繊研新聞掲載のコラム
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ボイス/2010年02月
2010/02/26
トップ自ら語る
「新卒採用に当たってはトップ自ら語ることが大切」と、子供服メーカー、シャーリーテンプルの小林康男社長。同社は知名度不足の克服を狙い、日本アパレル産業協会の企業合同説明会に08年から毎回出展している。この姿勢の根底には「アパレルは常に新しいものに挑戦するビジネスであり、そこには新しい人材が不可欠」という信念がある。「ここで初めて当社のことを知る学生もいる。『この会社に入りたい』と、最初から思っている子も大事だが、就職活動を通じ初めて出会う人の中から得た新人が、会社に新風を与えてくれる効果は計り知れない。その現場の雰囲気を味わいたくて毎年、立ち会っている」
2010/02/25
現場
「社長はそんなことするなとも言われるが、最近はしばしば顧客企業に出向き、要件定義から話し込む」とジェイモードエンタープライズの大久保勝弘社長。現場に出ると「新しい発見があるから」と話す。一時は自社の営業力強化も考えたが、元々技術力が売りの会社。経営資産は技術力に集中し、特に在庫管理にフォーカスする方向に転換した。他の分野では技術連携の可能性も探っている。また、販売は強い営業力を持つ販売会社とパートナーシップを結ぼうとパートナーを探しているという。そんな技術で生きる企業の経営者の視点で市場や顧客をみると、自社の強みをさらに強めるための材料が見えてくる。成長企業が皆狙っているアジア市場を見るため、4月にはまず、中国へ出掛ける予定だ。
2010/02/24
中価格
「より良いものを求めるお客様の声が増えている」と話すのは、そごう・西武の松本隆取締役常務執行役員。売り場からの顧客の声を集めた販売メモでは、自分に合った質のよいものを日常使いしたいという積極的な消費行動が目立ってきた。09年秋からの新価格戦略は、新規取引先との協業で裾値を再構築した。今春からは「従来の上位価格帯を中位価格帯に引き下げて、価値を引き上げた新たなモデレートゾーンを構築する」と価格政策に本腰を入れる。その目玉の一つとなるのがPB開発。生産、流通コストの効率化で、NBをはじめ、最も苦戦している中価格帯を狙う考えだ。「付加価値化でプライスラインを維持する」には取引先との連携による素材調達から生産、販売までの一体の取り組みが欠かせない。
2010/02/23
土台は街作り
「海外の観光客に商業施設として買い物を楽しんでもらうことも大切だが、来日する外国人を引き付ける魅力的な街作りがその土台となる」と語るのはヴィーナスフォートの栗原弘一社長。羽田空港がさらなる国際化で海外の窓口としての機能が強まる中、「東京が国際都市の一員として開発競争に遅れを取ってはいけない」とも。アジアでは香港、シンガポールなどの都市が台頭し「最近の東京の地位低下を危ぶむ」。ヴィーナスフォートのあるお台場や有明地区は羽田空港から車で15分。「同地区のポジショニングは今後ますます重要になる。様々な目的で訪れる外国人が投資意欲を喚起したり、長期間滞在したくなるような都市作りを視野に入れながら地域に貢献したい」と未来を見据える。
2010/02/22
成長の基盤
「来期に向けて成長の基盤が整ってきた」とスタイライフの岩本眞二社長。先行投資した携帯キャリアのKDDIとの共同事業「au oneブランドガーデン」で成長の可能性を実感したと言う。ブランド数は当初の85から約130まで増えた。初めはレディス先行の構成だったが、3月にはストリート系6、7ブランドの販売が始まるなど、これまで取引のないブランドにも広がってきた。客単価も1万円程度に上がってきている。サイトも入り口は一つだが、テイスト、カテゴリーで区分けし、幅広い客層に対応する。「同サイトはリアルで言えば、駅前にファッションビルを造ったようなもの。au携帯の会員は3000万人超の老若男女で、需要は幅広い」。メンズをはじめ、積極的にブランドを増やしていく。
2010/02/19
情緒的価値
「これからの商品開発は、情緒的価値を持たせることが大切」と言うのは、癒やし系雑貨の企画卸ほんやら堂の藤永辰美社長。雑貨はインテリアや化粧品、アパレルなど、いろいろな業界との親和性が高く、幅広く商品を展開。中でも同社は、「健康」をキーワードにした商品で売り上げを伸ばしてきた。しかし、競合他社の増加や景気後退による消費マインドの低下で、昨年末から成長スピードが鈍化。今まで、機能性のある枕などの生活雑貨をメーンに展開してきたが、今秋、初めてルームウエアを出す。「リラックス」「くつろぐ」「のんびりする」という情緒的価値で、家の中で過ごす時間を大切にする消費者のライフスタイルの変化に対応。「ホット」をテーマに機能を盛り込み、パーソナルギフト仕様で消費を喚起する。同社の主力商品に育てる考えだ。
