繊研新聞 コレクションリポート - 2010年春夏
NY1 | NY2 | NY3 | NY4 | NY5 | NY6 | NY7
ニューヨーク・コレクション - 1
(文頭の日付は紙面掲載日。写真はC・ムーア、ランディ・ブルック。写真をクリックすると拡大表示します)
2009/09/12
【ニューヨーク=杉本佳子通信員】10年春夏ニューヨーク・コレクションが始まった。ショー163、プレゼンテーション137と、前シーズンよりさらにプレゼンテーションが増えている。今シーズンはマシュー・ウイリアムソンやジョナサン・サンダースがロンドンに戻った一方で、若手デザイナーの参加が増えているが、まだ店頭の売り上げ低迷が続くと予想されるため、どこまで買い付けにつながるか不透明だ。ファッションウイーク中の新店オープンも少なく、期間限定店が比較的多いことも不景気を反映している。最終日には、アメリカン・エキスプレスが顧客を有料でテントに招待して3・1フィリップ・リムのショーとカクテルパーティーを行う。1人100~150ドルの入場料は、すべて米国ファッションデザイナーズ評議会と『ヴォーグ』誌によるファッション基金に寄付される。こうした新しい試みにも、時代の変化が感じられる。
久しぶりにショーで見せたヴェナカヴァは、ジオメトリックなディテールをポイントに、ちょっとボヘミアンのニュアンスも入れながらフェミニンにまとめる。シフォンやデシンのエアリーなドレスはドレープを寄せながら、レーザーで三角形に穴を開けたカットワーク、ピラミッド型のスタッズ、ジオメトリックな柄を描きながらのせたループでアクセントをつける。チェッカーボードプリントのラッフルをつけたスリップドレスは、白黒ストライプのエラスティックコルセットベルトでマーク。黒のネットディテールも多い。ドレス中心だが、アシッドウオッシュをかけたレーヨンのスリムなパンツもキーアイテムの一つ。小物は黒でまとめ、光沢のあるストロー素材のサンバイザー、サングラス、大きなブレスレットなど。
6シーズン目のウエインは、ミニマルでクリーンなラインに好感がもてる。ミニマリスト彫刻家のリチャード・セッラに着想し、ドレープとファスナーをたくさん使いながら、ドレッシーな感覚とシャープなテイストのバランスをとる。前だけウエストで切り離した黒いレザーのベストには、白いシルクのトップと黒いシルクのショーツを合わせる。ジャケットは、ラップスタイルの脇を短いファスナーで留めたり、片方の肩だけジャケットを羽織ったようにドレープを入れたりした。
BCBGマックス・アズリアは、アブストラクトなプリントと無地をアシメトリーに切り替えた、グラフィック感覚のドレスを並べた。繊細なドレープと、ステッチを何本も走らせた共布を重ねるテクニックで見せる。最後は、メタリックなビーズをのせたジャージーのドレープドレス。
チェルシーのビルの屋上でエレキギターのアンニュイな生演奏を聴かせながら、レイチェル・コーミーはエアリーでリラックスしたラインを見せた。キーアイテムはゆったりしたパンツで、パネルをアシメトリーに重ねたり、サイドに別色のラインを走らせたりして変化をつける。プリントのモチーフは、デフォルメした水たまりやボブキャット。
遊牧民風バッドガール エロ
「エロ」は、ロックや遊牧民のテイストを入れたバッドガール風の16ルックスを並べた。色はほとんど黒で、アイボリーを少しだけ差し込む。ビンテージのコルセットをアレンジしたミニドレス、黒い巻尺を縦横にたたいてサイドにD環を付けたミニドレス、ラムスキンをかぎ針編みして長いフリンジを垂らしたベストなどがある。ボトムは、古びた仕上げにしたレザーのスキニーパンツ。靴はごつい編み上げショートブーツ。デザイナーのアナ・ラーソンは27歳のスウェーデン人。パーソンズで学び、ショールームで働いた後、10年春物でデビューした。エロはラテン語で「漂遊する」の意。







