繊研新聞掲載のコラム

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ボイス/2010年01月

2010/01/29
 見せ方にも新しさ
 JFWインターナショナル・ファッション・フェアで、VP(ビジュアル・プレゼンテーション)グランプリを受賞したLIB。米国ブランド「エドハーディーシューズ」や「エイチバイフィガー」の卸売りをしている。施工を手掛けた関連会社フォーデルの堤修二郎専務は「展示会は単に商品を売る場所ではない。ブランド同様のインパクトをブースにも出したかった」と話す。「商品の魅力を最大限にバイヤーへ訴えるには、見せ方にも新しさが必要」とコンテナや3Dモニター、超音波スピーカーを設置した。斬新な仕掛けで来場者を引きつけて、ブランドの世界観をアピールした。

2010/01/28
 世界の銀座へ
 「96年以降、衣服やバッグ・靴などの輸入高級品市場はずっと縮小している。でも銀座は世界の銀座として生き残る」と話すのは、サンモトヤマの茂登山長市郎会長。「大火や大震災、大空襲があっても、銀座は長らく活気を維持できた。それには銀座に地の利や歴史、信用があったことが大きい。これが銀座の強みだ」という。近年進出が目立つファストファッションについては、「古くから銀座に店を持つ人でも、彼らにおっかなびっくりしている者がいるが、クイックビジネスにも一流と二流があって、一流が来るならいいじゃないかと思う。世界の銀座を目指すなら、あらゆる層を対象にして、懐を大きくしていなければならない」と歓迎の意向を示した。

2010/01/27
 意思決定する人
 「必要なのは意思決定する人」と語るのは、ジュンの佐々木進社長。「その決定は現場に入らないと下せるはずがない」とし、数年前から主力ブランドの事業部長の隣に席を置き、スタッフとともに働いている。「会社という飛行機を低燃費で運転することはできるが、機体を上昇させるには自身が舵(かじ)を切らないといけない」というのが自説だ。事業を変化させるためには、「自身がドライブしないとならない」と強調する。だから「管理職ではダメ。だいたい、管理する人なんていらないでしょ」とも。今春は自らが海外で買い付けた服や雑貨が店頭に並ぶ。「はっと見て今っぽさを感じられるはず」と自信をのぞかせた。

2010/01/26
 来場者が発電
 「発電床では実際に来場者に発電してもらう」と言うのは上海国際博覧会日本館の総責任者である経済産業省の片瀬裕文大臣官房審議官。日本館に登場する20年の未来都市「ゼロエミッションタウン」では20程度の最先端環境技術が登場するが、その一つが、人が踏むことなどによって生じる圧力で発電する発電床。日本館では水資源関連の5、6の技術やロボットなどを合わせて「最低40以上の最先端技術が紹介され、その中で相当数のものが今回初公開」という。「協賛企業には上海万博のためにわざわざ研究開発していただいた。様々な技術を中国の方や来場者に紹介したい」と語る。館内には日本食のレストランも開設、「日本食の神髄も味わってもらう」という。

2010/01/25
 生産管理の充実
 「検品だけでなく、生産管理を充実したい」と語るのは、ケンツーの三谷健二社長。2月末稼働予定で、バングラデシュ・ダッカに検品センターを立ち上げる計画。現地に日本人3人を派遣する予定で、日本向けの品質基準に合致するように生産管理業務の指導を目指す。同社は雑貨のOEM(相手先ブランドによる生産)が本業で、日本、中国に検品センターを保有するが、「これからの検品は、生産管理ができるかどうかがポイント」と、前段階での不良品防止に力を注ぐ方針だ。バングラデシュでの生産に関しては品質を懸念する声もあるが、「中国も20年前はひどかった。バングラデシュは人口、工場背景が揃っているので2~3年たてば形になってくる」と期待する。

2010/01/22
 新しい仕掛け
 「来期(11年2月期)は『新生フランドル元年』。新しい仕掛けを積極化する」とフランドルの栗田英俊社長。来期から新しい中期経営計画をスタートし、新ブランド開発を加速する。これまで主力の百貨店向け主体に成長戦略を進めてきたが、「時代は変わった」として、今後は駅ビルやSCなどを主軸とし、「条件が合えば百貨店とも取引する」ブランドを開発する。春に出す3ブランドは「予想以上の反響。出店が予定の2倍以上になったブランドもある」。「これまで培った企画生産力を生かして価値に対して割安な価格を設定し、ブランドミックス型の編集など従来にはない提案した点が評価された。強みを発揮すれば勝てる」と手応え十分だ。

