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「繊研新聞」掲載記事からネット関連記事の一部を掲載します。文頭の日付は掲載日です。

2006年1月の主なネット関連記事

2006/01/28
コロモ・ドット・コム事業を承継 ファッション協会、アパ産協 3月末から
 日本ファッション協会日本アパレル産業協会、コロモ・ドット・コムは、3月31日をもってコロモ・ドット・コムが運営してきたウェブサイト事業を両協会が引き継ぐと発表した。コロモ・ドット・コムは26日、臨時株主総会を開き、両協会への事業承継と今月31日付での会社解散を決めた。引き継ぎまでの期間は事業運営を継続する。
 同社のウェブサイト事業のうち、公益性の高い、ストリートファッションやショップカルチャーなどの情報発信事業はファッション協会に、求人情報提供サービスのジョブサーチ事業はアパ産協に無償譲渡する。また、同社の収益源である来店客数分析リポート配信サービスのビジターリサーチ事業は、民間の情報システム会社に有償譲渡する予定だ。
 コロモ・ドット・コムの保元道宣社長は、これらの事業を両協会が引き継ぐことで公益性の一層の明確化を、両協会の国際交流事業や人材確保・育成事業との連携で相乗効果を期待できると説明した。ファッション協会は、アジアファッション連合会事業の一環として、アジア諸国のサイトとの相互連携を図り、アジア諸国への情報発信力を強めていく。また、文化服装学院との産学連携プログラムを引き継ぐが「公益性を考慮すると、将来は複数の学校との連携」(川村耕太郎協会専務理事)になる見通しだ。
 アパ産協は、合同企業説明会や職種研究会の事業とジョブサイトの連携を図る。  同社副会長でもある中瀬雅通アパ産協理事長は「コロモはIT(情報技術)を活用し業界の情報発信を強めるためにつくったもの。その初期の目標は達成された。さらに高いステップに上がるには、より公共性が高い組織が運営するべきだろう」と述べた。
 コロモ・ドット・コムは01年にアパレル企業など12社が出資し設立。同社のウェブサイトへのアクセスは昨年12月で、月間40万人、450万ページに達し、その60%が中国やアメリカなど海外からアクセスとなっている。またジョブサーチの利用企業は累計で350社を超えた。

2006/01/28
【海外】 米JCペニー ネット売上高10億ドル 年30~50%の伸び 百貨店最大のサイトに
 【サンフランシスコ=立野啓子通信員】米国の大衆百貨店JCペニー(テキサス州プラノ)は、05年のインターネット売上高が10億ドルに達した。JCペニー・コムのスタートは94年。年間30~50%の勢いで伸び、米百貨店の中で最大のウェッブサイトとなった。
 店舗、カタログ、ネットが統合して販売する「マルチチャンネル」は、今でこそ小売りの常識になっているが、同社はそのパイオニアでもある。
 「マルチチャンネルのアプローチは、顧客サービス、新しい機会を切り開くパワフルなモデル。便利で幅広い選択を提供し、顧客はJCペニーの品質とバリューに信頼を置いている」(ジョン・アービング社長)という。
 サイトにはNBと専属ブランドの30万のアイテムが載っており、アイテム、カテゴリー、ブランド、どの部屋に使用するかなどで検索できる。特に店に在庫していないサイズ、色、スタイルも揃っており、メンズのシャツサイズは5XLまで、玩具、エレクトロニクスなど特色あるアイテムが1万7000点ある。店でのセールなどの情報も載っていて、商品の返却は全米1017のどの店でも引き受けてくれる。
 最近は店内にもインターネットを設置して、顧客の特別な要望に応じられるようになっている。
 新しいアイテムとして、カスタムフィットのドレスとパンツ、「ビルト・ア・リング」というダイヤモンドの婚約指輪をカスタムデザインできるサイトがある。

