繊研新聞 アーカイブ/ネットビジネス関連記事
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2008年9月の主なネット関連記事
2008/09/26
【ダイレクトマーケティング】 高まる“海外”への関心 人口問題で国内市場は限界 中国、アジアから世界へ インフラ整備など課題も
ダイレクトマーケティングでも、海外への関心が高まってきている。生産拠点としてだけでなく、販売の対象としてのアジアへの関心は強く、欧米を視野に入れた動きも顕在化してきている。先行企業をみると、単一の販売チャンネルではなく、海外でもカタログ、実店舗、インターネットなどを組み合わせた事業展開が、おおむね主流となっている。
中国でも社会貢献
千趣会は05年、三井物産との共同出資で上海千趣商貿を設立し、07年から本格的に中国全土の女性に向けてファッション中心の通販事業を進めてきた。「暮らす服」を中心としたカタログ、ネット、店舗をあわせたチャンネルミックス政策が特徴だ。国内だけでは、人口の減少傾向を考えると市場は限られてくるため、当面の重点は上海千趣商貿の事業拡大。中長期的には上海以外へも通販事業を拡大していく。
フェリシモは、北京の現地法人、幸福生活貿易有限公司を軸に、04年から店舗を先行させ、05年からネット販売を始めている。中国ではまだ、諸規制はじめ、大々的に事業展開しにくい事情もあって、6店だったショップはいま4店に集約し、ネットともあわせて各種の実験を重ねている。
また、四川大地震に際しては、日本から義援金を送ったほか、復興支援のTシャツを現地販売するなど社会貢献の面でも実験を開始している。当面はウェブサイトの充実と販売体制・仕組みの構築などが重点だ。
さらに、ニューヨークを中心に、「ジャパンC」プロジェクトで日本の文化、プロダクツを世界に発信している。
まず卸売りから
セシールは、既存のインフラ、メーカー機能を活用した中国市場への進出が基本方針。韓国、台湾、シンガポールなどでは現地企業と組んで、インターネットによるテスト販売を始めている。中国では、上海事務所を8月29日に現地法人化し、現地の小売業への卸売りを先行させている。当面は卸売りに特化した販路開拓を進め、現地パートナーと組んだ通販事業を展望する。
中国・米国に拠点を持つベルーナも、すでに現地での販売をテスト的に行っている。特に巨大な規模を持つ中国は魅力的な市場とみて、基本的には進出意欲を持っている。ただ、通販という形での進出は現地のインフラ整備の状況や先行投資的な要素の多さから、大々的な展開はリスクが大きいと考えて、注視しているところ。当面は収益性のある展開方法を模索し、単独ではなく、現地企業との協力関係も必要とみている。
楽天、日本郵政も
雑誌通販を軸に急成長してきたスタイライフは、5年前から同様の手法で、まず香港、次いで台湾に進出し、一定の地歩を築いてきた。中国へは大手ポータルサイト「新浪網」に今年5月、ショッピングモール「日本館」を開設、日本からのブランドはすでに「ダブルスタンダードクロージング」「カーライフ」など100ブランド。
これを基礎に、次は現地で雑誌を出版、相乗効果を出したいところ。台湾では、近く現地企業と提携し、飛躍をめざす方向だ。
「楽天市場」で急伸の楽天は、今年2月に統一超商との合弁企業を設立、5月に「楽天市場台湾」をオープンした。日本と同様に、「ネット通販の場を提供する」手法で、すでに440店、会員数は16万人に達している。
今年2月、“調査法人”としての楽天ヨーロッパをルクセンブルグに設け、「数年以内に世界の27カ国・地域に楽天市場を」が当面の目標だ。
異色は、日本郵政グループの中国向けネット商店街「ジャパンナビ」。代金は国際クレジットカードで決済、商品は国際スピード郵便(EMS)を活用して中国の購入者に2~3日で届く。
赤ちゃん本舗、サンリオ、大丸、タカミヤ、田崎真珠、ミズノ、三越の7社が出店、8月18日にオープンしたが、出店企業、アイテムとも順次拡大していく。提携先の中国郵政集団公司でも、ネット商店街を構築し、日中間のEMSなど利用拡大を目指す方針で、いま準備中だ。
2008/09/26
【ダイレクトマーケティング】 大手通販 ヤングレディスを強化 F1層が最重点ターゲット 無理してピュアヤングは狙わず
大手通販はヤングレディス分野を強化しようとしている。ヤングメンズには積極的ではないが、ヤングレディスはF1層(20~30代)を重点に、新カタログの発行、既存カタログの刷新など需要の掘り起こしを進めている。従来のミセス層に加え、新規顧客の開拓は大きな課題。カタログとインターネットを連動させた販売を仕掛けるほか、ネット専用商品の開発、携帯モバイル販促も不可欠な要素となっている。
導入層として重要
ヤングレディス市場について「既存顧客の導入層として重要」という各社の見方は共通している。
千趣会は「20代前半は無理な獲得は行わず、他社とのアライアンスやM&A(企業の買収・合併)をベースにネット、モバイル、雑誌など新たなメディアの活用を検討する」方針。既存顧客の入り口に近い20代後半の顧客獲得に資源を集中することで、20代顧客の減失を防止する。特にファッション分野を中心とした新規獲得により、他ジャンルにも波及させる。
カタログ「ファッションプラス」ではOLのニーズに絞った商品を展開し、来年に向けて20代顧客の本格獲得のためのリニューアルを予定している。カタログ&ネット、イベントなどチャンネルミックスも仕掛ける。「ベネビス」をはじめとするファッショングッズ、講談社との提携した「お買い物with」カタログの増刊などで20代向け提案を強化する。
セシールは「ピュアヤング市場は嗜好(しこう)や購入ツールが複雑で、エージアップしてもマスにつながる傾向が読みづらい」と見て、F1層を重視する。20~30代向けカタログ「服が好き。」など、年齢ではなく、テイストを切り口にした取り組みを進める。テイストを絞り込み、資本投下することで、顧客の定着化を図る。また、ネット・モバイルを有効に活用することで将来的に紙媒体への依存度を低下させる。
ネット専用商品も
イマージュは人口減少、利用メディアの変化、ヤング中心のネット通販の台頭など市場環境は難しいが、顧客の導入部としては重要な市場ととらえる。引き続きネットプロモーションを強化し、ネット専用商品の開発にも力を入れる。
