繊研新聞 コレクションリポート - 2008-09年秋冬
ミラノ・メンズコレクション - 1
(文頭の日付は紙面掲載日。写真をクリックすると拡大表示します)
2008/01/16
【ミラノ=小笠原拓郎】08~09年秋冬ミラノ・メンズコレクションは、静かなまま推移している。新しいスタイルは、上にボリュームをおいてスリムなパンツでまとめるシルエット。ほとんどのブランドが秋冬はスリムパンツを出している。とはいえ、前シーズンのプレッピーの要素は影を潜め、これに代わる明確なビッグトレンドはまだ見えてこない。コマーシャルなコレクションが増える中、モードを前に進めようとしているのはジル・サンダーとプラダだ。
ジル・サンダーはマーブル(大理石)をテーマに選んだ。大理石の持つ質感や柄からイメージした生地を、シャープでミニマルなラインにのせていく。ツイードのジャカードで変形グレンチェックのように織ったスーツ、和紙を織り込んで独特の石のような質感をつくったコート、マーブル柄を転写で描いたコートやスーツ、バッグなどを揃えた。パンツのシルエットはひざでシワを作ったスーパースリム。プリーツたっぷりの生地で作ったテーラードのラインもある。ポインテッドトウの靴もレザーソールを重ねてジオメトリックなフォルムを入れたもの。生地開発からパターンまでアーティスティックでコンセプチュアルに仕上がった。特に前半のグレースーツは、華やかではないけれども、男のエレガンスの今の到達点だ。
プラダはアーティスティックなコレクションで、メンズスタイルをもう一歩、前へと進めようとしている。すべてのアイテムはフロントはフラット。シャツやジレなどは背中でボタンを留めるタイプで、一人で着るのも難しそう。一点一点は決して過剰なデザインではないけれど、どこかフェティッシュなディテールを取り入れて新しい空気を吹き込む。フライフロントのテーラードにシャツのカラーを重ね付けしたコーディネート、シャツにはベアバックのジレをラッピング。カマーバンドのようなアイテムをパンツに重ねたり、チュチュのような飾りをウエストにのせたり。うろこのようなジャカードスーツやシャツが不思議な光を放ち、足元はグラフィカルなブーツやポインテッドトウで固められる。
ドルチェ&ガッバーナは、ブランドのオリジンでもあるシチリアに焦点をあてた。キャスケットにローゲージセーター、たくさんのムートンコートのラスティックなスタイル。パンツは、ひざの内側にパッチを当てたホースライディングディテールのパンツやトラックパンツ。温かそうなローゲージのケーブルセーターにジレを重ねたスタイルも多い。
コスチューム・ナショナルは、英国のライダーズを思わせるストリートスタイルを出した。大柄チェックのコートやブルゾンにブリムの小さな帽子、ラバーソールのブーツにグレンチェックのスリーピースといったアイテム。どこかシニカルに構えたイメージに仕上げている。
アレキサンダー・マックイーンは、エレガントなテーラードスタイルにチベットやアンデスを思わせるエスニックの要素を加えて見せた。グレーをメーンにした細身のスーツにメタリックな飾りのニット、ラップコートは袖口に丁寧なゴールドの刺繍が描かれる。大きなフリンジのストールにエスニック柄の大判ショール、フェザーのボリュームコートに広めのブリムの帽子といったラインを揃えた。
スキーウエアとフォーマルを組み合わせたのはニール・バレット。スキーパンツやダウンジャケットのバリエーションにジレやチェスターフィールドコートを加えていく。黒、白、グレー、ネービーのすっきりとした色で見せるレイヤードスタイルだ。
枯れ葉を敷き詰めた会場に流れるビリー・ブラッグのタイトなリズム。バーバリー・プローサムはグレーやブラウン、ブロンズにワインといった落ち着いた色のコートとブーツカットのコーディネートで見せる。パイピングディテールのグレーフラノコートにアリゲーターのコート、ファー襟のチェスターコートにアリゲーターの型押しをしたハラコのコートなど、コートのバリエーションが豊富。
エンポリオ・アルマーニは、エレガントなスキーウエアでショーをスタート。ニットにグレンチェックのジレのコーディネートなど、カジュアルとエレガンスの間のバランスで見せた。
ボッテガ・ヴェネタは、ワークウエアやユニフォームからイメージした。ジャンプスーツにレザーブルゾン、アノラックにワークジャケット、カフェのギャルソンが着るようなジレといったアイテムをゆとりのあるシルエットでまとめている。テーラードはコンケープトショルダーのスリーピース。


