2006/01/26
【IFF】 ビジネスをつなぐ交差点 総合展の強み発揮 市場の変化反映
 IFF(インターナショナル・ファッション・フェア、日本ファッション協会主催、繊研新聞社企画・運営)が18日から20日まで、東京ビッグサイトで開かれ、これまで以上に密度の濃い商談が行われた。ビジネスとビジネスをつなぐ「交差点」としての一段高いステージに上がったことを実感させられる内容となった。次回IFFは7月19日から21日まで、東京ビッグサイトで開く。
 「出展者の商品の質が上がった。真剣さが伝わる」「熱心なバイヤーが多い」――会場で耳にした出展者、来場者双方の実感だ。毎回注目を集めるクリエーターズビレッジ(CV)だけでなく、すべてのゾーンで共通する声だった。小売業が商品開発や新ブランドの開拓に力を入れ始めた中で、総合展としてのIFFのメリットが発揮されたといえる。いくつかの特徴を見てみた。
出会い、ネット通販
 IFFの特徴の一つは約3万人という来場者の数の多さと、百貨店、全国各地の地域一番店から個店までの専門店、GMS(総合小売業)といった業態の幅広さ、衣料品店や雑貨店という業種の多様性にある。
 今回も多くの出展者が体験したのが新しい販路の開拓。中でも目立ったのが通販、特に「ネット通販のバイヤーとの商談が進んだ」ことだ。大手ネット通販企業から、顧客サービスの一環で取り組む地方専門店まで、新しいブランド、新しい商材を求めて出展者に積極的なアプローチがあった。さまざまな出会いの場を提供する総合展ならではの機能といえる。
 ブランドのマーケットへの浸透や企業の認知度の向上など出展者が明確なテーマを持って出展するケースも増えた。IFFのファッションビジネス業界での発信力、影響力を生かして自社展示会とは異なる独自の目的をもって出展したところが成果を上げた。
トレンドに対応
 出展内容もよりトレンドに対応したものになった。レディスでもヤング向けのトレンド対応ブランドだけでなく、一格上の上質さを追求したブランドが増えた。また、「ロハス、エスニックなどトレンドを意識したアイテムが増えた」とも特徴の一つだ。
仕掛け、アピール
 「CVは商品の質の高さとともにブースの作り込みがすごい」(宗像直子経済産業省製造産業局繊維課課長)。2階建てブースで強烈なイメージを発信したジェットレーベルをはじめ来場者にアピールする手の込んだブースやディスプレー、プレゼンテーション、コンパニオンを使った仕掛けなどは、大きく進んだ分野。CVだけでなく、カジュアルゾーンも同様で、見本市としてのレベルアップを感じさせるものとなった。
fプロデュース
 売り場の変化に対応して、来場者にはブランドの開拓と同時にOEM(相手先ブランドによる生産)のニーズも高まっている。
 これに応えるfプロデュースゾーンは小ロット対応やブランド価値の向上に一役買おうという新しい機能の打出しが相次いだ。

2006/01/25
ネット通販 アクセス7倍 NI帝人商事 主婦層に狙い絞る
 NI帝人商事運営するインターネット通販「くらし@サイエンス」は、全面リニューアルしてから、アクセス数が7倍の月17万件、会員数が2・3倍の4713人に伸びた。年商はまだ5000万円に達していないが、08年度までの中期計画で2億円をめざす。
 物販サイトとしての事業を軌道に乗せるのはもちろんだが、同時に帝人グループのPRおよびマーケティング機能強化というねらいも強い。昨年秋には、女性活躍推進活動の一環として女性店長を社内公募。内容も一新し、30~40代の主婦層にターゲットを絞った生活密着型の機能商品中心の品揃えで再スタートを切った。
 現在、190アイテムのうち、グループからの調達と外部からの品揃えがほぼ半々の構成。売れ筋は、防ダニの布団・枕カバー、埃(ほこり)を抑える寝具、軽量布団、抱き枕、湯たんぽ、機能性ふきんなどだ。
 今後、松下電器産業など異業種との協業によるアクセス拡大、会員限定の各種キャンペーンや3%割引などを強化していく。
 また、メーカーとしての安心感や信頼性を重視しながら、アレルギー対策など、アナログ的なコンテンツも充実する考えだ。