ベルーナも店舗・ネット専業など競合が激しい市場だが、「将来の顧客を先んじて取り込むという意味では対応が欠かせない」との認識だ。ヤング・カタログではリュリュ45億円、ルアール55億円を年商目標としている。
ムトウはF1層を最重点ターゲットとして衣料品に加え、F1層向けの雑貨カタログ「RdECO(アールデコ)」を創刊した。ネットでは引き続きカタログ掲載商品を発信すると同時にカタログに掲載していない純ネット商品も強化する。
ディノスは主力カタログ「カーラ」(35~45歳女性中心)につながるヤング層の取り込みを狙い、自社ファン層の拡大をめざす。ヤングレディスではカタログ「ルール」を重点に20%増を目標とする。低価格帯のカジュアル提案を中心に、有名スタイリストやモデルとの協業商品や他社ブランドのピックアップによりセレクト的要素も加える。セレクト的要素をどこまで充実できるかが課題と見ている。
2008/09/26
【攻守転換 チャイナビジネス】 拡大続く中国ネット販売市場 ネットで買い物定着へ アパレル分野にもチャンス
日本と同様に、中国でもインターネット販売が注目されている。中国のネット販売市場の伸びも著しく、有力企業の動きも活発だ。
利用者数が米超え
中国ではインターネットの利用者、ネット販売額ともに増加が続いている。ネット利用者は07年末で2億1000万人とされ、米国に次ぐ2位。08年に入って前半のうちに利用者人口が米国を追い抜いたとする統計がいくつも発表されている。
07年のネット利用者のうち、実際にネットで買い物をしたのは5500万人。ネットによる消費は、すでに主な消費様式の一つで、習慣になったとも言われる。
ネット販売市場の伸びも目立つ。ネットショッピングの販売総額は、艾瑞諮詢と淘宝網の共同調査によれば、07年度で594億元(前年比90・4%増)となり、初めて500億元の大台を超えた。
今後も伸び続ける見通しで、ここ数年の平均伸び率から推定して12年には1兆元を超えると予想されている。全小売総額におけるネット買い物市場の占有率は、07年度の0・64%から12年で5~8%になると見込まれている。
半年で1100元
中国互聯網絡信息中心(CNNIC)の08年中国網絡購物調査研究報告によれば、08年上半期の中国19の大都市(直轄4都市と副省級都市15)を対象にしたネット購買金額は162億元に達した。このうち1人当たりの購入金額が最高だった都市は上海で、上半期で1107元だった。男女別では、利用しているのは男性より女性の方が多いが、消費金額は男性の方が半年で1069元と女性の960元を上回った。学生と非学生では利用人数、消費金額ともに非学生が学生の倍以上を示した。
商品の内訳は、アパレルとインテリアの購入者が48・9%で最も高く、2位に書籍・音楽、3位に化粧品及び宝飾品が続いた。中国国家統計局が一定規模以上の企業を対象とした06年度の中国商品小売額のうち、アパレルは2400億元に達している。ネット販売のシェアはまだ少ないが、アパレル市場規模は大きく伸びているため、これからも商機があると推測される。
戦略や参入が加速
現地企業の動きも加速する気配だ。BtoB(企業間取引)サイトのアリババドットコム、BtoC(企業対消費者取引)とCtoC(消費者間取引)サイトの淘宝網などを持つアリババグループは9月、淘宝網と広告取引サイトのアリママを統合することを発表した。08年第1四半期で交易額188億元を突破した淘宝網を、さらに強化する狙いだ。
日本企業も中国のネット販売市場に対する意欲が目立つ。すでに千趣会がカタログ通販や店舗と並行してネット販売をしているほか、今年1月からスタイライフが、北京流行概念商貿有限責任会社と共同で、大手ポータルサイト新浪網に「日本館」を出店した。今秋から中国で卸販売を始めるセシールもすでにネット販売を開始している。日本と違って課題は多いが、成長性が高いだけに今後も様々な動きが予測される。
このほかにも、注目されている分野にはテレビ通販がある。テレビ通販の産業規模は04年から次第に広がっているが、07年度が105億元で、全国小売総額における占有率は0・1%前後と言われている。08年度は200億元、10年後には5000億元となり小売総額で占有率3%前後になると予想されている。
2008/09/25
【攻守転換 チャイナビジネス】 商社の中国事業 脱“対日OEMサポート”が急ピッチ 日系中国商社として確立へ 内販や第三国向けで機能拡充
商社の中国事業が新たなステージに入ってきた。従来の対日OEM(相手先ブランドによる生産)のサポートビジネスを超えて日系中国商社、つまり中国現地法人として事業を構築するのが新たな段階だ。それは現地アパレルメーカーへの卸売りにとどまらず、中国から欧米などへテキスタイルや製品を輸出したり、流通のプラットフォーム作りも含めて小売事業に取り組むなど、これまでフレームを越えた多様なビジネスモデル作りとなる。
●ネット販売も視野に
そもそも商社の中国事業は、日本向けアパレルの生産管理を支援する拠点であり、コストセンターとして駐在員事務所から出発した。SPA(製造小売業)化の広がりにに伴う生産の外部委託、その受け皿としてのOEM事業の拡大と歩調を併せて上海などを拠点に商社のOEM事業は、この10年で大きく発展した。それが、ここにきて大きな変革期を迎えている。
変革の方向の一つは、急拡大する内販需要に対応するビジネスだ。代表的なのは店舗展開。日系アパレルメーカーだけでなく、ローカル企業も出店に意欲的で、中高級品へと商品幅も広がり、ビジネスチャンスが拡大した。
次いで新たな可能性があるのはネットビジネスだ。中国でもインターネットビジネスは急成長中。「陶宝網」に代表されるパソコンのネット販売が伸びている。今後、携帯電話の普及でモバイル通販の拡大も期待される。テレビショッピングも未開拓だ。こうした流通の発展に伴う新事業は商社の機能が発揮できる領域であり、プラットフォーム作りも含めて商社各社は取り組む。
二つ目の方向は、収益性の頭打ちが目立つOEM事業の再構築だ。
人民元の上昇、物価上昇もあって生産コストは上がるばかり。当面、下降要因は見当たらない。その上、日本の店頭価格と納入価格の上昇が見込めないため、OEMの収益性は悪化している。依然、対日OEMは商社の柱事業ではあるが、今後を展望した新たな収益源探しがはじまっている。
