳以上で、自宅からの月間平均利用時間が16時間をやや上回っている。2年前の01年7月時点では10~12時間だった。60歳以上は2年前には約6時間で、10歳刻みの各年代で最大の伸びを示したことになる。常時接続化が、その理由と考えられる。
インターネット利用の目的について、別の調査によると、01年1月に「商品を購入・検索するため」とした人は52%だったが、03年4月には62%まで増えている。暇つぶしのためという人も、37%から47%に増加している。実際に商品を買ったり、サービスの契約を結んだりしたことがある人も、58%から84%まで増えている。
ユーザーから見たメディアとしてのインターネットは、どうだろうか。今年3月のメディアコミュニケーション力調査によると、郵便を使ったオフライン調査(複数回答)では、63・3%のテレビ、56・7%の新聞に次いで、インターネットは51・9%で3位。ネットのユーザーに絞ったオンライン調査では62・2%で1位と、テレビをはじめ従来のメディアを上回っている。
昨年の同じ調査との比較では、とりわけ「接触頻度」「好き」「なくてはならない」「購入意図」の各項目で、ネットの伸びが目立つ。
インターネットのユーザーは順調に増加して、マスメディアへと発展している。大衆化し、生活必需品となってネットへの依存度はさらに高まっている。今後は、マーケティング・プラットフォームとしてのネット利用の本格化が、さらに進むものとみられる。
消費者との信頼で
ヤフーの家庭からの視聴率は今年7月で80・9%、職場からは88・3%、月間ページビューは161億、1日のページビューは8月8日に5億8000万を記録した。こうしたユーザー数の増加を背景に、広告・プロモーション、販売、調査、企業ホームページといったマーケティングサービスの提供は、一層の拡大が可能となる。
規模の拡大とユーザーとの関係の深化が進み、ターゲティングの進化も顕著となるだろう。不特定多数から、必要な人に必要な情報を適切に提供する方向へと変わる。購買意向者をターゲットとして、データベースマーケティングに近い手法が取られるだろう。
個人情報に対する考え方は、個人に関する情報の収集は必要最小限にとどめる、個人の特定は行わない、消費者の同意なしに外部に個人情報を提供しない、第三者機関の監査の実施などが基本だ。これらを前提に、消費者との信頼関係の下に個人情報を預からせてもらい、消費者の利便性、企業の利便性を追求する時代となるだろう。
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