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ニッポンの真珠がいちばん美しい |
| <本書紹介> 半世紀を真珠研究に傾けてきた小松博芸術工学博士。 真珠に関する世界的権威の小松氏が「ニッポンのアコヤ真珠(のテリ)がいちばん美しい」とまとめた渾身の一冊。 本書ではとくに小松氏が多くの研究成果を上げてきたアコヤ真珠の「美」について科学者の目と叙情的なロマンで紹介。 第1部では真珠の知識・歴史やその輝きを生む人たちが働く養殖現場などから探り、第2部では「歴史」「真珠たち」「構造・成因」「物性」「メモリー」の5つの視点でまとめたエッセーで紹介している。 日本の海の神秘と生産者の思いが結び合って生まれたアコヤ真珠の魅力を存分に堪能できる。アコヤ真珠がより身近になる本だ。 初版2012/01/10 |
| プロフィル 小松 博 (こまつひろし) 1963年東京水産大学卒業後、ミキモト入社。 同社にて24年間研究室に勤務。87年真珠科学研究所を設立、現在に至る。 真珠の全分野にわたる研究及び教育の啓蒙を手がける。 ICA(国際色石協議会)設立委員、宝石学会日本評議員、(社)日本ジュエリー協会JC委員、2005年芸術工学博士取得 いなとみのえ 専門誌『季刊きもの』(繊研新聞社刊)のフリーランス記者。 書籍の企画・編集なども手がける。 また、一般媒体の雑誌や企業のPR誌の執筆や編集、ライティングも行う。 ライフワークは国内・外を旅して手仕事を見聞すること。主な著書『石見銀山 四季 暮らし ものづくり』『奈良に生きる 奈良を活かす 中川政七商店という生き方』(繊研新聞社刊) |
見る・知る・学ぶ 志摩半島・真珠巡り
知っておきたい真珠の知識Ⅰ 必須 真珠のQ&A 13
知っておきたい真珠の知識Ⅱ カンタン 天然真珠HISTORY
真珠業界の過去・現在・未来 アコヤ真珠の脚光を再び!
大月京一 株式会社大月真珠代表取締役社長
ロングインタビュー
「ニッポンの真珠がいちばん美しい」を証明し続けて
小松博 真珠科学研究所所長
研究所の仕事場拝見
日本の真珠といえば、アコヤ真珠。そのアコヤ真珠の養殖を1893年(明治26)に御木本幸吉が世界で初めて成功させたという話を耳にしたことがあるだろう。
それ以前の真珠といえば天然真珠しかなく、本文中にも紹介されているが「数十人のダイバーが1週間で3万5千個の貝を採取し、真珠が出てきたのは21個、そのうち商品価値のあるものはわずか3個という希少性の高い物だった」そうだ。しかもこれは海外の話で、日本では採れたアコヤ真珠は粒ほど小さく宝石としての価値はなかったため、アコヤ真珠の市場自体もなかった。
それが、養殖真珠の成功によって日本ではアコヤ真珠づくりが産業化し、世界の真珠市場にドラスティックな変化をもたらした。以後、白蝶真珠や黒蝶真珠、淡水真珠と様々な養殖真珠が出てくるが、アコヤ真珠はその中で最も美しい「テリ(輝き)」をもつ真珠として世界の市場を魅了してきた。
そんなアコヤ真珠は日本人にとって最も身近な装飾品として愛されてきたが、意外に知られていないのが、なぜ「ニッポンの(アコヤ)真珠(のテリ)がいちばん美しい」かだ。
その大きな理由は、〝貝殻の内側に美しい輝きを有するアコヤ貝が日本に生息し、そのアコヤ貝が日本の四季によって生じる海水の温度変化でさらに美しいテリをつくるから〟と言われている。日本の気候風土が生み出したテリなのだ。
しかし、それだけでは世界一の美しさはつくれない。
日本の養殖真珠が生まれて120年、様々な真珠関係者によって培われた技術と「美しさ」を向上させていくという、つくり手の信念によって支えられているのである。
本書の第1粒は、真珠についての基礎知識と養殖現場のルポルタージュなど、アコヤ真珠の背景を紹介している。
第2粒は、アコヤ真珠の美しさを「歴史」「真珠たち」「構造・成因」「物性」「メモリー」の5つの視点で解き明かしたエッセーだ。
日本のアコヤ真珠の美しさが生まれる理由をご理解いただくと同時に、その美の輝きを生みなす仕事を誇りとする多くの人々がいることを伝えたいとの思いで著した。