2006/01/24
電通などと資本提携 ネットプライス
 ネットプライス(佐藤輝英社長)が電通と資本・業務提携し、サイバー・コミュニケーションズ(新井敏夫社長)とも資本提携して、幅広いメディアと連動したショッピングビジネスを展開することで合意した。
 ネットプライスは第三者割当増資による新株5000株を発行、電通が3000株、サイバー・コミュニケーションズが2000株を引き受ける。
 ネットプライスと電通は、業務提携により、インターネットなど幅広いメディアと連動した新たなEC(電子商取引)事業を共同で開発し、テレビなど各種メディアへの提案を通じ事業を拡大する。そのための共同出資による新会社設立も視野に入れた協議を始める。
 インターネット市場は、04年で5兆6430億円(前年比28%増)に成長、今後も継続的成長が見込めるとして、サイバー・コミュニケーションズとの協業でも具体的な協議を進める。

2006/01/21
実店舗より客と深くつながる 11-34ジャパンのウェブショップ 双方向性生かす接客 月間アクセス2万件
 11―34(イレブン・サーティーフォー)ジャパン(東京、電話03・5768・1605)が運営するウェブショップ(www.11-34.com)が注目されている。サイトアップから3カ月弱だが、月間のアクセス数は約2万件、すでにリピート客もついている。人気デザイナーブランドと組んだコラボ(協業)商品が話題を呼び、ブランドのホームページとリンクして口コミで情報が広がっているのが好調の理由だが、大手のネットショップと一線を画す運営手法も受けている。
 同社は昨年10月に設立したばかり。セレクトショップのバイヤーやアパレルブランドのディレクターが中心になってウェブショップを立ち上げた。経験とネットワークを生かして、デザイナーブランドの限定商品や、同社が企画して複数の作り手がかかわった商品などを販売している。中には同ショップでしか買えない商品もある。
 メンズブランドのディレクターを続けながらウェブを管理するクラシマ・ヨシナリさんは「マーケット重視の運営と、デザイナーと思いを共有しているのが特徴」という。
 マーケット重視といっても、マスマーケットを対象に大量に売るわけではない。対象を絞り込んで、顧客の要望を考えた丁寧な対応をしている。商品が生まれた背景や作り手のこだわりを紹介し、メールでの質問に答えるなど、セレクトショップで販売スタッフが接客するのと変わらない対応をしている。
 映像だけでは伝え切れないこだわりは発信者のメッセージで補い、顧客の買いたい気分を盛り上げる。ウェブショップでもコミュニケーションは不可欠で、「むしろ人間的なかかわりを深める必要があると実感した」という。
 商品は、デザイナーや作り手の特徴やこだわりを生かして協業で開発したものが多い。ジュエリーのデザイナーブランド、「ハラキリ」が手掛けた925シルバーのスカルをデザインしたボタンと、それに負けない存在感を求めて尾州産地に通って見つけたメルトンを使ったピーコート(10万2900円=税込み)。「アイリッシュ」と組んで作ったスワロフスキーのスタッズを手作業でちりばめたハイカットスニカーなど(6万4800円)。
 セレクトショップから仕入れの希望があるため、同社が企画した商品は「11―34プロダクツ」のネームで卸も行う。現在はメンズだけだが、今年中にレディスのショップをスタートさせる計画。
 連携するデザイナーや作家がおもしろがってかかわっており、ネットワークはさらに広がりそうだ。

