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「繊研新聞」掲載記事からネット関連記事の一部を掲載します。文頭の日付は掲載日です。

2006年6月の連載 「FBサプリ ネットで成長する方法」

2006/06/12
〈FBサプリ〉 ネットで成長する方法‐上 ディアナ 消費者を代弁した物作り 異業種との協業イベントも
 ネット通販のディアナ(大阪市、木下秀夫代表、電話06・6281・0101)は、楽天が運営するオンラインモール「楽天市場」で急成長している。02年に開設した靴を中心とするトータルファッションサイト「サルース・ナチュラルビューティー」が好調で、売上高は3年で5億1000万円になった。(1)「消費者の代弁者」を自任する企画スタンス(2)読者モデルを使った発信と映像作り(3)サイト別の客層開拓を想定した使い分け――などが伸長のポイントだ。
 サルース・ナチュラルビューティーは“安可愛い”をテーマに、10代後半から20代前半に向けたネットショップ。オリジナルブランドの「サルース」「ラグジーガール」「プリンセスハーツ」のほか、提携ブランドの「ジェリーガール」「マーキュリーデュオ」などを販売している。昨年は“くしゅくしゅブーツ”が1型で1万8000足とヒットし、楽天市場の靴ランキングで18週連続1位を獲得した。現在の会員数は10万人。
 平均6500点という豊富な品揃えと、抑えた価格が強みだ。「消費者の代弁者となって物作りをする」(木下社長)ことを心がけており、オリジナル商品は顧客データを検証しながら企画している。生産は社長自らが探し出した中国、韓国、タイの工場を使っている。自前主義を徹底することで、中心価格をサンダル2000~3000円、ブーツ4000~5000円、ボトム3000円と抑えている。
 読者モデルを起用しているのも奏功している。商品は必ずモデルが着た状態で見せ、身近さを演出する。読者モデルを通して知名度向上につなげており、昨年は『JJ』『ViVi』などに計77回掲載された。  今月には自社サイトを開くほか、美容院との協業イベントも開催。リアルな取り組みを増やすことで、ネット購買未経験者の取り込みも狙う。
 自社サイトは、モバイルがドコモの公式サイトに決まった。これにより、毎日遊びに来てもらうためのコンテンツ、リンクをより自由に充実させることができると見る。「自社サイトは直営店、オンラインモールは百貨店」と位置づけ、今後も2本柱でいく。今後、ヤフーのモールにも出店する。
 美容室「K‐two」との協業イベントを開くなど、異業種との取り組みも進める。今秋、広報拠点として東京支店を開くほか、08年にはアンテナショップも開設したいという。2年後の売上高目標は30億円。

2006/06/13
〈FBサプリ〉 ネットで成長する方法‐中 エムズスタイル 個店だからこそウェブが生きる 密接アドバイスで来店増え
 レディスのセレクトショップ、エムズスタイル(東京・北千住)がウェブサイトを立ち上げ、ファンを広げている。「リアルショップと同じように熱い思いが伝わる」とオーナーの東紀子さんは、IT関連会社と連携してインテリアやガーデニングのショップ、美容関連業などに参加を募り、生活を楽しむ大人の女性に向けたショッピングモール作りを進めている。(1)リアルショップにも負けないコミュニケーション力(2)検索で上位にランクされるような工夫――が強みだ。
 エムズスタイルは4年前にスタート、1年半前に改装し、ライフスタイルを提案するスペースを設けた。中心顧客は近隣に住む30~40代の働くミセスだ。
 ウェブサイトは昨年10月に立ち上げた。「最初はリアルショップで、生活を彩る物やサービスを揃えた十貨店を作りたいと考えた」が、ネット上の方が近道と友人にアドバイスされた。その友人の会社が立ち上げたショッピングモール、キープオンアベニューの通り、ミューズPストリートに出店した。
 サイトには矯正歯科やエステ、バー、アクセサリー、花など生活を楽しむためのショップやサロンが店を構えている。東さん自らも声をかけて募った店が多く、パッチワークの店も出す予定だ。
 サイトのエムズスタイルは開設から半年が経過し、アクセス数は1日200~300件に増えた。ブログにも同程度のアクセスがあり、書き込みは多い日には数十件にもなる。ウェブとリアルのショップを連携させることで商圏が広がっただけでなく、来店頻度が高まり、リアルショップの売り上げも昨年同期比80%増になっている。
 好調の要因は、リアルショップに引けをとらないコミュニケーション力だ。東さんは一日に何度もブログを書き、ウェブサイトのトップページも頻繁に更新する。相談や問い合わせの書き込みには返信を欠かさない。
 商品の購入を希望する客には、身長と体重、写真を送ってもらい、コーディネートを考えて返信する。時にはその場で接客しているかのように、商品を撮影して瞬時に送信することもやってのける。手間を惜しまない姿勢に賛同してモデル役を務めてくれる顧客も増えた。手作り感覚の運営が生きている。
 同時に、検索キーワードの研究など、いかに多くの人の目にとまるサイトにするかといった工夫も怠らない。実際に様々なキーワード検索で上位にランクされている。店ではボディーの数以上は見せられないコーディネートも、ウェブなら無限大に可能。商品に合わせてメークや表情も変えて撮影する。
 東さんは「顧客を飽きさせないためにも、小さな店ほどネット活用が必要」と考えている。

