繊研新聞掲載のコラム
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ボイス/2009年12月
2009/12/28
横一線
「SC内で購買する最終消費者にとって、それぞれの店舗の背景にある企業規模は関係ないはず。SCの中の横一線の売り場で勝負する」と言うのは、カジュアル専門店ロボット(群馬県太田市)の磯野洋志社長。現在、同社はSCを中心に群馬、千葉、栃木、埼玉、愛知、新潟、広島、茨城など二十数店舗を展開。今月19日にはイオンモール浜松志都呂に出店。来年3月にもイオンモール大和郡山、イオンモール・広島府中ソレイユ、ピオニーウォーク東松山など8店の新規出店を控えている。「ファッション衣料品は消費者の“気分を満たす”ツールの一つ。消費者の目線を大切にしながら、市場変化への順応性を発揮していきたい」と積極的だ。
2009/12/25
企業と生産現場結ぶ
「欧州の企業と中国の生産現場を結びつける仕事を拡大する」というのはメンズウエア企画のレフトバンクの河合邦夫社長。自社のミラノ事務所を基点に、欧州アパレルブランドを中国で生産する業務を支援してきた。これまではスーツのみだったが、今年に入りアイテムは革製品、ニットにも広げた。コンサルタント契約を結ぶ、欧州企業はこれまで北アフリカや東欧を生産拠点としてきたが、「生産拠点のグローバル化が進む中で、レベルの高い中国での生産に従来以上に関心を持つようなってきた」。中国でも、「日本式の管理手法を導入した工場ならば、その期待に応えられる」とみる。今後は、衣料品だけが接点の企業には、靴やかばんなどの他のアイテムも広げるように提案していく考えだ。
2009/12/24
満足感
「安売り競争はやらない。客にとって満足感がどれだけあるかを大事にしたい」と言うユニーの加納昭義取締役執行役員衣料本部長。「今なら快適でおしゃれな衣料が必要」とみる。温度調整の機能や肌触りの良い服、履きやすい靴などの快適さが求められているという。「他社の安いジーンズを見に行ったけど楽しくない」とも。安くても何枚も売れないし「満足感がなければ買ってもらえない」。機能インナーや高質ウールセーターを開発したが、今後軽量・ドライ素材のジーンズを作る予定。生産や物流の合理化で価格を抑え、「新しい素材や機能の商品を値打ちに提供する」ことで客の満足感を高める。
2009/12/22
体力作り
「若手は気力はあるが、体力がない」と話すのは、今月上旬にオープンした浅草ものづくり工房の浅香弘次インキュベーション・マネージャー。婦人靴業界での経験を生かして、地場産業活性化のため、若手育成に一肌脱ぐ。「自立するためには、お金を含めた体力が必要。物を作るだけでなく、売っていかなければいけない」と、企画の立て方やメーカーとのやりとりなど、若手の体力作りをサポートする。若手が育つには、「協力してくれるメーカーの体力も欠かせない」とも。「デザイナーは夢を見がちだけど、仕事は遊びじゃない」と厳しさを見せる一方で「じっくりと人を育てていきたい」と語る目には、優しさがあふれる。「ステップアップするためには、しっかりとした目標を持ち、人に負けない強い気持ちを持つことが大切」と若手にエールを送る。
2009/12/21
団結と協調
「次の60周年に向けてさらなる発展を目指す」と語るのはタニオカドレス社長で日本被服工業組合連合会理事長の谷岡一治さん。組合員数278社、年間売上高4800億円の同組合連合会は11月に創立50周年を迎えた。連合会では「過剰ミシン設備などの廃棄による生産調整、青少年の非行防止や健康育成を目指した学生服づくり、阪神淡路大震災への救援物資の支援などに取り組んできた」が、最近は繊維業界への政府の施策が転換期を迎えている。業界でも自己責任と自助努力のもとで競争がますます激しくなっているが「全国の会員や組合員どうしの団結と協調をより一層高め、厳しい経営環境を打破することを優先していきたい」と決意を新たに抱負を語った。
2009/12/18
仏に魂
「ロジスティクスは企業経営の要である一方で、環境保護への企業の貢献が注目されている」が「関係業界との協力がないと解決できない課題もある」と井手上文一エイ・ネット物流部部長兼イッセイミヤケ物流部部長。その解決策の一つとして、日本アパレル産業協会での流通用循環ハンガーシステムの研究検討活動を引っ張ってきた。百貨店統一ハンガーと流通用循環ハンガーシステムの併用と回収実績の把握により、流通ハンガーリユースを促進し、その経済性評価も可能になるという。その経済性を関係業界にも広めることで「つくった仏に魂を入れる」ことができる。1月には実証第2フェーズを実施する。
