繊研新聞 アーカイブ/ネットビジネス関連記事

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2010年12月の主なネット・システム関連記事

2010/12/28
〈ニュース2010〉 セール乱発から見えたもの 買う理由は価格より価値
 「今月中になんとかアウターをしっかり売らないと」。原宿に店を構える大手セレクトショップの店長が12月初旬の店頭で苦笑した。長引く残暑がおさまり、11月にようやく気温が下がって冬物が動き出した、と思ったら「年明け早々にはもうセールに突入してしまう」。
本来の魅力
 年2回の夏物、冬物セールは前倒しが進み、その合間にはファッションビルのカード会員向け10%オフ、モールでは3カ月に1度の頻度で期間限定値下げ、アウトレットモールすらセールを実施し、ネットには招待制ファミリーセールサイトもある。乱立、常態化したセールにファッション流通全体が翻弄(ほんろう)された年だった。
 セール乱発の背景には08年後半の世界同時不況以降、日本のファッション消費が落ち込んだことがある。消費者の低価格志向が一気に強まる中で、本来低価格がウリではないブランドや業態も値下げで対応せざるを得なくなった。
 だが、流通市場全体で見ると、プロパー販売期間に小刻みにセールが挟み込まれた結果、シーズンの移行期に行う本来のセールの魅力は薄れた。7月の大型小売店や商業施設によるセール商戦の結果を見ると、一部に前年実績を上回った店舗・施設はあったものの、全般には盛り上がりを欠いた。単品買いが増え、購入単価は低下した。
 天候の読み違えも災いした。春先の低気温による冷夏予想で小売店の多くは夏物の仕入れにブレーキをかけた。セール期に売るべき商品量は不足気味で、その後の猛暑に対応して増産をかけようにも、生産の主力である中国で労働力不足が起こっており、対応は難しかった。
基準厳しく
 「通年セール並みの価格で商品を販売する業態が増えたことも、本セールの訴求力が弱まった要因だ」と指摘する声もある。H&Mやフォーエバー21、ユニクロ、しまむらなどが市場の主役となり、近隣にこれらの店がある小売業は「Tシャツなどどこにでもあるようなアイテムは、プロパーとか値下げ以前に販売量がはっきりと減った」と言う。
 海外ファストファッションやユニクロは大量仕入れ、廉価販売ができる仕組みを構築している。ブーム的な売れ行きが落ち着いたとしても、低価格ファッションは市場の一角に確実に根付いていく。彼らのような仕組みのない企業が、セール頻度を上げても、状況の根本的な打開策とはならない。
 日本のファッションを支える中国など海外の生産拠点を取り巻く環境も変化している。これまでのように小ロット短納期、低コストを前提にした商品調達の維持はおろか、今後はコストを削減することも難しくなっていくだろう。
 不景気で可処分所得が減り、消費者のファッションを選ぶ目は厳しくなっている。価格に見合う価値がなければ、値引きしても売れない。値段以外の価値をいかに訴求するか。安さではなく、なぜこの価格なのか消費者が納得できる商品を作り、売る姿勢が改めて問われている。

2010/12/28
ファッションジュエリー専業、クリスマス商戦 前年上回る動き 客単価、回復傾向
 クリスマス商戦を終えたファッションジュエリー専業の12月の商況(26日まで)は、おおむね前年を上回った。低価格志向が強かった昨年と比べ、客単価が回復し、高額品にも動きが見られた。ウェブショップを強化した結果、売り上げが伸びたケースも増えている。24日が金曜日にあたり、日曜の26日までクリスマスの購買が見られたことで、ピークはばらけたとの声が多い。
○エフ・ディ・シィ・プロダクツ
 店頭での売り上げは、前年比5%増。ピークは分散したが、26日まで需要を取り込むことができた。売り上げ増の背景となっているのが、客単価のアップだ。中心となったファッションジュエリーの客単価は2万5000円で、昨年と比べ2300円上昇した。動きが良かったのは、クリスマス限定商品の10金のネックレスセット。昨年は12月初旬で完売し、機会ロスになっていたが、今年は奥行きを持たせ、ピークまで対応できた。
 昨年のリニューアルから売り上げを伸ばしているネットショップは前年比で30%増。中でも、18金やプラチナの高額なアイテムが、ギフト需要で前年比70%増と大きく伸びた。
○スタージュエリー
 12月の売り上げは前年比3%増で推移。日並び効果もあり、23~25日は「かなりの盛り上がりを見せた」。26日は表参道店、元町本店など観光スポットは売り上げを伸ばした。
 人気はクリスマス限定商品。中心客単価は2万円台後半から4万円台半ばまで。平均約3万8000円。3万円前後だった昨年と比べ回復してきている。
 ネットショップの売上高は、前年比23%増で推移している。平均客単価は約2万8000円。初のネット限定のクリスマスネックレスは11月中旬で完売した。閉館セールの西武有楽町店では予想以上に売り上げが伸びた。
○ヴァンドームヤマダ
 「ヴァンドーム青山」全体の売り上げは前年を上回った。店頭では直近まで下見が多く、24、25日に売り上げが集中した。
 平均客単価は5万3000円で、昨年と比べ2000円アップ。個数としては3万1500円の10金の限定ネックレスが最も動いたが、10万5000円の高額な限定商品の売り上げも伸び、単価を押し上げた。全体としても客単価が戻ってきている。ネットショップは、リニューアルが功を奏し、売上高が前年比で倍増した。
○ポンテヴェキオホッタ
 売り上げは前年並み。12月第1週が好調だったが、2週以降伸び悩んだ。通常は23、24日がピークとなるが、26日まで分散化した。昨年は低価格傾向が著しく、7万円未満が中心価格帯だったが、今年は低価格と10万~20万円の中価格に2極化し、平均単価は前年よりアップした。ヒットアイテムは、ぬいぐるみとセットで販売したクリスマス限定のハートのネックレス。ネットショップの売り上げは前年を上回った。ネット広告を出し始めた11月後半から受注が増え、特に男性客の利用が増加した。
○サダマツ
 12月の売り上げは前年比7%増で推移している。ギフト目的やペア購入に関しては苦戦した。その分を、「ごほうび買い」に向けた自家需要対策による売り上げ増でカバーした。

