繊研新聞 アーカイブ/ネットビジネス関連記事

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2008年10月の主なネット関連記事

2008/10/31
消費者がユニクロ商品を着て世界の街角を行進 「ユニクロマーチ」開始 ウェブ利用、販促もグローバル化
 ユニクロはインターネットを使った消費者参加型のグローバルプロモーションを強めている。29日からは世界中をユニクロ商品を着て行進する「ユニクロマーチ」が始まった。今月から、世界三大広告賞を受賞したユニクロックの第4弾「ヒートテック」編と、世界の1000人の消費者と100のメディアを巻き込むヒートテック世界同時実証キャンペーン(ユニクロトライ)を始めた。グローバル化を図るユニクロにとって、ウェブは最も適したツールといえ、消費者を巻き込んだコンテンツで世界的な認知向上を目指す。
 ユニクロマーチは世界中の街角を旬のユニクロ商品を着て行進するという、ユニークな消費者参加型コンテンツ。1回目は100種類のフランネルシャツを着た、様々な職業の35人が行進。
 特殊広角カメラで撮影した超ワイド映像が楽しめる。行進している人をクリックすればアップ画面が現れ、柄や着こなし、その人の職業や年齢などが分かる。通販サイトとも連動し、購入が可能。第2回目からは、参加者を全世界から募集する。欧米、アジアに出店するユニクロにとって「グローバル」は、プロモーションにとっても欠かせないキーワードになっている。申し込み者には今回のオリジナルBGM(作曲はコーネリアス)をプレゼントする。
 ユニクロックのヒートテック編ではiPhone(アイフォーン)にも対応。ユニクロックはすでに世界214カ国、1億7000万の視聴数を記録し、ブログパーツとして87カ国、5万2000個以上(ともに08年10月22日時点)が稼働する。
 ヒートテックの実証キャンペーンは、着用前と後の体験映像を投稿してもらう。すでに応募を締め切り、いくつかの着用前の映像をウェブ上で公開している。

2008/10/30
〈インタビュー〉 集英社ブランド事業部部長 小林桂さん 雑誌の力で新たな挑戦 アパレル企業と連携を
 有名雑誌が相次ぎ休刊する出版界で活路を求める動きが活発だ。ネットと連動型の新事業もその一つ。集英社はブランド事業部で雑誌の力を生かす事業開発に取り組んでいる。
     □
――ポータルサイトの閲覧数は。
 「エスウーマン・ドット・ネット」の月間ページビュー(PV)は3200万。今後はニュースや求人情報や法律知識なども載せてライフスタイル全般をカバーしていきます。月間PV4000万以上が目標です。
――仮想空間「ノンノタウン」が始まった。
 現在の会員数は2万8000人、このペースでは初年度目標の10万人は難しく、集客の仕掛けを考えています。仮想空間風のファッションSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を目指し、9月からはメッセージ機能を加えました。20歳中心のノンノ世代の女性が楽しめる内容の充実に力を入れます。
――通販サイトへの誘導は。
 ノンノタウンの中には着回しゲームなど、通販サイトへの誘導の仕掛けがいろいろあります。滞在時間の長さ(平均25分)に注目し、インテル、サンリオ、資生堂、コーセーがサイト上に「クライアント館」を出していますが、アパレル系はまだですね。
――課題は。
 通販サイトと連動した商品情報の強化でしょう。
――アパレル企業との連携は。
 女性ファッション誌とアパレルは似た境遇にあると思います。大量生産・大量販売時代の姿では駄目だということです。今の消費者は自分のライフスタイルに合ったものしか買いません。世の中全般の動きをにらみ、ターゲットを絞り込んでやっていくしかない。
 委託品だけだと在庫が積めず、販売機会ロスが生じてしまいます。商品力と品揃えの強化のため、メーカーと一緒にブランドを作っていけたら面白いですね。
 雑誌の世界観ごとにブランドを作ってもいいかもしれない。「イセタンガール」のようなセレクトショップを雑誌がネット上に作ったっていい。今、集英社は売る機能も持っており、売り上げ50億円は無理でも10億円クラスまではいけるんじゃないか。

2008/10/29
百貨店にないものを百貨店顧客に 大丸の通販サイト「マルコレ」美容関連雑貨販売で黒字へ 外部の専門家活用も効果
 大丸は、百貨店店頭で扱っていない化粧品など美容関連雑貨専門の通販サイト「マルコレ」の売上高を09年度に7億円に引き上げ、黒字化を目指す。ハウスカード会員向けに同サイト専用の冊子カタログを送付して知名度を上げ、キーワード検索でのヒット率を高める仕組みを外部の専門人材を招いて築いた効果で今期から業績が浮上、今下期からは専任バイヤーを増員し、「百貨店商材以外の美容関連商品も買いたい百貨店顧客のニーズへの対応」(山崎明男WEB通販事業部長)を強める。09年度には携帯サイト立ち上げも予定している。

