繊研新聞 アーカイブ/ネットビジネス関連記事

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2008年7月の主なネット関連記事

2008/07/31
NRI電子マネー調査 “流通系”の保有率上昇 「メーンの座」巡り競争
 野村総合研究所(NRI)の調査(6月実施)によると、首都圏・東海・近畿・福岡の各地域で電子マネー保有率が前回調査(昨年5月)に比べ10ポイント近く上昇した。首都圏では「スイカ」(JR東日本)56・2%、「パスモ」(パスネット・バス連絡協議会)31・7%と「鉄道系電子マネー」が保有率で3番手以降を引き離しているが、福岡では「ナナコ」(セブン&アイホールディングス)11・2%が、東海では「ワオン」(イオン)9・2%が、全国で発行枚数が一番多い「エディ」(ビットワレット)に次ぐ保有率となっており、「流通系」が急速に存在感を増している。
高まる存在感
 地域別の電子マネー保有率は、首都圏78・9%(前回70・8%)、東海36・0%(28・0%)、近畿48・2%(38・8%)、福岡39・6%(24・4%)となった。いずれも8ポイント以上の上昇で、福岡は15・2ポイント伸び、東海を抜いた。
 電子マネーごとにみると首都圏はスイカ、パスモ、エディ26・7%の順で、東海がエディ23・6%、ワオン9・2%、ナナコ6・4%、近畿がエディ21・8%、イコカ(JR西日本)19・6%、ピタパ(スルッとKANSAI協議会)18・6%、福岡がエディ21・6%、ナナコ11・2%、スイカ6・4%。また、首都圏でナナコ11・3%が、近畿ではワオン6・0%がそれぞれ4位につけており、すべての地域で流通系電子マネーがクレジット系を上回っている。前回調査は流通系カード「ナナコ」「ワオン」が発行間もない時期だったが、今回はその存在感を高めている。
利用額も増加
 電子マネーを買物に使う場所は、スイカを最もよく使う利用者では「駅構内と駅ビル内の小売店」が78・1%だが、エディを最もよく使う利用者では16・7%にとどまっている。一方、エディが一番使われる「コンビニエンスストア」72・9%は、スイカでも41・0%と高く、発行枚数が多い二つの電子マネーの主戦場がコンビニであることが分かる。
 利用額は、月間平均5565円で前回より28%増加した。月間平均の利用回数は前回5・3回から7・2回に、利用単価は694円から754円にそれぞれ増えた。
 1人当たりの保有枚数は、平均2・1枚となりすでに2枚を超えた。また、最近1年間で使い始めた人は首都圏23・5%、東海41・3%、近畿33・8%、福岡46・7%。最近1年間で最もよく使う「メーン電子マネー」を変更した人は、首都圏13・5%、東海11・1%、近畿14・7%、福岡8・0%と、どの地域でも1割程度に達している。変更した人のうち、首都圏で5・2%、東海で3・2%、近畿で6・2%、福岡で6・7%が以前のメーン電子マネーを全く使わなくなっている。すでにメーンの座を巡る競争が始まっている。

2008/07/29
【情報システム・マイクロホン】 テーオーシーTOC事業部主幹 土屋彰さん リアル商談に近いBtoBサイト開設
 テーオーシー(TOC)インデックス・ホールディングスの共同出資会社TOC―indexは、アパレル・雑貨のBtoB(企業間取引)サイト「TOCバイヤーズネット」を今月からスタートしました。
 TOCは、東京・五反田で約150社のメーカー・卸がショールームを構える卸の総合商業ビルを運営しています。ネットでもリアルな商談に近づけたことが、新サイトの特徴です。
 たとえば、大量に商品を購入するヘビーバイヤーには割引を適用する、バイヤーの意見を聞いてOEM(相手先ブランドによる生産)対応するといった、通販とコミュニティーの両方の機能をもつサイトをめざします。
 通常のBtoBサイトは、掲載された商品の価格をみて注文するという一方通行なものが多いのですが、新サイトには見積もり機能を付けました。バイヤーが購入の打診をし、サプライヤーがいくらまでなら値引きができるという見積書作成が可能です。サプライヤー側は、販路でバッティングがあるなら商売を断ることもできます。
 実際のショールームに出店するには保証金や販売員などの経費がかかりますが、ネットならその負担を小さくできます。TOCと融合したひとつのマーケットを作っていけば、お客の来店比率が高まり、ショールームのあり方もこれから変わっていくでしょう。

2008/07/29
〈インタビュー〉 マガシーク社長 井上直也さん 年末に基幹システムを全面刷新 5年後年商200億円めざす
 発足以来、8月で丸8年になる。5年後の年商200億円、経常利益率10%以上をめざし、今年末には基幹システムの全面刷新に取り組む。「ファッションをネットで買うならマガシーク」と、ブランドの確立を急ピッチで進める。
     □
――発足から8年。次への飛躍は。
 「雑誌で捜す」をコンセプトにしたネット通販に取り組み、この8月23日で満8年を迎えます。この間、株式上場を経て、08年3月期で年商は70億円を超え、会員は7月で80万人を突破しました。8年前は、パソコンだ、ケータイで通販だといっても、おぼろげだったのですが、まさに隔世の感があります。
 8月には、メーカーと協業で限定商品を作り、会員向けのキャンペーンなども企画しています。会員が80万人を超えると、ライフスタイルが見えてきます。従来はユーザーが検索し、プル型で買ってもらっていましたが、これからはプッシュ型の仕掛けをメーカーと一緒になって考えていきたい。こういうライフスタイルの人にはこういう商品をという風に、一種のスタイリング提案です。ここに次へのヒントがあると思うのです。消費者参加型も大いにあり、ですね。
 5年先にはどんなサービスが人気になるか、今から種をまき、育てていかなくてはなりません。かなりのアイデアが出てきていますし、アジア、中国での展開も、差別化や参入のタイミングをはかっているところです。
――当面の重点は。
 会員増、アクセス増に対応するためには、8年間、継ぎ足しながらやってきた基幹システムを全面的にやり変え、年商200億円超にも耐え得る体制へと、スケールアップする必要があります。4億円近い投資ですが、同時に業務の効率化を進め、規模が拡大しても処理作業の肥大化に歯止めをかけて次年度以降、中期目標に向けての利益率アップを可能にする狙いが大きいのです。
 昨年秋には、メンズEC(電子商取引)を3誌とタイアップでスタートしました。レディスではF1層に強い体質に加え、今後はF2層もしっかり確保して相乗効果を上げていきたいものです。今タイアップしているファッション誌はレディスで18誌、メンズで3誌ですが、これはさらに増えていくでしょう。今春には新事務所に移転し、テイストごとのコーディネート企画、有力サイトやメーカーとの協業企画、入荷商品の毎日更新など、年商200億円超に向けた諸施策が着々と進んでいます。
 東証1部上場の基準は、税引後利益4億円とされていますが、2、3年後には達成できるよう、ピッチを上げていきます。