 キープオンアベニュー(www.keeponavenue.com)は「大手のサイトでは埋もれてしまい、個人のホームページではアクセス数に限界があると感じる小売店の声をもとに作り上げた」と運営するキープオン企画。開業は昨年10月。対象を20代後半以上で良質な商品とサービスを求める消費者に絞り、出店者に運営のアドバイス、支援を行っている。参加料は、商品管理や決済機能など同社のシステムを利用する場合で月額1万5750円(税込み)、利用しない場合は月額8400円。

2006/06/14
〈FBサプリ〉 ネットで成長する方法‐下 ジャパンスコープ 20カットの撮影、配送も自前 OEMから転換、消費者へ接近
 「中小メーカーにとってインターネット通販は救世主」と、ジャパンスコープの黒川洋社長。同社は婦人服専門店のレリアン向けを主体にOEM(相手先ブランドによる生産)供給で18年の歴史を持つ。「エイメル」を軸にしたEコマース事業ではミセス主体のサイトで8万人の会員を確保し、年商6億円(07年1月期見込み)を誇る。“エイメラー”と呼ばれる熱烈なファンも増えている。
 同社は現在、二つのサイトを運営している。一つはオンラインモール、楽天市場に02年から出している「エイメル」。もう一つは05年8月に立ち上げた自前の「ウェブアラモーダ」だ。いずれも30代の働く女性を対象にしたファッションに関する「お悩み解決サイト」をうたう。
 エイメルは会員数が6万5000人、月商が4000万円、ウェブアラモーダはそれぞれ1万5000人、1000万円。平均購入価格が1万1000円と高く、固定客比率も70%に及ぶ。
 エイメルの好調要因は「企画・運営の自前主義と徹底した顧客満足の追求」にある。そのポイントは(1)サイト作り(2)会員作り(3)企画と商品供給の仕組みだ。
 すべての商品を3人の専属モデルが着て見せており、常に同じモデルが着るため、雰囲気を伝えやすい。加えて、ディテールや前後の姿、身長の大きいモデルと小柄なモデルによる違いなど、画像が20カットと多いのも特徴。昨年4月に開設した自社の撮影スタジオが可能にしている。
 固定客の開拓にも力を入れている。販売日は火曜日と木曜日で、毎回、新商品5型を投入しているが、会員には2日前にメールマガジンを発信している。そのため、主力商品は発売当日に予定数量の50%が売れ、プロパー消化率は75%を維持している。
 14人のスタッフ(女性12人)による顧客の要望や相談にスピーディーに、こまめに応える顧客サービスも客との信頼を築いている。さらに「顧客のニーズと売れ筋傾向を目で確認する」ため、エイメルの配送(3日以内に到着)、ラッピングはすべて自前で行っている。
 同時に「新規客の開拓が課題」(黒川社長)として、売り上げの5~8%を宣伝費に充て、1人の客獲得に経費500円をかけている。
 供給体制の確立がエイメルの飛躍につながった。2年の研究をへて仕入れで立ち上がった02年の月商300万円が1000万円になったのは、自社生産品の投入を増やしてからだ。その後、「自社の都合になりがちだった」自社生産を中止し、OEMに切り替えたのは05年7月。その3カ月後に3000万円を超え、05年11月から前年比2倍の4000万円ペースとなった。納期が45日に短縮されたことで消化率が5ポイント上がり、75%になり、効率も高まった。
 「消費者への接近」「OEMからの転換」策としてスタートしたEコマース事業。今2月には社内カンパニーを設け、さらなる飛躍をめざす。「小売りのノウハウがなく、事業の継承期を迎えているメーカーにとって小額の投資・在庫で挑戦できるEコマースは最適」と黒川社長。今後はブランディングとともに、情報のポータルサイト化などを展望している。


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