2010/01/21
 京都の和装の魅力を
 「西陣織や京友禅を掘り下げ、京都の和装の本質的な魅力を提案したい」と、千藤の千藤竜也社長。真わた使いの手織りの帯や、重層の織り組織に何度も染めを重ねたきものなど、シンプルでモダンな和装アイテムを製作。呉服専門店に加え、近年は百貨店の催事や外商ルートでの販売も定着してきた。「京都の和装業界に蓄積されたデザインを、異なるアイテムに転用するだけでなく、そこから新しい物を生み出す姿勢やエネルギーをより重視したい。当社はカジュアルでソーシャル性のある商品の提案を通して、新しい商品の打ち出しを意識している」とする。加えて「物作りから販売まで、互いにリスクを持ち合い、コンセプトを共有できる関係作りも欠かせない」と語る。

2010/01/20
 足場を固める時期
 「デフレに対応しているようでは、次の成長戦略を描けない」と話すのは、アツギの藤本義治社長。09年の市場はデフレによる価格競争がし烈を極めたが、「今は、景気が底を打ったときに攻めに転じることができるように足場を固める時期」と、価格競争とは距離を置く姿勢を強調する。「(価格競争に乗って)利益の無い商売をしていたらいつか会社はつぶれる。価格以上の価値を客に認めてもらうことができれば単価は下がらない」と言う。大手小売業向けのOEM(相手先ブランドによる生産)に関しても、「精査して利益の出るものは拡大する」。「こんな状況だからと弱気になってはいけない。今こそ出来る限りのことをしなければ」と語気を強める。

2010/01/19
 ギャップを埋める
 「消費者抜きでの展示会ビジネスはもう崩壊しているのではないか」と、カジュアル専門店、福田の福田栄一郎社長はいう。「すべてのメーカーに当てはまるわけではないが」と前置いたうえで、「商品に込めたメーカー側の強い思いが、消費者の心に届かないことは多いはず。事実、在庫が膨らみ、セールが乱発しているのはその証拠」と指摘。同社は今、店頭と自社EC(電子商取引)サイトも活用し、全国の顧客から得た取扱商品などへの意見、感想をメーカーにフィードバックするようにしている。作り手の作りたい物と、買い手のニーズとのギャップを埋めるためだ。「当たり前かもしれないが、企画の第一段階はまず、消費者が本当に喜ぶか、喜ばないかでなければならない」と強調した。

2010/01/18
 歩育
 「歩育(ほいく)が今後のコンセプト」と語るのは丸紅フットウェアの竹内知之取締役大阪支店長兼プロダクト事業部長。同社の子供靴ブランド「イフミー」は設立10周年を機に新たな販促に取り組む。昨年累計1000万足を販売した子供靴ブランドだが、「認知度・可能性はまだまだ発展段階」。多彩な機能で「子供の発育を心と体の両面からサポートする」歩育を新コンセプトに、子供の夢を実現する社会貢献活動なども実施する。国内子供靴市場は「低価格化が進むが中心価格(約2100円)は据え置き」、10年度は120万足を計画。「はじめの一歩をともに踏み出せるブランドとして認知度を高める」

2010/01/15
 二重投資
 「事前に適切な手を打てれば良いが、予測が外れて二重投資が必要になっては大変」とは、アミュプラザ小倉を運営する小倉ターミナルビルの神野典久社長。11年3月に開業するJR九州グループの本丸、JR博多新駅ビルには10万平方メートル規模の商業ゾーンが出現、新幹線でわずか16分の小倉商圏にも影響が及ぶとみられている。同じJRグループだけに新駅ビルの情報はいち早く入手できても、開業後の顧客動向は予測するしかない。「不確実な予測に基づいて改装投資するより、開業後の変化した市場を分析してからでも遅くない」とみる。場合によっては「一からコンセプトを見直すくらいの対応を迫られるかもしれない」可能性があるからだ。

2010/01/14
 接点作り
 「得意先のきもの専門店と新しい消費者との接点をいかに作り、拡大させるかが、今後のきものビジネスの鍵となる」と言うのは呉服卸、京都小泉の田中俊夫社長。「30代から40代の女性のなかに、きものに対する潜在需要が埋もれている。このニーズを顕在化させることが、将来のきものビジネスを展望できる道筋となる」と言う。きもの専門店の中で「女性たちの潜在需要掘り起こしへの強い意欲を持つ専門店に対して、ソフト面も含めて当社のオリジナルブランドを充実させ、真摯(しんし)に提案する」。一方、「女性たちの心をとらえる事は並大抵ではない。きものコーディネートの楽しさなどを伝え大きな感動を呼び起こす必要がある」とも言う。

2010/01/13
 リテール戦略
 「消費者の顔が見える商売になりつつある」というのは、太閤の大野貴博専務。クリスタルレプティルズ事業部でクロコダイルなどの爬虫(はちゅう)類バッグを扱う同社は、月1回ペースのテレビ通販やネット直販を通して顧客との接点が拡大し、百貨店催事の集客でも相乗効果を発揮している。「これまで団塊世代が中心だった客層が、30代にも広がっている」とし、卸事業と並行しながらリテール戦略を強化。10年春には初の直営店を京都市内に出店する。「消費者は良しあしを見極める目を持っており、質は落とせない。素材から企業オリジナルで展開できる強みを生かし、まずは物ありきで、事業を堅実に安定化させる」と戦略の背景を語った。