2008/07/29
NRIセキュアテクノロジーズ 41%のサイトに致命的欠陥 携帯サイトは「推測可能なセッションID」に課題
 NRIセキュアテクノロジーズのセキュリティー診断によると、個人情報などの重要情報に不正アクセスできる致命的欠陥をもったウェブサイトが全体の41%を占め、セキュリティー診断が初めての企業に限ると54%と過半を超えることが分かった。
 一方で、セキュリティー診断を実施している企業は19・8%にとどまっており、多くのウェブサイトが、危険を抱えたまま運営されていると予想されるという。
 同社は07年度に169のウェブサイトで実施したセキュリティー診断の結果を発表した。重要情報にアクセスできたケースでは、利用者のブラウザ上で不正なスクリプトを実行させる「クロスサイト・スクリプティング」60%、IDの改ざんによる別の利用者の情報にアクセスする「なりすまし」20%、「権限昇格による管理者機能へのアクセス」11%、データベースで不正なコマンドを実行する「SQLインジェクション」21%が、多く発見された問題だった。
 また、携帯向けサイトとパソコン向けサイトを比べると、前記4項目の発見割合は携帯向けサイトが低く、必要最低限の機能だけを実装しているためと分析している。しかし、ログイン後に利用者を識別するために発行する「セッションID」に規則性があり、推測可能なケースが携帯向けで25%(パソコン向け10%)と多かった。そして、今後の携帯電話の高機能化に応じて安全性を高める対応が必要と指摘する。
 同社は、不正アクセスのリスクは日々増加しているが、セキュリティー診断を実施する企業は2割以下のとどまっているとして、まずセキュリティー診断を実施しリスクを認識するところからスタートすべきと提言している。

2008/07/29
【情報システム】 PLMって何!? グローバルなファッション企業に最適
 PLM(製品ライフサイクル・マネジメント)とは一般に、製品の企画から設計、生産、出荷後のサポート、さらに生産・販売の打ち切りまで、すべての過程を包括的に管理する管理手法・経営コンセプトだ。その仕組みを支える情報システムがPLMシステムだ。日本での認知はまだこれからだが、世界的にみればアパレル・ファッション業界の有力企業の多くが導入している。日本のアパレル・ファッション業界向けにPLMシステムを提供している4社のシステムのコンセプトや特徴を紹介する。

ダッソー・システムズ コストを決める企画・開発工程
 ダッソー・システムズは今春から、アパレルファッション業界向けPLM「エノビア・メトリックスワン・アパレル・アクセラレーター」を日本市場に提供を始めた。エノビア・メトリックスワンは部門・企業を超えたグローバルな協業に焦点を当て、その柔軟性を生かし、11業種でそれぞれの特性に合わせたプロセス最適化に活用されている。アパレル・アクセラレーターは、世界のアパレル・ファッション業界のベストプラクティスを盛り込んでいる。
 同社によれば「一般に目に見える製品コストは、原材料の調達、生産、流通といった下流工程が80%といわれるが、その最適化によるコスト削減には限界がある。全体の80%のコストを決めるのは実は、企画・設計・計画立案の上流工程」であり、この上流工程を最適化するのがPLMだ。製品開発の早い段階から様々な情報を共有することでコスト管理の精度を高め、製品の市場投入のプロセス全体を早める。
 導入企業では、すべての関係者が、まずアパレル・アクセラレーターの「ダッシュボード」を開くことから仕事が始まる。ウェブベースだから、一元管理された様々な情報にどこから誰でも、それぞれの役割・権限に応じ、アクセスできる。M&A(企業の買収・合併)で新ブランドが加わっても取引先が変わっても、新たな仕組みは必要ない。
 画像ビューワーとの密な連携も特徴で、例えば、中国の工場と日本の本社間で、マイクロソフト「ワード」で作成した文書に張り付けた製品画像を修正しながら議論もできる。
 中堅企業向けには、多くの企業に共通する機能に絞った「ファースト・トラック」というパッケージも用意。トレーニングサービスも提供し、低コスト・短期間で稼働きる。

日本オラクル 必要な情報を共有化 優れた拡張性で中堅対応
 日本オラクルは今年初めから「アジャイルPLM」の販売を本格化した。PLM専任組織も設け、製造業を中心に日本での導入を促進する。「製造業の収益の大半は新製品により、企業の成長は魅力ある製品を次々と市場投入することで可能になる。この事実が市場投入サイクルを加速するPLMへのニーズを高めている」といい、向こう3年間で日本での市場の3分の1を獲得する目標だ。
 海外では、アジャイルPLMの企業内外の協業支援の機能への評価が高いという。「商品ライフサイクル短縮と消費者指向の多様化の同時進行により、どのフェーズに注力すべきかの判断が、評価は難しいが、経営上の重要なポイントになった」ことが背景にある。例えば製品の生産・販売をいつ終了するかの判断は難しいが、利益を大きく左右する。アジャイルPLMは企画・設計、生産、流通、販売、さらに廃棄まで一連の流れをトラッキングし、「必要な情報を必要な人と簡単に安全に」共有できる。この情報共有が意思決定の精度を高めてくれる。
 ただし、一連のプロセスの各段階で、各部門の役割は違い、情報活用の仕方も違う。「デザイナーもマネジャーも経営トップもそして販売員も一つのデータを、役割に合わせて、ページを変えて、窓口を変えて、視点が異なる情報を簡単に」見ることができるという。誰でも数時間のトレーニングで使える直感的な操作性も売りだ。
 中堅のユーザー企業が「必要とする部分を切り出して、そこから活用する」ことも可能だ。また新たに必要になった機能を「ブロックのように積み重ねる」ことも容易だ。SCMシステムとの連携もでき、今後はCRMや需要予測システムとの連携も図る。

