繊研新聞 コレクションリポート - 2010年春夏

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パリ・メンズ・コレクション - 4

(文頭の日付は紙面掲載日。写真はC・ムーア。写真をクリックすると拡大表示します)

2009/07/01

 【パリ=小笠原拓郎】10年春夏ミラノ、パリ・メンズコレクションで焦点となったのは、シックなテーラードスタイルと現代のリアルなスタイルとの組み合わせだ。クラシカルなテーラードはサルトリア(職人)の領域。デザイナーは美しいテーラードをベースにしながら、今のリアルなストリートの中でどう組み合わせるかが課題となる。リラックス&エレガンス、スポーツインフルエンス、ミリタリーモチーフ。テーラードをベースにしながら、これらの要素を組み合わせるスタイルがトレンドになっている。

 柔らかなカジュアルスタイルやリゾートのリラックスした気分を上品なテーラードと混ぜ合わせるスタイルは、今シーズンもトレンドの最有力候補となっている。一方で、春夏の大きな変化の一つがスポーツウエアからイメージしたラインの広がりだ。スポーツウエアの機能的なカッティングや素材を生かしながら、それをエレガントに仕上げるというのがポイントとなっている。ミリタリーも色やちょっとしたディテールにその要素はあるものの、前面に出したものではない。これらの要素を取り入れながら、あくまでもエレガントなイメージに仕上げるのが春夏のスタイルとなる。

 トレンドアイテムとなるのがダブルのジャケットやダブルのスーツ。テーラーリングはカジュアルダウンして着るのがメーンになるが、その中でもダブルをどうこなすかが最も大きなポイントとなる。ダブルブレストはここ数シーズン、ずっと提案はされているが、ブレークしなかったアイテム。しかし、今シーズンはシングルブレストに新しい勢いは感じられず、ダブルのエレガントなスタイルをどうリアルに見せるかが注目となった。

 ダブルブレストのジャケットは二つボタンから 四つボタン、六つボタンまで出ているが、最も売れそうなのが四つボタンの短めの着丈。太めのシルエットのパンツをクロップト丈にして組み合わせたラインは今のマーケットでもリアルに感じる。

 テーラードと組み合わせるアイテムで注目なのはクロップトパンツ。春夏は多くのブランドがクロップトパンツを増やしているほか、テーパードやストレートパンツでも、裾をロールアップして短い着丈ではくのが主流となっている。ちょっと抜け感を出すためにボトムにサルエルパンツを合わせるブランドも多かった。

 スポーツの要素からパーカも目立つ。ブルゾンタイプからハーフコート、ジャケットまでフードのディテールが広がった。エレガントなテーラードの一方、カジュアルダウンの手法としてカーディガンも増えている。しゃりしゃりとした風合いの軽いシャツブルゾンもリラックスした着こなしの中で登場している。 (写真=C・ムーア)

 【パリ=小笠原拓郎】10年春夏のキーとなりそうなのは、色柄の使い方だ。ストライプやチェックはトラディショナルな織りからプリントまで出ている。イカットやバティック、タイダイといったプリミティブな柄も出ているが、それをシックにコーディネートするのが春夏らしいところ。素材では、軽いタッチの生地が多い。ジャージーのほかピケやメッシュ、パンチングレザー、モスリン、オーガンザなどトランスペアレントものをミリタリーイメージのハードなものと組み合わせる。ウオッシュドコットンやコットン・リネンなどシワ感を強調したものも多い。

 小物は、レザーと組み合わせたヒッピー風のシルバーアクセサリーが出ているほか、コンビのシューズやスエードシューズなど。靴は素足で履くのがトレンド。バッグはボストンのバリエーションが広がった。(写真=C・ムーア)

クリス・ヴァン・アッシュ  薄くて軽い素材を使ったレイヤードスタイルを見せた。レギンスにはクロップトパンツを重ね、チュニック丈のジャージーには布帛のチュニックシャツをかぶせる。足元はローマサンダルがメーン、カフタンのようなアイテムも目立った。

ジョン・ガリアーノ  ナポレオンボナパルトがイメージソース。レザーのラインとミリタリーのライン、エジプト出兵時のナポレオンのテーラードからイメージしたライン、ナポレオン皇帝時代のイブニングウエアからイメージしたラインなどがある。

ケンゾー  サンドベージュからグレーにかけての色に花柄をのせる。リネンのコートやパンツにケーブルニットを切り替えたタンクトップなど素朴なイメージで見せる。にじんだチェック柄はジャケットやコートに、淡い花柄はニットにプリント。

ミハラヤスヒロ  星の王子様をテーマにした。著者サンテグジュペリの時代からイメージしたトレンチコートやミリタリーモチーフのベストなどを見せた。星を思わせるスパンコールシャツやラメボーダーセーターもある。サルエルパンツやひざ下丈パンツも多い。

ベルンハルト・ウィルヘルム  ミリタリーモチーフをユーモラスに仕上げた。カムフラージュのポンチョにパンツにブラトップを合わせ、足元はサンダルやレインブーツでまとめる。アニマル柄をプリーツ状にカットしたブルゾン、スポーティーなジャージーのコーディネートも。

ペーター・ペトロフ  ベージュとペールブルーを軸にマットな色を組み合わせたシンプルスタイル。カシュクール合わせのシャツ、ボーダーストライプのカーディガンなどをスリムなパンツとコーディネート。Tシャツには血がにじんだようなプリントがのせられる。

ポール・スミス  ダブル二つボタンやシングルショールカラーのジャケットといったクラシックなテーラードとレトロなプリントやカラーを合わせた。プリントシャツは観光地のイラストやボタニカルアートなど。後半からカラフルなスーツをそろえた。


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