 マルコレの08年度上期の売上高は当初予算を1000万円上回る1億6000万円。前年同期比2・8倍となった。
 06年12月にサイトを立ち上げた当初は、東京・丸の内にサイトと連動したサテライト店を開設するなど、首都圏で百貨店以外の新顧客開拓を主眼に据えた。しかし売り上げが目標を下回ったこともあり、その後、「大丸の顧客に活路を見いだす方向にシフト」し、ハウスカード会員に向けた冊子カタログの活用を本格化した。
 当初は請求書などに同封してカタログを発送していたが、07年11月に、婦人雑貨を店頭で購入した顧客などにマルコレ専用のDMを初めて単独で発送したところ、月商がそれ以前の約2倍の3000万円ほどに跳ね上がった。実店舗とサイトでの購買履歴の分析精度を高めてDMを発送した今年5月の月商は4500万円に達した。
 外部の専門人材の活用も業績浮上の一因となった。システム製作などネット事業の専門家を招いてキーワード検索のヒット率を上げ、雑誌編集の専門家を招き、若い顧客に支持されるカタログに仕上げた。
 商品は当初、化粧品だけだったが、美容関連の雑貨全般に広げ、現在は約500品目のうち半数は化粧品以外が占める。2000~5000円の雑貨を最初に購入し、2回目以降に8000~1万円程度の化粧品を購入する顧客が目立つなど、値頃な雑貨の充実が新規客開拓につながっている。
 想定する顧客層と同じ30代の女性バイヤーを2人から3人に増員、引き続き、「自分で実際に商品を使った実感を優先した仕入れ」で品揃えを増やしていく。現在、同サイトの会員は4万人で、大丸の主力店がある関西地区が60%以上を占める。今期は3億6000万円、10年度に10億円の売上高を見込む。

2008/10/28
女性のネット販売利用 衝動買いしたのはお値打ち感があったから セキュリティーが安心ならもっと買います マスターカード・ワールドワイド調べ
 マスターカード・ワールドワイドの調査によると、女性のネットショッピング利用者は、「お値打ち感」を最も重視し、男性より「衝動買い」の傾向が強く、その理由も「低価格」を挙げる人が多かった。日本、豪州、中国、香港、インド、シンガポール、韓国、タイのアジア・太平洋地域8カ国・地域のインターネットユーザー4157人を対象に調査した。
 女性のネットショッピング利用者が重視するのは「お値打ち感」(89%)がトップで、「安全な支払いシステム」(88%)、「手軽な支払いシステム」(同)、「カスタマーサービスのクオリティー」(82%)、「特典」(同)と続く。
 女性の61%が「衝動買い」の経験があると回答し、その75%が低価格を理由に挙げた。「ネット限定商品だから」は49%にとどまった。
 購入前に商品について調べると回答したのは、男性が85%であるのに対し、女性は82%だった。その情報源は男女とも「インターネット」「企業・ショップのウェブサイト」が多いが、「口コミ」は女性(51%)が男性(44%)を上回り、重視する傾向が強く出た。
 女性がネットショッピングすることが多い品目は、「アパレル・アクセサリー」(62%)、「書籍・美術品」(同)、「化粧品」(39%)。男性は「家電・デジタル製品」(49%)、「CD・DVD」(43%)、「書籍・美術品」(41%)。
 購買目的でウェブサイトを訪れるのは、女性(62%)が男性(53%)より多い。ただし、支出総額は「過去3カ月で100ドル以上」の人が、男性では79%だが、女性は72%だった。購入品目の違いによるとみられる。
 ネットショッピングの「利用歴が3年以上」の人は、男性(47%)が女性(41%)を上回り、女性は最近、ネットショッピングを始めたことをうかがわせる。
 女性は、「セキュリティー」が「お値打ち感」と並び重要で、ネットショッピングの女性利用者は35%がセキュリティーに不安を感じ、女性全体の66%が「支払いの安全への懸念」から過去3カ月利用していないと回答している。
 今後、ネットショッピングで存在感をさらに強めると予想される女性の獲得には、セキュリティー強化と、そのアピールがカギとなりそうだ。

2008/10/25
楽天市場 翌日配達を3倍に
 楽天はインターネットショッピングモール「楽天市場」での翌日配達の対象商品・地域を大幅に拡充「あす楽」として23日、スタートした。
 6月から「グルメスピード便」、7月からの「家電・翌日配送便」を統合・発展させたもので、注文を受けた翌日に届ける対象商品は約5万3000点へと3倍になる。対象ジャンルもヘルス・ビューティーやキッチン用品なども加えて6ジャンルに増やした。全国を10地域に分け、当該エリア内に登録されている商品を正午までに購入手続きすれば、翌日には配達される。600店でのスタートだが、09年上期をめどに、ファッションなどでも基盤を整備、全ジャンルでの対応を可能にする。10~12年には流通総額の5~10%、1000億円以上の取り扱いを目指す。
 三木谷浩史会長兼社長は「ヘビーユーザーに改善点を聞くと、送料、ナビゲーション、配送期間の三つで83%を占める。基本的には店ごとの対応だが、早く届けて欲しいという要望は強い。ファッション品はSKU(在庫最小管理単位)が多いが、物流チームとも相談して早期に対応可能にしたい」としている。

