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Life-Style of CUBA ライフスタイル・オブ・キューバ - キューバの流儀 |
| <本書紹介> カリブ海に浮かぶ小さな島国、キューバ共和国。 決して裕福ではないけれど、この国に暮らす人々は笑顔を絶やさない。 カネが無い、モノが無いなか、老いも若きも音楽と踊りを愛し、子供たちは元気よく草野球に興ずる。 修理を重ねた愛車を50年間乗り続け、庭で野菜と鶏を育て、明るく楽しく生きる人々。 消費に疲れ、元気を失くした我々日本人が、いま知るべき『もう一つの生き方』。 キューバ人の活力と実践が詰まった、待望の一冊。 |
| 著者 プロフィル 高橋慎一(しんいち たかはし) 東京工芸大卒。 現在、雑誌・書籍・CDジャケット等のフォトグラファーとして、またライターとして、ジャズ・ワールドミュージック等の音楽分野から、旅行記、人物ルポ等の執筆で活動中。 2001年からキューバのレコードレーベル“Kamita Label”を主宰。 プロデュース作品がキューバ音楽界のグラミー賞《CUBADISCO2006》でベスト・ジャズ部門にノミネート。 そのオリジナル・アルバムは、世界中のキューバ音楽ファンから注目を集めている。 [著書]キューバ・トリップ(産業編集センター・刊)/モンド・キューバ(東京キララ社/河出書房新社・刊)他 |
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はじめてキューバを訪れたのは今から16年前、1995年の夏のこと。
廃墟のようなコロニアル建築の荘厳な美しさ、前世期で時代が止まった街並みの味わいに、カメラマンとしての本能を刺激され、夢中になってシャッターを切ったことを、よく憶えている。
足繁くこの国に通ううちに、キューバの本当の魅力は外側から眺める風景ではなく、音楽やアート等の創作物にあることに気付きはじめた。
現地で音楽を浴びるように聴き、映画館でハバナっ子たちとキューバ映画を観て、画廊で地元の画家の作品に触れ、その思いは確信に変わっていった。
生命力に満ちたキューバの芸術こそ、この国最大の魅力である。若き日の僕は、頭でっかちにそう考えていた。
だが、ヒヨっ子カメラマンのそんな理想論は、ある日を境に全く通用しなくなった。
僕はこの国への思いあまって、キューバ音楽のレコード・レーベルを設立し、現地のスタジオでオリジナル音源の制作を開始したのだ。
甘かった、本当に甘かった。
音楽制作のズブの素人が、いきなりレーベル主催者になったのだ。それであっさり成功する程、音楽作りは甘くなかった。
泣いて、怒って、落ち込んで。キューバ人と格闘しながら、レコード・レーベルを10年間続けて、ようやく解った。
この国の最大の魅力は「人間」であることを。
キューバ人は危機に強い。何かモノが壊れれば自分で修理する。トラブルが発生すれば根気よく待つ。金と物が圧倒的に不足するなか、背筋を伸ばし凛として前を向く。
そして、今日という日を最大限に楽しもうとする。
風光明媚な街並みも、壮麗な世界遺産も、そこに、あの生命力あふれるキューバ人が暮らしているからこそ素晴らしいのだ。
音楽もアートも、市井に暮らす無名の人々が、長い時間をかけて育んできたものだ。だからこそ、キューバの芸術は煮えたぎるほどの命の力に満ちている。
むせ返る程のエネルギーを放出する人々と出会うために、僕はこれからもキューバ詣でを続けるだろう。