2006/01/21
アマゾンジャパン スポーツ用品の新サイト 10万アイテムを揃え
 アマゾン・ドット・コムの日本法人、アマゾンジャパン(東京、ジャスパー・チャン社長)は2カ月前に日本語サイト内に「スポーツストア」を開設し、年末からは「冬のダイエット特集」キャンペーンを実施、売れ筋の上位にはフィットネス用品がランクインするなど順調なスタートを切っている。
 野球、サッカーなどの各種競技やレジャースポーツなど17カテゴリーで、約600ブランド、10万アイテムを揃える同ストアは、ネット・スポーツショップとしても国内最大規模になっている。「お客様から要望が多く、米国で成功実績のあるカテゴリーだった」(太田理加ビジネスプランニングマネジャー)ことから、スポーツ用品へ事業領域を拡大し、商品構成の拡大に取り組んでいる。
 パーソナル需要の高いゴルフ分野では、サイズや機能(フレックス、ロフト)の選択とともに、ブランド・価格・性別などの検索など「個人の要望に沿った購買ができる」(スポーツ商品部門バイヤー)ように選択肢を広げた。
 ゴルフ用品では1点につき5000円以上購入した場合、最大20%分をアマゾンギフト券で還元し、全商品を対象に総額1500円以上の買い物に対し国内配送無料などのサービスを充実している。
 現在、仕入れは複数のスポーツ用品卸からを中心としているが、メーカーとの直接取引も広げる交渉を進めており、メーカー側では「市場性、成長性を考慮して口座の開設を決めた」との声も上がっている。
 本国のアマゾンでは03年にスポーツ用品の取り扱いをはじめ、昨年は80種類、100万アイテムを展開。日本法人ではスポーツストア開設によって「スポーツ市場の拡大に貢献したい」としている。

2006/01/19
【情報システム・ターミナル】 ラクーン「スーパーデリバリー」 仕入れサイト急成長 地方店との取引に強み
1年で3倍以上に
 ラクーン(東京)が運営するインターネット上でメーカーと小売店の取引ができるシステム「スーパーデリバリー」(www.superdelivery.com)が急成長を続けている。
 昨年11月の受注件数は前年同月比3・3倍の7217件になった。出品企業数は337社(12月9日現在)、会員となっている小売店は約5000店に達する。
 スーパーデリバリーは、会員登録(会費は月額2100円)した小売店がホームページに掲載された商品をみて、興味があるメーカーにインターネットを通じて閲覧申請する。メーカーはその小売店が、自社のブランドイメージに合うか、近隣の既存取引先とのバッティングはないかなど判断した上で取引するかどうか決められる。小売りとメーカーがお互いに選び合う仕組みだ。
 ホームページには希望小売価格しか記載されておらず、会員にならないと卸値はわからない。提示された卸価格で取引するならサイトを通じて発注し、商品はメーカーから直接配送される。決済は信販会社の専用カードやクレジットカード、銀行振り込みなどから選べる。取引額の10%がラクーンの手数料収入となる。
8月に夏物対応
 急成長の第一の理由は、メーカーにとって地方の個店専門店と取引できることだ。「バブル崩壊後、低価格化が進むなかで、メーカーは営業コストのかかる地方の専門店を切り捨ててきた。本当は全国で売りたいはずなのに、効率追求のために大都市と大手小売りに集中していった。それが逆に取引条件の不利を招いた」(小方功社長)ことが背景にあるとみる。
 地方の小売りと取引すると、営業マンの人件費や決済の問題がネックとなる。地方問屋にまかせるにしても、すべての商品を紹介してくれない、販売先の小売店が把握できないなどの不満があった。営業経費を考えるなら、10%の手数料を払ってもスーパーデリバリーの方がメリットがある。個店専門店は完全買い取りしてくれるし、このシステムだと回収の心配もない。
 インターネット取引に百戦錬磨の営業マンはいらない。必要なのはこつこつとマメに情報を載せ続ける人。スーパーデリバリーの出品メーカーで、入社3カ月の女子社員が社長賞を取ったケースもあった。
 急成長の二つ目の理由は、スピード対応のできるインターネット取引はシーズン晩期に強いこと。
 例えば、8月1日時点でメーカーの手元に残っている夏物は売れ残り。メーカーはすでに倉庫に入れる準備をしている。しかし1年保管して翌年出しても大幅な値引き販売せざるを得ず、経費分の回収もおぼつかない。
 一方、小売店からみると8月はまだ夏物の実需期。ところが、地方問屋はリスクを恐れて夏物を早く切り上げる。売るものがないので秋物を店頭に並べることになるが、納得しない消費者もいる。
 インターネットなら、発注して2日で商品が届く。小ロットで実需対応できるのは小売店にとって有難い。おかげで、ラクーンの売り上げは2月、8月でもほとんど落ちないという。