PTCジャパン 徹底してパッケージ化 ユーザーニーズを反映
 PTCジャパンは07年春から小売業・靴・アパレル業界向け「フレックスPLM」の販売を始めた。既にイオンがメンズPBを対象に実用の段階に入っている。「イオン全体の業績向上のためにアパレルPB比率向上が求められており、その商品開発力を強化するために業務プロセスの最適化が求められた」ことが導入を決めさせた。トップダウンで改革を進める土壌がそのベースにある。
 PTCジャパンは、PLMとは「商品の開発力、ブランド力を強め、収益性を高める取り組み」という。ただ、人の力だけでは難しいからIT(情報技術)を活用するというわけだ。「開発力とは、魅力的な商品を短時間で提供することであり、ブランド力を強めるには統一されたビジョンが必要であり、情報の一元化が必要になる。商品開発の早い段階で情報共有することが、市場投入を早め、コストを下げ、収益性を向上させる」。
 フレックスPLMの大きな特徴は、サービスも含めた徹底したパッケージ化だ。カスタマイズ費用を抑え、導入期間を短縮でき、更新・メンテナンス費用も抑えられる。ユーザー企業が必要とする機能から徐々に拡大していく手法が、日本のアパレル企業には有効とみている。導入希望が一番多いのは、現場・マネジャー・経営トップ、それぞれ階層に合わせた進捗(しんちょく)管理(カレンダー・シーズン管理)機能という。このパッケージの完成度を高めているのは、ナイキなど先行導入企業との経験だ。
 同社は分野ごとにユーザー企業で構成する諮問委員会を年3回開催している。要望をまとめ優先順位を決めて開発部門に反映する。小売業・靴・アパレル分野ではイオンも参加している。

レクトラ・ジャパン 世界的競争に最適 ファッション・スマートで
 レクトラ・ジャパンのPLMの本格的な販売はこれからだが、レクトラ本社は「05年末のクオータ撤廃後、すべてのアパレル企業が従来の戦略変更を求められている」として、その新戦略を支援する柱となるソリューションとしてPLMを位置づけている。日本のアパレル企業もワールドワイドで、企画力・デザイン力で競争することが求められている。「そうした企業にこそPLMは最適なシステム」とみている。
 「レクトラ・ファッションPLM」は06年春にリリースされた。100%ウェブベースでオープン技術を活用していることが特徴だ。しかし、一番の特徴は世界のアパレル企業との経験から生まれた「ファッション・スマートな」PLMであることという。
 同社は、ファッション業界向けの様々な管理・業務ソフトをもち、これらをトータルに提供する軸になるのがPLMだ。ファッション業界向けのPLMとして、その守備範囲は他に例がないという。これらの連携で最大限の効率化が可能になるという。
 また、既存のERPやSCMシステムのデータベースを大きく変えることなく、インタフェースを通じ活用する。既存の仕組みは変えず活用することができる。何より、ユーザー企業のニーズに応じたカスタマイズを前提としている。その導入は、長い経験を生かしたコンサルティングがベースなる。顧客企業のニーズに応じ、ノウハウも合わせて提供する。
 当面は欧米での導入事例を重ね、その後、アジア圏での提供を本格化する。レクトラ・ジャパンはまず、欧米企業の日本支社への導入支援が柱となるが、これも日本のアパレル企業のニーズ次第ともみている。

2008/07/28
【ファッショングッズ】 急成長する婦人靴のネット販売市場 雑貨感覚で好きな時にショッピング 売れる価格は1万円台 デザインでは二極化
 女性の靴の買い方が変化している――。従来、サイズやフィット感が重視される革靴は、ネットで売るのは難しいと言われてきた。しかし、ここにきて婦人靴のネット販売市場が急成長している。背景にあるのは、ネットショッピングへの抵抗感の希薄化とライフスタイルの変化など。販売ツールとしてのネットが、ますます存在感を増している。
○意識の変化
 婦人靴のネット販売市場が成長を始めたのは、ここ数年のこと。「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイは、08年3月期の靴の売上高が、06年に比べて約4・5倍増えた。170億円の売上高に対し、約15億円を靴が占める。カテゴリー別売上高を見ても、06年に6位だったのが、08年には3位に上昇。商品の中でも、靴の存在感が増している。
 スタイライフでも、靴のショップは常に人気カテゴリーの上位にランクインしている。手ごたえを感じ始めたのは、一昨年の秋冬から。1足5万円もする単価の高いブーツが飛ぶように売れた。全160ショップ中、靴がメーンの靴は5ショップだけだが、「需要にショップ数が追いついていない」(澤口香ネット事業部商品グループMDチームリーダー)状況だ。
 背景にあるのは、大きく三つ。まず、消費者のインターネット販売に関する意識が変わったこと。ネットショッピングへの抵抗感が薄れ、服を買うことに慣れた人が、次は靴という流れになっているようだ。次に挙げられるのが、ライフスタイルの多様化。時間に制限のある働く女性にとって、ネットなら時間を気にせずに買い物を楽しめる。靴に対する見方も変わってきた。雑貨感覚で靴を買う人が増え、サイズや価格よりもデザインが重視される。
○メリット
 丁寧な対面販売を強みにしてきた靴専門店も、ネット事業に本腰を入れ始めている。ユナイテッドアローズの靴とバッグ専門業態オデット・エ・オディールは、07年8月に運営部門を設置。05年にゾゾタウンに出店したのを皮切りに、現在、「スタイライフ」「アイルミネ」「セレクトスクエア」の4サイトに出店している。スタート時に比べ、ネット販売の売上高は5倍増のペースで推移し、売り上げ上位の実店舗の約1店分に相当する。
 モード・エ・ジャコモは、ギルド・ジャコモ・ギャラリー・オン・ザ・ウェーブ業態でアイルミネに出店。数年前から、いろいろなサイトからオファーがあったが、本格的に力を入れ始めた。このほど、マガシークのアウトレットピークにも進出し、来春にはビバ・サーカス業態でもネット販売をスタートする予定。
 早くからネット販売を始めていたのは、かねまつだ。JALが出資するイーマイルネットを使い、99年からネット販売を開始。当初は苦戦したが、4年ほど前からコンスタントに前年比50%増の成長を続けている。このほど、アイルミネにも出店した。
 ネット販売のメリットは、まず実店舗に比べて人件費や設備投資などの出店のコストがかからないこと。店頭では埋もれてしまいがちな商品も、ネットなら一点一点詳しく見られる。気軽にアクセスできるので、商品カタログとしても効果的だ。店頭と違って、サイズ切れなどの販売機会ロスを防ぐこともできる。
 ネットで成功するために重要なのは、店舗同様、定期的に新作を投入したり、メールで新作情報を流したりと、顧客を飽きさせない仕掛けをすること。意外なことに、ネットでの返品率は低く、平均1%程度だ。細かなデータを載せることでミスマッチを防いでいるほか、実店舗で試し履きしてから買う人も多い。
○デザイン性
 圧倒的に売れる価格帯は1万円台だが、デザイン傾向は二つに分かれる。シンプルなものか、アイキャッチーなデザイン性の高いものがいい。ネットでは、小さいサイズと大きいサイズから売れていくのも特徴だ。利用者は、30歳前後が一番多く、モバイル版だと20代前半が中心。
 現在、靴全体の市場規模は約1兆5000億円とみられている。靴・バッグの業界専門誌を発行するエフ・ワークスによると、4年前の時点で、靴全体の無店舗販売による売上高は400億円(小売りベース)を超え、6年後には3倍の規模に成長すると推計されていた。婦人靴だけの統計は出ていないが、急成長していることは間違いない。ネットをチェックしてから来店する顧客も急増中で、販路としてだけでなく、ネットはますます無視できない存在になっている。