2010/12/28
米ホリデー商戦 ネット販売15.4%増 最大の伸びは衣料品
 【サンフランシスコ=立野啓子通信員】マスターカード・アドバイザーズの調査部門スペンディング・プルスがまとめた米ホリデー商戦(10月30日~12月24日)のネット販売売上高は、364億ドル(前年同期比15・4%増)に達した。
 伸び率が最も高いのは衣料品(16・9%増)で全売上高の18・8%を占め、3年前の07年と比べ約2倍になった。
 衣料品に次いで伸び率が高かったのは、エレクトロニクス(12・2%増)、百貨店(11%増)、ジュエリー(4・5%増)。また一日売上高が10億ドルに達したのは、昨年の3日に対し、今年は6日で、11月30日は11・6億ドル、12月1日は11・3億ドルだった。場所と時間を問わず注文出来る便利さと、送料無料、返品自由というサービスが、ネット販売の商戦に拍車をかけている。

2010/12/27
【ワールドニュース・ズームアップ】 米メーシーズの復活 古い組織を解体 「マイメーシーズ」システムを導入 IT投資で「個客」サービス実現
 全米規模の百貨店メーシーズが回復基調を鮮明にしたのは、メイ百貨店を吸収・合併後5年目を迎えた09年末商戦からである。「予想以上に悪い業績」が続いた中で、09年2月に発表した「マイメーシーズ」戦略は、40%の管理職含む約7000人の解雇により、古い組織を解体し、「地域のニーズをくみ上げる」新しい組織への出発点であった。08年9月のリーマンショックによる金融危機と、その後の不況で、変わらなければ生き残れない構造改革を早めた結果、“巨艦”の浮上につながった。(サンフランシスコ=立野啓子通信員)
苦渋の決断
 地域密着型のマイメーシーズ戦略は09年4月から、本格的に実施された。テリー・ラングレン会長兼社長兼CEO(最高経営責任者)は、18万人の従業員の約4%を解雇するにあたり、「悪い経済環境の中、苦渋の決断」としながら、09年度は2億5000万ドル、10年度から約4億ドルの経費削減につながると強調した。
 地域オフィスを全廃し、全店を69のグループに分け、1グループを16~23店とし、商品構成を決定する6人のMDマネジャーと4~11人の副社長を設けた。その上に、全米をシカゴ、ヒューストン、マイアミ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク、ピッツバーグ、ワシントンDCの八つに分け、60~180店を束ねて商品計画、マーケティングなどをサポートする35~40人の管理職を配置した。総勢1200人がマイメーシーズ戦略の実行を担当する。
 さらに仕入れ、商品計画、マーケティングはニューヨークに一本化し、本社のシンシナティは金融、人事、法律、不動産関連に特化した。
 マイメーシーズ戦略は08年春から、消費分析とマーケティングで知られるダーナンビーUSAと組み、20の地域で試験的に先行実施していた。同12月のベスト売上高15位のうち13位までがマイメーシーズを先行実施した地域だったという。10年度の株式総会で、ラングラレンCEOは「09年は11・18ドルだった株価が今年は倍以上になった」と胸を張った。
合併後も悪戦苦闘
 メーシーズは1858年、ニューヨークのブルックリンでスタートし、152年の歴史を持つ。1929年に地方百貨店を合併し、前身となるフェデレーテッド百貨店が誕生。その後もM&A(企業の合併・買収)を繰り返し、バブル期の05年2月、ほぼ同規模のメイ百貨店にM&Aを仕掛け、同8月に合併が終了した。その時点で、ラングレンCEOは、ブルーミングデールズを除く全百貨店の店名を「メーシーズ」に改め、807店(現在)の米最大級の百貨店が誕生した。07年6月からは社名もフェデレーテッドからメーシーズに変更している。
 メイとの合併後、06年度は増収したが、利益率が落ち込み、07年度から減収減益が始まった。08年4月には全米7地域の拠点を4地域に縮小し、2500人を解雇。業績の悪化で毎月の売上高発表も同2~11月の期間、中止。拠点閉鎖に伴う費用などで大幅赤字は売上高の19・3%の規模まで膨らんだ。
 09年4月のマイメーシーズ戦略の本格的な実施に伴う拠点、人員のリストラと大幅な組織変更が効果を発揮し始めたのは、2年ぶりに米国の小売市場で回復の兆しが見られた同年末商戦の第4四半期からだった。
マルチチャンネル化
 投資家向け説明会の中でラングレンCEOは、業績回復の要因について4項目を挙げた。その第一は、マイメーシーズの成功により、商品構成、価格、売り場環境、マーケティングなどで消費者ニーズを的確につかむことが可能になった点だ。第二は、アップスケールの百貨店としてブルーミングデールズ(40店)の回復と、デザイナー、コンテンポラリーファッション、商品構成の見直し、消費者サービスの改善だ。今年2月にはドバイに初の海外店を開店している。
 第三は、インターネットと連携するマルチチャンネル化の成功。09年度(09年2月~10年1月)の売上高は前期比5・6%減だったが、売り上げの4~5%を占めるネット販売は20%増収となり、10年度は9カ月(2~10月)で全売上高が前年同期比7%増で推移しているのに対し、ネット販売は29%の大幅増収となっている。
 「ネットを見て買い物する客は、店だけで買い物する客の2倍買う」(ラングレンCEO)だけでなく、ネット販売は消費者の動向を的確に把握し、データに基づく「個々のサービス」を可能にしている。  モバイルを含め急上昇するネット販売に対応するため、12年春完成予定で、来春、新しい流通センターに着工する。
 第四は、同質化からの脱却。他店との違いを出すPB、独占販売ブランド、期間限定付きブランドの売り上げは09年度売上高の42%を超え、その比率は増える傾向にある。今年8月にはファストファッションに対抗し、マドンナと協業でジュニア向けブランド「マテリアルガール」を250店だけで展開。他の地域はネット販売でカバーしている。11年春から始まるコンテンポラリーの「カプセル」は、カール・ラガーフェルドなどのデザイナーと協業。ハイエンドカジュアルを値頃(40~300ドル)で提供し、2カ月に一度替わる限定商品は235店とネットで販売する。
 「顧客との距離を近づける」IT(情報技術)への投資もあって、客足は確実に戻りつつある。一〇〇年に一度といわれた不況の逆風が、「構造改革」を後押し、同社の強固な体質作りに一役買ったといえる。