2006/01/16
百貨店協会 5年ぶりにIT白書 標準化背景に進展急
 日本百貨店協会は「06年版百貨店IT白書」を13日発刊した。01年に協会として初めて取りまとめて以来、5年ぶりに百貨店業界でのIT(情報技術)活用を総括している。同白書は、これまでは各百貨店個別の取り組みだったIT活用が「この5年間は業界一丸となって業務改革や業界標準の策定、共通情報基盤整備が実施された」ことによって「量的拡大と質的向上」を伴う急激な変化を遂げた、と分析している。白書の冒頭で、平出昭二専務理事は、その経緯をまとめて、百貨店業界IT化の「業界標準に道筋をつけた時代」と名づけている。さらに、部分最適から全体最適への途上で、今後は「人とシステム」のスキルアップ、レベルアップ、パワーアップが「業態再創造」に欠かせないと提言している。
 5年ぶりとなったIT白書は、昨年8月に実施した実態調査結果の分析をベースにしている。この調査の回答状況自体が、この5年間の急激な変化を示している。今回の回答回収率は会員企業の92・4%(前回82・9%)に上る。協会事務局によれば「前回の回答は空欄が多かったが、今回は自由記述欄も含め、書き込みが多いのが特徴」という。業界全体のIT活用への関心の急激な高まりがここに反映している。かつては「業界として遅れていた」百貨店のIT化が一気に加速した背景には、こうした業界全体の意識変化がある。
 この5年間のIT化加速の状況を概観すると、MD改革の基盤となる単品管理システムを持っている百貨店は前回の1・3倍、56社となり、SKU(在庫最小管理単位)での管理規模は業界平均で4倍に達している。また、EDI(電子データ交換)実施も1・3倍、42社、百貨店値札レスは1・9倍、56社、インターネット商品販売額は10・9倍、104億4000万円という具合だ。
 個々の業務効率改善から、アパレル業界との「コラボレーション取引」など、ITを活用した協業を推進する業界一丸の取り組みの段階へと進化している。業界標準をベースにしたEDIインフラの利用も広がっている。また、他業界に先駆けた会員企業3社のICタグシステムの実用化は、量、質双方での急激な進展を象徴する。
 一方で、企業間格差の拡大もあると白書は指摘している。しかし、相対的に遅れた企業においても、苦労をしながらIT活用の経験を積みつつあることも、今回の調査からはうかがえる。

2006/01/14
【海外】 韓国、ネットショッピング1兆ウォン突破
 韓国統計庁によると、昨年11月にサイバーショッピングモールの取引額が1兆131億ウォンと前月比7・5%増加した。業者数は4322で、2・2%増、前年同月比では24・3%増。
 季節的に価格の高い衣類やファッションの売上高が増えた上、越冬用のキムチ冷蔵庫、暖房機器などの家電製品や新刊書籍の売り上げが伸びたため。(ソウル=郭賛浩)

