繊研新聞掲載のコラム

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ボイス/2009年11月

2009/11/30
 店をラッピング
 「ジュエリーでも写真集でも、何かを作る時には自分なりの“裏テーマ”を持っていたい」と話すのは、ルイールコーポレーションの「ジュピターゴールドレーベル」でデザインを手掛ける、モデルの梨花さん。クリスマス限定商品の裏テーマはハッピー。「リングとネックレスをセット売りにしてお得感を出しますが、チェリーレッドのハート形ジュエリーケースに入れて、わくわく感を演出しています」。12月には「クリスマスというイベントを楽しんでもらうために、代官山にある路面店をラッピングする」予定だ。ジュエリーケースと同じ布を店内に敷き、店をプレゼントボックスに見立ててリボンを飾る。

2009/11/27
 見込みも必要
 「これまでのように自社の物作りに専念しているだけでは難しくなった。リスクを張って引き付けて作る得意先の要望を反映した商品も必要になった」というのは婦人服、オーの丘康治社長。展示会企画とは別に、見込み生産で供給するスポット企画を導入した。「以前は企画は年4回の展示会にすべてを集中していたが、展示会受注が5割になった状況で展示会に集中してもだめ。受注はつかないが、時期ごとに得意先が求めるだろうものは大体分かる。それをタイアップしながら見込んで出すのがスポット企画」だ。「自社独自の物作りと得意先のニーズを受けた物作りのバランス」で難局に挑む。

2009/11/26
 渋谷を元気に
 「渋谷をもっと元気に明るくしていきたい」と話すのは雑誌『小悪魔ageha』の専属モデルでGRSの代表も務める荒木さやかさん。渋谷109近くに自ら好きなものを集めた複合ビル「DOT」(ディーオーティー)をオープン。1階にタピオカジュースバー、2階に自身がプロデュースしたものを含むコスメ・雑貨ショップ、3階にまつげエクステ専門サロンを揃えた。ブログで告知していたところ、オープン時は高校生をはじめファンが列を成すなど盛況。レッドカーペットを歩いて登場しテープカットした後、一人ひとりと握手、抱擁、写真撮影しながらお祝いした。「女の子がいつまでも美しくいられるための店にしたい」。今後は地域に貢献できる活動も考えているという。

2009/11/25
 ブランド物だから
 「想像以上に良い出足」と喜ぶのは、サイドフェームジャパンの森下光章社長。「アンテプリマ・ミスト」でオープンした郊外型店舗がまずまずの滑り出しを見せ、安堵(あんど)の表情を見せた。「アンテプリマの入門編」としてスタートし、すでにに4店を構え、「8月には香港にも出店する」。地域世代問わず幅広い層からの支持を、「等身大の消費に対応した結果」と分析する。「『ブランド物だから10万円する』という時代は終わった。消費者は身の丈に合った買い方に変化してきている。ブランド物だからこの価格でも価値がある、と言われることこそが大事」と強調する。勢いに乗り、首都圏に限定していた出店を「来春には地方へ拡大。「3年で20店に増やす」と意気込む。

2009/11/24
 手織りの良さ
 「手で織ったものは締め心地や風合いが全く違う」と博多織の専門卸、筑前織物の丸本繁規社長。創業60周年を記念して、このほど、子会社で製造元の福絖織物の敷地内に「手織工房」を設置した。同社は力織機で作り出した博多織の帯地が売り上げの97~98%を占める。博多織の需要は「昨年前半までは上向き傾向だった」がリーマンショックで一変し、再度マイナスに転じた。3年ほど前からドレス向けやインテリア用途の生地開発も始めているが、工房では専門教育を受けた若手技術者を採用し「平地織を忠実に再現している」という。機械では出ない手織りの良さに市場はあるとみて工房では消費者啓蒙のためのイベントも実施する予定だ。

2009/11/20
 製造工程を証明
 「完全なフランス製であることを知ってもらいたい」と話すのは、コレクション・フランセーズ展のマリリン・ウバニ・マネージャー。見本市を主催する仏企業輸出振興機構はこのほど、仏ファンシージュエリー組合と共同で、製造工程すべてをフランス国内で行っているブランドを証明する、ラ・フランス・デュ・サヴォワールフェール認定印を設定した。今回は仏製品に限る見本市。しかし「(現実には)デザインや企画は国内でも、製造の一部を海外で行っている企業も多い」。「確かに100%フランス製のブランドは高額になってしまう。それは仕方のないこと」。「でも、バイヤーに生産背景まで理解してもらって(価格の高低でなく)納得いくものを選んでもらいたい」と強調する。