2010/12/27
クラレ、「現代家庭の情報生活」10年ぶりに調査 PC、携帯、デジカメ普及9割
 クラレは「現代家庭の情報生活」に関するアンケートを10年ぶりに行った。調査によると「パソコン」「携帯電話」「デジタルカメラ」の家庭での普及率が大幅に上昇し、9割以上が所有している。携帯電話やインターネットに関する支出が増え、新聞、書籍などが減った。
 現在、家庭に所有・装備している物では、1位がパソコンで99.2%(前回00年調査では64%)、2位が携帯電話で98%、3位がデジタルカメラで92.4%(18.1%)。このほか、前回は10位以内になかった「インターネット回線」が4位で87.4%、5位「テレビ録画再生機」66.4%、6位「携帯ゲーム機」60.8%など。一方で前回2位の「ファクス」が53.8%(59.3%)で10位に下がった。
 家庭の情報経費は月2万1250円で10年前との比較で8400円減少。内訳は、「新聞購入」が半減して2116円、「書籍・雑誌購入代」も半分以上減で1383円、「固定電話料」が5000円以上減で1771円。一方、「携帯電話料」が1500円近い増で9450円、「インターネット回線料」が1000円増の約4000円だった。
 近い将来購入したい物の1位は「携帯情報端末機器」で17.6%、2位「ハイビジョンテレビ」16.4%、3位「デジタルフォトフレーム」12.4%。家庭での電子メールの使用状況は、「仕事以外でよく使っている」が73.2%、「時々使っている」が23・4%だった。電子メールの使用機器は、パソコンが32.7%、携帯が55.7%で、年齢が若い層ほど携帯派が多い。
 同調査は9月、首都圏及び近畿圏の500世帯を対象にインターネットを通じて調査した。サンプルの年齢構成は、20代18%、30代36.6%、40代27.6%、50代以上17.8%で主婦が回答した。

2010/12/24
「トーキョーアイ」上海事業 テストマーケティングに21社 ファッションショーやメディアミックス
 【上海支局】経済産業省製造産業局クールジャパン室は21日、上海環球金融中心で「トーキョーアイ」の上海での事業に関する記者会見とファッションショーを開催した。日本ファッションの海外進出を支援する「トーキョーアイ」は、「クール・ジャパン」プロジェクトの一環として、従来モードファッションやファブリックを中心に展開してきた。今年度は新たに加えるリアルクローズ、子供服、高機能繊維の3分野を中心に12月から上海でテストマーケティングを実施し、その結果を中小企業や個人経営者の支援に活用する。
 テストマーケティング事業「トーキョウアイ・ガールズ・キッズ・テック」には21社が参加する。主なテストマーケティング事業として(1)上海オーパ淮海店でのキャンペーン(10年12月27日~11年1月9日)(2)正大広場での「ミナコレクションショップ」との協業、3階特設会場での展示会、一般消費者向けファッションショー(11年1月6日~9日)(3)日本の女性ファッション誌の現地ライセンス版の通販サイトでの商品販売、などを実施する。
 テストマーケティングを宣伝するため、中国最大のポータルサイト「sina」に12月21日から特設ページ(http://sh.sina.com.cn/tokyoeye)を開設し、今回の事業や人気ブランドを紹介し、実店舗や通販サイトへのアクセスを促す。
 テストマーケティング参加企業の取りまとめは三菱商事(リアルクローズ)、ベネッセ(子供服)、日本化学繊維協会(高機能繊維)が行った。参加企業は次のとおり。▽リアルクローズ7ブランド=「ドゥレル」「ミーナコレクション」「オリーブデオリーブ」「レッドペッパー」「サマンサベガ」「スナイデル」「ビッキー」▽子供服8ブランド=「アナスイミニ」「ベネッセ」「ビケット」「ブーミールーミー」「コンビミニ」「ファミリア」「ミキハウス」「スナイデルガール」▽高機能繊維素材提供7社=帝人、東レ、クラレ、東洋紡、旭化成、ユニチカ、三菱レイヨン。

2010/12/22
楽天 衣料品などBtoB 「楽天市場」と連携にらみ
 楽天は、衣料品やアクセサリー、日用雑貨などを小売店に向けて卸売りするBtoB(企業間取引)サイト「楽天B2B」を開設した。アパレル製品・雑貨を扱うBtoBサイトはすでにいくつかあるが、自らネット販売モール「楽天市場」を運営する同社は、モールの出店企業と直結した事業展開も可能なため、従来のBtoBサイトとは異なる事業に発展する可能性もある。
 BtoBサイトは、メーカー・卸の商品をサイトに掲載し、それを見た会員小売店がサイトを通じて発注する仕組み。新たに取引先を開拓したいメーカー・卸が出展するケースが多い。小売店にとっても新しい商材を探せる場となる。
 楽天の強みは、国内最大規模のネット販売モール、楽天市場を運営していること。「楽天トラベル」なども含めた楽天の会員消費者は7000万人にのぼり、年間流通額は1兆円になる。楽天の各種サービスの利用事業者数は10万で、小売店だけで3万7000店が利用している。こうした、楽天とつながりを持つ事業者、消費者とBtoBサイトを結びつけることで、「BtoBtoC」のビジネスモデルの構築も可能となる。
 「楽天は消費者基盤を持つほか、ネットでのプロモーションなど様々なネットビジネスのノウハウやインフラを持つ。単純にBtoBサイトの規模を追求するのではなく、楽天ならではのソリューションを提供していく」(平野雅史ビジネスサービス事業事業長)と話す。
 楽天B2Bは、現状は商品の掲載と受発注機能だけで決済機能はないが、将来は決済機能の導入も予定しているという。出展できるのはメーカー・卸に限られ、対象商品はアパレル、バッグ、アクセサリーから日用雑貨、食品、家電製品まで幅広い。ボタンや生地なども扱う予定。バイヤー会員は法人に限定する。
 利用料は、出展者は初期費用2万円、出展料は月間5万円(1000商品まで掲載可)、バイヤー会員は無料。アドレスは b2b.rakuten.ne.jp/