次のOEM事業の芽と目されるのは、グローバルOEMだ。最近、伝統的に香港にバイイングオフィスを構えていた欧米のファッション企業が、上海にもバイイングに出向いている。また、第三国向けのテキスタイルや製品輸出、OEM受注でも、香港だけでなく上海を拠点とするケースが増え、そこに新たな可能性が見えてきた。
OEM事業で“中国商社”として中国内や海外のルートを使って独自に組み立てる事業が期待できる。
●現地法人の機能を鮮明に
こうした中国事業の環境激変にいち早く対応し、現地法人の体制を整えつつあるのが大手商社だ。
繊維部門の現地法人としての役割だけでなく、服飾雑貨や資材、流通・物流など他部門の中国拠点とも連動してクライアントにトータルに向かう中国版“総合商社”がひとつの方向だ。
伊藤忠商事は、ブランドビジネスや機能性素材、あるいはファッション以外の商品をアジア圏で展開するビジネスモデルを構想している。香港企業と組んでバッグの「レスポートサック」に次いで、アクセサリーの「クロムハーツ」の出店を計画。高級デリカテッセンの「ディーン&デルーカ」でもアジア市場の開拓を目指す。
上海の現地法人、伊藤忠繊維貿易(中国)有限公司は繊維カンパニーの方向性を踏まえ、「現地法人としての立ち位置をはっきりさせながら」、ブランドなど繊維部門と連動で出来るもの、あるいは現地法人単独で出来るものなど、「いくつかの具体的な案件を検討している」(林史郎総経理)。
丸紅は、今年4月から繊維と資材部門を合体させてライフスタイル部門を新たに発足。衣料やフットウエア、雑貨などあわせたSCM(サプライチェーンマネジメント)の効率化、新規事業の開発などを目指している。繊維部門の上海現地法人の丸紅繊維(上海)有限公司は、本社各部門と連動して効率的な中国事業を構築する。
上海丸島服飾貿易が手掛けている卸売り事業は、現在35店が年末には50店になる予定。香港のSPA企業との合弁の専門店「オーパ」は資本関係はなくなったが、商品供給などのパートナーシップを継続している。
こうした内販事業や欧米向け輸出は本社各部門との縦割り連携の中で、収益性をにらんで合理的な事業構築を目指す。
住友商事は繊維事業会社、スミテックス・インターナショナルを軸として中国事業を再編している。中国繊維事業はスミテックス香港が担い、上海と青島の事務所、上海の自社工場スミテックス・ファッション上海(SFS)、スミテックス・インターナショナルの大連にある事務所と自社工場の体制。これを来年4月をめどに、スミテックス・インターナショナルの傘下にスミテックス香港を組み込む形で統合する。これによってスミテックス・インターナショナルのもとに上海、青島、大連の3事務所、上海と大連の工場、ベトナムのサミット・ガーメント・サイゴンの体制が出来上がり、スミテックス・チャイナに模様替えしていく方向。自社工場によるOEM事業をベースにしながら、中国内販、欧米輸出も視野にいれたプロフィットセンターの構築を計画する。
双日繊維(上海)有限公司は、日本向けに綿生機を中国内で製造して供給する拠点が前身。現地法人となってからは中国内での染め加工済みテキスタイルの内販も手掛けている。今年から本社の組織再編を踏まえて総合的な商社機能を発揮する方向を目指している。テキスタイルだけでなく、寝装品やリビング商品などを香港企業のパートナーとして販売していくほか、将来はネット販売も検討する。
また、同社の隣に入居する香港のニチメンオリエントウエア(香港NOW)との連携による素材から製品化まで一貫による欧米向けのOEM事業なども視野に入れる。
三菱商事の中国現地法人、菱華商業(上海)有限公司(トレディア・チャイナ)は、三菱商事アパレル部門の生産管理を一手に引き受け、中国国内の工場群とダイレクトに取り組み、生産管理や人民元決済などのOEMサポートビジネスを行っている。対日OEMが85~90%と、ウエートが高いのが同公司繊維部門の特徴だ。
3年前から、繊維部門内に「産地開拓タスクフォース」を結成。本社と現地法人スタッフが連動し、価格対応から高品位までの中国テキスタイルの開発に着手している。
対日OEMの生産受け皿としての機能を現地法人として拡充していくのが同公司繊維部門のスタンスだ。
●中国内販売にシフト
上海現地法人を日本向けOEMの機能と切り離し、いち早く“日系中国商社”にシフトしたのが住金物産だ。ローカルスタッフ主体に50人のスタッフを抱える上海住金物産有限公司は、メード・イン・ジャパンの商品を欧米向けに輸出する、あるいは欧州ブランドを展開している中国アパレルメーカーに対して素材から製品まで一貫によるOEMを提供するなど、中国を軸として商社機能を果たすのが事業の目的だ。
ネット販売など新業態への取り組みにも挑戦しており、「中国のスピードの早さに対応し、流通の変化に即したタイムリーな事業構築にも取り組む」としている。
蝶理も現地法人、蝶理(中国)商業有限公司の中国事業が好調だ。内販向けは自動車や建材などの原料が30%、中国アパレルメーカーに販売する北陸産地の生地販売などテキスタイル40%、中国向けOEM30%の比率。1~7月の内販は予算を超え、前年同期比20%増と好調だ。
同社は原料から取り組んだ素材の強みを持っており、対日OEMを主力にしながらも合繊や合繊と新疆綿の複合素材などを切り口に、内販や米国などの第三国向け輸出も今後、増やしていく構えだ。
NI帝人商事は、上海現地法人、日岩帝人商事(上海)有限公司を世界に向けたODM機能を果たす拠点と位置付ける。その中でCADセンターを充実させたほか、スタッフも増員した。
日本発信のテキスタイルを基本として取り組み、スポーツや重衣料などパターンメーキング機能も加えて付加価値を高められるOEM事業に集中し、対日と内販ともに順調に推移している。
今後は現地法人として生産協力先の縫製工場との取り組みを強化するほかデザイナーをさらに1人採用するなど、ターゲットを明確にしたODM機能に磨きをかけていく方針だ。
豊田通商(上海)有限公司は、トヨタ自動車グループが持つ物流機能や自動車ディーラー網などの強力なインフラをもとにした中国事業の構築を目指している。
現状は対日OEMが主体だが、市況の厳しさと生産コストの上昇によって採算が厳しいために事業の合理化を進めている。
対日OEMをカバーするのが内販と第3国への輸出。南米中心の製品輸出が軌道に乗ってきたが、「金融引き締めなどで中国経済の伸びがダウンしてきた」中で、いかにローカルの優良企業と取り組むかがカギとなる。同公司では10月から2人、繊維部門で人員を増員。素材から商談が行える体制で、中国内でのOEM受注の拡大を目指していく。