2008/07/24
日本百貨店協会 公正取引、環境問題など重点に活動 EDI標準化、秋にアパレルと共同実証 11月にはギフトカード相互利用開始
 日本百貨店協会は、公正取引や商品の安全、適正表示などのコンプライアンス、環境経営、人材育成などの活動を今年度の重点に据えている。社会的関心が高い「食の安全」に関するスペシャリストの育成を目的に、百貨店業界の共通資格「百貨店食品安全衛生検定資格」(仮称)を創設、年内に通信教育講座を立ち上げる。このほか、日本アパレル産業協会と共同で、標準EDI(電子データ交換)導入を前提とする実証実験を秋に実施する。11月には前払い式ギフトカードの会員企業間の相互利用を開始、自社で発行していない店舗を含め、約150店が取り扱いを始める。
商品表示でガイドライン
 日本百貨店協会は、物産展やインターネット上で販売した商品の原産地などの表示が実際と異なっていたとして公正取引委員会から指導を受ける事例が相次いだことを受け、5月の定時総会で基本的考え方をまとめた。多数の取引先が出店する催事商品の表示や、ネット上などに商品情報を入力する際のミスに対するチェック態勢整備などを含め、主要都市で商品表示に関するガイドラインの説明会を実施した。
 さらに、農林水産省から要請があった「食の信頼性向上自主行動計画」を策定、今月11日の理事会で承認し、農水省に提出した。
 年内に講座を立ち上げる食品安全衛生検定資格は、食品販売と現場販売員の指導の専門家育成を目的に創設した。講座は3カ月コースで、食品売り場やレストランのマネジャー、テナントの店長らを対象とする。
 百貨店のEDI標準化事業は、経済産業省による06~08年度の流通システム標準化事業の一環。3カ年の仕上げとなる今年度は、日本アパレル産業協会と共同実証を実施する。すでに小田急百貨店と丸井が参加を表明している。百貨店協会は、「取引先も含めサプライチェーン全体の利益につながらなければ普及しない」として多くの企業の参加を呼び掛けていく。
 ギフトカードは昨年、高島屋、大丸、エイチ・ツー・オー・リテイリングの阪急百貨店と阪神百貨店が独自に発行している。11月からの相互利用化に合わせて発行を予定している百貨店もあるという。ギフトカードの企業間決済の仕組みは、現行の共通商品券に準拠する。
新需要の喚起で施策を強める
 百貨店協会は今後、会員企業のハウスカード型ギフトカード発行を支援するのほか、共同販促プロモーションを実施し、「若い世代の気軽な買い物やギフト」など新たな需要を喚起する施策を強める。将来は相互利用できる各社のカードに統一したブランドマークを付与することや、入金(チャージ)ができる機能の付加も構想している。
 百貨店協会は今年度から、協会が主催する資格制度と、取引先の業界団体などが主催して百貨店協会が推奨する資格制度を、受講促進活動などを一元的に推進する態勢にした。柱となる「プロセールス資格制度」の有資格者は今年5月末で1万2835人に達した。今期からこれに、食品安全衛生検定資格と、「推奨資格」に認定した日本玩具協会主催の「百貨店玩具アドバイザー」が加わる。今後、自ら主催する資格制度と、推奨する資格制度の双方を増やしていく。
 温暖化対策では、7月7日から1カ月間、会員企業の店内冷房温度を通常より2度ほど弱めに設定するキャンペーンを実施している。同じ7月7日には昨年に続き業界統一エコバッグの販売を始めた。今回は初めて、温室効果ガス排出を環境保全活動で相殺するカーボンオフセット付き商品とした。今期中には商品の運搬などで排出する二酸化炭素の削減対策費の一部を消費者に負担してもらうカーボンオフセットの導入を検討している。環境保全活動への消費者の参加意識が強まり、百貨店として温室効果ガス削減が容易になる効果に期待している。