2010/12/21
〈トップに聞く〉 荻原延仁 荻原社長 テレビにネット新販路開拓 コト提案で楽しさ伝え
 7月に就任した。主力販路の百貨店リビング売り場が縮小傾向にある中、テレビ通販やネット販売など新規販路の開拓に着手している。さらに、モノを売るだけでなくコトの提案に踏み込むことで、エプロンやナイトウエアの楽しさを伝えることにも力を入れる。

 「ソニアリキエル」「ジュンコシマダ」「リバティ」などライセンスブランドを売り上げの核に、「ハウスウエアスタジオ」(HWS)を軸にしたオリジナル商品にも力を入れてきた。百貨店平場の売れ方もここ2~3年で急速に変化し、ブランド名だけでなくデザイン性や使い勝手の良さなど、商品そのものの良さが重要視される。ブランド別売り上げでライセンスを抜いてHWSがトップになる売り場も出てきた。ただ、オリジナルはブランドとして確立させるのが難しく、HWSも再度コンセプトを明確にしていきたい。
 若い層へはオリジナルの「コキーヌ」や「ディズニー」のライセンス商品でアプローチしている。既存の販路で若い人を取り込むのは難しく、ネットや雑誌などを通じた打ち出しが必要になっている。ファッションビルに出店しているライフスタイル型の店への卸などの新規販路も模索している。

 年内に楽天市場に出店し、ネット販売を本格化する。単に商品を売るだけではなく、自社サイトと連携し、料理のシーンにおしゃれ感や楽しさがイメージできるような情報発信をしていきたい。そのためにプロの料理人とのネットワーク作りも始めている。こうしたコトをからめた発信が販路を問わず重要になっている。
 リラクシングウエアの「ヒロコビス・カーサ」は百貨店20店強でコーナー展開し、独自の世界を持ったブランドとして認知されてきた。今上期(4~9月)は新店効果もあり2ケタ増で、既存店でも前年を上回っている。テレビ通販のQVCや『家庭画報』の通信販売など新しい販路も売り上げにつながっている。こうしたブランドはリピーター作りが必須で、顧客とコミュニケーションを取りながら心理的な満足感を与えられるよう、販売員教育にも力を入れている。

2010/12/21
野村総合研究所予測 EC市場15年度11兆8000億円に モバイルがけん引
 野村総合研究所の予測によると、国内の消費者向けEC(電子商取引)市場は、10年度に7兆3123億円、15年度には11兆8006億円となる見込みだ。その間の年平均成長率は10%。この成長をけん引するのはモバイル(携帯電話)向けECで、その構成比は10年度17・5%から15年度21・2%まで拡大する。
 インターネット広告や音楽配信、ネットオークション、オンライン決済、非接触IC決済を加えたネットビジネス全体でも、パソコン向けだけでなく携帯向け市場が伸び、順調な成長が見込まれている。10年度の約12兆円から15年度18兆円と、1・5倍の拡大だ。
 こうした背景には、ブロードバンドのさらなる普及とスマートフォンの台頭などがある。携帯電話は、ほぼ1人1台の状態に達しているが、スマートフォンの台頭が携帯電話事業の構造自体を変えつつある。スマートフォンの普及は今後、データ通信利用料(1契約平均)が増加し、頭打ちとなっている音声通話利用料金を来年ごろには上回るという。ブロードバンドの普及はモバイルなどの分野でも今後広がり、端末のバリエーションの広がりとともに、サービスが多様化し利用者のすそ野も広げるという予想だ。
 また、スマートフォンのオープンなOS(基本ソフト)はアプリケーションが開発しやすく、次々立ち上げられるアプリマーケットがこれらの利用をさらに促すとみられ、電子書籍など消費者向けだけでなく、企業向けのモバイルサービスも広がる見通しだ。
 消費者向けECでは、これまで若年層が中心のモバイルEC市場に、30・40代中心のスマートフォン利用世代も加わり成長を加速するとみられる。モバイルECは、10年度1兆2801億円から15年度2兆5011億円へ倍増する。
 スマートフォンを始め、新しい端末が広がり、同じサービスをどの端末でも利用できるようになると、消費者の選択肢が広がり消費スタイルも多様化する。端末によって利用者層が大きく異なることもあり、同じ商品・サービスでも端末によって、売り上げが大きく異なるケースも生じている。携帯電話を使った実店舗への集客手法は既にあり、今後はネットと実店舗の連携というだけでなく、どの端末からどこに集客するかという視点も必要になるのかも知れない。

2010/12/21
1日56億円で記録更新 楽天EC事業取扱高
 楽天は「楽天市場」と「楽天ブックス」を合わせたEC(電子商取引)事業の流通総額が15日、1日当たりの取扱高が56億円となり、初めて50億円を突破した。これに「楽天トラベル」「楽天オークション」などを加えたインターネットサービス全体では取扱高67億円となり、過去最高を更新した。
 14日午後8時~16日午前1時59分まで、タイムセールとポイントキャンペーンを組み合わせたセール企画「お買い物マラソン」「トラベルマラソン」を展開。購入店舗数や予約件数に応じてエントリーしたユーザーのポイント倍率がアップする企画で、取扱高増につなげた。
 EC事業では買い物マラソン期間中30時間の流通総額が83億円となった。このうち15日のモバイルでの取扱高は10億円を突破し、これも最高記録となった。