2008/10/25
SaaSセキュリティー通信ソフト シスラボ
 業務ソフトウエアのシスラボ(東京)は、米タイムアウスと日本での総代理店契約を結び、同社が開発したSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型セキュリティー通信ソフト「ユア・ワールド・オフィス」(YWO)を発売した。テストマーケティングを兼ねた無料体験トライアルも実施する。
 YWOは、インターネットにつながるパソコンがあれば導入し、即時利用出来る。ソフトだけでルーターなどのハードがいらないVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク、暗号通信)サービスだ。各拠点でのハード設置やソフトのインストールは不要で、出張先のパソコンでも安全な通信が可能だ。
 グループとして設定されたパソコン間のインスタントメッセージ機能や大容量ファイルを安全に交換できるメール添付機能、ファイル共有機能を備えている。メールデータはセンター側で管理、ユーザーIDで自宅からや移動中のモバイルからも利用出来る。

2008/10/24
【情報システム・ターミナル】 トヨシマビジネスシステム 展示会作業を軽減 「アパレル―Eウエブ」開発
 トヨシマビジネスシステムは、アパレル展示会支援システム「アパレル―Eウエブ」を開発、同社のアパレル向け販売管理システム「アパレルゾーンⅢ」の既存顧客や新規先に提案する。ウエブ画面で操作するためインターネットに接続できる環境があれば展示会場からリアルタイムに入力できる。展示会の準備作業や受注の集計作業を軽減し、展示会の反応を迅速に生産計画や企画修正に反映するものだ。
展示会場に端末
 ウエブ画面で操作するため、展示会場には端末を持ち込み、インターネットに接続すればその場で入力でき、複数の会場で同時に展示会があっても集計データをリアルタイムで把握できる。煩雑な展示会の発注集計作業も簡略化されるほか、品番や型番をまたがっての使用生地の必要数量などが把握でき、ロスの削減につなげることができる。
 また、顧客にID、パスワードを発行すれば、展示会に来なくてもウエブ画面でオーダーブックを見ながら発注することも可能だ。
 展示会の準備のためのオーダーブックの作成も簡単になる。エクセルで作成しようとすれば画像をシートに切りばりする煩雑な手間が毎回発生するが、このシステムでは読み取ったイメージを入力すれば簡単にオーダーブックを作成し、ブック、下げ札を印刷する。一度作成すれば次回の展示会の作業はさらに低減できる。
負担を軽減
 展示会は年に数回とはいえ、その作業の負担は重い。事前の準備、入力、集計などの手間は膨大だ。このシステムを利用することで、企画や営業などの社員の負担を軽減し、展示会では顧客への企画提案や情報提供・収集などに専念できるように支援する。
 同社はアパレル向けにアパレルゾーンⅢを提案している。企画から生産、出荷、売り掛け管理までアパレルの基幹業務を総合的にサポートするもの。アパレル―Eウエブとデータ連携しており、両システムを導入すれば展示会まで含めたより総合的なサポート体制となるが、アパレル―Eウエブだけでもメリットは大きいとしている。

2008/10/24
中国ネット販売大手のアリババ 杭州四季青服装市場と提携
 【上海支局】現地紙によると、BtoB(企業間取引)サイトのアリババは、杭州にあるアパレル市場の四季青服装市場と戦略同盟を結んだ。今年末からネット販売を開始する。
 12月から、四季青服装特色街区に所属する16の服装市場の1万近い店が、アリババのサイトに出店する。バイヤーをはじめとする同市場の利用者に対し、実店舗同様の情報内容を提供する。購買ロットをもとに値段交渉の出来るシステムも用意する。
 四季青服装特色街は、専門市場として19年の歴史があり、週末は地元女性でにぎわっている。年間交易額は200億元近くで、アリババにとって魅力のある存在だった。

2008/10/24
アイログ サプライチェーン全体の最適化支援 在庫管理の新システム
 アイログ(東京)が、製造業、流通小売業、物流企業を対象にした二つの在庫管理システムを発表した。「アイログ・インベントリー・アナリスト」はサプライチェーンの原材料・仕掛品・製品の在庫を分析・最適化を支援し、「アイログ・プロダクト・フロー・オプチマイザー」はコストと顧客へのサービスレベルを勘案し最適の物流ルートを決定する。
 インベントリー・アナリストは、サプライチェーン全体のコスト削減には各拠点での在庫の持ち方変更や拠点へのモノの出入りの同期化、輸送手段・頻度の変更などについて、すべきことを戦略的に分析する。各拠点での安全在庫レベルの算出も出来る。戦略・戦術双方のレベルでの在庫最適化を支援する。
 プロダクト・フロー・オプチマイザーは製品のSKU(在庫最小管理単位)レベルで、最適な物流ルートを算出。全体のコストを抑え、顧客の要請に応える。
 どちらも、インターネットを介しエクセルから簡単にデータを入力・修正・保存が出来る。異なるシナリオの比較分析が容易で、データから表やチャートを作り、分かりやすく示すリポート機能の柔軟性も特徴だ。価格はともに1370万円(本体)。
 日本企業のアジア地域での盛んなサプライチェーン構築投資にチャンスがあるとみている。