2010/02/18
海外市場を開拓>
「デザインの面白さや品質の良さをアピールすれば、必ず市場は広がる」と話すのは、グレース・ハッツ・インターナショナルのオフェール・イノンマーケティング統括。昨年10月から、帽子製造のグレースの海外市場開拓を担当している。過去25年間は「競泳水着をファッション市場に打ち出して70カ国に販売網を広げた」ゴテックスで働き、その経験を生かして日本の帽子を海外に売り込む。「帽子の形は決まっているが、日本人は原型のアレンジや改良に強みを持ち、ファッション商品として種類を揃えたことが国内市場の発展要因」とみる。まだ欧米やアジア市場は「高級品か防寒用の機能商品」の位置づけなので、「各国のトレンドを分析し、誰とどんな販路で仕掛けるか、慎重に計画を立てたい」。
2010/02/17
東エリアから発信
「店名は当初、社名の頭文字をかぶせようと思いましたが、あえて東京の東エリアからの発信の意味を込めました」と話すのは、包装用品卸売業、シモジマの横山庄蔵常務。昨年9月に浅草橋にオープンした「イーストサイドトーキョー」の運営を統括する。10年前に始めた花材分野の拠点という位置付けだが、「隅田川に沿うよう職人の街に集まり始めた若手クリエーターを励ます存在になりたい」と言う。店頭で配布している小冊子には、地元で活躍する様々なジャンルの人をビジュアルに掲載し、街との結びつきを強調している。「この地域で活動する独立系デザイナーの展示会利用は大歓迎です」
2010/02/16
女性を美しく演出
「品質にシビアな日本のマーケットにマッチする商品を提供できるようになってきた」とは、ロサンゼルスのレディス雑貨ブランド「ラフローゼス」のウィン・カッツ社長。同社は、手にしやすい価格でデザイン性の高いベルトやバッグを提供している。「女性を美しく演出したいという情熱がブランドの根幹。そのためにデザイン性と価格のバランスにも細心の注意を払っている。バッグの価格帯は3万~4万円だが、レザーや金具の質感を高めることでワンランク上の価格帯の商品に負けない高級感を出している。10年春夏からはアパレルも開始した。トータルで女性を美しく情熱的に彩るブランドを目指していきたい」
2010/02/15
プラス効果
「地元経済界ではマイナス効果論が根強いが、プラス効果が大いに期待できる」とは、アミュプラザ鹿児島を運営する鹿児島ターミナルビルの川口史社長。来年3月に迫った鹿児島~博多を結ぶ九州新幹線全線開業への評価で、「宮崎県を含む南九州での鹿児島市の拠点性が高まり、より多くの人が集まるようになる」と見る。それを見越してか、鹿児島中央駅周辺にはすでにマンションやホテルが増えている。「駅から天文館まで1・2キロ。この間を歩いて楽しめる街になれば、中心市街地は元気になる」と将来図を描く。アミュプラザは今春、開業来の大型改装を実施。新幹線全通対応に抜かりなしだ。
2010/02/12
今年のエコ
「今年のエコは二つの“いきもの”がテーマ」とユニバーサルデザイン研究所の赤池学代表取締役所長。繊維・ファッション業界をはじめ、さまざまな企業や商品で環境や社会に優しいデザインをコンサルティングしてきた。「今年の日本は生物の多様性を保全し、生物資源の無駄もなくす生物多様性国際会議が開かれる。環境配慮に続いて、生物保全や資源活用も問われてくる。“粋なもの=いきもの”の有効活用になってくる」とみる。「繊維分野であれば、シルクを紡績するときに捨ててしまうたんぱく質を不織布にしたシルキーウェイという生地を開発した。インドネシアには、まだ繊維資源として活用されていないゴールドのシルクもある。まだまだ有効活用できる生物資源があり、世界市場でのフロントランナーに日本がなれるはず」と強調する。
2010/02/10
最高のツール
「イタリア製の靴は単なる靴ではなく、コミュニケーションのツール」と熱意を込めて語るのは、イタリア靴工業会マーケティング&プロモーションマネジャーのピエル=パオロ・キッコさん。世界各地で開く展示会に加えて伊製靴に対するあこがれを喚起するような映像を製作するなど、プロモーション活動にも力を入れる。「最高品質の伊靴は、イタリアのファッションを体現するための最高のツールとなる」という。年に2回日本で開くシューズ・フロム・イタリー展は、今回で46回を迎えた。日本市場向けに、イタリアの国際靴見本市ミカムに先駆けて新作を紹介。先行受注を促すとともに、現地でのスムーズな発注につなげる。12番目の輸出相手である日本は「極めて重要な市場」。今後も、伝統ある技術力を武器に高級品路線を加速し、厳しい市況に対応していく。