2010/12/16
【中国信息】 中国FB業界10年 納期遅れ、日本ブランドラッシュ、万博 ユニクロで始まりギャップで終わる(上海旗艦店開業) レナウンと如意が資本提携
 10年の中国の繊維・ファッションビジネス(FB)業界は、(1)納期遅れ(2)原材料及び労働コストの上昇(3)グローバル旗艦店の相次ぐ開業(4)日本ブランドの出店(展)ラッシュ(5)旺盛な固定資産投資や上場(6)山東如意集団のレナウンとの資本・業務提携(7)ネット販売相互接続と中国でのネット販売開始(8)東南アジアや台湾との自由貿易協定(FTA)(9)上海万博――などに特徴付けられよう。1年間の主な動きをまとめた。
v  対日ビジネスで深刻化したのはアパレル製品の納期遅れだ。2月の春節(旧正月)明けから沿岸部への工員のUターン率が減少し、労働力不足と生産能力が減少、原材料・副資材の納期遅れや省エネ停電なども要因となった。さらに中国を舞台にした一定以上の品質のアパレル生産工場での日本、欧米、中国国内メーカーを含めた“グローバルな生産キャパ分捕り合戦”で日本が“買い負け”した状況も加わった。沿岸部での労働力不足は中国政府の中西部開発と内陸部への産業移転という、繊維産業の構造改革政策に根本要因がある。安徽省と河南省に集中的に移転している。
 労働コストや原料コストも上昇した。労働力コストは10年の中国各地域の新最低賃金(月額、最高ランク)でみると前回比伸び率が12~31%アップし、上海市は1120元になっている。原料では特に綿花価格が約2倍に急騰し、10年1月の中国国家綿花価格指数の1万4932元(1トン当たり)が、10年11月11日には3万1302元へと、1995年以降最高値となった。11月29日には26289元に下落するなど、変動も激しい。コスト上昇は、製品価格の上昇につながる。
 上海でのグローバルSPA(製造小売業)ブランドの旗艦店オープンは5月15日の「ユニクロ」の上海グローバル旗艦店で始まり、11月11日のギャップの上海旗艦1号店で終わった。4月22日にはコーチが、7月8日にはエルメネジルド・ゼニアがそれぞれ上海・■海路に上海旗艦店を開業している。一方で、中国では出店数の規模での競争も激しくなっている。スポーツアパレルでは1万店(361.が3年後に計画)が一つの目標に、カジュアル系では1000店が目安になっている。ハニーズは16年に1000店。ユニクロは20年以内に1000店の出店を目指している。一方でグローバルSPAとは異なる、中国ローカルの日本ブランド「ミリオンクラブ」ストアも9月17日、上海・紅坊にオープンした。ダイドーリミテッドの中国工場で一貫生産されるファクトリー・オーダースーツの「美術館のような店」である。
 中国内販を目指す日本ブランドの出店や展示会への出展も相次いだ。日本ブランドを集積した上海の新商業施設としては8月6日に徐家匯の美羅城「五番街」、11月16日には新天地スタイルが開業した。日本ブランド導入が進んでいる背景の一つは商業施設の開発が進んでいること。上海ショッピングセンター(SC)協会によると、上海市内の10年のSC開業数は過去最高、11年から12年までの2年間にも15~20のSCが開業の予定。12月20日には■海路に日系ファッションビル「オーパ」もオープンする。日本ブランドの中国進出を支援するアパレル展示会も相次いだ。中国で行われた日本ファッションの展示会では最大規模となったのは9月27~29日に上海で開催された「第1回繊研日本時尚展」で、約130社(団体含む)が出展した。出展社のエヌ・ジーは同展を契機に11月6日、長楽路に“お兄系”ブランド「エボリューション」上海1号店をオープンした。
 中国繊維業界の固定資産投資は旺盛である。紡績・機械等の繊維機械メーカーの受注は12年まで満杯の状況。中小企業の上場も多く、資本調達による経営拡大、リスク対応力の強化を図る企業が増えている。経営のシステム化と自動化が進み、国内アパレル企業のブランディングのスピードも加速している。
 「去年は杉杉、今年は如意」。昨年、杉杉集団は伊藤忠商事の繊維カンパニーから28%の出資を受け、資本提携した。今年は5月24日、山東如意集団がレナウンの実施する第三者割当増資を約40億円で引き受け、発行全株式の41%を取得、筆頭株主になる、と共同発表した。来年2月までに合弁会社を設立し、中国販売を開始する。レナウンの「シンプルライフ」などを順次展開、21年2月までに中国で2000店舗以上の出店を店を目指す。如意以外にも経営の国際化に向けて国際的M&Aをやろうとしている中国企業は多い。
 タオバオとヤフー、楽天と百度の提携。中国ネット販売最大手のタオバオがヤフーと提携し、6月1日から日中間でネット販売の相互取引サービスを開業した。中国のインターネット検索最大手の百度は楽天と資本提携(楽天51%、百度49%出資)し、中国のインターネットショッピングモール「楽酷天」を10月19日に開業した。北京正望コンサルティング有限公司によると、09年中国ネットショッピングの取引総額は2670億元(前年比90・7%増)。上海と北京はそれぞれ285億元と229億元。ネットユーザー数は1・3億人。アパレル製品が一番売れているおり、8600万人の消費者がネットで640億元の衣料品類を買っている。10年のネットショッピングの市場規模は4900億元と予測している。
 今年、中国との間で発効したFTAはASEAN(東南アジア諸国連合、1月)、台湾(両岸経済協力枠組協定=ECFA、9月)。発効後、1~9月の中国・ASEANとの繊維貿易総額は2113億1000万ドル(前年同期比43・7%増)になっている。ECFA発効で来年から一部の商品が無税になるため、台湾紡拓会が10月23日上海でデザイナー6人のショーを開くなど、台湾も大陸でのビジネス開拓を進めている。
 5月から10月まで開催された、中国初の本格的な国際博覧会、上海万博も今年のハイライトだった。184日間の入場者数は7300万人で万博史上最多となった。日本からは日本館、日本産業館、大阪館が出展した。日本館には東レ、日本産業館には帝人グループや三起商行「ミキハウス」が出展(店)した。会期中、「コフェスタIN上海」や「シンマイ・クリエーターズ・プロジェクト・インEXPO2010上海」「石川紫草色の世界展」などのイベントが行われた。経済効果も小売業、サービス産業を中心に大きく、上海経済大学の試算では経済効果は約1兆5150億円で北京五輪の3・49倍に達した。期間中、交通網も格段に整備された。上海地下鉄は現在計11号線が開通して、総延長が東京を抜きアジア最長となった。高鉄(新幹線)網も充実し、上海~杭州間が45分間で結ばれた。来年中には北京~上海間が高鉄で4時間で結ばれる。