2008/10/23
〈サポートビジネス〉 DTP 中小向けに低価格基幹業務システム
 ディー・ティー・ピー(DTP)は、アパレル・ファッション企業向けの基幹業務システム「クリエイティブビジョン・ドット・ネット」(CVドット・ネット)の機能を絞って、中小企業に低価格で提供するホワイト版の提供を始めた。パソコンでも携帯でも利用できる。ハードとインターネット環境があれば、初期費用100万円、月額数万円で利用できる。
 ホワイト版は、卸バージョン月額5万5500円(サポートデスクを含む)と小売りバージョン(月額7万4000円、同)があり、卸は仕入れ・出荷売り上げ・在庫に、小売りは仕入れ・店間移動・店頭売り上げ・在庫に機能を絞った。それぞれ展示会スワッチ・受注・配分、発注・配分の機能はオプションとなっている。また経営分析や店舗分析などの分析モジュールも期間限定で無料で利用できる(2~3年目以降有料)。さらに下げ札発行機能(1店舗月額2000円、プリンターは購入)、POS(同1万400円)も利用可能だ。POSはハードをリースにすれば、2万円程度から使える料金設定だ。
 限定はしているが、最低限の機能はそろっている。扱いデータ量が少ない年商15億円以下の中小企業が対象だ。事業の成長に合わせ、必要な機能を加えればいい。これだけでインターネット販売の管理もでき、サイト構築・運営の支援サービスも提供する。
 携帯での利用もできる。ソフトバンクグループのモビーダ・ソリューションズとの業務提携で、同社が提供する企業向けアプリケーション管理プラットフォーム「ビズ・モバイル」のコンテンツとして利用することになる。既存のCVドット・ネットのモバイル版ユーザーもこれに切り替える。モビーダ・ソリューションズの一括管理により、遠隔ロックや漏洩(ろうえい)防止などのセキュリティー強化やソフトの配布・更新自動化などの管理が充実される。ビズ・モバイル利用のため月額1000円かかるが、携帯からのCVドット・ネット利用で新たな料金は発生しない。

2008/10/22
量販店 ネットスーパー相次ぐ規模拡大 顧客囲い込み狙う 課題はコスト吸収、縮小・撤退も
 消費者の近隣店舗から直接、商品を抜き出し、自宅まで配達する会員制ネットスーパー事業に参入する量販店、SMが増えている。00年に西友が始めて以来、数年間は広がらなかったが、ネット社会の進展に伴い利便性が認知されてきた。小さな子供がいる専業主婦や有職主婦の利用が大半で、シェアを伸ばそうと各社、規模拡大を急いでいる。ただ、収益面では厳しさが増し、離脱せざるを得ないところも出てきた。
 イオン北海道はネットスーパー事業を今秋10店で開始する。通常は1店から実験的に始める企業が多いが「生活協同組合はテレビコマーシャルでガソリン高騰時の対応法と訴求しているので、負けるわけにはいかない」と本格参入を決めた。本体のイオンリテールが4月から津田沼店(千葉)、9月から久里浜店(神奈川)で実験しているのと比べれば、急ピッチだ。
 ダイエーは、東大島店(東京)で9月から実験を開始した。営業状況は明らかにしていないが、サイトの画面やサービスを充実し、会員拡大している。
 ネットスーパーの元祖を自負しているのが、00年5月に都内の1店で始めた西友だ。しばらく拡大せずにいたが、06年一気に20店へ拡大。07年には47店にして東京23区と埼玉、千葉、神奈川の一部をカバーしている。当日から7日先まで配達日を指定できるのと、携帯電話でのサービス開始も早かったのが強みという。
会員23万人  利用は有職主婦が中心で、会社から注文して留守番の子供に受け取らせるケースなどが多い。休日も買い物以外のことをしたい主婦のニーズに支えられ「ないと生きていけない」ヘビーユーザーも。長い経験で、選択しやすいようかつて1万アイテムあったのを現在4000アイテムに絞るなどノウハウ蓄積も進んでいる。9月の売り上げは30%増で、今後も会員拡大を進める。
 イトーヨーカ堂も、01年、東京都内の葛西店で実験を始めたが、急拡大したのは07年で80店に広げた。同年1月にIT事業部を発足させて権限を移譲。現在は82店で首都圏と一部関西にエリアを広げた。扱い品目は約3万で、会員数23万人。今期売上目標は120億円(前期50億円)。
 小さな子供がいる専業主婦が利用客の約6割で、7割が食品、うち3割が生鮮食品だ。週1回の利用客が多く、1店当たりでは1日平均70件の利用があるが、雨が降ると2~3倍に増えるという。さらに扱い店舗を増やす計画だ。
 需要が伸びず、エリアは縮小しないもののピッキングする店舗を絞り込んで対応しているのがマルエツだ。05年に東京・神奈川の5店を拠点に始めたが、1店当たりの扱い高が少ないため、現在は2店に絞って作業を効率化した。規模的には小さいが、現在も伸びはあるという。
過当競争へ
 しかし、参入が増えるに従い生き残りも厳しくなってきた。07年に開始したいなげや、大丸ピーコック、関西スーパーマーケットなどは9月半ば、撤退した。「買い物代行サービス」で提携していた伊藤忠食品の子会社グレースコーポレーションが事業撤退・会社解散を決めたため。
 大手量販店の事業拡大などで競争が激化し「想定していた売り上げ・利益の確保が困難」(伊藤忠食品)になったのが原因だ。7店で展開していた大丸ピーコックは拡大しようと思っていた矢先だけに痛手で、別の手段を検討するという。
 ネットスーパーの利点は顧客囲い込みにつながること。半面、価格比較が容易なことから過当競争に巻き込まれる恐れもある。売り上げが増えるに従い、来店客の購買額が減ることも予想され、上昇するコストをどう吸収するかが新たな課題となっている。セルフ販売をローコストの手段にしてきた小売業に、発想転換が迫られている。

