繊研新聞 コレクションリポート - 2008-09年秋冬

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パリ・コレクション - 7

(文頭の日付は紙面掲載日。写真は大原広和。写真をクリックすると拡大表示します)

 【パリ=小笠原拓郎、青木規子】シックな黒やグレーで見せるクラシックなラインがメーンとなった08~09年秋冬パリ・コレクション。前シーズン、鮮やかな色をのせたフルイドドレスを見せたランバンが、シックな黒のスタイルを見せた。

 真っ黒なステージに注ぐまばゆいばかりの眩(まぶ)しい光、そこに黒のドレスが次々と登場する。タイトなドレスは小さなハイネックからバックへ流れる布の造形、テープのような布をティアード状に横に重ねたドレスにワンショルダーのブラックドレス。ラップコートはふんわりとラウンドしたヘムを描き、スーツの襟はわずかに丸く膨らむ。
 打ち込みの単調なリズムから突然流れるブライアン・フェリーの歌声と合わせるかのように、黒のコレクションが饒舌(じょうぜつ)に語りだす。
 ビジュー、メタリックな刺繍、ブルー。黒のコレクションは彩りを与えられ美しく変化する。ゴールドのボレロ、スパンコールドレスにパールのネックレス、アシメトリースリーブやとがったショルダーライン。何も奇をてらってはいないのにため息が出るほど美しい。アルベール・エルバスの突出したエレガンスがさえている。

 08~09年秋冬パリ・コレクションでボトムのバリエーションが広がっている。ここ数シーズンはドレス一辺倒だったが、ボトムをポイントにしたスタイリングが戻ってきそうだ。チュニックに合わせるスキニーパンツや70年代調のワイドパンツ、緩やかな量感のジョドパーズ。スカートはひざ下丈のタイトスカートとミニのギャザースカートが目立っている。

 ゴールドの淡くおぼろげに光る舞台に一筋の光が射し込むと、ニナ・リッチのコレクションがスタートする。舞台と同じように淡く揺れるようにきらめく光を描いたライン。ゴールドのジャケットに陰影で描くプリントシフォンのブラウス、そこにサテンのジョドパーズ風パンツやスリムパンツを合わせる。蛾(が)の翅(はね)のようなきらきらした柄のブラウス、朽ち果て薄れてゆくような柄のドレス。はかなげな柄をのせたラインを、丸みのあるフォーマルジャケットで引き立たせる。後半は立体的な刺繍をのせたマーメードドレス。

 エルメスは長いペルシャ絨毯(じゅうたん)を敷き詰めた会場で、アラビアンモチーフの柄をのせたラインを見せた。とはいえ、前シーズンのインドイメージに比べるとぐっとシック。ぜいたくなカシミヤタッチの黒のラップコートやテーラードにアラビック柄のブーツを合わせたり、キャメルのシープスキンコートの中にアラビック柄のブラウスを差してみたり。フリンジディテールのストールやブラウス、ラップスカートもいっぱい。テーマはボヘミアンシック。新作のバッグシリーズ“ジプシー”を発表した。

 ジョン・ガリアーノが作ったのは、ハスの浮かぶ池に仏像や大きな手のオブジェを置いた空間。そこにタイプライターとオスカー像を前にした映画監督が座っている。秋冬はスクエアな布をバイアスに使ったラインを揃えた。バックにドレープを流したジャケットにスクエアな布が揺れるハーレムパンツ、ラウンドヘムのラップコートにキモノスリーブのドレス。音楽はビリージーンからザナドゥまでのディスコヒット。

 クロエはマニッシュなテーラードと柔らかなフルイドドレスとの組み合わせ。オーガンザやチュール、プリントシフォンのフルイドドレスにメタリックパーツを飾った刺繍のドレス、そこにプリンスオブウェールズのコートやコヨーテファーのブルゾンを合わせる。ビジュー刺繍のジレと合わせたパンツスタイルやフォーマルのコール地のトレッキングパンツもある。

エレガントなマニッシュスタイル
 バラの花飾りをつけたモデルが着るのは、得意のテーラードを軸にしたエレガントなマニッシュスタイル。クリス・ヴァン・アッシュはコーディネートや素材感で、メンズライクな中にどこかフェミニンな要素を加えている。男女が対等な立場で踊るというアルゼンチンタンゴがイメージソース。
 チェックのパンツスーツは、シルバーのフリンジドレスをインに着て艶(つや)っぽく。サテンのパンツは、たっぷりとったタックからドレープが落ち、柔らかな表情を作る。ジャケットの袖をたくしあげたようにつまんで縫ってあったり、ポケットにチーフが入っているかのように別布があてられていたり。ちょっとした遊びで、ラフな気分も盛り込んだ。

ヴェロニク・ブランキーノ
 レイヤードスタイルを、建築的なシルエットですっきりとミニマルに。ブークレやアルパカのスーツにナイロンのレギンスをグレーかキャメルのワントーンでまとめて質感の違いを際立たせる。スパイスは、ほんの少しだけ差し込まれたエメラルドグリーン。

ツモリチサト
 クリムトの絵を思わせるきれいな色で、バルーン状のフェミニンドレスを彩った。淡い青や紫、緑を組み合わせたふわーっとぼやけた柄のドレスに、白から青のグラデーションのタイツ。うろこのようなアップリケやオーガンディのティアードで量感をプラスする。

ルッツ
 定番の変形スタンダードスタイルのポイントになったのは、ボリューム袖。キモノスリーブやふんわりパフスリーブのテーラードジャケットやベルテッドコート。グレーや紺の服に、鮮やかなピンクやイエローを利かせる。

コスチュームナショナル
 ワントーンのクラシックスタイルを、立体的なディテールで未来的に仕上げる。肩幅が大きめのミニマルなベストやジャケットに、ひざ下丈のタイトスカート。襟は高く、身頃はダーツのラインで立体的に立ち上がる。カッティングはグラフィカル。

クリスチャン・ラクロワ
 原色の絵の具にカラーファー、クリスタル。招待状に描かれたカラフルな模様が、ドレスやコートを彩る。アウターやスカートのシルエットは部分的に丸く立体的で、大きなフードやボトルネックなど量感のあるネックラインがアクセント。

レクイエム
 80年代の都会的な女性の強いイメージをミニマルに表現する。肩ですぱっとカットしたノースリーブブラウスやノーカラーコートに、ハイウエストのタイトスカート。平面的な身頃や袖を、張りのあるフリルや狩り毛のファーで飾る。パリで2シーズン目。


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