繊研新聞 アーカイブ/ネットビジネス関連記事
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2010年09月の連載「中国ネット通販市場の現状」
2010/09/07
【講演から】 中国ネット通販市場の現状―1 アリババ社長 香山誠氏 2013年には14兆円規模へ
アリババの香山誠社長が「中国ネット・ショッピング市場の現状~インターネットを活用した海外への販路拡大」をテーマに、「2010アパレル・ソリューション・フェア」(アパレル向け情報システム機器展)で講演した。
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米投資銀行ゴールドマン・サックスの予測によると、2027年頃には中国のGDP(国内総生産)が、米国を抜くといわれている。中国の一人当たりGDPは、現在で日本の10分の1程度。30年後には中国のGDPは45兆ドルに達するといわれるが、それでも一人当たりでみると日本の80%程度だ。
1990年には世界のGDPの85%強は日・米・EU(欧州連合)諸国で占められていたが、2040年には先進国の構成比は40%まで下がり、60%は新興諸国で占められることになる。
現状のまま推移すると考えると、2040年の日本は人口が現在の1億2000万人から1億人に減り、生産年齢人口は8200万人(構成比68%)から5700万人(同57%)に減少、GDPは540兆円だったのが378兆円になるといわれる。日本企業の成長のカギは海外需要を取り込むしかない。
世界のネット人口は1998年は1億9000万人で、その半分を米国が占め、アジアは19%だった。2015年には26億人になり、うち半分はアジアが占め、米国は12%となる。中国のネット人口は現在で約4億人。携帯電話はすでに6億台売れている。日本のネット人口は7000万~8000万人だ。中国のネット通販市場は、09年で3兆4000億円、10年5兆7000億円、13年には14兆円になるといわれるが、これ以上になるとみている。
2010/09/14
【講演から】 中国ネット通販市場の現状―2 アリババ社長 香山誠氏 知恵のネットワークを作る
アリババの香山誠社長が「中国ネット・ショッピング市場の現状~インターネットを活用した海外への販路拡大」をテーマに、「2010アパレル・ソリューション・フェア」(アパレル向け情報システム機器展)で講演した。
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インターネットの普及はパワーシフトをもたらす。これまでマスコミに独占されていた情報を誰もがみられるということだ。ルネサンスの時代に印刷技術が開発され、それまで情報を独占していた教会の力が弱まった。
『資本論』では富と財の集積がいわれたが、これからは知恵の集積の時代となる。楽天で買い物をするときは星の多い(ユーザー評価の高い)店でみんな買う。レストランを探すときはネットでお客の評価の高い店を選ぶ。これからは知恵のネットワークを作らないといけない。
そのためには早くネットビジネスを始めないといけない。評価の高いところは早くから苦労してきた店、サービスを一生懸命改良してきた店だ。アップル社のアップルストアでは個人が作成したアプリケーションが販売され、億万長者になる人が出ている。今までパッケージソフトにしなければ販売できなかったソフトが簡単に販売できる。
ネットで勝つのは、お客の声を聞き続ける、徹底的に顧客志向の会社か、何かを隠したりしない正直な会社だ。ソフトバンクの孫正義社長のツイッター(ミニブログ)には60万人のフォローワー(継続的な閲覧者)がいる。「ソフトバンクの携帯電話がどこそこで通じない」といったクレームがダイレクトに社長に届く。社内では、社長から指示があれば3日以内に対応しないといけない。そういう声に対応する会社が強くなる。
2010/09/21
【講演から】 中国ネット通販市場の現状―3 アリババ社長 香山誠氏 2014年には18兆円市場に
アリババの香山誠社長が「中国ネット・ショッピング市場の現状~インターネットを活用した海外への販路拡大」をテーマに、「2010アパレル・ソリューション・フェア」(アパレル向け情報システム機器展)で講演した。
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中国のアリババドットコムは、世界に1360万人のバイヤーを持つ。ネット上の決済システム、アリペイは中国で47%のシェアを持ち、中国のネット人口の70%強が利用している。09年のアリペイの決済額は4兆3000億円だったが、13年には17兆円になると予想している。
ネット販売モールのタオバオは中国で84・4%のシェアを持つ。03年にはイーベイが90%のシェアを持っていたが、徹底的に顧客志向を貫き、信頼と安全、優れた仕組みを確立した。タオバオの取扱高は09年に3兆円、10年は5兆~6兆円、14年には14兆円になる見通しだ。14年の中国のネット販売市場は全体で18兆円、小売販売額の3~4%を占めると見る。
09年にタオバオ内で売れた日本製品は300億~500億円、全体の1%程度だが、このシェアをアップし、14年には1兆円、8%を目指したい。今後、日本のGDP(国内総生産)が減少していくなら、安さ重視となり、日本の品質の高さが失われていく。日本が世界で生きていくには、日本品質の高さを維持しないといけない。コストでは新興国に勝てない。
タオバオのユーザーは、25歳未満が39・4%、26~35歳が47・4%で若い人が多い。タオバオでよく売れている商品は、家庭日用品、アパレル、携帯電話、化粧品の順だ。日本製品の売れ筋は、スキンケア用品、レディスアパレル、玩具、メーキャップ用品、食品、粉ミルク・ベビーフード、おむつ・マタニティー用品、服飾小物、日用品、下着の順だった。アパレルは雑誌に掲載された商品が人気だ。
2010/09/28
【講演から】 中国ネット通販市場の現状―4 アリババ社長 香山誠氏 日本の品質管理に安心感
アリババの香山誠社長が「中国ネット・ショッピング市場の現状~インターネットを活用した海外への販路拡大」をテーマに、「2010アパレル・ソリューション・フェア」で講演した。
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タオバオに出店すると、価格や納期など消費者とのやりとりで、チャットによる交渉が必須となる。タオバオに出店するには、販売のライセンスや商標登録、中国の銀行口座などが必要になる。そこで、日本のヤフーショッピングの出店者がタオバオを通じて、中国の消費者にも販売できる「タオジャパン」を6月に開設した。物流、決済、翻訳のサービスを提供し、ヤフーショッピングの出店者が余計な作業なしで、中国に向けて販売できる。
今、中国では、個人輸入はEMS(国際スピード郵便)も含めて徹底的にチェックされるため、荷物が税関で滞留している。タオジャパンで買い物をした中国の消費者にそのことを伝えると、88%のお客が注文をキャンセルせずに待つと言ってくれた。それだけ日本製品への期待値は高いと認識した。
メード・イン・ジャパンだけでなく、メード・バイ・ジャパンも含めて、日本の品質管理に安心感があるようだ。ユニクロもよく売れている。ベビー用品など日本製品が支持されている。消費者からのクレームはコールセンターで受けている。納期のクレームが多いが、アパレル製品に関するクレームはない。
国際物流コストや通関コストを下げることが今後の課題だ。タオジャパンでは一時、1日当たり販売額が200万円まで行った。今は通関の問題で止まっているが、将来は1日1億円ぐらいまで行くと見ている。
(おわり)