2009/11/19
 好スタート
 「百貨店向けの新ブランドが好スタートを切った」とは、ナルミヤ・インターナショナルの岩本一仁社長。今秋デビューした「リンジィ」は小学校4年生から中学校3年生の女の子を対象とした格安ブランドだ。百貨店の集客力が弱まっている今、「安い服を売るのは自殺行為という声も社内に響いていた」という。しかし、「遠ざかってしまった顧客を呼び戻すためには重要」と判断した。「大事なことはトンネルの中でこそ攻める姿勢」と訴え、全社一丸で同じベクトルへ力を注いだ。当初は来春の発売を予定していたが、「百貨店の強い要望によって前倒し」となった。1号店には「ナルミヤの非ユーザーが続々と来店している」という。

2009/11/18
 たい焼きを売る
 「雑貨屋併設のカフェでたい焼きの販売を始めた」という海川商事の海川直樹社長。カフェ経営からスタートした海川社長にとって、「有意義な暇つぶしのできる場所の提供」がことさら課題になってきた。ジーンズを売り出して店は20店を超える。今考えるのは、「洋服屋で食器を売ったり、カフェでたい焼きを売ったりと、それぞれの場でアイテムにこだわらずに、好きというこだわりを大切に売ること」。チェコで見た1人の女性が運営する店が忘れられないという。カフェであり、パンを売り、本も売る。彼女セレクトの店であり、その店では彼女が一番偉かった。今は「鎌倉、湘南など心が休まる場所に店を持って、客とともにもう一度自分自身を取り戻したい」。

2009/11/17
 継続出展が大切
 「海外の展示会は、少なくとも3回以上続けて出展することが大切」と話すのは、セレクトショップ向けのレッグウエアブランド「アヤメ」を手掛けるアヤメウィーブスの阿賀岡恵社長兼デザイナー。10月にパリの合同展ランデブーに出展し、ロンドンやデンマークのショップから受注を得た。同展示会への出展は今年3月に続いて2回目。「1、2回の出展ではまだ様子をうかがうバイヤーが多い。3回続けて出て、ようやく安定したブランドなんだと認められる」ことから、もちろん次回も出展予定だ。欧州での取引先開拓をめざし、今夏にはロンドンに支社も開設した。日本のレッグウエアの繊細な物作りに海外からも注目が集まっていることを追い風に、取引先拡大を目指す。

2009/11/16
 ニッチに生きる
 「ニッチに生きられる所を探して、収益を出していきたい」とはマックハウスの舟橋浩司社長。ニッチとはどのような存在かと問うと、「飲食で例えると、カルディコーヒーファーム。SCの総合食料品売り場の近くにありながら、顧客をしっかり取り込んでいる。スーパーに無い部分を補完する個性的な存在」と指摘する。マックハウスに顧客が求めていたのも同じだったという。ところが、売り上げが大きくなってベーシックに寄り、しかも低価格競争に行き過ぎた。「売り上げ500億円規模なんてニッチな存在。自社のスタンスを見失ったところがあったかも」。今後は業態の個性が不可欠とみて、本部から売り場まで含めた社内改革に積極的に乗り出している。

2009/11/13
 夢をかなえる
 「学生が夢をかなえられる知識や技術を教え込む」とヒロ・デザイン専門学校(熊本市)の徳永隆裕校長。昨年まで校長を務めた出田宏現理事長のもと、地方にあって、全国的なコンテストでも優秀な成績を残す学生を輩出する学校となった。卒業生もパリのオートクチュールメゾンやパリ・コレクションの製作に参加するなど活動の世界を広げている。このほど行った創立60周年式典のファッションショーのデザインを担当したのも「夢をつかんだ卒業生たち」で、この取り組みは熊本県が補助する「夢の道しるべ事業」の第1号にも認定された。前校長の方針を貫き、学生の夢を夢で終わらせない教育を「コアコンピュタンスとする」と語る。

2009/11/12
 平面から立体へ
 来春夏物で「1枚の布から作り上げるフォルムの面白さを追求した」のはレディスブランド「エクィ・ウノ」のデザイナー、宇野瑞代さん。イタリアの高級メゾンで「平面の布が立体的な服に生まれ変わる過程を学んだ影響が大きい」と話す。一点一点トワルを組んで試作を繰り返し、シルエットを確認している。テキスタイルメーカーと協業したオリジナルの素材は肌触りが良く、洗濯耐久性に優れており、リラックス感のあるカットソーはユニセックスでも使えるとバイヤーから好評だった。「今後はジャージーとニットをドッキングさせて、バランス感のある服を作りたい」と抱負を語る。