2010/12/16
ネット販売が高い伸び 米婦人服専門店8~10月決算 収益力の回復続く
 【サンフランシスコ=立野啓子通信員】米婦人服専門店の第3四半期(8~10月、ドレス・バーンは第1四半期)は10社合計で前年同期比5・3%増収し、純利益は2社を除き黒字となった。平均粗利益率は42%で2ポイント改善し、営業利益率は営業赤字の3社を除き向上した。今年に入り、過去2年間続いたリストラで、収益力の回復が続いている。不採算部門の売却や閉鎖、販売管理費の低減、在庫調整だけでなく、核となる顧客に焦点を当てた商品構成の見直しやネット販売への投資が効果を上げている。大幅増益の上位4社と赤字社の企業格差も大きい。
 11・6倍の大幅増益になったアン・テーラーは、前年同期にリストラ費用を計上していた。今年は43店を閉鎖し、3年間で閉鎖は145店となるが、キャリア服の「アンテーラー」は既存店が22%増収し好調だ。ネット販売売上高も57%増と伸びている。今年に入り収益力が回復したリミテッド・ブランズは4倍超の増益で既存店増収が続き、営業利益率は4・2ポイント改善した。
 ドレス・バーンは昨年11月に買収したトゥーインズ・ブランズの「ジャスティス」が好調で2・2倍の増益、営業利益率を1・5ポイント上昇させた。昨年後半から回復したチコスは、ユニークなジュエリーと商品面の改革が奏功し、ネット販売売上高も41%増収した。2倍以上の増益となったキャトーは20店を閉鎖し、29店を開店するなど店舗のスクラップ&ビルドを進めた。
 前期に黒字転換したタルボットは粗利益率が42・6%と2・7ポイント改善し、商品の見直しのほか、店舗イメージの転換などの効果が出た。減益のウエット・シールは、投資したネット販売売上高が24・4%増と高い伸びになった。
 赤字2社のうち、Lサイズ専門のチャーミング・ショップスは、積極的なマーケティングで客足が戻っており、ネット販売は40%の増収。

2010/12/16
能率協会総合研究所、通販利用調査 ネットがカタログ上回る カタログ購入の6割が衣料品
 日本能率協会総合研究所の調査によると、通信販売での購入経験は、57%の人が「ネット通販」を上げ、最も多かった。「カタログ通販」が51%、「生協・ネットスーパー」24%となった。全国の20~69歳男女2167人に聞いた。
 「ネット通販」は、男性30代の利用が一番多く、71%がこの1年間で1回以上商品を購入している。月1回以上の利用者も3割を超えた。他の性別・年代では、男性20・40代、女性20・30代で購入経験がある人が6割を超えた。最も少ないのは女性60代の34%。
 「カタログ通販」は、女性で利用者が多く、特に30・40・50代で3分の2を超えた。75%と最も多かった30代は「衣料品」「基礎化粧品」などを「送料無料になるよう金額合わせ」して利用する人が多かった。
 購入商品は「ネット通販」では「趣味・娯楽用品」が46%と最も多く、「衣料品」「アクセサリー・靴・かばん・時計」「お取り寄せグルメ」「サプリメント」が2割以上で続く。「カタログ通販」では「衣料品」が58%と断トツで、続く「サプリメント」「基礎化粧品」は2割台だった。「ネット通販」の購入商品は比較的多岐にわたり、「カタログ通販」はジャンルが限定される傾向がみえる。
 形態別の購入理由では「ネット販売」では「商品が探しやすい」「品揃え」「ポイント・特典」「割引・ディスカウント」が上位。「カタログ通販」では「品揃え」「商品が探しやすい」「店では買えない限定商品」がそれぞれ3割以上だった。

2010/12/15
伊ユークスグループ イメージ高め40%増 ブランドと信頼関係 日本は重点市場、中国に進出も
 欧米日などでネット販売事業を行う伊ユークスグループが急成長している。10年1~9月期は、売上高が前年同期比41・2%増の1億5080万ユーロ、営業利益も27・6%増の750万ユーロと大幅に伸びた。ラグジュアリーや品質にこだわるブランドとの関係を強めて扱いを増やし、今月には中国事業も開始。EU(欧州連合)を代表するファッションEC(電子商取引)企業に成長した。
積極的に変化
 「自分たちのフィロソフィーを守り、顧客に楽しい時間と最高のサービスを提供する」とフェデリコ・マルケッティCEO(最高経営責任者)。同社はブランドとの協業や限定商品を販売したり、ブランド公式で前シーズンから選りすぐった商品を価格を下げて販売する「ユークス・ドット・コム」、厳選したブランドがミニストア形式で出店するEC百貨店「ザ・コーナー・ドットコム」を展開。ブランドの公式ECサイトを支援する「パワード・バイ・ユークスグループ」のサービスも提供する。
 いずれもファッションに特化してイメージを高めており、長期契約でブランドと強固な関係を築く。そのため「マルニ」「メゾン・マルタン・マルジェラ」「アンダーカバー」、最近では「エルメネジルド・ゼニア」などを扱っている。ブランドとは「受け身ではなく、積極的に変化を作ってきた。そのために注意深く関係を築いてきた」ことが成長の要因でもある。現在も「25~30社から依頼を受けている」が、来年も厳選した6ブランドを導入する予定だ。
日本から学ぶ
 グローバル展開もブランドには魅力だ。今月1日には中国事業を開始し、これでローカルオフィス6カ国、物流センター4カ所になった。フィロソフィーや会社のDNAは、どの国でも共通している。採用から考え方を統一し、トレーニングも徹底する。中国は質より量のお国柄だが、「ユークスは質を重視し、特にサービスは徹底する」という。
 日本は戦略的に重要な市場で、学ぶことも多い。例えばマルニにとって「日本は一番大きな市場」で、ECでも成功することが求められる。他の著名ブランドにとっても同様だ。日本は市場であると同時に、取り組みたい、商品を購入したいブランドも多くある。
 ECの質を高めるためのヒントも多い。日本はモバイル(携帯電話)が一番進んだ市場で、顧客サービスレベル、物流センターの仕組み、パッケージの文化などが成熟している。こうした市場で成長することは特に重要と見る。日本チームはDNAをよく理解しており、サイトの認知度も高まっている。今年9カ月間で50%増の成長率で、さらに日本のブランドやアーティストなどと協業して強化する。
 エンターテインメントでは、著名なアーティストやブランド、写真家などとの協業による質の高いショートフィルムを載せたり、エコやチャリティーといった社会貢献イベントなど、ユニークで考えられた企画を生み出す。今月4日には、『ヴォーグニッポン』のファッションディレクターアットラージでインターネットアイコンのアンナ・デッロ・ルッソさんが自身の名を冠したフレグランスを創作し、ユークス・ドット・コムだけで販売した。こうしたユークスでしか出来ないことが、顧客の楽しみになっている。