2008/07/23
ラクーン アパレル・雑貨で新サイト 「バイヤーズナビ」開設 人気商品をスポットで
 ラクーン(小方功社長)は、アパレル・雑貨のスポット仕入れのBtoB(企業間取引)サイト「バイヤーズナビ」を9月にオープンする。既存サイトの「スーパーデリバリー」が継続的な取引を前提としているのに対し、新サイトは人気・話題商品をスポットで、簡単・気軽に売買するのに適している。
 いずれもメーカー・卸が商品をサイトに掲載し、会員小売店がサイトを通じて発注、決済できるサイトだが、スーパーデリバリーは継続した取引を前提としたBtoBサイトのため、小売店会員も月会費制をとり、メーカー・卸がブランド戦略のために卸先の小売店を選択出来る機能などがあった。
 新サイトは、アパレル・雑貨のスポット仕入れが目的のため、小売店の会費を無料とする(メーカー・卸の月会費は未定)。メーカー・卸は初期費用や基本料はかからず、取引高に応じて手数料が発生する仕組み。代金回収は、掛売り決済やクレジットカード、代金引換で、回収リスクも解消できる。
 当初は、メーカー・卸約20社が出品する。掲載商材数は1万点以上となる予定。小売店会員は、同社の在庫処理サイト「オンライン激安問屋」の会員約6万店がそのまま移行するかたちとなる。  スーパーデリバリーは、小売店が会員となる場合の審査が厳しく、「審査を通らない小売店が半数以上あった」(小方社長)が、新サイトはそれよりも審査を緩やかにして、出品者の取引のチャンスを広げる。ただしメーカー・卸側は、会員小売店から購入希望があった場合は取引を拒否できない。
 新サイトのオープンに伴い、オンライン激安問屋は10月末をめどにサービスを終了する。新サイトのアドレスは、www.buyersnavi.com

2008/07/16
08年版通商白書 三つの「市場創造」提言 50億人市場/アジア大市場/持続的発展の市場 日本の消費財好むアジア 小売業は消費財産業の「先兵効果」
 経済産業省は15日の閣議に「08年版通商白書」を報告、了承された。世界経済の新たな発展の基軸となり、日本の産業の新たな事業活動の舞台となる(1)10億人の先進国に40億人の新興国を加えた50億人市場(2)30億人アジア大市場(3)持続的発展の市場――の三つの「市場創造」を主導することが重要と提言している。
 同白書は第1章「困難に直面する世界経済と『50億人』市場による新たな発展の展望」で、新興国の名目GDP(国内総生産)は、5年間に2倍超、世界GDPでのシェアも2割弱から3割弱へ拡大し、新興国相互の「南南貿易」は97年~06年の10年間で約3・3倍(世界貿易全体の5分の1以上)に拡大したと指摘。日本も07年の輸出が中国で2割、インド・中東で4割、ロシアで5割伸長し、新興国市場でのビジネス拡大に挑戦している。日本は資源国向け輸出(中東、ロシア)のGDP比率が6%と、先進国で最も高い。南南貿易は中国が主導しており、02年~07年の5年間の対新興国輸出は年平均約40%増と日本の約2倍の伸びとなっている。

 第2章「世界経済の新たな発展を先導する『アジア大市場』の創造」は、「東アジア生産ネットワーク」が深化し、アジアのGDPは米国・EU(欧州連合)並みに拡大、製造業の実質付加価値も06年は2・55兆ドルで、EU2・05兆ドル、NAFTA(北米自由貿易協定)1・83兆ドルをしのいでいる。米国が調整局面に入る中で、欧米に出遅れた域内消費の活性化を含め、バランスの取れた需要・産業構造への転換が急務という。アジアは部品の6割超が域内輸出だが、消費財は4分の1にとどまる。アジア新興国の日本からの消費財輸入は今世紀に年平均13・2%成長し、米国からの輸入3・4%成長を大きく上回る。日本の消費財を好むアジアは、所得の向上で日本とも共通の指向を持つ「一大消費市場」への発展も展望出来る。中国は製造業の実質付加価値で日本を抜き第2位(06年)、インドもIT(情報技術)を活用した金融、研究開発の供給拠点に進化しており、域内で潜在力のある人材などを還流・融合し、「知識創造」(アジアイノベーション)を促進すべきと強調。小売業は日本の消費財産業の「先兵効果」があるという。
 第3章「地球的課題に対応する『持続的発展のための市場』の創造」では、日本の省エネ技術やシステムの活用の必要性を指摘。日本並みのエネルギー効率になれば世界の消費量は3分の1まで削減可能という。
 第4章「持続的発展を主導する新たなグローバル戦略の構築」では、EPA・FTA(経済連携協定・自由貿易協定)締結国・地域を09年初めまでに12以上、その貿易額が全体に占める割合も10年に25%以上を目指すとしている。

2008/07/15
ネットで出店情報サービス ショップクエスト
 ショップクエスト(東京、樋口博明社長)が、店舗の出店情報をデータベース化した「ショップクエスト―net」サービスを始めた。
 テナントの出店計画や概要などをデータベース化し、ディベロッパーやリーシング企業など商業施設関係者が、ウェブ上で検索、閲覧出来る。両社間のニーズを即時に検索・マッチングさせるなど「高度な情報収集を実現したサービス」としている。
 同社は98年に創業、テナントリーシングを中心に、SC企画などに取り組んでいる。

2008/07/12
TOC―index BtoBサイト開設 リアルな商談が可能に
 テーオーシー(TOC)インデックス・ホールディングスの共同出資会社TOC―indexは、アパレル・雑貨のBtoB(企業間取引)サイト「TOCバイヤーズネット」を今月からスタートした。
 TOCは、東京・五反田で約150社のメーカー・卸がショールームを構える卸の総合商業ビルを運営する。TOCは年4回合同展を開催するなどしているが、地方小売店のバイヤーが来場出来なかったり、「こういう商品を探している」といったビジネス情報へのニーズが高いことから、BtoBサイトの開設に踏み切った。
 メーカー・卸が出品した商品を、会員となったバイヤーが閲覧・発注し、サイトを通じて決済する仕組みは他のBtoBサイトと同じだが、「ネットを通じて、現実の商談に近い交渉が出来る機能」が特徴だ。
 取引の打診があった小売店と取引するかどうかをメーカー・卸側が判断出来る。購入数量に応じた売価変更のための見積書作成機能などもある。「こんな商品を探している」「OEM(相手先ブランドによる生産)してくれるメーカーを探している」などの要望を告知する掲示板機能もある。
 メーカー・卸の初期登録料が20万円、月会費1万円、取引手数料が売り上げの8%。バイヤーは月会費2000円。キャンペーンとして、7月末までに入会した場合は、来年1月まで月会費が無料になる。
 TOCのテナントを中心に30数社が参加してスタートしたが、テナント以外でも出展可能。3年後にはメーカー・卸1500社、バイヤー15000社、取扱高40億円をめざす。アドレスは www.toc-buyers.net