専門商社は繊維のエキスパートという機能を発揮して、中国事業での特徴付けを行っている。
国内でカットソー素材のストック販売で実績のあるヤギは、ヤギの子会社、譜洛革時上海貿易有限公司(プログレス上海)は、中国内で生産しストック販売する綿カットソー生地の事業が好調に推移している。「織物に比べて生産が難しいカットソー生地を日本並みの品質基準で、しかも1メートル単位から販売しているところが機能として認められた」と同社。
7品番からスタートしたこの事業は、09年春夏向けで50品番以上に拡大。また綿100%のほかにリヨセル繊維との混紡や綿コンパクトヤーン使いなどバリエーションを広げている。
またこのほど上海で、ローカルアパレル向けの内販拡大を狙って初の総合展示会を開いた。得意先のレディスアパレルメーカーを中心に40社近くが来場した。
田村駒は、原宿衣料事業部が中心となってOEMからODMへの転換を図っている。これを受けて生産面を担う中国現地法人は、これまでの華南・華東地区に加えて山東・遼寧省地区まで生産地を広げ、より商品や顧客の特徴に沿って最適な生産を行う仕組み作りを指向している。
また主力の協力工場への投資などによって関係を深くするほか、日本人6人、ローカル21人の体制によって品質管理面も強化している。
2008/09/24
経産省「08年版通商白書」 30億人アジアの「一大消費市場」の発展を展望 消費拠点としては出遅れも、所得向上で日本と共通の志向
経済産業省の「08年版通商白書」は世界経済の新たな発展の基軸となり、日本の産業の新たな事業活動の舞台として三つの「市場創造」の重要性を提言した。三つの市場とは、10億人の先進国に40億人の新興国を加えた50億人市場、30億人アジア大市場、持続的発展のための市場である(図1)。ここでは、30億人アジア大市場の創造、特に、共通の志向を持つ「アジア大消費市場」の発展を展望した要点について概要を紹介する。
日本の消費財を好むアジア 日本からの消費財輸入米国上回る年率13%成長
これまでのアジアの経済成長の源泉は、域内外からの直接投資によって広く域内で形成された高度な生産ネットワークであり、そこからの輸出だった。結果として、GDP(国内総生産)で米国、EU(欧州連合)に並び、投資では上回るものの、消費では大きく下回っている。アジア、米国、EUの経済構造を最終需要の構成で比較すると、アジアは設備投資を含む固定資本形成において世界の31・3%のシェアを占めるのに対し、実質家計消費支出では世界の20・4%を占めるにとどまり、米国の31・3%、EUの27・7%に比べて低い水準にある。
バランスの取れた需要構造を背景にして自立的な発展を実現するためには、アジア域内の消費市場を高度化させていくことが重要である。こうした中で、中国、インドなどアジア各国で高い経済成長を背景に所得が向上し、富裕層や中間層の台頭や消費市場の活性化、消費構造の近代化・一体化に向けた変化が見られ始めている。
アジア最大の世論調査「アジア・バロメーター」の06年度調査によれば、日本を除く各国ともアジア人としての意識は高く、特に東南アジア諸国が高い。都市化に伴う核家族化の進展も共通している。同03年度調査では個人個人としての中流意識が高いことも確認されている。
こうした中で、アジア域内においても、いくつかの消費財で貿易が活発化している。今世紀に入ってからの日本からの消費財輸出の伸び率は年率13・2%とEUほどではないが、米国からの輸出の伸び率3・4%を大きく上回る率で成長している(図2)。
アジア域内における消費財貿易の緊密化は、互いに域内他国と同じ消費財を嗜好(しこう)する傾向が強まっていることを意味し、アジア域内で消費構造が均一化の方向にあることを示唆している。
アジア消費市場一体化の背景 アジア各国で新都市中間層(月収600~1200ドル)成立
アジア市場の一体化の背景には文化的共通性のほかに(1)都市間の所得水準の収束(2)消費構造の類似化(3)インターネットの普及(4)クレジットカードの普及――などが考えられる。
アジア域内の国ごとの経済格差は大きいが、都市に住む一部の所得階層に限定すると、その所得格差は小さい。各国主要都市における中間管理職(中流~上流層であると想定)の賃金水準を都市間で比較すると、国全体の所得水準が低いインドやべトナムの都市(ニューデリー、ホーチミン)が上位にランクインしており、月収600~1200ドルの比較的狭い所得区間に多くの都市が集中している(図3)。
所得水準の上昇を受けて、都市部を中心にアジア各国の都市部の1人当たりGDPは大きく成長し始めており、「都市中間層」ともいえる階層が成立し始めている(図4)。アジアの都市化率は現状では低いが、今後都市化が急速に進展することが予想されている。都市化の進展は、都市への人口集中ひいては生産性の向上をもたらし、都市化が進展するにつれ都市中間層は一層厚みを増すと考えられる。
アジアの大まかな消費支出構成を時系列で見ると、耐久財の比率が高まる傾向が見られる。特に所得水準の近い、ASEAN(東南アジア諸国連合)4では近年消費支出構成が収束する傾向が見られる。こうした消費支出構成の類似化が、市場の一体化にも寄与していると推測される。
インターネットとクレジットカードの普及 電子商取引による購入や可処分所得以上の消費可能に
世界的なIT化の流れを背景に、先進国だけではなく新興国でもパソコンやインターネットの普及率が飛躍的に高まっている。アジア諸国のインターネット普及率の推移をみると、99年時点ではほとんど誰も使用していなかった中国、インド、タイ、ベトナム、フィリピンでも着実に普及が進んでいる(図5)。インターネットの普及によって世界中の情報が容易に入手できるようになり、海外の商品情報に触れる機会の増加、電子商取引による購入の実現により、家計の消費行動にも大きく影響を与えると考えられる。
アジア消費層を取り込むべく外資系を含めた金融機関が現地で積極的にリテール業務を展開しており、クレジットカードの発行数や消費者ローンの供与数は飛躍的に増加している(図6)。こうしたリテール金融サービスにより消費者は可処分所得以上の消費を行うことが可能となり、現地の購買力は増強される。高度経済成長による所得の向上及び中産階級の出現を、個人消費の拡大につなげる住宅金融・販売金融のシステムを構築してきた日本の金融機関のノウハウが、アジアにおけるリテール金融の整備に有効活用されることも期待される。