2008/10/21
スタートトゥディの広告事業 「リプトン」でキャンペーン ウェブページの消しゴム? 楽しい仕掛けをプレゼント
 スタートトゥデイは、運営するネット上のファッションタウン「ゾゾリゾート」(http://zozo.jp/)で、消費者参加型の広告・プロモーションに取り組む。14日から始まったサントリー「リプトン」のキャンペーンでは、画面上のサイトを消せるなど消費者が楽しめるコンテンツを仕掛け、人気セレクトショップのオリジナルステーショナリーをプレゼントする告知を広める。
 人気ブランドと共同した広告や、広告自体で楽しめるサイトの仕掛けは、利用者を起点に波及効果が見込める。同サイトの利用者はファッションに関心が強く、感度も高い人が多い。こうした顧客は周辺への影響力を持っており、口コミやブログなど2次的な効果が期待できる。
 そのためキャンペーンでは、人気セレクトショップのビューティ&ユース・ユナイテッドアローズ、ビームス、シップスがデザインした消しゴム、ミニクリップ・ケースの計6種類のうちの1個を、リプトン・ザ・ロイヤルの500ミリリットルボトルに付ける。
 また、ゾゾリゾートのトップページでは、各店がデザインした消しゴムが、キャンペーン専用サイトへの入り口のボタンになっており、これをクリックするとマウスの操作でトップページを消すことが出来る。消しているとキャンペーン専用サイトに誘導される仕掛けだ。これはフローティング広告(ウェブページの上に重ねて表示される広告)という手法で、こうした仕掛けが話題作りにつながるという。
 同社は物販以外の収益の柱を育成、広告(メディア)事業や、グループ会社によるEC(電子商取引)支援事業などを強化している。

2008/10/20
【ワールドニュース・ズームアップ】 IFIビジネス・スクールNY研修 ブルーミングデールズCEO ネット売上高、5年後に10% VFコーポ元CEO 新ブランドは時間かかる
 IFIビジネス・スクール(尾原蓉子学長)がニューヨークのFIT(ファッション工科大学)で実施したマネジメントコースの研修講義で、ブルーミングデールズのマイケル・グルドCEO(最高経営責任者)は、自社のインターネット販売について「5年後の売上高は総売上高の10%になるとみられるが、それ以上になるとは現時点で思っていない」との考えを明らかにした。また大手アパレルメーカーのVFコーポレーションを最近退職したマッキー・マクドナルド元CEOは、ブランド買収について「新ブランドの立ち上げはうまくいかない可能性があり、既にあるブランドを大きくすることが得意なら、それをすべきだ」と強調した。(ニューヨーク=杉本佳子通信員)
 同研修の講義の中で、ブルーミングデールズのマイケル・グルドCEOは、節目節目に長期的視野で戦略を見直し変革し続けてきた経緯を説明した。02年に「長期的には現在の戦略ではよくない」と判断し、2万人の顧客に話を聞いた結果、顧客は「ニーマン・マーカスとメーシーズの中間のアップスケールな店を求めている」「ニーマン・マーカスやサクス・フィフス・アベニュー同様のサービスを求めている」ことが分かったという。そこで、当時44%だった「アップスケール商品」を5年で56%に増やし、昨年は70%、今春は72%まで引き上げた。同時に、バーゲン日数を40%減らし、カタログの質を上げた。トイレや休憩所などの向上に2000万ドルをつぎ込んだ。
 59丁目本店は「毎年売り上げが予想を上回り、91年から利益を出せるようになった」。現在、拡張工事中のルイ・ヴィトンのインショップは昨年の売上高が前年比27%増え、最も成長率の高い売り場の一つになった。ソーホー店は、ブルーミングデールズの主力取引先であるラルフ・ローレンやエレントレーシー、エステーローダーを扱っていないにもかかわらず順調で、「市場に合っていれば(主力ブランドに頼らなくても)成功する」確信を得たという。ソーホー店の1平方フィート(約0・09平方メートル)当たりの売上高は今年、全店で2番目に高い数値となり、利益率も今年は平均的な店を上回る見通しだ。10年にカリフォルニア州サンタモニカ、11年にワシントンDCのジョージタウンに出店するが、いずれもソーホー店タイプの店になる。
 ネット売上高は、総売上高の6%(ウエディング専門のサイトを含まない)で、ほとんどが女性向けの商品。グルドCEOは、ネット売上高について「5年後に10%になるとみられるが、それ以上になるとは現時点では思っていない」という。
 PBは全体の3、4%で、大方がカシミヤ。グルドCEOは「4%以上にするつもりはない」と断言し、その理由として「年商25億ドルの店ではクリティカルマスにならないから」と指摘した。
 一方、VFコーポレーション元CEOのマッキー・マクドナルド氏は、01~03年に売上高が伸び悩み、03年にライフスタイルブランドを構築する成長計画を立ち上げた経緯を講義した。03年以降、「ノーティカ」「ヴァンズ」「リーフ」「セブン・フォー・オール・マンカインド」などを買収したのは、成長中のグローバルライフスタイルブランドに投資するのが早道と考えたからという。
 受講者たちから、「独自のブランド開発を考えなかったのか」と聞かれた同氏は「新規ブランドの立ち上げはうまくいかない可能性があり、ROI(投下資本利益)を取るのに時間がかかる。既にあるブランドなら、初期段階を省略できる。新ブランドを立ち上げるのが得意なら別だが、既にあるブランドを大きくすることが得意なら、それをすべきだ」と強調した。
 ブランド買収と同時にVFコーポレーションが進めたのは、インターネット・コンセプト・スクリーニングだ。03年に始め、ブランドにより異なるツールを使っているが、ネット広告などに使う言葉に、客がどう反応するかを追跡し分析するものだ。それにより、例えば「無骨な」「心地よい」「機能的」という言葉が「アウトドア」「ライフスタイル」という言葉よりポジティブに受け取られる、などが分かる。「フィット」「価格」「色」「素材感」「素材の重さ」「ジッパー」「リベット」などの項目の中で、最も売り上げを左右するのは「フィット」ということも分かった。同氏は、量産する前に、きめ細かい顧客調査をノーティカで実施したことも明らかにした。
 リーやラングラーなど既存ブランドでも、マーケティングの売上高貢献度がグラフで一目で分かる技術を導入するなど改革を進めているが、やはり成長を左右するのはライフスタイルブランドという。00年はライフスタイルブランドの割合は10%だったが、07年は44%。今後60%まで増やす計画だ。「ザ・ノースフェイス」は買収後、売上高が3倍になり、ノーティカの営業利益は7%から14%に伸び、ヴァンズは2ケタ台の成長を維持している。