2008/07/11
ユニクロ ネットメディア戦略進む 世界で評価、認知向上
 ユニクロがインターネット上のメディア戦略を強めている。世界の3大広告賞を連続受賞したブログパーツ「ユニクロック」に続き、7月からは鑑賞型スクリーンセーバー「ドライ・イン・モーション」を公開した。ユニクロがグローバル化するなかで、国境を意識することなく広がるネットメディアの活用で、ブランドイメージと認知向上を狙う。
 ユニクロックは世界83カ国、4万1632個がブログに設置され、アクセスは世界212カ国、1億2090万を超える(6月23日現在)。ミュージック、ダンス、クロックの三つの要素を組み合わせた表現方法は言葉の壁を越え、単純だが印象に残りやすく、世界中の人々に受け入れられている。
 制作も映像プロデューサー、ミュージシャン、振り付けなどプロのアーティストが数多くかかわり、商品に限らず、品質にこだわるユニクロを伝えている。
 また、設置したブログの所在国などを世界地図上に表示する「ワールド・ユニクロック」ページも斬新なアイデアで、隠れがちなネットの動きを“つながっている”という事実をリアルに表現し、話題になった。
 こうした取り組みは、ユニクロのブランドイメージを確実に高めている。ネットのハードユーザーがヤング層であることは見逃せない。現在はパソコン以外に携帯電話にもダウンロードでき、ユーザーがより使いやすくなっている。
 また、グローバル戦略上、海外での認知度向上は必須だ。リアル店の売り上げをサポートするとともに、すでに英国で行っているネット販売を、リアル店がある国に広げることも視野に入れる。将来は世界中にネット販売することも可能になってくる。

2008/07/11
楽天、「エディ」でポイント
 楽天は8日から、ビットワレットの電子マネー「エディ」を利用した際に、楽天のポイントプログラム「楽天スーパーポイント」を付与するサービスを開始した。
 楽天が開発した専用の携帯アプリケーションソフト「楽天アプリ」を「おサイフケータイ」にダウンロードし、その携帯端末を使ってエディで買い物をすると、楽天スーパーポイントが貯まる。これによって、従来はネット中心だった楽天会員の楽天スーパーポイントの獲得機会が、専門店、コンビニやスーパー、レストランなど実店舗約7万5000店に及ぶエディの加盟店にも広がる。
 07年12月に楽天とビットワレットは業務提携していた。

2008/07/10
IT統括で新会社 セブン&アイ
 セブン&アイ・ホールディングスは、11日付で同社100%出資の子会社セブン&アイ・ネットメディアを設立すると発表した。
 セブン‐イレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂に分散しているグループ内のIT(情報技術)関連事業を統括する目的で、今後は同社を中心に事業を推進する。IT事業はグループとして主要事業領域と位置づけた七つのうちの一つ。
 資本金は1000万円で、社長には後藤克弘セブン&アイ・ホールディングス取締役常務執行役員が就任。中間持ち株会社として書籍ネット販売のセブンアンドワイや食事配達サービスのセブン・ミールサービスなどを傘下に置く見通し。

2008/07/10
07年度全米小売業トップ100 1位は17年連続でウォルマート IT小売りの躍進目立つ
 全米小売業協会(NRF)の『ストアーズ・マガジン』は、ビジネスソフトウエアの大手、SAPアメリカの協力で、07年度の「全米小売業トップ100」を発表した。
 1位は91年度以来連続のウォルマートで、環境配慮の「グリーン」を提唱しながら、困難な経済環境下で「エブリデー・ロープライス」の戦略を貫いている。2位は減収になったが、総合住宅関連ディスカウンター、ホームデポ、3位は健康用品、薬局総合のCVS・ケアマークで、ケアマーク買収が前年比74%増と売り上げを伸ばした。4位は食品スーパーのクローガー、5位はホールセールクラブのコストコ、6位はディスカウンターのターゲット、7位はCVSと同業態のウォールグリーン、8位は減収だがシアーズとKマートを持つシアーズ・ホールディング、9位はホームデポの競争相手でもあるローズ、10位はコストコと同業態のスーパーバリュー。
 新しい動きは、IT(情報技術)小売りの躍進。コンピューターは米国で最も売り場効率の高い店の一つ、アップル・ストアーズ(52位)、デル・リテール(56位)、携帯電話のホライゾン(61位)、AT&T(81位)がランクインした。  伸び率が高いのは、ネット販売のアマゾン・ドット・コム(25位)で38・5%増、ビデオゲームのゲームショップ(47位)も33・4%増。(サンフランシスコ=立野啓子通信員)