2006/01/01
【もっともっとネット通販】 今年はメディアミックス元年 ネットで育つブランドも
 インターネット通販をどう活用するか。それはショッピング機能とは違う側面をよく理解することかもしれない。メディアミックスによる情報発信機能、購買履歴などを基にしたマーケティングツールとしての機能だ。
世界へも発信
 放送、配信、ネット、雑誌など06年はメディアミックス元年になる。「ガールズウォーカー」のゼイヴェルが主催する「東京ガールズコレクション」(TGC)は消費者参加型のファッションフェスタとして日本最大級だ。1回目は25ブランドが参加。一般消費者も1万2600人が来場した。TGC公式サイトでは会場の様子をリアルタイムに発信。開催後も雑誌、テレビ、新聞など60媒体以上が掲載した。一体何人の目に触れたのか想像もつかない。
 06年3月には2回目の開催が決定。一般消費者の参加は2万人を予定する。今回のテーマは「日本のリアルクローズを世界へ」で海外メディアの誘致や、ネット配信で世界に向けた情報発信を高める。またショーと連動し、その場でモバイル通販も可能にする。
映画などと連動
 ネット環境、アプリケーションソフトの機能向上で動画配信が本格化する。「リアルスタイル」はPCテレビの「ギャオ」とファッション番組の製作で協業する。製作発表ではファッションショーやライブを行い、モデル、アーティストが着用したコーディネートをサイトで販売している。
 「ビービーエフ」はネットシネマ、音楽、スポーツなどを活用しながらファッション商品、インテリア、家電などを組み合わせる通販サイトだ。ネットシネマのなかに商品やブランドを入れ込むことでブランドイメージを高めるプロダクトプレイスメントというマーケティング手法を用いる。田村淳ビービーエフ社長は「ファッションとネットは相性が良い。ネットを道具としてもっと活用して欲しい」という。
正確に結びつく
 前回のTGCにはフォー&コレーの「ジョイアス」がデビューし、その後、雑誌連動のネット通販、プランタン銀座への出店など急成長を遂げ、話題となった。
 佐藤ネットプライス社長もこうしたネット発のブランド、メーカーが今後出てくる可能性は高いと指摘する。ネット通販では顧客情報と購買履歴が正確に結びつき、マーケティングツールとしてデータの活用が本格化している。
 ネットプライスでは売上高の約15%がメーカーとの協業商品だ。消費者からの問い合わせや、もっとこうしたら買うのに、という声をバイヤーが集約。販売実績などの数値に、消費者の潜在ニーズを加味してメーカーとの商談に臨む。例えば“くしゅくしゅブーツ”は1週間で700~800足を販売する。ヒールの高さなど微調整し、販売数量を伸ばしている。
 「ゾゾタウン」ではその商品にどれだけのアプローチがあったのかまで、情報を開示している。在庫とアクセスのギャップが潜在的ニーズとなって浮かび上がる。セレクト店などでは発注量の参考にしたり、出店のために候補地などで活用が進んでいる。
 今後はこうしたデータを基にした効率的なブランド育成が可能な時代が来るのかもしれない。

