繊研新聞 コレクションリポート - 2010春夏

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パリ・コレクション - 3

(文頭の日付は紙面掲載日。写真は大原広和。クリックすると拡大表示します)

2009/10/06

 【パリ=小笠原拓郎、青木規子】10年春夏パリ・コレクションは、ミラノに続いてランジェリードレスが広がっている。セクシーで軽いランジェリースタイルをベーシックなトレンチコートやミリタリーアイテムで引き締めるのが一大トレンドとなっている。  突然、早まわしでかけられる音楽、歩調が早くなったりゆっくりになったりするモデルたち。コムデギャルソンのコレクションには、アブストラクトなデザインがいっぱい。ジャカード生地やドットにストライプ、スパンコール、いろんな生地で作られた服の断片を寄せ集めて、不定形な立体を作り出す。

ジャケットのショルダーのパーツがウエストにぼこぼことふくらみ、ノースリーブドレスのアームホールがずるりと垂れ下がる。トレンチコートはウエストでばっさりと断ち切られ、シフォンのドレスは甲冑(かっちゅう)のようなレザーのショルダーパーツと組み合わされる。「アトリエの隅にあったものや作りかけのものを集めて作った」と川久保玲。29種類の素材とパーツ、形からなるコレクションは、いくつになってもいつの時代でも“新たな形、新たな価値観”を目指す川久保の世界。保守的な美しい服に背を向けて、もがきながら異質の美しさを志向している。テーマは「不良の大人」。

 ジュンヤ・ワタナベは複雑にダーツをとったシャープなテーラードを揃えた。大きな襟のジャケットはダーツでぎゅっとウエストを絞り、そこからペプラムラインのようにポコンと裾が広がる。細身のパンツと組み合わせが、かっこいい。ものすごくシェープの利いたジャケットの背中は、センターシームにプリーツをとって動きやすくしたり、そのままぱっくりと開けてしまう。白と黒を基本に拡大されたり細かくされた柄もいっぱい。市松模様、ハウンドツースといった柄が大小で組み合わされる。

 天を突くモヒカンヘア、ねじり結んだ綱のまわしのようなアイテム。タオ・コムデギャルソンは、いくつもの生地を重ねて結んで縛った組みひもドレス。繊細なドレスと対比するかのように、スタッズ付きのくしゅくしゅブーツやスタッズベルトをアクセントにする。イチゴプリントのキルト付きパンツやイチゴのスカートも。

 ヨウジヤマモトの招待状は、セックスショップの入口のようなギラギラしたのれんのデザイン。キッスの懐かしいロックとともに現れたのは、白塗りメークにぼさぼさ髪のモデルたち。黒いシャツドレスにベアトップのジャケット、白いベアトップシャツにプリーツミニスカートといったラインを揃える。ジャケットにはコルセットのようなディテールが付けられ、小花柄のドレスは朽ちたように穴があいている。シンプルなラインでヨウジ流のビッチスタイルを見せた。

 ヴィクター&ロルフが久々に面白いショーを見せた。繊細なペールトーンのフェミニンなドレスが、チュールを重ねた硬いフリルで迫力のある強い服に変身した。フリルは、ワンショルダーの肩から大きく立ち上がり、タイトスカートの裾からパンと飛び出す。ラストのドレスは、100枚以上の薄いチュールがびっしり重なる。頭の上まで盛り上がる密集したフリルを大きく斜めにカット。極端なアシメトリーを描く造形的なフォルムに仕上げた。

 ディオールは、フィルム・ノワールの世界からイメージした。ローレン・バコールの妖艶(ようえん)さはランジェリードレスに、ハンフリー・ボガードのりりしさはトレンチコートに取り入れられる。華やかな巻き髪に赤い口紅のモデルが着るのは、繊細なレースや細かいフリルを飾った淡い色のミニスカートやボクサーパンツ。そこに、トレンチコートやジャケットを組み合わせる。定番の“バージャケット”は、リボンを飾ったオフショルダーシルエット。

 小鳥のさえずりとともに、ツモリチサトらしい夢心地な気分にさせる軽やかな服が並んだ。小鳥や虹の模様の水彩画風プリントに、小花柄やボーダーなどメルヘンタッチの淡い色柄が幾重にもミックスされる。フリルやラッフルが柔らかく踊るブラウスやハイウエストのペグトップパンツは空気をはらんでふんわり膨らむ。(写真=大原広和)

  ブルーノ・ピータース  ここ数シーズン続けている直線的でミニマルなフォルムに透明感を加えた。ストッキングのようなジャージートップに、オーガンディのハイウエストパンツ。肩パッド入りの構築的なドレスの身頃には、部分的にシフォンが挟み込まれる。

  ルッツ  白シャツに黒やベージュのミニスカート。OLの仕事着のようなコンサバティブな服を布に表情を加えてモダンに変身させた。身頃にスラッシュを入れたり、水玉にパンチングしたり。ギャザーをぎゅっと寄せてウエストで結ぶ。

  ブレス  組み体操の演出で見せた。スポーツアイテムとテーラードジャケットをバストラインでちょきんと切ってくっつけた服でアクロバティックに動き回る。スーツ型のコンビネゾンなどゆったりしたオーバーサイズが作業着を思わせる。


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