2010/01/12
 消費者目線で
 「09年の衣料品はカテゴリーキラーにやられた」と振り返るのは、イズミヤ(大阪市)の足立仁至執行役員衣料商品部長。09年のGMS(総合小売業)は衣料品部門の大きな落ち込みが目立った。「GMSは何でもあるが、買うものがない」。低価格ジーンズなども話題となったが、ジーンズ以外の周辺商品が売れなくなるなど、全体を押し上げるまでには至らなかった。「以前のピーク時の衣料品売上高980億円時代と同じ体制で500億円弱」となってきたため、事業部門の再編も検討している。不振の中でも機能性インナーなどは比較的健闘していることから、用途、機能を訴え、10年は「消費者目線で分かりやすく、思い切ってやっていきたい」と考えている。

2010/01/08
 チャリティーと理念
 「商売は損得でけでない。それを形にしたいと思って歳末助け合いチャリティーセールを実施した」と婦人服卸サンエリートの岡田作衛社長。創業35周年事業の一つで、12月中旬の冬物販売会の売り上げから1%を福岡市の社会福祉法人に寄付した。08年のリーマンショック直後、「世界経済の復元は20年かかる」と不況の長期化を予測した。世の中はその通りになったが、一方で同社は以前から成熟社会に対応した商品や人材、提供するサービスの「質の向上」に取り組んだことが寄与し、09年7月期は売上高4%減に対し、経常利益は36%増となった。単なる損得ではなく、会社を取り巻くすべてに「善となる商売」が経営理念。地域社会に対するチャリティーも、その一環にあるという。

2010/01/07
 変わること
 「今の厳しい時代に生き残るために重要なのは、変わること」と、ディーオーツーオフィスの木内俊行社長。同社のオリジナルバッグブランド「プライアブル」は、適応性がある、柔軟、しなやかなどの意味を持つ。スタートしたのは09年2月、まさに不況のただ中の船出だった。マーケットが激変し、消費者の購買動向も変化した。適応するために、工場背景、素材手配、販売方法、それまでとは考え方も変えた。そして1年がたとうとしている。振り返って「インドネシアの工場など新しい出会いがあり、いい仕事ができた。顧客の反応もいい。厳しさをチャンスに変えることもできたと実感している」。

2010/01/06
 裾野を広げたい
 「売り上げが厳しい中、お客様の裾野を広げたくて」と話すのは、高島屋の池田喜政呉服ディビジョン長。横浜店恒例の「たんす屋」リサイクルきもの新春バーゲンで、8大学・2専門学校の学生参加によるフェアを実施した。「若い人の間では今、きものが静かなブーム。私たちの想像を超えるネットワークがネット上で広がっていた。ユーザー目線で初心者向けの値頃な商品を打ち出せば新しい需要は生み出せる」。これを第一弾とし、若い力を起用したフェアを「新宿店でもやってみたい」と話す。同催事にはテレビの取材が複数入り、宣伝効果も上々。「前年実績対比30%増の売り上げを目指します」

2010/01/05
 どうせ買うなら
 「690円ジーンズまで出てきたが、いろんなジーンズがあっていい。低価格ジーンズが話題になったことで、ジーンズそのものにも注目が集まった」と話すのは、藍布屋(岡山県倉敷市)の眞鍋寿男社長。「回転すしが広まった後にカウンターのすし屋が見直されたように、安いものだけじゃなくどうせ買うならいいジーンズを買いたい、というニーズも出てくる」と指摘する。これに対応し、ジーンズが2万2000円以上と高額な同社の国産オリジナルブランド「桃太郎ジーンズ」は、今まで展開してきたトップなどをやめ、直営店もジーンズに特化した専門店としてリニューアルし、特徴を出していく。

2010/01/04
 変化を楽しむ
 「商品トレンドの変化にどう対応し、固定客と新規に満足してもらうか。答えを見つけるのは大変だが、商売の楽しさを最も感じる時」と語るのは、レディス専門店ドルフィン・コーポレーションの西原謙一社長。OLを主力とするティックミックスを立ち上げて12年。名古屋市内の都心型テナントでOLやミセスを獲得してきた。「ただ、固定客の年齢が上がり、スカートの丈やシルエットが合わなくなってきた」。従来の顧客に合わせればトレンドを追えないし、デザインを大きく変えれば固定客が戸惑う。韓国を中心に別注商品を開発している強みを生かせるかどうか。でも「市況が厳しい今こそ、売れる商品作りに挑戦する楽しさにわくわくしている」。