2009/12/17
新規開拓
「絶えず新規取引先を開拓していくことは売り場の活性化のために欠かせない」と話すのは小田急百貨店の石田基祐服飾品部マーチャンダイザー。これまで「にぎわいの創出と新規顧客の獲得」を狙いに、高感度や高品質の個性的商品を期間限定販売してきた。小規模で、対象顧客やグレード、テイストの幅が狭いブランドであっても「顧客に感動を与える」という効果は大きい。合同展を通じて新規取引を始めて、現在も継続している事例は、ハンドバッグなど服飾雑貨部門で35ブランドを超えている。「販売する期間は短期、長期と様々で、必ずしもすべてが収益に結びつくとは限らないが、トライアルを続ける利点は大きい」と強調する。
2009/12/16
伸び代あり
「プロパーの商品を楽しんで買い物をする人がむしろ目立つ」とは西宮阪急の佐藤行近店長。都市近郊立地ながら、都市型を意識したMDが「ピタッと合った」と評価する。初年度来店客数は当初見込みの倍の約1400万人で、SC全体の約8割が来店している。これらを「下支えした」のがコトコトステージなど名称で取り組む各売り場でのミニイベントやセミナー。週60~70企画を年間途切れることなく実施した。同企画は「取引先と一緒に取り組むマーケティング」であり、「店頭の販売員が積み上げていくもの」。この企画内容を積み上げていくことやデイリーニーズへの商品対応の強化など、売り上げを伸ばす「伸び代」が見えている。
2009/12/15
正直が一番
「最高の商品を作るだけ」とはリーバイ・ストラウスのマウリツィオ・ドナディ上級副社長。欧米ブランドの経営を経て現職に就き、「リーバイス」ブランドのトップライン「XX(ダブルエックス)プロジェクト」の責任者を務める。広告宣伝やマーケティングには頼らず「高感度の小売店との取引や人的ネットワークを使ってプロジェクトの認知を高める」考えだ。その理由を、「高額な宣伝費を使って、消費者に実態とはずれたイメージを与えるやり方は陳腐化しているから」という。これからはブランドの売り方も「正直が一番格好いい」と確信しているそうだ。
2009/12/11
ファッションの力
「もっと自然に売りたいんです。ファッションにはその力があるんです」とフィアットグループオートモービルズジャパンのティツィアナ・アランプレセフィアットカントリーマネージャー。「ユナイテッドアローズ・グリーンレーベルリラクシング」(GLR)と共同販促を始め、第1弾は「フィアット500」特別車を取り上げる。フィアット500は愛らしいフォルムで「スペックで売る車ではなく、ライフスタイル軸でこそ、選ばれる車」。若い女性が対象だが、普段の生活で車のディーラーに行くことはほとんどない。そこでテイスト、考え方、顧客で相互性のある、GLRの店頭や商品と連携し、自然にアプローチしていく。
2009/12/10
最大限の革新
「新しいルールの枠内で最大限の革新をした」と、英スピード・インターナショナルのジェイソン・ランス副社長。このほど、FINA(国際水泳連盟)の10年新基準に対応した競泳水着「レーザー・レーサー・エリート」を発表した。従来品に採用していたポリウレタンパネルは使えなくなったが、「スピードは80年の歴史のなかで、素材やパターンなど総合的なノウハウを蓄積してきた。ルールが厳しくなるほど、我々の商品開発も洗練されていく」と、新製品にもさまざまな改良を加えた。「スピードは、アクアラボという研究開発のネットワークを持つ。日本でスピードを販売するゴールドウインも、テキスタイルやスポーツウエアに関するノウハウが豊富なので、今後も協力していきたい」と語った。
2009/12/09
パリでの半年間
「若いときって大胆になるもので、お金も友達になんとなく借りたりして乗り越えていけた。時代も良かった」と話すのは、デザイナーの高田賢三氏。5日、来日中のブラジルのファッションビジネス業界人向けの特別講演でデビュー前後を振り返った。三愛の企画室勤務時代に半年間の休暇をもらい、恩師小池千枝さんの助言通り船でフランスへ。パリでの生活の最後に、旅の恥はかき捨てと、ルイ・フェローの店に飛び込んだら「奥様がデザイン画を見てくれて、5枚買ってくれた」「あのとき行かなかったら今の私はなかった」。無名の新人に長期休暇を与えられる余裕が、あの時代にはあった。
