繊研新聞 アーカイブ/ネットビジネス関連記事

「繊研新聞」掲載記事からネット関連記事の一部を掲載します。文頭の日付は掲載日です。
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2008年11月の連載 広がるネットビジネス ECOMセミナーから

2008/11/07
広がるネットビジネス ECOMセミナーから―上 日本のEC市場の推移 女性とネットの結びつき深まる
 NTTデータ経営研究所が経済産業省から受託し次世代電子商取引推進協議会(ECOM)が協力した「07年度電子商取引(EC)に関する市場調査」によれば、日本の企業消費者間(BtoC)EC市場は前年比21・7%増の5兆3440億円となった。小売業・サービス業の売り上げに占めるECの比率は前年度より0・27ポイント高まり1・52%となったが、まだ伸びる余地は大きい。ECOMが開いたセミナーから、調査概要を紹介する。

三つに分けて
 10回目となったこの調査結果から、NTTデータ経営研究所は、過去10年間を三つの時期に分け分析している(図参照)。98~00年「黎明(れいめい)期」は大手小売業のインターネット販売への参入が始まった。日本での「クリック&モルタル」の始まりだ。ただ、販売商品はパソコンや音楽CDなどが多く、インターネットについて一定以上の知識を持った男性が中心だった。
 01~04年「発展前期」にはアマゾンなどがその存在感を高め、ネットビジネスのなかでもECが大きく注目を集め始めた。カカクコムやネットオークションが「リアルでは、どこにでもあるものはネットで安いものを探す、どこにもないものをネットで探す」、その双方での利便性を高めていった。モバイル通販も始まったが、当時はキャリアの公式サイトになることがそのビジネスの重要なポイントだった。そして、女性が当たり前にネット販売で日用品やアパレルを買うようになったのもこの時期だ。

自ら発信する
 05年からこれまでの「発展後期」には、消費者はネットで買い物をするだけでなく、自ら発信するようになった。ネットショップもリアル同様に、そのサービスの確からしさや、消費者に新しい付加価値を提供することが求められるようになった。そして、ネットと女性の結びつきはますます深まり、まさにBtoC・ECの主役は女性消費者となった。
 多くの企業が「当初、ECはリアルの対立物と考えていたが、ネットユーザーのニーズを満たすために、ネットとリアルの融合へと舵(かじ)を切った」(伊藤慎介経産省商務情報政策局情報経済課課長補佐)。日本EC市場がこれからどう変化していくか、企業は発信する女性ユーザーの動向を見極めねばならない。

2008/11/08
広がるネットビジネス ECOMセミナーから―下 米のEC市場比較 成長見込まれるアパレル
 「07年度電子商取引に関する市場調査」によると、日本のBtoC・EC市場は、小売業・サービス業についてみると3兆3050億円、前年比22・1%増となった。一方、米国は14兆5070億円、17・9%増。調査結果が報告されたECOMセミナーから、今回は日米の業種別の動向をみる。

大きい格差
 「先進国」米国のBtoC・EC市場は、日本と比べ、その規模は4・4倍だが、その開きを強く感じさせるのは、売上高に占めるECの比率かも知れない。小売業・サービス業合計では日本が1・52%(前年度1・25%)、米国は3・1%(2・8%)、双方で最もEC比率が高い「総合小売り」は日本が2・78%であるのに対し米国は9・9%だ。格差が大きいのは「衣料・アクセサリー小売り」で0・45%に対し3・1%、市場規模では日本は米国の1割に満たない。この数値がアパレル・アクセサリーのすべてネット販売を示しているわけではないが、日本でのアパレル・アクセサリーのネット販売がまだまだ成長の大きな余地を残していることは確かだろう。アパレル・アクセサリー小売りのEC市場規模は小さいものの、その成長率は前年比29・5%と最も高い業種となっている。

日本も拡大
 その他のほとんど業種で、米国のEC比率が日本を上回っているが、「自動車・パーツ小売り」「家具・家庭用品小売り」「電気製品小売り」の合計で、日本が米国を上回っている。ただし市場規模は米国が日本の3・4倍だ。  日本の小売業・サービス業全体でみても、市場規模の伸びは前年(25・4%増)よりやや鈍ってはいるが、今後も堅調に拡大することが、米国との比較から予想される。