繊研新聞掲載のコラム

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談話室/2009年09月

2009/09/25
 補正予算
 「経済産業省の所管分野は中小企業から大企業までの産業分野に加え、エネルギー分野についても担当しており、まさに日本経済そのものである。大変重要な仕事をしている役所であり、私としても大変な誇りである」と直嶋正行経産相。衆院選マニフェスト(政権公約)で約束してきた「行政の無駄をなくす」ことも重要政策の一つ。「現在、経産省で行っている様々なものについて、丹念に精査して、見直したい」と強調。09年度補正予算については「再検討をする」と明言しつつ、「経済情勢や政策効果をよく見ながら対応していきたい。エコポイントなどは現時点では09年度までは続けるべきだと思う」との認識を示した。

2009/09/24
 小中一貫教育
 「小中一貫校が増えればスクールユニフォームのマーケットは加速度的に広がる」と語るのはニッケの迫間満執行役員衣料繊維事業副本部長。ニッケの調査によると、10年以降に全国で60校以上の小中一貫校や私学の初等部が設置される見通し。制服導入により、小学校から中学校への環境変化でいじめや不登校が引き起こされるという「中1ギャップ」問題の解消や、「集中力がつく、成績が上がるという目に見えない効果もある」という。小中一貫校の設置には各自治体の教育委員会も積極的で、8月には全国サミットも開かれた。「いずれは幼稚園まで一貫にしたい」と意気込む。

2009/09/18
 工場確保
 「つい最近まで余裕のあった縫製スペースが、今は一変している」とヤギの大嶋平常務営業第二本部長。「沿岸部では工場の転廃業が相次いでいる」からだ。昨年秋の金融危機に端を発した世界不況で、欧米向けを主力にしてきた工場の受注が激減し、空いたスペースを日本向けに振り向けるところは少なくなかったはずだが、深刻な不況で工場経営の将来性に見切りをつけざるをえない。中国にOEM(相手先ブランドによる生産)の拠点を置く専門商社からすれば、手の良い工場確保は生命線。直接投資は固定費負担を含めたリスクにもなるだけに「工場を集約する」することで安定的な発注量を確保し、協力関係の確立を急ぐ。

2009/09/17
 やりがい
 「厳しいが、やりがいがある」というのは、縫い糸メーカー、大貫繊維上海の根岸宣夫総経理。日本国内はもちろん、世界的不況の波は上海にも押し寄せているが、「06年から安徽省の工場も稼働し、大連事務所も設置、上海、大連に在庫を持ち、1巻から翌日には届けられる」仕組みは日系、ローカルのアパレル、小売りに支持されている。世界的にコストが重要なテーマになっているが、「品質、納期も含めたトータルコストに加え、大貫らしい独自の機能や価値を持った縫い糸が徐々に浸透しつつある」。厳しいからこそ「何かが出来る」と中国ビジネスに意欲をみせる。

2009/09/16
 グローバル
 「グローバル企業としての飛躍に向け、海外との取り組みを強める。そのためにも上海の自社工場の改革が要となる」とダイドーリミテッドの安江恵社長。テキスタイル事業では昨年、イタリアの織物デザイナー、マルチェロ・マッサレンティと協業し、今回、ニット事業でもイタリアのデザイナー、パオロ・ペーコラと提携する予定。「技術力の向上に注力してきたが、今後は業務の効率化とともに企画・開発力に磨きをかける」という。毛織物では「創業130周年を記念し、財産であるアーカイブを生かした生地を作った」。ヘリテージコレクションとして4素材24色を販売する。

2009/09/15
 切り口はエコ
 「なぜ、福山で作るのか。この意味を今一度考えたい」と言うのは、ジーンズ洗い加工、四川の藤井幹雄専務。「国内工場が生き残る大きな切り口はやはりエコになるだろう」。同社が近年力を入れている室戸の海洋深層水を使ったエコ商品は、篠原テキスタイルとの協業で10月のJFW‐JCに出展する予定だ。「会場では、何かもう一つ、国産をアピールするような仕掛けをしたい」という。内容を問うと、来場者へ、種付きの和綿プレゼントなどを検討中とのこと。自社生産の和綿と聞き、興味を示すと、「裏の200坪の畑で仲間と細々と作っているだけ。大げさな話じゃないですから」と照れ笑いした。

2009/09/11
 サービス
 「日本向けに幅広いサービスを行っている」と中国・広州に本社があるインビリーフの張波総経理。自社縫製工場でOEM(相手先ブランドによる生産)を行うほか、「広州地域での生地・製品の仕入れサポート、検品なども行っている」。多品種少量短納期型のアパレル生産地として、「広州は日本にとって使い勝手がいい。しかし、生地の手配や品質管理には地元企業の助けが必要」と強調する。広州に注目が集まる中で、「今年1~6月は売り上げが50%増」と好調だ。「日本向けのサービス機能をさらに強化する」と意気込む。