2009/12/08
進化
中小企業基盤整備機構が開いたセミナーで講演した森野保則三陽商会物流事業部物流管理グループ統括長は「百貨店統一ハンガーシステム導入から10年以上たち、今さらに進化しようとしている」と「流通用循環ハンガーシステム」の背景を説明した。同社は百貨店統一ハンガー立ち上げ時から導入し、07年には使用ハンガーの92%をリユースするまでになり、年間1000万円の経費削減を実現したが、環境変化に合わせ新システム併用を決めた。物流改革は他部署には理解されにくいことが多いが、ダーウィンの言葉を引き「生き残れるのは変化できるものであり、ハンガーシステムも進化し、持続可能なシステムとなる」と、時代に合った変化の必要性を訴えた。
2009/12/07
どんどん出す
「個性的なプリント柄をどんどん出すことが求められている」と話すのはヤングカジュアルメーカー、アベラ・ヒビの日比克幸社長。9月には、Tシャツなどのプリントを企画するグラフィックプランニング事業部を立ち上げた。市場に価格重視で同質化した商品があふれているため、2500~2900円で「少し個性を出せるTシャツ」のニーズは強いとみる。同事業部を作ったことで、月曜に追加オーダーをもらえば、金曜には店頭に供給できる体制が整った。スピードと個性的な色柄を求めるバイヤーからも好評だ。すぐにセールに走ってしまうのは、「オンリーワンのアイテムをスピーディーに提供できていないから」と言う。
2009/12/04
イージーオーダー
「当社のイージーオーダー(EO)は素晴らしい商品。もっと伸ばせる。価値と価格を比べていただければ納得してもらえる」と強調するのは、ユザワヤ商事の畑中喜雄社長。手芸・洋裁材料専門店である同社が紳士服のEOを手がけていることはあまり知られていない。これまでは常連の女性客がご主人を連れて立ち寄るスタイルの購買がほとんどだった。EO市場で価格競争力の発揮が期待できる商品としていたが、強みを生かしきれていなかった。そこで、最近開店した都心の各店舗では、見せ方を改善し、単独の男性客の取り込みに力を入れ始めた。「都心の百貨店の中でも違和感のない売り場にする」と言う。
2009/12/03
パイを広げる
「市内でパイを取り合うのではなく、長い目で見れば岡山に人を呼び込んで市場のパイを広げなければ」と話すのは山陽SC開発の臼木章社長。具体策として、「岡山は気候が良く、災害も少ない。医療機関も充実しているのでリタイア組の移住に持って来い」。また、「今はスルー(素通り)されているアジアの富裕層の呼び込みや、交通の要衝という位置を生かした四国からの集客を強めるべき」という。今期は不景気や新型インフルエンザなどの影響があったが、売上高は全社の累計で前年比3・4%減と他より健闘している。しかし、地域に根付いてSC運営しているだけに、長期的な地域経済の動向にも目を向ける。
2009/12/02
リラックス
「これからは、リラックスというキーワードがさらに重要になってくる」と話すのは、フランスのバッグブランド「ジャック・ゴム」のデザイナー、ポール・ドレースさん。「景気が悪くなってから、人々はより快適でシンプルな暮らしを志向するようになった」という。来春夏物では、通常のバッグコレクションに加えて、公園での読書など外でリラックスするシーンを考え、持ち運びができるバッグ型シートも作った。来年は、同ブランドの日本進出10周年。日本は、輸出の半分を占める重要なマーケットだ。「インポートだけど高すぎず安すぎない、ちょうどいい価格帯が支持されている。年齢や性別を問わないシンプルなデザインも、時代感に合っているのでは」と、今後も日本市場に期待する。
2009/12/01
景気に左右されない
「本当の服好きに向けた洋服は、景気に左右されずに支持される」と話すのは紳士服メーカー、リングヂャケットの福島薫一社長。市場ではスーツの苦戦が目立つが、同社の業績は「ここ数年変化していない」という。今年に入ってからも直営店は前年実績をクリアしており、むしろオーダーの売り上げが伸びている。その理由を「リングヂャケットのスーツは必要に迫られて着るものではない。節約してでもスーツを欲しいと思う人達に向けて作っているから」と説明する。「大企業なら低価格への対応をしなければならないかもしれない。だがウチの規模ならば良いものを作り続けることができる」