2008/07/09
ネット販売の伊ユークス 日本で「ザ・コーナー」 まずは最新メンズ 9月下旬開設、日本法人も
 欧州、米国、日本など53カ国でネット販売を展開するイタリアのユークスグループは9月下旬、日本で新サービス「ザ・コーナー・ドットコム」(www.thecorner.com)を開始する。インショップ形式のECデパートで「マーク・ジェイコブス」などのコレクションブランドや「プレミアータ」などイタリアのこだわりブランドなど、メンズのみ30以上のブランドの最新商品を販売する。来春にはウイメンズのブランドにも拡大する予定だ。また業務拡大のため、10月には日本支社を開設。09年前半にはイタリアで上場を予定している。
 ユークスグループはスタートから8年で500以上のブランドと正規に取引している。ユークス・コム(www.yoox.com/)は現シーズン以外の商品を厳選して買い付け、値頃で販売したり、著名デザイナーと協業した限定コレクション、若手デザイナーの発掘と商品の販売などを行い、07年度は世界中に100万アイテム以上を販売した。
 また、ユークス・サービスは「マルニ」「エンポリオ・アルマーニ」などの公式サイト内に、オンライン旗艦店としてECサイトを設置。その運営を担うなどのサービスを行っている。
 ザ・コーナーはこうして築いたデザイナー、ブランドとの関係を生かし、ネット販売を初めて行うブランドを含め30以上を集積。一覧性の高いトップページで選べば、各ブランドのイメージにあわせたインショップ形式のページに移動できる。ブランドによってはブランドの公式ホームページ(HP)からリンクをはり、ザ・コーナーで商品が購入できる仕組みも導入する。扱いブランドはヴィクター&ロルフ、エトロ、ラフ・シモンズ、ヘルムート・ラング、クリス・ヴァン・アッシュなどのデザイナーブランドとサンタクローチェ、パントフォラ・ドーロ、マルセルなどの品質に定評のあるブランド。商品は最新コレクションでシーズン中のものばかり。実店舗ではどこでどの商品を扱っているのか分かりづらいが、ザ・コーナーであれば一目で分かる。また代理店などの関係で、日本には輸入されていない商品を手に入れることも可能になる。
 同サービスは今年3月に欧米向にスタート。9月に扱いブランドを広げるとともに日本語サイトを開設、販売する。同グループのECプラットフォームを活用することで、商品価格と日本国内一律2200円の送料で購入できる。決済はクレジットカードか代金引き換え(手数料350円)。日本への配送期間は4~6日となる。

2008/07/08
アリババ、「淘宝」に20億元を追加投資 ネット販売でランキングも
 【上海支局】アリババは、子会社で中国最大のネットショッピングサイト「淘宝」(タオバオ)に20億元(1元=15円)を追加投資し機能を強化する。淘宝5周年の式典でアリババの馬雲(ジャック・マー)CEO(最高経営責任者)が明らかにした、と複数の地元紙が伝えた。
 投入した資金は5年間で技術開発、人材育成などに使う。アリババは淘宝に03年5月4・5億元、05年10月に10億元を投資している。今回の投資は過去2回の投資金額を上回る大規模なもの。
 淘宝は08年1000億元の売上高をめざしている。馬雲氏は「世界最大の電子商取引サービスを供給する会社になることがアリババの新しい目標である」と話した。
 また、淘宝の張勇CFO(最高財務責任者)が淘宝CPI(消費者物価)とネットショッピングランキングを発表することも明らかにした。ランキングは消費者にとって商品選びの目安になると同時に、生産者にとっては生産や研究開発などに生産効率向上に必要な情報を提供できる。
 淘宝は、現在の登録ユーザーが6700万人で、サイトにアクセスする人が1日当たり1000万人で、中国ネット販売で70%以上のシェアを持っている。

2008/07/08
スピードを強調 楽天EXPO2008 対象は「世界60億人」
 楽天は東京会場を皮切りに、全国6カ所で「楽天EXPO2008」を実施し、インターネットビジネスの一層の成長を目指して出店者との戦略共有会を開く。
 ネット上の仮想商店街「楽天市場」は97年に開設以来、出店数は2万4000以上へと急成長。三木谷浩史社長は東京会場で「この11年2カ月の歩みを成功というなら、スピードがその要因」と指摘し、約2000人を前に改めてスピード感豊かな仕組みづくりを呼びかけた=写真。米国のサブプライム問題との関連で「不況脱出には最低3年かかる」とした上で、「ガソリン高騰も、ネットには逆にプラス。米国で20%成長、日本でも25~30%成長が可能」と強調した。
 先ごろ進出した台湾でも「日本の商材が人気。中国本土や東南アジアでも売れている」とし、対象は「日本の1億3000万人だけでなく、世界の60億人」と意気込みを見せた。

2008/07/05
かゆいところ手が届きます グローバルファッションリソース SPAをサポート
 事業の立案から商品の企画生産まで、かゆいところに手の届くサービスを提供したい――08年4月に起業したグローバルファッションリソース(GFR、電話03・6905・9591)の音羽裕之社長。大手商社で約30年、アパレルや専門店の大手SPA(製造小売業)の生産管理などを担ってきた。大手商社でできること、できないことを理解した上で「外にいるから見える事、提案できることがある。SPAが望む機能を望む分だけ提供したい」と独立した。企画会社や縫製工場をパートナーに、SPAの様々なニーズに応えるボーダレスカンパニーを目指す。
 「SPAといっても求められる機能は様々」と音羽社長。企画や生産など必要な部分だけ、あるいは一つの事業を丸ごと協働するなど、提供するサービスをケースによって組み合わせる。このため企画会社のファッションファクトリー(FF)、生産は中国でニット・カットソーの縫製工場グレートファッション、布帛の縫製工場V―ヤングインターナショナルとパートナーシップを組む。GFRが事業立案し受注した内容に合わせ、それぞれの機能を組み合わせて最適化。これをSPAに提供する。
 まずスタートしたのはネット販売事業。通販大手のムトウと共同開発で、企画会社のFFが米国ロサンゼルスに持つセレクトショップ「ファッションファクトリー」の通販サイト(www.fashionfactory.co.jp/)を開設、販売を始めた。GFRがムトウに提案し、実現した。ムトウにとってはLA発のトレンド情報を加味した日本向け商品は他社と差別化ができる。また半年以上前の情報で商品を企画、生産しなければならない既存事業とは別に、小回りの利く商材が確保できるメリットがある。ムトウではヤングレディス向け通販サイト「ラプティ」(www.rapty.com/)のトップページでもFFを紹介する。
 現在、トップページなどはGFRが制作し、商品詳細ページからムトウのサイトに移行し決済、配送などを行う。商品企画はムトウとFF、ムトウの信用状(LC)を利用し、生産管理はGFRが、生産は中国の2社が担う。FFの初年度売上高目標は2億円、3年後10億円を目指す。「目的、時間、成果を共有し、ベクトルを合わせれば、新しい事業を作り、目標を実現することは可能」という。