小売業は消費財産業の海外展開の「先兵効果」 単品販売からライフスタイル提案型産業へ
流通業など「国内市場型産業」が縮小傾向にある一方で、高い経済成長を続けるアジア等新興国は「都市部中間層」を含めて購買力を持ち、日本の消費者と共通志向を持つ消費者群が台頭している。こうした消費者層との接点に位置する小売業や個人向けサービス業は、モノやコンテンツ、サービスを提供する過程で、消費者に新たなライフスタイルや価値観を提案し、市場の形成と拡大を担っていく「ライフスタイル提案型産業」と位置づけることができる。
ライフスタイル提案型産業、特に小売業の海外店舗は、日本の消費財産業にとって、格好の「マーケティングチャネル」、かつ、需要の情報を消費者から生産者へ伝達するネットワークである「ディマンドチェーン」の始点となっている。消費財産業にとって海外市場拡大機能と、海外消費者からのフィードバックを通じた自社製品の改善促進機能を果たしている。日本の流通業が進出することによって、流通業に製品を納入している日本の消費財産業の代金債権回収上の不安も解消されうることも考えられる。
小売業などはこうした新市場の顕現に対応し、中国や東南アジアを中心として現地資本と差別化されたサービスや商品を武器に、海外事業活動を活発化させている。ライフスタイル提案型産業の海外展開が、消費財産業を中心とする、日本の「国内市場型」産業の海外展開を誘引することが展望される。小売業は消費財産業の海外展開の「先兵効果」を果たす。
2008/09/22
【ワールドニュース】 フランス ネット販売31%増 アパレル市場の4.5%に
【パリ=久世留美子通信員】パリに拠点を置く仏モード研究所が発表した昨年7月~今年6月のフランスのネットショッピング動向統計によると、1年間にネットショッピング市場は前年比31%増と伸び、金額で仏アパレル市場の4・5%を占め、06年下半期の2・5%を上回った。
アクセサリーと靴を除くカテゴリー別比率で最も高いのはインテリアリネン(8・7%)。次いで乳幼児用衣類(5・4%)、キッズ(4・6%)、レディス(4・2%)、メンズ(3・4%)となっている。
一方、商品別で販売比率が高かったのは、「今回の統計で初めてトップに立った」ランジェリー(5・7%)、次いでベビー下着(5・6%)、メンズ下着(5・4%)、乳幼児衣類(5・4%)、キッズ服(4・9%)。
ネットショッピングでの購買額は、買い手によって差があり、ネットと実店舗で使われた金額を比べると、レディスはネットが実店を15%下回ったが、メンズはほぼ同率、キッズは実店がネットを15%上回った。
同研究所は「レディスの買い手はセール品をネットで買う傾向が強く、メンズはネットは楽だからという認識があるようだ」と見ている。
15歳から10歳ずつ区切った年代別のネットショッピングユーザー比率では、最も利用率が高かったのは、25~44歳の女性。自分の物だけでなく、子供やパートナーの分までをネットで買う世帯が集中しているとみられる。
購買品のベスト3ではレディスが水着、バスローブ、スポーツ用ジャンパー、メンズがナイトウエア、バスローブ、トレーニングウエアだった。
2008/09/22
〈サポートビジネス〉 東レACS 中小SPA向けの基幹システム販売
東レACSは、中小規模のSPA(製造小売業)型アパレル企業を主な対象とする基幹システム「AMIストアリンク」の販売を始めた。店舗・本部・倉庫のさまざまな情報をリアルタイムで一元管理する完全ウェブ対応のシステムをASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)方式で提供する。初期投資120万円・月額利用料12万円からの低コスト、一定カスタマイズしても1~2カ月の短期間で導入・稼働できる。
同社は事業の柱であるCAD(コンピューターによる設計)システムで国内でトップのシェアを持っており、CADと連携する縫製仕様書システム、生産管理システムも開発・提供している。さらに、これらのシステムと基幹システムの連携を図りたいというユーザー企業の要望を受け、上海・ネットSDL社と共同でAMIストアリンクを開発した。これで、企画から生産、店頭までのシステムがそろった。
新システムは、店舗や倉庫などの端末はインターネットに接続でき、ブラウザさえあれば、ソフトはいらずどこでも利用できる。利用する機能を制限できるユーザー権限設定もできる。サーバーの管理メンテナンスも必要ない。
単独でも運用でき、小売り専業でも利用できる。これから店舗数を拡大しようとしているSPA企業や出店を検討しているアパレル企業、そして成長に向け基幹システム整備考えているアパレル小売業に適したシステムだ。
2008/09/22
通販大手 新規はネットから 20代後半~30代女性向け専門サイト新設、充実進む
大手通販はヤングレディス分野への拡販に向けて、インターネット、携帯モバイルを駆使した販売手法を強化している。ティーンズやピュアヤング市場はネット専業通販が強く、大手通販はミセス層を主体としているが、新規顧客の開拓は永遠の課題。ネット専業とは一線を画し、特に既存顧客の導入層となる20代後半から30代前半を狙っている。
千趣会は8月に主力通販サイトを刷新し、年代別集客を改善、専門ブランドショップを多数立ち上げた。ヤング・キャリア向けファッション・サイト「ベリッシ」を新設し、20代新規顧客の獲得を目指す。講談社と提携している「お買い物with」のサイトも品揃えを拡大した。「アディダス」「ナイキ」などのスポーツブランドではウェブ限定商品を増やしている。今後もウェブへの誘導を中心に販促を進め、来年には複合的な手段での本格的プロモーション戦略スタートすることを検討している。
セシールは自社サイト内に20~30代向けカタログ「服が好き。」のサイトを常設し、新規顧客との接点を広げている。コンテンツをメールマガジンと連動させることで、既存顧客を活性化している。プレゼント・キャンペーンなどネット経由受注の拡大を目的にブランド認知度を向上させる戦略だ。
ベルーナも「新規顧客の開拓ツールとして、ネット・モバイルの強化は必須」と位置付ける。ネットではサイトの見栄えをはじめ売り上げ予測や在庫手当などマーケティングと商品企画を連動させ、機会損失の削減も並行させる。
ムトウは引き続きカタログ掲載商品の販促をネットで発信すると同時に、カタログに掲載してないネット専用商品を強化する。商品企画を充実するため、東京支店を開設し、東京起点の企画を増強させる。