2009/09/10
 スペシャリスト
 「風合い出しのスペシャリストと自負している」と語るのは、東北整練の柴崎秀之代表取締役常務。得意とする化合繊の複合素材は「天然繊維に出せない、多種多様な風合い」を引き出す。米沢産地にとどまらず、「県外からの依頼も多く、複合素材の染色加工場としての位置づけが出来てきた」。昔に比べ、流行の加工がない今は、「注文が細かく、加工の工程が増えて大変だが、難しくないと売れない時代」と指摘する。09~10年秋冬向けで人気のキュプラのフィブリル加工も難易度が高いが、「得意とする加工」の一つ。「根気がないとできない、まじめで丁寧な物作り」を貫く。

2009/09/09
 らしさ追求
 「興和の独自色を高めたい」と、興和の山本文朗DM部スポーツ課長。先月末、スポーツウエアとしては初となるオリジナルブランド「リズム&バランス」を立ち上げた。「医療・健康分野で培った機能と繊維・衣料分野のファッション性」がブランドの特徴。初年度はゴルフのウエアや洋品、雑貨から始める。既に特殊テープ付きコンプレッションインナーや花粉対策アイウエアを提案しているが、今後は素材供給元である「合繊メーカーと共同で、医薬成分を繊維に練り込んだり、マイクロカプセルを生地に加工したり、素材からも興和らしさを追求したい」と意気込む。

2009/09/08
 四つのP
 「常に四つのPを考えている」と伊藤忠商事の山本修平ブランドマーケティング第三部長。「プロダクト、プライス、プレース、プロモーション」のことだ。「プロダクト」(製品)のクォリティーは言うまでもないが、特に今期は「プライス」(価格)で「リーズナブルなものをいかに打ち出すか」。そしてそれを「どんなプレース(場所)で売るか」がポイントになっている。また商品を売るための「プロモーション」(販促)も販売規模を促進するためには重要だ。同社の繊維カンパニーにあって、首都圏市場を担う要の部署だけに「四つのPを意識した仕掛けを下期に向け具体化していく」。

2009/09/04
 産業育成
 「産業育成の視点で、予算確保をお願いしたい」と言うのはJFWジャパン・クリエーション運営委員会の貝原良治委員長。繊維産地は3~4割減産というところも多く、「大変な状況」になっている。この中で「零細、中小企業が生き残れるように」引き続き、国に支援を要請、ジャパン・クリエーションの継続に期待する。ビジネスか提案の場としての活用かなど開催時期も含めて議論の余地はあるが、「綿、ウール、合繊から織物、ニットなど幅広く一堂に集めた展示会は、他にない」。最近、出展するところが減ってきた合繊、紡績などが「新しい素材を提案し、もっと産地とコラボレーションを強めていけば、日本の繊維産業発展につながる」と改めて持論を強調する。

2009/09/03
 日本の技術力
 「日本の技術力は世界一。中国ではまねが出来ないことが多い」と新潟・五泉産地の企業と組み婦人ニットブランドの中国販売を目指す中国人デザイナーの謝家齋氏。先日、五泉産地を訪れ、さらにその思いを強くし、インスピレーションがたくさん浮かんだという。「中国市場は富裕層が増えており、ファッション感度も上がっている。これからはデザイナーブランドの需要が高まるはず」と強調する。「日本のブランドの成功例は少ないが、日本の物作りと中国人の好みを知り尽くしたデザインを融合した今回の取り組みが、中国での成功に大きな力となる」とみている。

2009/09/02
 自信あり
「自信を持って世に送り出せる」と語るのは、日清紡テキスタイルの森茂則取締役執行役員テキスタイル事業部門長。16年前、同社が先駆けた形態安定性のあるドレスシャツ市場へ、新たに「アポロコット」を投入した。自身も「昨晩、洗濯して干しただけ」と言う先染めタイプを着用し、「ここまでいくと完璧(かんぺき)」との感想だ。商品の価値と価格に対する消費者の目が一段と厳しくなる中、シャツ1枚当たりのクリーニング代を150円と仮定し、「50回の着用で十分元が取れる」と値頃さを意識。今後は、「輸出は半量を目指し、抗菌や防臭など複合加工の開発」を視野に入れる。

2009/09/01
 日本産
 「メード・イン・ジャパンならではの質の高い商品を作るのが使命」と語るのは、クラレトレーディングの古橋則昭衣料・クラベラ事業部テキスタイル部長。10年春夏に向けて、杢調や化繊調など、「合繊らしさを追求したポリエステル」に力を入れる。化繊調の素材は、09~10年秋冬向けで人気のフィブリル感のあるキュプラを意識し、「フィブリル感が出過ぎない、きれいめの表情」を出した。「キュプラより価格も手頃で、世にない素材」と自信を見せる。「アパレルメーカーや問屋にテキスタイルデザイナーが少なくなった今、我々がその機能を担わなければ」と意欲を燃やす。