2010/12/15
ヤング市場リードするおしゃP、ブロガー あこがれは身近に 分かりやすさと安心感に支持
 ガールズプロデューサーやディレクター、プレスなど、身近なあこがれを誘うカリスマが若い女性たちの消費をリードしている。松本恵奈さんの「エモダ」(マークスタイラー)をはじめ、彼女たちがかかわるブランドがヒットしているほか、光文社の『JJ』も今夏以降、彼女たちを“おしゃP(=おしゃれプロデューサーズ)”と称してフォーカスした新企画が当たり話題を呼んでいる。最近は新たな存在としてブロガーへの注目も高まっており、発掘する動きが強まってきた。
好きで勝負
 彼女たちに共通するのはファッションを専門に学んではいないが、ファッションが大好きでセンス抜群、仕事に全力で取り組んで心から楽しんでいること。タレント、モデル並みにビジュアルがいいのに敷居の高さを感じさせない親しみのある人柄で、一度会うと思わず応援せずにはいられなくなるような存在だ。雑誌やブログなどで普段の生活や仕事・恋愛観、苦労話などについても惜しみなく語っており、その生き方までもが支持されている。
 商品自体がトレンドを押さえた魅力的で買いやすい価格のものであることは大前提だが、国内外のブランドがひしめき情報があふれ返るヤングマーケットにあって、彼女たち作り手の顔が見えることでの分かりやすさや安心感、リアリティーのある点が利いている。「こういう景気のなかであこがれの女の子像が変わってきた」と指摘するのは、JJで“おしゃP”企画を立ち上げた篠原恒木編集長。「プロのモデルや中流以上の読者モデルにあこがれが持てなくなってきた今、自分の好きなことで勝負している女の子がキラキラしていてカッコいいというムードがわき上がっている」
 新たな存在としてはさらに身近なブロガーも要注目だ。日本にはアメリカのルミ・ニーリーさんのようにビジネス的にも活躍するファッションブロガーがまだいないと言われるが、最近は発掘する動きも目立っている。先行例として挙げられるのがジャパンイマジネーション。今秋、新ブランド「アンクルージュ」を立ち上げるにあたって、ギャルに人気の携帯ブログサイト「クルーズブログ」で殿堂入りしていた松岡里枝さんに着目。“渋谷マーケットに向けてメッセージが発信できる数少ない人物の一人”としてディレクターに抜擢した。
 宝島社の『スウィート』と日本ヒューレット・パッカードは6月から、世界のファッションシーンで活躍するブロガー輩出を目指し「スーパーファッションブロガープロジェクト」をスタート。このほど「HP×sweetスーパーファッションブロガーアワードグランプリ発表パーティ」を開き、1614人の応募のなかからグランプリにNatsuさんを選んだ。Natsuさんは副賞として来年2月のニューヨーク・コレクションに招待されるほか、同誌に登場できる権利などを獲得した。
広がる裾野
 スウィートの渡辺佳代子編集長は「来年以降に向けて新鮮なことを探していたときに話が持ち上がり、ちょうど海外ブロガーも話題になっていたことから取り組みを決めた」という。「応募者は予想以上にレベルが高く、今回の参加を機にブロガーに興味を持ち始めた。スウィートは読者モデルはなじまないがブロガーという肩書はあり。彼女たちは読者モデルより自分で表現ができる」
 同じく同プロジェクトにかかわるドラムカンメディアの杉本悟社長は、ブロガーの育成が急務としながら、今後さらに彼女たちが様々な業界、企業と取り組んでいけるようになることを期待しているという。「ブロガーは才能があれば企業に属さなくても成功できる。女の子にとっては自己実現の可能性が広がるのでは」という。

2010/12/09
ECキャスト、アパレル向けモバイルEC管理システム スマートフォンに対応
 ECキャスト(東京)は、アパレル向けに提供しているモバイルEC(電子商取引)管理システムをアイフォーンなどスマートフォンにも対応させた。関連会社が運営するメンズファッション販売サイト「シブハラドット」モバイル版で1日から採用した。同社が開発・運営支援するグンゼの「ボディワイルド・モバイル」でも2月から導入、スマートフォンで快適なショッピングが楽しめるようになる。今後とも日本市場で提供されるすべてのスマートフォンに対応する。
 同社は、ロジックロジック社(東京)のモバイルECシステム「eCMK」をベースに共同開発したアパレル特化版で、スマートフォン向けシステムを追加開発した。そのサイズや操作性から、パソコン向けよりモバイル向けシステムをベースにした方が高いユーザビリティーが得られると判断した。新システムを採用すれば、手間をかけずに、急速に普及するスマートフォン利用者を自社サイトの顧客にできる。
 アパレル向けeCMKは、画像最適化・拡大機能で画面いっぱいに画像表示でき、さらに細部の拡大もできる。豊富なデコメ対応などでサイト画面そのままのようなメールマガジンを作成でき、利用者を細かくセグメントした配信も可能だ。分析機能も豊富で、利用者がどこからサイトに入り、どのページに移動したかも簡単に把握できる。在庫を取り分けることなく福袋販売ができる機能もある。