ディノスはカタログに「ご要望をいただくページ」「こんな商品を探している!」「こんなものない?」といった顧客への呼びかけを行い、ネットで意見を集めている。集めた要望を商品化するなどといったネット誘導企画を活発にし、若い女性客を集めようとしている。
2008/09/20
青山商事 ネット販売本格化 実店舗と連動させ新規顧客獲得へ
青山商事は、「洋服の青山」ホームページ内に独自のサイトを開設し、24日からインターネット販売を本格化する。
サイト名は「洋服の青山プレミアム」。「店舗とネットの融合」をテーマに、全国700を超える店舗とインターネットの相乗効果で、新規顧客の開拓を進める。ネット決済、自宅直送の場合は、購入者の住所をもとに、「アフターフォロー店舗」を自動的に割り当てるシステムで、万一の場合でも店舗スタッフによる迅速・適切な対応が可能となる。商品を店に配送し、実際に試着して気に入れば、その場で購入する「試着サービス機能」も採用している。
ネットにはスーツ、ドレスシャツ、ネクタイ、靴、カジュアルの5アイテム、約80マークを掲載し、ネット限定の超高級素材商品や映画との提携商品など希少なプレミアム・ハイファッション商品も取り扱う。
サイズ対応の既存サイト「ワールドワイドサイズ」も全面刷新し、店舗での試着サービスに加え、ネット直販機能を付加する。キング、スモールなどのカテゴリーを明確に区分し、インターネットモール内にも出店するほか、E・K体サイズを中心に、在庫量を1・5倍に増やす。合計15アイテム、約300マークを掲載する。
今期はネットで1億円の売り上げを見込む。
2008/09/18
物流機能強めるスタートトゥデイ 「ゾゾタウン」の伸び支える 複数点注文の処理速度2倍 専用スタジオ設けて質向上
スタートトゥデイが物流機能を強化している。08年3月には物流倉庫を移転、延べ床面積で4445平方メートルから1万1681平方メートルに拡張。新しい仕分け方法により、1件で複数点を購入する注文(1対多)の処理速度が約2倍に向上した。また、商品撮影のスタジオも撮影内容別に分けた。物流センターの拡張も計画し、増加する売り上げに対応する。
同社にとって物流機能の強化は不可欠だ。運営するネット販売の「ゾゾタウン」の売り上げが伸び、08年3月期で商品扱い高が前期比52・3%増の約171億円。09年3月期の第1四半期も前年同期比36・5%増。12日には第2四半期の業績予想を上方修正した。さらに年内中には子会社によるEC支援事業がスタートする予定で、商品扱い量はさらに増加する。物流機能は単に配送だけでなく、在庫管理、商品の撮影など売り上げや顧客サービスに直接、かかわるだけに機能強化するもの。
新物流センターは現在、2層で、下層階が荷受け、発送、スタジオ、検品など作業スペース、上層階がストックになっている。大きな変化はスペースの拡大による作業効率の向上だ。スタジオはボトム用、バッグや靴、アクセサリーなど小物用、パーツ用、モデル用など内容に合わせ、約20ある。内容別に正面の壁面の色を変えるなど判別しやすい。どのカットで撮るか、モデルは誰にするかなどブランド側からの要請への対応もスムーズになった。写真レベルを上げるため、照明やカメラなどの機器も上位機種に変更したり、モデル事務所と連携するなどの取り組みも始まっている。また、採寸スペースを広く取ったり、台数を増やすなどで処理能力が高まっている。
商品仕分けも効率化している。分配作業では1人1点と、1対多の注文を分け、1対多の処理では新しい仕組みを導入した。処理速度を約2倍に高めた。検品についても、いくつかのブランド側と物流データを直接やり取りすることで、ノー検品の仕組みを構築している。
スタッフの意識も重要だ。棚の管理方法から業務効率の高め方、クレームから何を学ぶかなど、すべて自社で考え、作り上げてきた強みがある。また、ハンディーターミナルを入れる専用バッグを人気ブランド「ポーター」に別注したり、駅とセンターを結ぶ専用のゾゾバスを走らせたり、株主総会をセンターで開催するなど、カッコよさにこだわる。「物流をやらされている、という意識ではなく巨大なリアルな店という感じ」を大切にする。
2008/09/11
ニチメンファッションが新システム 顧客指向に一新 メートル単位で在庫開示
生地コンバーターのニチメンファッション(大阪)は、受発注を含めた社内のシステムを一新した。これによりネットでの取引の拡大や輸出向け梱包の増加、市場の変化に対応する。併せて社内の業務の流れも合理化し、機会損失などを無くして販売数量の拡大も図る。
同社は「テキスタイルのコンビニ」を企業ポリシーとしている。システムの一新に伴って、(1)売買の進行状況や在庫・仕掛かり品の進捗(しんちょく)状況などを全社員が共有し、透明化したシステムの中で社員誰もがユーザーに対応できる(2)無駄や非効率な仕事をなくす――などのメリットが出るとみている。これにより「コンビニのようにユーザーのニーズに沿って品揃えされ、使いやすさも提供する生地コンバーター」(長田峰雄社長)を目指す。
受発注システムは、「ユーザーが求めるメートル単位の要望に発注段階で合わせた」ところが特徴。メートル単位で在庫を開示するほか、染めロットごとの情報も開示する。従来の開示情報は反をもとにしたメートル単位。これは染めのミニマムロットが反単位というところから来ている。これを染工場との提携によって、たとえば「この1反は52メートル」など細かい単位の情報を得るようにした。
メートル単位で開示する新システムによって、顧客が求める「着数から計算したメートル単位の生地使用量」に近付けたほか、生地到着後でなければわからなかった微妙な色の違いなどのリスクを軽減できるような、染めロットのまとめも発注時に応じられるようにした。
「これまでのように生地到着後の出荷明細を見なければ、メートルで計算する用尺を確認できないということがなくなった。これによって裏地や副資材の手配も早めることが出来る」と強調する。
一方で、ここ5年あまりで加速した中国など海外生産に伴う輸出向けにも対応。発注時に輸出梱包を選べば、原産地などの情報が入ったシールも合わせて顧客に出荷できるようにした。
同社は9月後半に開く東京、大阪の09年春夏展示会で新システムを紹介。「顧客にとっての使いやすさ」をアピールする。
2008/09/10
●「KANSEIカフェ」一般公開開始
