繊研新聞 コレクションリポート - 2009-10年秋冬

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ロンドン・コレクション - 2

(文頭の日付は紙面掲載日。写真はC・ムーア。写真をクリックすると拡大表示します)

2009/02/25

 【ロンドン=若月美奈通信員】09~10年秋冬ロンドン・コレクションでは80年代の様々な要素が再現されている。パワーショルダー、スクールガール、ドラッグクイーン、ゴールド…。そんな中でひときわ目を引くのが構築的な丸いフォルム。ボールのような丸いシルエットのミニスカート、コクーンコート、ベアトップのバブルドレスは、はりのある素材でかっちりと仕立てられている。軽くしなやかなドレスよさようなら。鎧(よろい)のような形を主張する服が新しい。

 マリオス・ショワブのバックステージでは、ハンガーにかけられているはずのスカートが立った状態でいすにのせられていた。ロダンの彫刻からインスピレーションを得たというドレスは、サテンのアンダードレスの上にオーガンディのドレスが隙間をあけて重なる立体的な作り。流線型に裂けたフロントの割れ目から、その内側に連なる宝石がぞくトップもある。立体的な表面効果のもう一つのテクニックは、シアンとレッドの染料で宝石が反射する光のような柄を浮かべた3Dプリント。赤と青のセロハンがはめこまれインビテーションカードを眼鏡のようにしてのぞき込むと、柄が飛び出してくる。ウエストをくびれさせたミニドレスをベースに、ユニークなテクニックで新しい立体を追求したコレクションは、アイデア倒れにならずに美しく完成している。

 ジャイルズが構築的なフォルムをひっさげてワイルドに戻った。ギプスのようにボディーを包むフラノのコルセットトップに、スパイクがいっぱいつけられたランプシェードのようなスカート。とがったジュエリーがいっぱい散りばめられた縮絨(しゅくじゅう)ウールのワンピースは、あまりの固さからサンドイッチマンのようにボディーとの間にすき間があいている。シャープなラインを描くドレスやスーツに合わせた毛足の長いファーのアームカバーが、ワイルドな気分を加える。もちろん、ギラッと輝くサテンのタイトドレスなど、いすに座れる服もある。

 ロクサンダ・イリンチックも前シーズンの幻想的なコサージュドレスから、肩を大きく張り出した構築ウエアへと移行。タイトドレスの肩は、丸く大きく膨らんでいる。布地をつまんで花をかたどったドレスも、今シーズンは厚手のサテンやふくれ織りでかっちりと立体的に作られている。

 アーデムは前シーズンに続いて、花のプリントをのせたずっしりと厚手のサテンで仕立てたミニとフルレングスのハイウエスト切り替えドレスに終始した。横見はせずに、シグネチャーのアイテムだけに絞ったコレクションが潔い。

 ルエラは今シーズンも、ハイストリートのチェーンストアからコピーされそうなストリートの女の子たちが好きそうなアイテムがいっぱい。ぴかぴかの金ボタンやホックがついたブレザーやカーディガン、オパールベルベットでドットを浮かべたワンピース。黒とゴールドを基調にした80年代ムードのパンクなドレスも、かわいらしくデザインされている。

 80年代のフェティッシュパンクの女王、パム・ホッグがキャットウオークに戻ってきた。音楽活動と同時に2年前から服作りを再開していたホッグの久しぶりのショーは、ウルトラマンのような切り替えを入れたメタリックなオールインワンやゴールドをアクセントにした黒いライクラのワンピースなど、相変わらずばりばりのフェティッシュスタイル。

 「ポルターガイスト」「13日の金曜日」「キャリー」。アンソフィー・バックは70~80年代アメリカのホラー映画の主人公たちのスタイルに着目。白塗りの亡霊のようなモデルが身につけてるのは、ぼろぼろに切り裂かれたオーバーサイズのシャツやミニスカート、おどろおどろしい文字がのせられたトレーナー、不気味な羽根の首飾り。もっとも、フロントはぼろぼろでも、バックは破れ一つないきれいな仕上がりだったり、エレガントなベルベットやレース素材を差し込むなど、クリーンで抑えめにまとめられている。「ゴーストバスターズ」の曲でフィナーレを迎える頃には、恐ろしさよりも懐かしさ、楽しさがあふれてきた。 (写真=C・ムーア)

イーリー・キシモト  インドのジェットセットをテーマにした飛行機の客室乗務員スタイル。飛行機の連続柄やスチュワーデスの帽子やゴールドバッチ、スカーフなどの小物などディテールまで徹底。サリーのような打ち合わせのワンピースもある。

ヴィヴィアン・ウエストウッド・レッド・レーベル  タータン、ドレープのテクニックを駆使したワンピース、胸元をたるませたジャケットなど過去の代表的なデザインをスクール風に再現。エンブレム付きブレザーやカレッジストライプのスーツもある。

トッド・リン  肩を強調した構築的なフォルムのスニキーなテーラードスタイル。毛皮のボリュームジャケットやフードとともに、ロッカーたちのメタルチェーンよろしく、腰から垂れるクリスタルの長いフリンジが、きらびやかなイメージを加えている。

グレエム・ブラック  チューリップのように裾が重なるショートコート、腰を膨らませたミニスカート、コクーンラインのマントなど、丸いフォルムのコレクション。発想源となった鉱物の原石の模様を、羽根や毛皮、プリントでコートの裏地やドレスの柄に再現。


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