音羽裕之社長  生産面でもチャンスある
 「生産面でもチャンスはある」と音羽社長。大手アパレルでもブランド単位でみれば規模は小さく、不足している機能は多い。大手専門店でもSPA新業態の開発や、子会社化した業態、ブランドの活性化は必須のテーマだ。小規模なだけに同社のネットワークが持つ小ロットで機敏な生産背景は魅力だ。素材も別アイテムへに置き換えたり、時期や地域を変えて販売したり、逆に海外企業の残反を活用するなど、バリューチェーンのなかでこれまで培ったノウハウをフルに発揮する。
 目指すは企画、生産、輸入、部分的あるいは全事業の立案と、SPAが望むように運営するボーダレスカンパニー。「すでにいろいろな要望が寄せられている。バリューチェーンをしっかり構築していきたい」という。

2008/07/04
NEC、新POS発売 次世代流通システムの中核に
 日本電気とNECインフロンティアは10月、POS(販売時点情報管理)新製品TWINPOS5000シリーズを発売する。これらを中心に流通業向けソリューション事業を強化する。流通業のグローバル化に対応し、海外に進出する日系企業や海外のローカル企業への販売も強める。向こう3年でPOSを25万台、うち10万台は海外へ販売する計画だ。
 NECは、小売業向けにNGN(次世代ネットワーク)を基盤としたリアルタイムの管理システムの提案を強めていく。この中核となるのがPOSシステム。10月に発売する新POSは、日本ばかりでなく、中国、東南アジア、北米の各種規格に対応し、マイクロソフトのOS、WEPOSの採用で多言語に対応できる。管理サーバーやバージョンアップが不要なウイルス対策「ソリッド・プロテクト・フォー・POS」も採用した。「店舗のインテリアになじむインテリアPOS」をコンセプトにしたデザイン性も売りだ。
 国内で発売後、北米、中国・東南アジアでも順次、販売を始める。現地のグループ企業やシステムインテグレーターと協業で、POS単体だけでなく、保守メンテナンス、コンサルティングを含めトータルソリューションを提供する。現在、流通業担当の営業システムエンジニアは北米に100人、中国に200人となり、海外での流通業向け事業展開は10年間で体制が整った。流通業向けの事業は全体で10年度2000億円の売り上げ目標で、海外売り上げはこの10%以上を目指している。
 10月に発売するのは、ベースモデルのTWINPOS5500Ui(税込み77万円~)、小規模店舗向け5100Mi(56万4000円~)、電子マネー決済専用セルフPOSno5500Si(オープン価格)の3機種。

2008/07/01
〈インタビュー〉 ショップエアライン社長 伊藤直さん ネットで新たな流通モデルづくり 世界中から気軽に買い物
 インターネットを活用した「国境なきショッピングビジネス」の広がりが注目されている。言葉など各種の障壁も、多種多様な連動とサポートシステムの拡充で克服、一般消費者向けにいっそう加速する気配だ。
――海外とのネットビジネスで、新しい動きが。
 インターネットは、文字通り世界中とつながっていて、ブログ、ファイル共有サービスなど新感覚のサービスでずいぶん活性化しています。ただ情報だけでなく、モノを動かすEコマースの分野は、ネットの面白さを具現化した例は、まだ多くはありません。その点に着目して、私たちは日本の消費者が世界中の商品を気軽に購入できるように、ネットならではのグローバルショッピングサービス、国境を超えた新たな流通モデルの実現をめざしてきたのです。その第1弾が、昨年12月から、米イーベイとの連動によるグローバルなショッピングサービス「セカイモン」です。イーベイは38カ国・地域で展開する世界でも最大級のオンラインマーケットプレイスとされ、約2億5000万人のユーザーによって出品される商品数は常時1億点、5万カテゴリーに上ります。
――日本には独特の壁も。
 海外サイトでショッピングする際の障壁は、ネットの仕組みを通じて解消するようにしています。一番の問題は言葉ですが、検索のときから自動翻訳機能を通じて商品情報を日本語で提供しています。配送の点では、米国やカナダからの商品を当社のロサンゼルスの物流センターに集め、まとめて発送、通関することで、1個当たりの国際送料を大幅に安くしています。代金決済も日本円ですので、簡単です。商品が違っていたとか、品質の問題とか、何かのときのサポートも日本語で可能にしています。
――セカイモンの事業フローは。
 イーベイからの大量の商品データをもとに、サイトを構築し、日本のネット、モバイル、雑誌、テレビなど各メディアとの提携で集客しています。価格を国際的に比較する機能を含め、有力な検索サイトとの日本語での機能の共有や、新たな商品供給の連動も、今夏から一層多様に広がります。日本での発売を待たずに、いち早く入手できることもメリットで、有力ブランドやレア物などのファンも増えています。逆に世界へ売ることも可能です。

2008/07/01
経産省模倣品・海賊版総合窓口報告書 知財侵害物差し止め バッグ、衣装付属品が1、2位 ファイル共有などのオンライン海賊版登場
 経済産業省が6月30日発表した08年版「政府模倣品・海賊版対策総合窓口年次報告書」によると、総合窓口は07年に308件、04~07年末までに804件の相談を受け付けた。相談件数は年々増加し、文具・玩具などの雑貨や衣服などの繊維の相談が多く、相談を受けた商品のうち、雑貨が27%で1位、繊維が17%で3位を占める。
 日本企業が海外で模倣被害を受けた企業の比率は減少傾向にあったが、06年は一転して23%(前年22%)に増加。被害多発国・地域は依然、中国、台湾、韓国。模倣品経由国・地域ではドバイ(アラブ首長国連邦)を中心に中東経由が4・8%(4位)となり、増加傾向にある。
 水際の知的財産侵害物品の没収・差し止めでは、日本の件数は過去最高を記録。欧米でも増加の一途。形態は小口化の傾向にある。仕出国別にみると日本、米国、EU(欧州連合)とも中国が多い。
 知財侵害物の差し止め割合は、バッグ類(25%)、衣装付属品(9・8%)が1、2位を占める。国内における被害状況では、模倣品・海賊版の押収量は増加傾向。インターネットを利用した模倣品・海賊版の取引も増加傾向にあり、インターネット利用事犯のうち、オークションサイトを利用したものが多い。大手インターネットオークションは政府と事業者の取り組みにより、模倣品・海賊版取引の温床という状況は脱しつつある。新たにファイル共有サービスなどのオンライン海賊版問題が登場している。