経済産業省は市民講座「KANSEIカフェ」を本格始動する。「感性価値創造イニシアティブ」の取り組みの一環で、「感性価値」を参加者に自由に語り合ってもらう場。10日午後4時半~6時半、東京の大妻女子大学で開く「KANSEIカフェ」で一般公開をスタートする。参加費は無料。定員80人。申込先は http://www.tepia.jp/kansei/index.html
2008/09/08
千金楽アパレルウェブ代表 「日本ファッション発信にBtoBサイトの活用を」
世界中で日本ファッションが人気だ。しかし、海外から日本ファッションにアプローチする窓口がない。このチャンスをつかむにはBtoB(企業間取引)を強化すべし――千金楽健司アパレルウェブ代表取締役CEO(最高経営責任者)がアパレルソリューションフェアで講演した。
千金楽代表がまず注目するのは、毎年7月にパリで開かれるジャパン・エキスポ。10代を中心とした熱狂的な日本オタクが、今年は12万人(昨年8万人)集まった。「マンガ」(アニメも含め日本語のまま呼称される)やゲーム、音楽に加え、ファッションも重要な要素で、コスプレの他にロリータファッションやセーラー服も多いという。ラフォーレがファッションショーも開いた。
そして、原宿には年間100万人近い外人観光客が訪れ、あるロリータ系のショップは50%以上が外人客だという。
中国語圏の哈日(ハーリー)族も比較的知られた存在だ。また、中国での雑誌発行部数上位は日本の女性ファッション誌の中国版。アジアでも日本ファッションは人気だ。欧米の有力セレクトショップで扱うことも多い「日本ブランドの潜在的なパワーを日本企業だけが気付いていない」という。日本のファッションは、消費者のトレンドを、消費者目線のショップスタッフが日本のトレンドに作り上げる。アニメやゲームなども含め日本独自の知的なカルチャー「クールジャパン」が、「脱アメリカニズム」の象徴として受け入れられていると解説する。
しかし、日本の繊維製品の輸出入の比率は2対100。他の先進国に比べ、けた違いに小さい。海外に向けた日本ファッションの窓口としてBtoBサイトを活用すべし、というのが千金楽代表の論だ。
アパレルウェブは昨年、BtoBサイトを、アパレル製品向けの「アパレルネット」、生地の「テキスタイルネット」と相次いで立ち上げた。アパレルネットには、国内のセレクトショップを中心に1000店以上が登録しており、まだ輸出に対応する仕組みはないが、バイヤー登録した海外企業もあり、注目度は高いという。対応する仕組みを整え、早ければ来年度にも台湾、香港、中国の哈日族狙いの小売業を獲得したい考えという。
2008/09/02
【挑む】 スポーツのSSKエンタープライズ 社長 二宮泰二さん “脱卸路線”で活路を開く 本体との相乗効果を狙う
スポーツ問屋の存在と役割が問われている。大型店の台頭を契機に、メーカー直販による“中(問屋)抜き”現象の広がりや、主力販売先である地域専門店の疲弊が進んでいるためだ。それは従来のメーカー、問屋、小売りの役割の変化であり、流通経路の崩壊である。そうした変化に対応するため、昨年7月、新会社を本格スタートした。
スポーツ業界に限らず、大型店の台頭や広がるインターネット販売の影響で、既存の流通市場は大きな曲がり角にあります。新会社設立の狙いは、そうした環境変化が背景になりました。
スポーツの市場も、これまでのメーカー、卸、小売りといった流通経路が崩れ、より短縮し、多様化しているのが実態です。しかも少子・高齢化による競技人口の減少やヤングを中心にしたスポーツ離れが進み、市場自体がよりシュリンクしています。また、個人消費もインターネットや携帯電話など新しい消費財の支出の割合が増え、スポーツに対しては総じて減少しています。インターネットや携帯電話の利用を社員に尋ねると、仕事以外で使用している時間は約2時間程度と、大きなウエートを占めています。
店頭で見ても、品揃えのために新たに開拓する商品の約6割以上がアパレルやシューズ、雑貨といったスポーツ以外の流通ルートで占め、今や既存のスポーツ分野で大きく売り上げを伸ばすのは至難の業です。こうした高度なマーケットや流通を克服するには従来の卸中心の営業手法や物差しでは、十分に対応できません。激変する流通・市場ニーズに小規模で即応できる事業体の構築も必要です。こうした見地からSSK本体ではビジネスの違いやなじまない新業態の開発、また既存取引先との関係で、事業化が難しかった事業に力を入れて取り組んでいく。これが別会社の役割と機能です。
新会社が推進している事業は現在、ブランドビジネスとイベントビジネスが主力になっている。しかし、今後の計画は幅広く、多様な構想が出ている。
事業領域は、「フェールラーベン」や「ヒュンメル」のライフスタイルラインを柱にしたブランドビジネス、運動会や日帰りハイキングなど企業の福利厚生事業の支援を中心にしたイベント・ソフトビジネスです。加えて、まだ着手していませんが、インターネットビジネスなどを考えています。うち本格化しているのがブランドビジネスとイベントビジネスです。ブランドビジネスではフェールラーベンで、推進しているショップ展開がその一つです。現在、店舗数は12。そのうちFCが1店ありますが、平均売り場面積は116平方メートルです。これを2、3年後に、20店舗に広げ、売上高で10億円達成を目指したいと考えています。フェールラーベンの場合、シューズは扱っていないため、「メネル」「ティンバーランド」「ニューバランス」などのフレンドの関係にあるブランドをセレクトしてます。今後はウエア分野もフェールラーベンを核にフレンドブランドの扱いを増やしていきたいと考えています。またヒュンメルは、今後伸びる余地が大きいライフスタイルを本体と連携しながら、その売り場づくりを推し進めていくつもりです。現在、原宿店(直営店)のほかに阪急イングス、小田急ハルクにインショップですが、立地と条件があえば出店を加速したいと思っています。
社内運動会や旅行会が最近、復活しており、企画から運営までトータルに手掛けている。イベントビジネスは中期的な発展の可能性も高い。
社内運動会や旅行会は、合理化、経費削減などで一時期、減少していましたが、「連帯感が強まる」と企業がその効果に着目したために復活しています。この影響でイベントビジネスも軌道に乗りつつあります。各種スポーツ大会から日帰りハイキング、周年祭、パーティーなどその内容は多彩ですが、企画から運営、設営まで一貫して行っています。この3月にホームページを開設して以降、業界以外の大手、中堅企業からの受注も増え、上昇傾向にあるのが現状です。