2006/01/01
【もっともっとネット通販】 活用しきって消費者に応えたい モデル確立これから伸びる とても身近な存在 連携しよう
 インターネット通販はまだ始まったばかり。これからが本格的な幕開けだ――ネット通販で急成長する企業は声を揃える。ネット通販の現状は日々、変化している。ファッション業界にとってもチャンスが広がっている。しかし、ネットを活用しきっているファッションビジネス企業は、少ない。一つの販売チャンネル、一つのメディアへと変貌(へんぼう)を遂げるネット通販の現状と今後の可能性を探る。
自然な流れで
 「4~5年前、モバイルで買い物ができるとだれが思っていましたか」と佐藤輝英ネットプライス社長。同社が運営するPC(パソコン)の「ネットプライス」、モバイルの「ちびギャザ」はギャザリングという共同購入の手法を軸にしたショッピングサイトだ。ギャザリングとは購入したい人が1週間で規定数、集まれば価格が下がる仕掛け。欲しい商品があれば、友人知人に声をかけるため、口コミでサイトの認知が広がる。05年9月期決算では売上高が前期比39%増、100億円を突破した。
 「モバイルで物を売ると言った時、気が違ったのかと思われた」と振り返るのは、女性向けモバイルポータルサイト「ガールズウォーカー」を運営するゼイヴェルの大浜史太郎社長。ケータイ放送局をめざす同社は、F1層(20~34歳の女性)を中心に、ショッピングのほかにも占いや芸能ネタなどの情報を無料で提供し、今やメール会員は900万人に及ぶ。06年9月期にはグループ売上高100億円をめざしている。
 04年末にサイトを全面リニューアルし、飛躍的に成長しているのがネット上のファッションタウン「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」。街に出店する感覚で内外装をコンピューターグラフィック処理したり、街の風景が変わるなどデザイン性、ファッション性が高いのが特徴。裏原宿のストリートカジュアルのほか、最近はユナイテッドアローズ、ビームス、ジャーナルスタンダードなどの有力セレクト店が出店し、客層が広がった。売り上げも11月は月商5億円を超え、運営する前澤友作スタートトゥデイ社長は「年間売上高目標を35億円から40億円に上方修正した」という。
 3社ともサイトの立ち上げは00年以降。もっといえばここ2~3年でモデルを確立し、急成長している。だから「ネット通販は始まったばかり」なのだ。
 だが、モバイルやPCがコミュニケーション手段として、今や無くてはならない存在になったようにネット通販も「消費者ニーズは確実にある。自然の流れは変えられない」(佐藤ネットプライス社長)。
変化する市場
 生まれたばかりだから消費者の動向も激しく変わる。例えばネット通販は比較購買がしやすいため安売り、値引きのイメージが強い。しかし、今では10万円強ならば「普通に売れる」と佐藤ネットプライス社長。ゾゾタウンの客単価も秋冬には2万円弱となる。
 売れる商品も変わってきた。初めは規格が決まっていて、だれもが知っている商品が売れた。代表例は香水・コスメ、時計など。しかし今ではウエア、靴、バッグなどファッションアイテムも売れる。ゾゾタウンでは現物を採寸してサイズ表示するなどの工夫、写真も角度を変えたり、特徴のある部分のクローズアップなど複数枚を掲載し、消費者の不安を解消している。問い合わせに対する迅速な対応も、一つの接客だ。お客は顔が見えないメールのやり取りだからこそ、厳しい意見を言ってくるが、そのなかに新たな需要が隠れていることも多いという。
 客層も確実に広がっている。ゾゾタウンではセレクト店の出店で30代が増えた。そのため、男女比はスタート時の7対3から6対4となり、新規会員では半々に近いという。また、一時期半々になっていたPCとモバイルの利用率は、最近は6割がPCとなった。ネットプライスでもモバイルは20代後半、PCは30代前半に利用客が多い。利用者側もモバイル、PCをうまく使い分けしている。新着情報をモバイルで受け、PCで検索、商品を確認。購入はモバイルといった具合だ。使い方はユーザーの方が先行する。
補完し協業へ
 ネット通販が本格化するなかで、競合も激しくなっている。大手ポータルサイト、カタログ通販企業、百貨店やユニクロなどの大手小売企業が、一つのチャンネルとして位置づけ、攻勢を強めている。また、参入企業も多い。メーカーの自社サイト、中小小売店、さらにはギャオ(USEN)と連携するリアルスタイル(運営はクインテット)、プロダクト・プレイスメントを活用したビービーエフ(同ビービーエフ)のようなメディアミックス、マーケティングを切り口にしたサイトも登場している。
 こうした競合が強まるなか、各サイトは独自性を高めるとともに、商品を供給するメーカー、さらには雑誌、テレビなど他のメディアと協業関係を強める必要がある。メーカーとは地理、時間、先行販売から在庫処分までのタイミング、新規客の取り組みなどでリアル店舗を補完する機能を持つ。また決済のできるショッピング機能以外に、情報発信するメディアとしての側面、購買履歴やメールなどのデータ活用で潜在需要を探るマーケティングツールでもある。他のメディアと連動することでネット通販の成長の可能性はぐっと高まる。ファッションビジネス企業はネット通販との関係を対立軸ではなく、協業のパートナーとしてどう活用しきるのかを再考する時期にきている。


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