繊研新聞掲載のコラム

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サタデーセンケン コラム/2012年01月

2012/01/28
【サタデーセンケン コラム】 消費税問題
 昨年12月、流通企業や消費者団体が結集して「国民生活産業・消費者団体連合会」(生団連)が発足した。日本チェーンストア協会会長の清水信次ライフコーポレーション会長兼CEO(最高経営責任者)が幅広い層に呼びかけ、今後の流通政策などを提言し、関係機関への働きかけを強めている。会員数は現在、541社・団体に達した。
 生団連としての活動で注目されるのは、消費増税問題だ。清水会長は89年の消費税導入当時から一貫して消費税反対の立場にある。震災復興や財政立て直しのために「今の政権は増税に頼ろうとしているが、関東大震災のときは、増税せずに復興させた」ときっぱり。消費増税は現時点で必要ないと強調する。
 ただ財界を見渡すと、「財政が大変なときに、社会保障を支えるためには仕方ない」という議論が繰り返し流されている。こうした声にも配慮し、小売業界では「将来の増税にすべて反対ではない」という前提での消費税問題への発言が目立つ。
 消費税は小売業にとどまらず、経済に大きな影響を与える。97年に消費税が5%に引き上げられた際、全国百貨店の年間売上高は前年割れとなり、それ以来15年連続して減少している。景気の足を引っ張った一因であることは確かだ。
 今回は段階的な税率引き上げが検討されている。小売業にとっては、その度にシステム変更など様々な作業や経費負担が発生することになる。デフレを脱却し、消費が盛り上がらなければ、経済の建て直しや財政再建はない。

2012/01/21
【サタデーセンケン コラム】 長期下落トレンド
 日本百貨店協会によると、全国百貨店の11年1~12月の売上高は前年比2%減の6兆1525億円で、既存店ベースで15年連続の減少となった。ピークの91年(9兆7131億円)に比べて3分の2の水準まで落ち込んだ。
 国内小売市場の規模は約135兆円で、百貨店のシェアは4%台に過ぎない。ここ数年、市場全体の規模はほとんど拡大していないにも関わらず、百貨店のシェアは年々、低下。個人消費に占める百貨店売り上げシェアの長期トレンドを試算すると「13年度に5兆6000億円、14年度に5兆4000億円まで縮小する。ただ、その後の下落ピッチは弱まるだろう」(高島屋)と見ている。
 12年度は震災の復興需要で、売り上げが回復し、上向くことが期待されているが、「上期を乗り切っても、下期は相当に厳しいだろう」(三越伊勢丹ホールディングス)という見通し。百貨店売り上げの長期下落トレンドは変わらない。
 その要因で最も大きいのは衣料品の売り上げ不振だ。ここ5年で、衣料品が3割減り、婦人服が3割減少した。その結果、衣料品を軸とした雑貨、化粧品などとの買い回りは、低下し続ける一方だ。これまでの買い回り完結型によるワンストップショッピングの強みは、SCや駅ビルなど他の商業施設との競合激化が避けられない。楽しさ、エンターテインメント性といった百貨店の魅力を再び見つめ直したい。

2012/01/14
【サタデーセンケン コラム】 化粧品流通
 化粧品で新たな事業モデルの構築に向けた取り組みがスタートしている。これまで主に百貨店で対面販売をしてきた「シャネル」「クラランス」「イヴ・サンローラン」「ディオール」など外資系化粧品ブランドを集めた新業態で、郊外SCや駅ビルといった新しい流通チャネルでの顧客開拓に乗り出す。その1号店として、イオンは昨年11月に郊外SCのイオンレイクタウン(埼玉県越谷市)に開設。三越伊勢丹ホールディングス(HD)は今春、ルミネ新宿店に小型専門店を出す。
 化粧品新業態の構想が浮上したのは2年ほど前だ。08年のリーマンショック以降、百貨店での化粧品売り上げの減少が続き、国内市場の販路政策の見直しが避けられなくなった。
 外資系ブランドの戦略転換は、市場の落ち込みだけでなく、顧客の購買行動、意識の変化が影響した。イオンが出店に先立って実施した顧客へのアンケート調査によると、「高級化粧品がSCにあったら買ってみたい」が7割を占めた。潜在需要が大きいことに加え、「百貨店に離れが加速している」と郊外での新業態開発を後押しした。
 仏LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループの高級化粧品専門店、セフォラが99年に日本進出し、2年で撤退した。百貨店の一部では、当時からセルフと対面の販売形態を組み合わせた低コスト運営の新業態を検討していた。「以前は値入率など取引条件が合わず断念した。今回は化粧品業界や顧客の支持が大きい」(大手百貨店)と環境の変化を強調する。

2012/01/07
【サタデーセンケン コラム】 初売り
 新春恒例の初売りが各地で開かれた。福袋やセールの売れ行きが良く、売上高が前年実績を上回る店舗が相次いだ。歳暮やクリスマス、迎春対応といった昨年末の勢いが年明けも継続しているかたちだ。オケージョンに対する需要の底堅さが際立った。
 百貨店の初売りは開店前の行列が例年を上回る店舗が相次いだ。東京では2日の売り上げが前年に比べて増加した。婦人服、雑貨を中心とした人気ブランドの福袋や冬物のセール目当ての来店客が多いのは変わりないが、「例年に比べて紳士服、子供服、リビングの売り上げが伸びた」(三越銀座店)という。ファミリーの来店はもちろんだが、家族のための購買が増えたかたちだ。
 原動力は家族だけでなく、地域にも及んだ。仙台の百貨店では初売りが大幅に伸びた。東日本大震災以前の地域のにぎわいを取り戻した。
 もっとも、オケージョン頼みや低価格一辺倒だけでは、消費の本格回復に至らない。昨年12月は冬物衣料が一斉に上向いたが、「実需が後ろ倒しになっただけ。
12月のマイナス分を取り戻すまでに至っていない」(都内百貨店)という。気懸かりなのは、宝飾品など高額品の失速だ。ここ数カ月、前年同月に比べてプラスだったが、12月からマイナスに転じた。この一年のスタートを震災復興への弾みとしたい。