繊研新聞 コレクションリポート - 2009-10年秋冬

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パリ・メンズ・コレクション - 2

(文頭の日付は紙面掲載日。写真はC・ムーア。写真をクリックすると拡大表示します)

2009/01/26

 【パリ=小笠原拓郎】09~10年秋冬パリ・メンズコレクションには迫力のある黒のスタイルが広がっている。コートやスーツ、チュニック、レギンスとあわせたハーフパンツ。黒一色で全身をまとめたレイヤードスタイルが主流となっている。前シーズンよりもマスキュリンをイメージさせる方向へとトレンドは移っている。

 リカルド・ティッシが手がけて2シーズン目となるジバンシィのメンズは、ほとんど黒一色のコレクション。前シーズンよりも重厚でマスキュリンな雰囲気を強く感じさせる。ハーフパンツにレギンススタイルといったコーディネートは依然としてあるが、そこにケープやレースアップのスキニーパンツ、ボンテージディテールのテープのアイテムなどが加えられる。パテントのダウンコートにブルー×黒のネップツイードジャケット、アストラカンの切り替えコート。上半身にボリュームを置いてボトムはあくまでもタイトに。足元はテープのディテールのドレスシューズやテープを編んだブーツ。春夏のジェンダーレスの要素やストリートの要素は薄くなり、フェティッシュなラインを強調したコレクションは、前シーズンほどの驚きはないが独特の空気をはらんでいる。

 巨大な廃墟のような空間に入るとエントランスから延々と無数のロウソクがともされている。ジョン・ガリアーノはクラシックなラインとカットにこだわったスポーツウエアを、ユーモアに富んだ五つのスタイルで表現した。英国の画家トーマス・ゲーンズボローが描いた「ミスター・アンドリュース」という男性、サン・キュロットというギャングたちのレイヤード、ギリシャ神話の牧羊神、変態弁護士、ボーブランメルのフォーマル。それぞれのスタイルからイメージしたパワーいっぱいのコレクション。18世紀の貴族のコートやジレに羽根飾りの牧羊神パンツ、レースのガーターとあわせた弁護士の法廷服にチュールの大きなスカーフ、スモーキングジャケットといったアイテムを揃えた。

 レンガと扉がプリントされた壁から、なでつけられた髪と赤いメークのモデルが現れる。コムデギャルソン・オムプリュスはトロンプルイユを生かしてジェンダーの境界で遊ぶ。ジャケットのフロントはジレを重ね着したように異なる生地をパッチワークし、スリーピースのジレはシャツにはりついている。ピンストライプにグレンチェック、シャークスキンなどのクラシックなスーツにタータンチェック、レオパードといった柄を乗せていく。ティアードスカートやラップスカートに見えるボトムは、中で分かれてパンツになっているのか、あいまいなまま。テーマは「ファッション・イリュージョン」。トロンプルイユやスカート、フェミニンなハットやメークで錯覚を楽しむ。

 まぶしい横一直線の光が会場を照らすと、リック・オウエンスのストイックな黒のコレクションが始まる。レディスでは常連だがメンズでは初めてのパリでのショーとなる。幻想的なオペラをバックに現れたのは黒のレイヤードスタイルにひざまでのごついブーツの組み合わせ。パーカやチュニック、レザージャケットは丈の変化や合わせの変化で見せる。そこにブラウジングでドレープを出したセーターを差し込み、レディスでも見せた黒いずきんをかぶる。ブーツはくしゅくしゅとしたひざまでのハードなタイプやひざ下タイプ、15センチほどのウエッジヒールのブーツまである。

 コムデギャルソン・ジュンヤワタナベ・マンは、ハンティングジャケットにキルティングブルゾンなどのアウトドアで遊んだ。チェックのスーツのジャケットを裏返すとパーカに変身。オレンジのバラクーダブルゾンは裏返すとコーデュロイのジャケットになる。テーマは「アウトドア・ホリック(中毒)」。前シーズンからの変化に乏しいようにも思うのだが。(写真=C・ムーア)


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