2009/11/11
 正確な情報
 「毛皮の鑑定依頼が増えている」と日本毛皮協会の中村友昭理事長。昨年は食品などの産地偽装が相次いだ余波で、秋ごろから急に増え始めた。今年も増える一方という。鑑定・技術委員会は当初トラブル解決のための調査依頼が主だったが、信頼を損なわないため事前の対応として小売業から種類や産地の鑑定依頼が多い。毛皮が小物、雑貨などにも広く使われるようになり、製品で輸入してしまうと、産地や種類を特定することは小売店側では難しいのだという。プロの集まりである、協会への期待は大きい。また、広く使われるネーミングでも、正しく表記することを勧めている。「消費者に正確な情報を伝えることは、長い目で見ると信頼を高める」と語る。

2009/11/10
 アップデート
 「商品も店舗も、常にアップデートが必要」と話すのは、20年に創業し、世界40カ国に販売網を持つスペインのコスチュームジュエリー「トウス」のチーフデザイナーであるロサ・オリオル・トウスさん。昨年トウス・ジャパンを立ち上げ、都心の百貨店に6店の直営コーナーがある。「日本は他の国と売れ方が違う。本国で人気のピアスやブレスレットが弱かったり、逆に、ダイヤをあしらったプチジュエリーが人気だったり。状況に応じた迅速な対応が必要」と、在庫の積み方を工夫した結果、ジュエリー市場全体が不振の中でも前年を維持している。今回の来日ではコレクションごとに分けて客がコーディネートしやすいディスプレーを指南した。「少しずつ日本市場がつかめてきた」と言う。

2009/11/06
 価格と顔
 「消費者に商品を届けるのは価格と顔」というのはサクシード(東京)の萩原均一社長。カジュアル市場では価格が最大の関心事だが「商品の面(つら)が悪ければ、価格以前の問題」だ。今夏同社ではTシャツを3素材・11デザイン・9技法の加工から選んで生産する企画を、専門店向けに提案した。リンガーTなどのスタイルや箔(はく)や刺繍も組み合わせ「通常2900円の顔のTシャツを1000~1900円で売れる価格」で卸した結果、有力専門店各店で売れ行きを伸ばした。秋冬では売れ筋の女性のフォトグラフプリントや教会柄のプリントを増やし、長袖Tシャツなどのバリエーションと子供服で年間300万枚の販売を目指す。

2009/11/05
 不安はない
 「不安はまったくない」というのは婦人服メーカー、アンジェリック(大阪市)の田辺純子社長。同社は30~40代のヤングミセス向け「アンジェリック」を専門店を中心に卸している。「厳しい経済状況とはいえ、頑張れば何とかなる」と前向きだ。前期(09年6月期)の売り上げは、約20%増の1億2800万円で、収益性も改善している。「専門店からの別注対応などの取り組みが増えたから。リスクもお互いに負担し合う」という。「オーナーさんたちが率先して企画のヒントになるアイデアを真剣に考えてくれる。展示会はみんなで作り上げている感じ」と、強い関係を作り上げている。

2009/11/04
 マインドシェア
 「お客のマインドシェア、ナンバーワンを目指す」とは、イオンモール筑紫野(福岡県筑紫野市)の奥田裕三ゼネラルマネージャー。同店は12月に開業1周年を迎える。開店時期が経済不安などによる消費低迷とも重なったが、初年度の結果は「デコボコはあるが、計画通り」という。福岡南部に位置し、競合が激しい商圏だが、商業施設面積約7万5900平方メートルと地域一番店の規模を生かし、「入場料無料の遊園地感覚で、お客にエンターテインメントを楽しんでもらう」として、認知度アップを優先的に実施してきた。2年目はより社会行事やシーズン商品などをいち早く揃え、「必要な物が筑紫野に行けばある」ことで、お客の信頼、信用を勝ち取る方針だ。

2009/11/02
 伝統を生活シーンに
 「伝統的な物をそのままではなく、技術や素材を生かして現代の生活シーンに生きる提案をしたい」と、デザインオフィス、スペースマジックモンの山下順三社長。竹とスチールを組み合わせたベンチや真竹のパーテーションなど、竹を用いたインテリアを製作する傍ら、京都の伝統産業とのかかわりを強めている。「京都には、染織や焼き物、塗り物などが地場産業として根付いている。その技術や素材は優れたものだが、商品化する段階での工夫が求められている」とする。このほど京都市との連携で、仏具メーカーや清水焼の窯元と協業し、商品を製作、そのデザインを担当した。「伝統をベースに独自性を保ちながらも、生活シーンに根ざした発想で形にしていきたい」と語る。