当面、このブランドとイベントの2事業を柱に、3年後の11年7月期で売上高が12億円(粗利益6億2700万円)を計画しています。内訳はフェールラーベンで8億5000万円(5億1850万円)、イベント事業3億5000万円(1億850万円)です。本体との連携強化で、エスエスケイ全体のシナジー効果が発揮できるビジネスモデルの構築に全力を挙げて取り組みたいと考えています。
2008/09/01
【ワールドニュース】 米ファッションビジネス 広がる格差とジレンマ―上 「価値感」の見直し必要 素材定義の標準化も
燃料費や原材料の高騰で、米国の小売業もメーカーもサプライチェーンの一層の効率化を迫られている。そのアイデアは出尽くした感があり、テクノロジーも存在する。しかし、データが不正確など基本的な問題は解決されていない。大手小売業とメーカー間では効率化の環境が整っても、中小企業には当てはまらないのが現実だ。格差とジレンマが広がる一方で、環境に良いサプライチェーンという新たな課題も浮上している。Uコネクト08大会の議論をまとめた。(ニューヨーク=杉本佳子通信員)
米調査会社ザ・MPIグループのジョン・ブラントCEO(最高経営責任者)は「バリューは商品かサービスにあるとされてきたが、ジャスト・イン・タイムのデリバリー、所有に伴うトータルコスト、データや情報、顧客の問題の解決、専門性の高さ、ブランド経験、環境にいいことも含まれるようになった」とし、「顧客バリューは新しいマインドセットが必要」と提言する。
何にバリューを感じるかは、ガソリン代の高騰など昨今の事情によっても変わってくる。何軒も店を回るガソリン代が惜しければ、代替ブランドで済ませることもある。ブランドパワーをますます強化する必要はあるが、ブランドへの忠誠心がゆらぐ不安もある。それを避けるには、顧客が求めるものを的確に市場に出し、在庫切れをなくすことに尽きる。
大手アパレルメーカーのリズ・クレイボーンは6年前からセブンスオンラインを使い、情報を共有しながら、メーシーズやディラードなど大手百貨店チェーンとCPFR(共同計画・予測・補充)を実践している。
リズ・クレイボーンは、展示会の1カ月前に営業に方向性を伝え、3週間前に型や品揃え、イメージをウェブベースのアプリケーションにアップロードする。2週間前に口座ごとの品揃えを計画し、得意先との協働が始まる。バイヤーは展示会の1週間前に売り上げのワークシートを見直す。展示会でオーダーし、その1週間後にオーダーをウェブベースのアプリケーションに落とし込む。2週間後にオーダーを承認し、EDI(電子データ交換)を通じて提出する。
同社のメリッサ・ブリーン氏は「より良い品揃えをし、マージンを上げ、予測が出来るようになった」と説明する。定価販売率は35~40%向上した。もちろん、悩みもある。リズ・クレイボーンのクリスティーン・レイン氏は「バイヤーはコンピューターにたけていない。5年たってやっと『これこそ私が求めていたもの』と言われた」という。情報の共有はまだ大手取引先に限られ、Eメールもコンピューターも使っていない取引先口座もある。ブリーン氏は「次の段階は店ごとに需要を見越してプレパックし、DCを通さずに店に直送すること」という。
TATAコンサルティング・サービセスのディレクター、ロバート・ケイン氏は「年商20億ドルの小売業のケースでは、データ、プロセス、テクノロジー、ソフトウエアなどに140万~150万ドルを投資し、商品開発で革新的な変革をすれば、コンセプトから店頭までのサイクルタイムを20~30%減らし、新商品発売時の売り上げを2%増やすことが出来る」と指摘する。よりクオリティーの高い情報を流し、無駄を省けるからだが、現実には「クオリティーの低い情報で無駄を発生させる」状況が続いている。
多くの素材メーカーが顧客が求めている素材を理解していないことが多い。「同じ素材でも定義がいろいろあり、同じ定義が異なる素材に使われたりするためだ。何度も行ったり来たりのやりとりをしなければならず、時間を無駄にしている」とケイン氏。同氏は「AppTexの標準を使えば飛躍的に素材の定義を標準化し、プロセスを持続させられる」と言う。AppTexはGS1香港を中心に進められている「商品企画開発系プロセスで利用する言葉の定義化」の取り組み。ボタンや裏地、糸など七つの素材群でアパレル・テキスタイル原材料仕様の標準化を目指している。昨年9月から、欧米と香港を中心にグローバルレベルでの検討を進めている。
中国の大手素材メーカーのファウンテンセットのUSA社マーケティング部門のバイスプレジデント、ベンジャミン・ラム氏は「素材の定義の標準化でリードタイムを減らし、シーズンごとに、より多くの商品を供給出来る。シーズンごとの売り上げは20~30%は楽に増やせるだろう」と期待する。現在の並列型のソーシング、「伝言ゲーム」式の伝達方法では情報が正確に伝わらないということだ。ラム氏は、「取引企業が一堂に集まり、素材について話せば真実は一つ」と強調する。そして、「混乱は何百万ドルもの経費につながる。情報を見つける共通の方法が必要。標準化すれば価格を20%下げられる」と意気込む。
商品ライフサイクル管理のソリューションプロバイダーであるPTCのRFAグローバルビジネス開発部門バイスプレジデントのブライアン・カーロール氏も「定義をつくっても100%ではないが、ビジネスにかかる経費と商品をつくるコストを下げられる」と語る。同氏は主要小売業を巻き込んで標準化を実現したい考えだ。
2008/09/01
認証キーだけでどこでもオフィス 日本ユニシス
日本ユニシスは、専用USB型認証キーを使い、自宅や外出先からでも社内ネットワークに安全に接続できる「SASTIKサービス」の提供を1日から始める。
インターネットに接続できるパソコンなら、認証キーを差し込むだけでどこからでも社内ウェブサービスが利用でき、キーを抜き取れば、パソコンには何の証跡も残さず、ログオフできる。キー自体にはデータは保有せず、紛失した場合でも連絡次第、センター側で即利用停止できる。
ユーザー側のシステムはユニシスのインターネット・データ・センターとの接続部分を加える以外の変更はいらない。
USB型認証キーが2000円(本体)、SASTIKサービス月額700円。初期導入費用は20万円。

