素材を学ぶ《化学繊維・高機能繊維−6》
ナイロンとポリエステルの違い−繊維の固さ
2000/10/17
1935年に米国デュポンのカロザースがナイロン66を発明した。東洋から来た絹の美しさを備え、さらに絹よりも強い合成繊維が誕生したのである。
デュポンでは、“ナイロンとは、任意の長鎖状の合成ポリアミド(アミド結合〈−NH・CO−〉によりつながった合成高分子)で、その主鎖がアミド基の繰り返しを持ち、その構造単位が軸方向に配列するような繊維に成型可能なもの”と定義している。日本の家庭用品品質表示法による定義も、同じ趣旨の定義を採用しており、この定義では、“ナイロン”に該当するものは数多くあり、“アラミド”もナイロンに含まれる。
なお絹の成分である“フィブロイン”は、線状ポリアミド化合物であり、この意味からナイロンは絹に最も近い合成繊維と言える。
一般的に利用されているナイロンは、ナイロン66とナイロン6であり、以下ではこのナイロン66とナイロン6に限定して説明する。ナイロン66はナイロン6より耐熱性に優れるが、その他の性能は、あまり変わらない。ナイロンは、ポリエステルと同じように溶融紡糸により作られる。
ナイロンはポリエステルと同様に優れた性能を有するが、両繊維の性能は少し異なる。特に大きく異なる点は、繊維の固さである。ナイロンは炭素結合が直鎖状につながった脂肪族構造であるが、ポリエステルは固いベンゼン核により構成されている。この化学構造の違いにより、ポリエステルはナイロンより固く(ヤング率が大きい)また伸びも小さい。この性質が布にした場合の“ハリ・コシの強さ”に影響し、ナイロン布はソフトでしなやかとなり、ポリエステル布はハリ・コシのある固い風合いとなる。
また、ナイロンは上記の脂肪族がアミド結合によりつながっているため、反応性に優れ、他の加工剤とのなじみが良く、スポーツ地やコート地で“撥水加工”などコーティング加工に適することとなる。
コーティング加工とは、布地の表面全体に樹脂(粘性の高い液状の高分子)を塗り付けた後、熱乾燥(乾式)や凝固液中に浸漬(湿式)して皮膜形成させる加工であり、撥水加工や透湿防水加工などに適用されている。
(日本化学繊維協会大阪事務局技術グループ担当部長・山崎義一)
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