2010/02/09
人生の熟練者
「シニア世代の女性は美を追求する意識が強く、消費への意欲も高い」と話すのは、シニア向けコンサルティング事業を手掛けるシニアコミュニケーションの山崎伸治社長。同社が運営している50歳以上をターゲットにしたコミュニティーサイトでも、ファッションやビューティーといった話題が人気となっている。ただ、「消費したい気持ちはあるのだが、買いたいと思う物が少ないという声が多い。彼女たちは人生の熟練者。経験が豊富な分、心をくすぐるような商品やサービスの開発には研究が必要」だという。特に「ファッション分野には可能性がある」とし、同社ではファッションショーなどの新たな試みを計画している。
2010/02/05
消費者から
「バイヤーではなく、消費者から火を付けるのが大切」と話すのは、ギャル向けゴルフブランド「ブルークラッシュ」で飛ばしているピクシーキャルの米田達也社長。新ジャンルの商品だったため立ち上げ当初は卸先が全く見つからず、やむを得ずネット販売でスタートさせた経緯があるが、その後のヒットでバイヤーの見方も変わり、今はさまざまなオファーが来るようになったという。「以前はいいものを作っていればそれでよかったけれど、今はいいものをいいと伝える力がないと売れない」とも。ネット上では存分に告知してから新商品を投入するなどしており、一連のストーリーの中で仕掛けていくことが大切と強調する。
2010/02/04
ランナーのハートに
「日本には競合も多いが、我々はランニング専門ブランドであるため、一人ひとりのランナーのハートに訴えかけることができる。楽しく安全なランニングをサポートしたい」と、スポーツブランド「ブルックス」を手掛ける米ブルックスのジム・ウェーバー社長兼CEO(最高経営責任者)。米国に比べ日本では知名度が低いが、このほどランクス(東京)と販売代理店契約を結び、「共に成長できるパートナーとして、グラスルーツの活動でブランドを作りあげたい」と語った。「世界的にも、ランニング人口は伸びている。当社のグローバル売り上げは年間約2億ドルだが、これを5年で倍増させたい。米国はまだまだ伸びるだろうし、アジア事業も日本をきっかけに広げていく」計画だ。
2010/02/03
ファッション好きへ
「これからはブランド力。ブランドらしさに共感するファンを作っていく」とかねてから語っていた専門店、丸岡商事の岡田衛社長。今春からマルキュー卒業生に向けた新業態「シェイナー」の出店を始めた。ファッション誌の読者モデルも企画に起用し、ファン作りに余念がない。渋谷109に7年前に出店した「ヘブンアンドアース」では、世界観を持つことの大切さを学び、デフレ下でも小売価格を下げずに済んでいる。新業態はOL通勤着も含んだ大人狙いで、さらに高いイメージで客単価を維持する。身の丈消費が進んでも、「あくまでうちはファッションが好きという人を対象にする」という。
2010/02/02
強みとリスク
「需要に即した商品を作って供給することが一段と必要になっている」というのはレディスプレタ服メーカー、香織の岡元睦雄社長。ここ数年、需要があるにもかかわらずとらえにくい端境期の対策を強化してきた。セール期の売り上げに貢献する、リスクを張った冬のダウンや夏の羽織り物などにも力を入れてきた。「端境期企画といっても当社の強みである手の込んだ加工品。他社にない商品力が認められてきた」と端境期戦略に手応えを感じている。三次、四次の複雑な加工は同社の得意とするところだが、「コピーしにくいこともメリット」。「市況は段々悪くなり、先が見えない」と読む。だからこそ自社の強みに徹し、リスクを張ることによって企業としての役割、存在感を追求する。
2010/02/01
小さい池の大きな魚
「小さい池の大きな魚になる」と、岩久の伊藤幸利社長。創業は1905年。その6代目社長に昨年就任した。冒頭の意味は大きな競争に加わらず、レディス製造卸・小売りとして得意分野を築き、そこの大きな存在になるという思いをこめたもの。社内には「不況の時こそ売り放しにならずお客に近づこう」と話しているそうだ。同社が総合卸だった頃から婦人分野を担当し、現在は企画生産の責任者でもある。国内生産にこだわり、布帛製品は今も100%国内。売り上げを優先せず、「物作りのルーツや背景をきちんと話しながら」売り先を開拓しているという。企画が独り善がりとならないため、福岡市の本社1階にもショップを作った。