2008/10/17
【中国信息・企業訪問】 ネットプライスドットコム 日本商品ニーズ獲得へ
 インターネット販売主力のネットプライスドットコム(東京)は、10月に上海オフィスを設立した。日本の商品を海外に、とりわけ中国市場での販売を目的にしたている。BtoC(企業対消費者取引)とBtoB(企業間取引)で複数の事業モデルを計画している。
 最初に事業化したのが、子会社の転送コムによるBtoCの物流機能提供サービスだ。転送コムのサイトでユーザー登録すれば、海外からネットなどで日本の商品を購入し、登録した海外住所で受け取れる。日本国内発送しか対応していないサイトについても、海外利用が可能になる。
 アジア地区への転送手数料は、1キログラム以下で490円。1キログラムの買い物をした場合、EMS配送料を含めると合計2290円になる。言語は日本語と中国語、英語がある。
 事業開始と同時に、アリババグループでオンライン決済サービスを提供するアリペイ(支付宝)と業務提携した。利用者1億人(8月現在)、1日当たりの取引総額は4億5000万元超(同)と、中国最大規模のアリペイ導入により、転送コムの利用拡大を目指す。
 続いて年内に、BtoB、BtoCのモール形式のサイトを新たに立ち上げる予定がある。中国事業を強める理由は、日本経済が縮小傾向であることと、日本の商品を買いたいニーズが高いからだ。一般的に攻略が難しいと言われる中国でビジネスモデルを整えたら、台湾や韓国、シンガポールにも将来進出したい考え。常駐スタッフは現在、6人。

2008/10/16
通信販売と化粧品に集中 イマージュHD中計
 イマージュホールディグスは14日、10年度を最終年度とする中期経営計画を発表した。経営資源を、コア事業であるイマージュ系事業(カタログ、ネット連動の通信販売事業)と化粧品事業に集中する。店舗販売事業については縮小と見直しにより、採算が取れるよう改善する。
 11年2月期の業績目標は、連結売上高295億円(09年2月期見込みは260億円)、営業利益20億円(同1億円)、営業利益率6・8%(0・3%)。うち、コア事業では、カタログのイマージュが売上高190億円、営業利益4億円、サイト運営のイマージュ・ネットが売り上げ4億5000万円、営業利益1億5000万円を目指す。化粧品事業のアイムの目標は売上高72億円、営業利益14億円。店舗販売事業については29億円、営業損益トントンを見込む。

2008/10/15
ショー映像をネット配信 ニッセン
 ニッセングループの主要事業会社であるニッセン(佐村信哉社長)は17日から、今秋・冬号カタログで販売しているレディス商品のファッションショーの映像を、通販サイト「ニッセンのオンラインショップ」で配信する。
 映像コンテンツと連動した販売サービスは、同社としては初。
 ショー映像でスタイリングしている商品を、その場で直接購入できるコンテンツサービスとして開始し、ECサイト自体のアクセス数増加を見込むと同時に、商品の販売促進を目指す。
 主な対象は、20代後半~30代のファッションに敏感な女性。パーティータイムなど3テイストのスタイリングを提案する。

