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素材を学ぶ

《化学繊維・高機能繊維−5》

ポリエステル系繊維 感性・快適性素材−新しい改質素材が次々登場

2000/10/03

 前回、ポリエステル系繊維には多くの種類があることを紹介したが、今回は最も一般的なPET繊維(以下ポリエステル)について最近の改質素材開発の動きを紹介する。
 ポリエステルは、図に示すように、原料高分子段階での改質、繊維化段階での改質、織物など後加工時における改質など、様々な段階で種々の改質技術が適用され、同技術により新しい改質素材が次々と登場している。
 まず、原料高分子段階での改質により難燃化や染色性改良が行われ、また、各種機能性を有する微粒子を原料高分子に添加することにより、紫外線遮へいや光消臭機能、さらには抗菌性や防ダニ性能付与などが行われている。
 一方、ポリエステルは、溶融紡糸(原料の高分子を熱で溶かし、これを細い孔が多数ある“口金”から押し出し、空気で冷却して繊維状に再生させる)により繊維化されるため、繊維の断面形状の異形化や中空断面化が容易に行え、また、2種の高分子を同時に同じ細孔から押し出して2成分から成る複合繊維を作ることも容易に行える。
 異型断面化では、三角断面にすることにより絹に似た風合いが付与され、また、繊維を中空化することにより、見かけの非常に小さい糸が得られ、かさ高で軽量な織物を作ることができる。
 後者の複合繊維化技術は、熱収縮の異なる2成分から成る繊維を作り、糸にしてから熱を加えると、2成分の収縮差により繊維がねじれ、わずかに伸縮性のある糸(潜在捲縮糸)ができる技術や、2成分から成る繊維を作り、織・編物にしてから分割して極細の繊維とする極細繊維の製造技術(2成分から成る複合繊維の一方の成分を溶解して、極細繊維を作る方法もある)などにも適用されている。
 さらに、ポリエステルは熱可塑性(熱を加えるとその時の形状が固定=セット=される性質で、高温処理ほどセット性に優れる)を有するが、ポリエステルは耐熱性に優れるため、このセット加工が高い温度で行え、安定したセットができる。この技術を糸の段階で適用することにより様々な加工糸が作られ、また織物段階ではプリーツ加工(折り目加工)などに適用されている。

(日本化学繊維協会大阪事務局技術グループ担当部長=山崎義一)

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