2010/12/06
ホリデーセール順調 米大型店11月売上高 ネット販売伸びる
 【サンフランシスコ=立野啓子通信員】11月の米大型店売上高は29社合計で前年同月比7・8%増(前月は30社計で4・5%増)、既存店増収は前月の17社から24社に増え、既存店減収は3社にとどまった。
 「予想より良い結果」の企業が多く、全米小売業協会によると、本格的なホリデーセールに突入した感謝祭翌日の「ブラックフライデー」(26日、小売業が黒字になる日)から週末にかけて小売店やネット販売サイトを訪れた人は2億1200万人(前年比8・7%増)、うち3分の1がネットで買い物をした。調査会社コムスコアによると、ブラックフライデーのネット販売売上高は6億4800万ドル(9・2%増)と過去最高で、年間最大の商戦は好調なスタートを切った。
 全社が既存店増収となった百貨店の中で、ネット販売が31・8%増のメーシーズは「ネットとの連携戦略が奏功した。ブラックフライデーは450万人がサイトを訪れ、サイバーマンデー(29日、ネット購買が多い日)も同様の結果で、ネットで調べてから実店で買う消費者が増えている」という。既存店9・2%増収のJCペニーは「例年より早く贈答用品の反応がある。新ブランドの導入、PB、贈答用の商品構成に加え、顧客サービスが効果を発揮」し、特にブーツ、カシミヤのピーコート、「リズクレイボーン」のスポーツウエアが売れた。コールズとディラードは、靴が最も売れている。
 前年並みのスタイン・マートを除き全社既存店増収のディスカウントストアは「月を通じて客足が伸びた」(ターゲット)という。
 ノードストローム、ニーマン・マーカス、サクスのラグジュアリー3社は既存店増収を続け、専門店ではネット販売が40%増(売上高比率10・2%)、国際部門73%増(同20・1%)のアバクロンビー&フィッチが断トツに伸び、インティメートアパレルのリミテッド・ブランズ、アクションスポーツのズミーズも2ケタ増収となった。
 一方、同月の消費者信頼度指数(85年=100、5000世帯対象)は、54・1で、前月より4・5ポイント上昇した。コンファレンス・ボードは、ホリデーシーズンに向けた指数の上昇は歓迎されるが、改善ムードが継続して欲しいとしている。

2010/12/03
野村総研がセミナー ITで独自のおもてなし 高性能が促す顧客対応充実
 データを蓄積するストレージや、これを分析する統計解析ツールが高性能化・低価格化するのに伴い、マーケティング技術の商品基点から顧客基点へのシフトが実践的な戦略になろうとしている。一人ひとりの顧客に推薦(レコメンド)すべき商品の選定に必要な膨大なデータを収集・分析する技術が整ったからだ。しかし、技術導入だけでは差別化は図れない。顧客をどう「おもてなし」するか、提供すべき「顧客経験価値」(カスタマー・エクスペリエンス)をデザインし、その実現のために新しい技術を活用することが求められる時代になった。野村総合研究所が開いた「ITロードマップセミナー」では、顧客基点マーケティングの手法とその事例が報告された。
●オランダのING銀行 顧客基点マーケティングに切り替えることで年間2000万ユーロの増収を達成した。従来は、顧客データベースからセグメンテーションしてDMを送っていたが、同じような内容や全く相反する内容のDMが大量に送付されれば顧客経験価値も損なう。成約率も低かった。そこで、全顧客の属性データと行動データを統計解析しモデル化した。個々の顧客をそのモデルに照合し、商品の購入確率を算出し、上位商品を提案する手法に変え、一人ひとりの顧客に適切な商品を推薦できるようになった。これには顧客属性データに加え、顧客の過去の行動履歴データが必要で、この膨大なデータを分析処理できるツールも必要だった。
●ヒールズ・コム(www.heels.com/) 07年12月にスタートした高級婦人靴のEC(電子商取引)サイト。毎月倍増ペースで、1年間で全米第5位の靴ECサイトになった。顧客が購入する時にこだわる26の因子(商品属性)を定義し、顧客が商品情報を閲覧するごとに、どの因子を重視しているかを各因子に加算し、これを評価基準として商品を推薦する仕組みを作った。顧客の「こだわり」に着目し、独自のレコメンドモデルをデザインしたことが成功要因だ。アマゾンの協調フィルタリングのような「他人が何を選んだか」ではなく、高級靴購入を促す因子を試行錯誤しながら選び出した。
 さらに今年3月からは、ライブのビデオチャットを使った買い物相談も始めた。ビデオチャットでサポートサービスする、小売業では初めてのケースという。対話によって、購入しようとする動機などを聞き取り、過去から現在までの閲覧ページの情報を踏まえ、顧客側画面に推薦商品を表示する。通常のサイト訪問者は1日2万3000人、その購入率0・65%だが、ビデオチャット訪問者は1日平均40人、購入者は3~4人という。チャット訪問者は毎月増えているという。
●米国の会員制量販店サムズクラブ 顧客の個人レベルで割引率・対象商品をカスタマイズしたクーポン券を、来店した顧客に店頭端末で発行し、クーポン利用率を1~2%から20~30%に高めた。購買履歴をもとに、顧客が何をいつ買うかを予測し、利益率などの制約を加味して最適な推薦商品・価格を決定するという高度な分析を可能とするツールが揃ってきたから出来るサービスだ。

 技術は日々進化している。ネット上のソーシャルメディアやスマートフォンなどが急速に普及する下で、何を採用するかの選択も重要な課題だが、自社の顧客に提供する「おもてなし」の中身が鮮明になれば、活用すべき技術も、おのずと明らかになるだろう。

2010/12/02
スタイライフ ファッション通販誌『ルックス』 中国で発行、ECも有力出版社と提携
 ネット販売大手のスタイライフは中国紡織出版社(北京市)と契約し、同社が発行するファッション通販誌『Look!s』(ルックス)の中国国内販売と、掲載商品のネット販売事業を開始する。1回目の発行は12月中旬で北京、上海で5万部を発行する。リアルな雑誌媒体と連動したネット販売を展開することで、同社の中国事業の拡大と黒字化を目指す。
 同社が原稿データなどコンテンツと掲載商品を提供。中国紡織出版社が雑誌『■薇LOOK!S』の発行と掲載商品の通信販売(発送、決済、顧客対応など)を行う。1回目は日本のルックス10年冬号が対象で、同誌には約200ブランド、1000アイテム程度の商品を掲載しており、契約上の問題などがなければ中国で商品が販売されることになる。
 両社は4月、6月にルックスのダイジェスト版を中国紡織出版社が発行する人気ファッション誌『■薇』(中国版ViVi)にブック・イン・ブックでテスト販売している。日本で1万円を超えるワンピースなどが売れ、手応えを得ていた。中国紡織出版社は■薇を105万部(公称)発行するなど有力な出版社で、独自にネット販売も行っている。
 中国のネット販売は偽物などのトラブルが多く、リアルな雑誌との連携や有力出版社との提携で、消費者への信頼性や認知度が高まることが求められていた。スタイライフは既存の通販サイトに加えて新販路ができ、中国既存事業の活性化と相乗効果、日本での在庫共有など効率化を図る。