2008/10/11
ネット事業のパルコ・シティ オンラインモールに新店 若手デザイナーを育成 32ブランドでスタート
 インターネット事業のパルコ・シティ(東京、大倉正美社長)はオンラインショッピングモール「パルコ・シティ」内に若手のクリエーターやデザイナーのブランドに特化した「クリエイターズマンション」を開設した。開始時は32ブランドが参加、早期に60ブランドにする。若手デザイナー、クリエーターを育成するとともに、他のオンラインショッピングモールとの差別化を狙う。
 実店舗は持ってないが、個性や特徴が明確に表現され、有力セレクトショップやミュージアムショップなどに卸しているようなブランドを数多く集めている。参加ブランドは「イエーライト」(デザイナーは河村慶太、井村美智子)、「アレキサンダーリーチャン」(アレキサンダーリーチャン)、「アンルリ―」(菊池勇太)、「カガリユウスケ」(カガリユウスケ)、「オンザライン」(小玉清美、倉橋愛)、「ヴァッセル」(四井侑、小嶋良太)など。
 大倉社長は「ファッションを軸にしたパルコのオンラインショッピングモールとして若手のデザイナーやクリエーターが表現できる場を提供することで若手の育成を支援する。また、オンラインの特徴を明確にすることで事業として確立させることを目的に広げていきたい」としており、積極的に取り組む。将来はクリエイターズマンションで育ったブランドを、実店舗のパルコへの出店も促していく考えだ。
 パルコ・シティは07年6月に開設。現在約100店、200ブランドが参加している。このうち衣料品ブランドは80%で、パルコの実店舗でも販売している店は70%前後。1年を経過して参加ブランドは当初に比べて約3倍になった。当面150店を目指している。

2008/10/10
伊ユークスグループ 日本語サイト開設 「ザ・コーナー・ドットコム」 メンズブランドで
 欧、米、日などで50カ国以上でネット販売を展開するイタリアのユークスグループは9月下旬、新サービス「ザ・コーナー・ドットコム」(www.thecorner.com)の日本語サイトを開設した。インショップ形式のECデパートでコレクションブランドや上質なイタリアブランドなど、メンズのみ36ブランドの08~09年秋冬コレクションを販売する。
 注目は日本と欧州でECインショップ初登場となる「メゾン・マルタン・マルジェラ」。動画を埋め込み、独特な世界を表現。写真の切り替えなど平面になりがちな仮想空間の中で、シンプルだが立体的で個性的な演出が面白い。
 ほかに、ラフ・シモンズ、マーク・ジェイコブス、ヴィクター&ロルフ、クリス・ヴァン・アッシュ、ヴェロニク・ブランキーノなどのデザイナーブランド、サンタクローチェ、プレミアータ、アスペジなど物作りにこだわりの強いイタリアブランドなどを揃える。また日本では、ここでしか入手できない限定商品や、サイトのオリジナルアイテムなども随時、販売する。商品価格と、日本国内一律2200円の送料で購入できる。同グループのECプラットフォームを活用し、決済はクレジットカードか代金引き換え(手数料350円)。日本への配送期間は4~6日となっている。
 日本語サイト開設のために、今秋冬のイメージフォトを人気スタイリストの野口強氏がスタイリング。サイト内から選んだベストスタイリングを写真にして、世界に向けて東京から発信する。
 同サイトでは今後も扱いブランドを充実させるとともに、来年にはウイメンズコレクションの販売も予定。業容拡大と拠点作りのため、10月には日本支社を設立した。

2008/10/10
専門店のネット販売 可能性大も現状は“これから” 戦略的な活用必要に 本社調べ
 専門店のネット販売活用状況調査(繊研新聞社調べ)によると、販売チャンネルとしてのネット販売の大きな可能性を認識しつつも、本格化はこれからで、「今後は店頭や他媒体との連動が重要になる」ことが明らかになった。
 106社から回答があり、ネット販売を行っているのは52社。今後、開設するという企業も21社あった。これらの企業ではネット販売に対し「販売チャンネルの一つとして無視できない存在」「商品やサイトの充実、システムの進歩などでますます増える」「携帯電話の機能向上、テレビ通販との融合など、拡大する要素は多い」「アジア市場も視野におきたい」など積極的、肯定的意見が多かった。導入の理由(複数回答)は増収策(80%)が最も多い。在庫処分(19%)を情報発信・収集(46%)が大きく上回ったのも興味深い。
 実際、ネット販売を活用し、売り上げを伸ばしている企業は、単なる増収策から発展させた取り組みが見て取れる。「顧客情報を収集するツールとして活用。催事や店頭に誘導する」「ブランド、商品を発信するのにコストが安い。雑誌なども含めた相乗効果も見込める」「店舗、カタログ、雑誌などを複合的に使って、すべてを底上げする」など、情報を戦略的に活用している。
 一方で、「思ったよりコストがかかる」「顔が見えない分、細かく対応する必要がある」「すでに競争が激しく、独自のノウハウ、魅力を持たないと生き残れない」などの声もあり、「やれば売れる段階は過ぎた」と言えそうだ。
 07年度のネット売上高を見ても、ユニクロが120億円以上、無印良品が60億円以上と飛び抜けているほかは、ほとんど10億円以下。通販サイトの開設も、半数が05年以降で、まだ始まったばかりと言える。
 取り組む企業の課題と、まだ開設できない理由はほとんど同じで、人材確保、商品供給、物流管理など社内体制の未整備やノウハウがないが多い。今後、専門部署の設置や外部機能の活用などが必要となりそうだ。
 ネット販売をしない理由については「FC展開なので加盟店を無視することはできない」といった事業形態の条件から、「接客販売が基本」「社の方針として」など、店頭販売にこだわる専門店も少なくない。ネット販売をしている企業からは「こういう時代だから仕方ないが、多少複雑な気持ち」という声もあった。

