Books - 繊研新聞社発行の書籍

美味しい熊本! 自然食レストラン「ティア」と仲間たちのスローフードな冒険
= 文=渡辺直子/写真=エディオオムラ
B5変形判 176頁(オールカラー)/1600円
[ISBN 978-4-88124-248-3]

<本書紹介>
 熊本にあるちょっと不思議な自然食レストラン「ティア」。
 「食は命のやりとり」といういささか尖った問題提起をしながら、単に「身体に良くておいしい」だけではない 食の意味を探し提案するこの哲学的なレストランは、日本全国に同志を持つ同盟体でもある。
 そんなティアと仲間たちの奮闘や日常、そしてティアを支える熊本のヒミツを、「おいしいもの番長」の異名をもつ筆者が訪ね、描く。
著者 プロフィル
渡辺直子(わたなべなおこ)
京都生まれ、京都育ち。広告制作プロダクション、京都のタウン誌編集部勤務などを経てフリーになる。きもの、和もの、和ごとに関する執筆、イベント企画などを中心に活動。

『 美味しい熊本! 自然食レストラン「ティア」と仲間たちのスローフードな冒険文 』 文=渡辺直子/写真=エディオオムラ

第1章 まずはティアのこと

本書の主人公、自然食レストラン「ティア」とそれを率いる元岡健二さんの物語
元岡オヤジ
哲学的レストラン
食のアカデミー
困りごと、ありませんか?
代役、引き受けます
もったいない包囲網
旬のちから
ティアのまちまち家族

第2章 ティアのとっておき家庭料理レシピ

ティアの人気メニュー13品の作り方を紹介 選りすぐりの御用達調味料も大公開
レシピ1 きりりピリ辛ティアカレー
レシピ2 干した山の幸のカルボナーラ
レシピ3 きれいな味の白和え
レシピ4 きくらげサラダ
レシピ5 きんぴらシャトウ
レシピ6 水前寺菜のおひたし
レシピ7 自家製コロッケ3種
レシピ8 チーズ入りこんにゃくフライ「遠夢想観」
レシピ9 おいしいごはんの炊き方
レシピ10 おいしい味噌汁の作り方
レシピ11 梅干しの紫蘇で作る紫蘇ふりかけ
レシピ12 よもぎのチーズケーキ
レシピ13 ぎんてぼうのブラマンジェ
付 録  ティア御用達の調味料

第3章 そして熊本のこと

歴史、風土、自然など色々な側面からティアを育て、支えている「クマモト」を分析する
ミネラルウオーターの都
求む、ざる田仲間
セイショコさん
伝統野菜歴4年、ひご野菜
食べたい人は熊本へ
ミナマタの記憶
シホちゃんと天草

第4章 この人に会ってください

「この人に会ってください」は元岡健二さんの口癖 元岡さんが仲間と思い、縁をつなげた人たちの仕事や思想を訪ねる
ゆず大将のユーウツ
孤高のれんこんハカセ
トップランナーの相愛術
あか牛ユートピア
トマト王子、快進撃
私が証明です
頑張れ、2%キクラゲ
跳ねるオーガニック干物工房
天然塩のニッチ市場

第5章 つながる人とつながって

「外食弱者を考える」「挫折をともにする」「身を張って学ぶ」 元岡さんとつながる個性的な人たちを、それぞれのテーマから取材
山中佳織さん・康裕さん×「ティア佳織の店」  学習テーマ/外食弱者を考える
松浦智紀さん×「サン・スマイル」 学習テーマ/挫折を友にする
鎌田定宗さん×「ポケットファームどきどき」 学習テーマ/身を張って学ぶ

第6章 きわめて私的な食文化論

食には一家言ある筆者が、今回の取材を通して、または以前から思索していた「食とはなんぞや」あれこれ
京都の食 その1 おばんざいの美徳
京都の食 その2 ダンナごはん
大阪の食 食い倒れの光と影
奈良の食 謎の食文化圏
食文化の生まれ方
黒船来航的カルチャーショック!
地産地消がつながるところ
安全安心はどこにある
バカボン的食生活
食べることと命の関係

本書の特徴

  1. ティアという一軒の自然食レストランやちょっと風変わりで哲学者のようなそのオーナーの思想を通して、「健やかな食」「これからの食」について問題提起
  2. 自然食に関わる人や、安心・安全な食品を生産しようとする生産者のリアルな姿や問題意識を、コミカルな筆致で描く
  3. 熊本や登場人物の「今」を切り取ったライブな写真を満載




はじめに

 そこそこの歳月を生きてきて、これまでにいくつかのあだ名を付けられた。その中で私がいちばん気に入っていて、かつ私を知る人が納得するあだ名は「おいしいもの番長」だ。

 ことほどさように、私はおいしいものに目がない。その元となるおいしい情報にも目がない。そんな私がある日見つけたのが、「熊本に、ちゃんとおいしい自然食レストランがある」という記事だった。

 その記事には、「ここで出される料理は健康にいいというだけではない、ちゃんとおいしい。そこがいい」といったことが書かれていた。それまでに知っていた自然食のおいしさにいささか懐疑的だった私は、その「ちゃんとおいしい自然食」をどうしても食べたくなった。そこで取材にかこつけて熊本のそのレストランを訪ねた。そのレストランが「ティア」だ。

 「ティア」を率いる元岡健二さんは、食べ物とその出自に、一種独特なこだわりをもっていた。それから、その周りに、彼のこだわりを畏敬し、愛する人たちもたくさんもっていた。

 そこで私は、この不思議な力に満ちた元岡さんをめぐる世界のことを書くことにした。

 そしてその取材を通して気づいたのは、食に謙虚であり、真摯であることの大切さと、それは日本に古くからあった本質的な思想であり、日本人の知性や胆力の源になってきたものだということだった。

 それを今一度見直すことで、ニッポン人はもう少し健やかになれるのではないだろうか。

 この本にはそういうメッセージを詰めたつもりです。


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