2008/10/07
上期で前年売り上げに迫る勢い 中国のネット販売
 【上海支局】現地紙によると、艾瑞諮詢とアジア最大のネット販売サイト淘宝網の08年上期の中国におけるネット販売取引総額は531億5000万元に達した。07年通年の561億元に迫る勢いだ。
 ネット通販利用者は1億2000万人で、淘宝網の登録ユーザーは7200万人。大雪や四川大地震などの自然災害に見舞われた中、市場規模を拡大したが、特に福建や山東、湖北、遼寧、四川の各省の2、3級都市で伸びた。08年第2四半期で、ネット取引額が社会消費品小売総額に占める割合は、1・15%になった。

2008/10/06
百貨店・アパレルEDI標準化 1月から7社の参加で実証実験 ASP利用で普及加速も
 百貨店とアパレルの標準EDI(電子データ交換)を共同で実証する実施計画の大枠が固まった。実証実験には百貨店が小田急百貨店、丸井、高島屋、アパレルはワコール、トリンプ・インターナショナル・ジャパン、三陽商会、レナウンが参加し、来年1~3月に実施する。経済産業省の「流通システム標準化事業」の一環で、3カ年の「百貨店業界におけるEDI標準化事業」最終年度の柱となる。業界横断的な取り組みで検討した「流通BMS(ビジネス・メッセージ標準)」をベースに、百貨店とアパレル・婦人靴業界間の業務向けに策定したものを利用する。日本百貨店協会が3日の「百貨店業界流通システム標準化委員会」(委員長=飯岡瀬一百貨店協会専務理事)で今年度事業の中間報告として確認した。
 同委では、既に実験参加を決めていた百貨店2社、アパレル2社に加え、高島屋、三陽商会、レナウンの3社の参加を確認。「今後、アパレル参加が増える可能性」もあり、飯岡委員長は「百貨店がEDIを一本化すれば、取引先にもメリットは大きく、共同実験に参加しない企業も流通BMS導入には前向きだ。直近に決まった総合アパレル2社の参加が、流れに弾みをつけるだろう。実験の成功が来年度以降の実導入を大きく広げることになる」と期待している。
 実験は高島屋が三陽商会、レナウン、小田急百貨店がワコール、トリンプ、丸井もワコール、トリンプとの間で流通BMSを利用し、データ交換を検証する。商品マスターや入荷予定、検品受領、POS(販売時点情報管理)売り上げなど計10種類、それぞれの間では2~5種類のメッセージを交換する。一部は企業間の直接接続ではなく、NTTコミュニケーションズ「百貨店eMP」のASPサービスを介して接続し、実験に臨む。開発経費が抑えられ導入・普及を早める手法として期待がかかる。
流通BMSを歓迎
 実験準備を進めている参加企業のうち、百貨店では「昨年から商品情報強化に全社的に取り組み、来年3月には仕入れの仕組み作り変える。このタイミングとマッチした。今は百貨店eMPを利用したEDIが中心だが、新たな取引先との情報共有ツールとして、流通BMSを歓迎している。取引先には30分から1時間おきに売り上げ情報を提供でき、新たな納品形態も考えられる。取引先の業務効率化のメリットもある。三陽商会、レナウン以外の取引先とも話を進めており、来年度以降一緒にやろうという企業もある」(高島屋)、「実証ではインターネットEDIで自社サーバ間を直接つなぐ。ただし移行期には、取引先が既存EDIでもASPサービスを介してつなぐこともする。取引先との情報共有の強化で売り上げ増につながるように推進したい」(小田急)、「現在、三つのEDIを利用し、当社も取引先もコスト負担になっている。流通BMSへの一本化で投資の集中ができる。最終目標は在庫情報の共有などのMD支援ツールとしての活用だ。取引先によってはハードルが高かったノー検品システムもこれで容易になる。実証でも簡易版のノー検品実施を考えている」(丸井)という。
運用の拡大も
 アパレルは「既に量販店との実証を終え、イズミヤとの間で実運用しており、来年1月にはもう1社、大手量販店との間で運用を始める。今回の小田急、丸井2社との実験は同じパターンでデータ交換できるかどうかが大きなポイント。これができれば、対象の拡大も手間をかけずできる」(ワコール)、「ダイエーとの運用を年内に拡大する。今回の実証では、複数の百貨店と、自社サーバの直接接続とASP利用の二つの接続方法を試みる。新しい勉強が出来ると期待」(トリンプ)、「現在、EDIはほとんどASPを介している。ASP利用でも流通BMS導入で、新たな取り組みに着手できると参加を決めた」(三陽商会)、「取り組みやすいメッセージから、業界標準推進によるMD向上に向けた調査・研究と位置づけ、来年度以降の計画考えたい」(レナウン)としている。
 参加企業は、業界標準の推進により、利益を生み出す取り組みを進めるスタンスで共通している。