Learn - ファッションビジネス講座

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素材を学ぶ

《化学繊維・高機能繊維−9》

ポリプロピレン−水より軽く、紙おむつなどに使用

2000/11/07

 ポリプロピレン繊維は、1955年、イタリアのミラノ工科大学のナッタ教授がツィーグラー型触媒を使って、立体的な規則性のある構造(アイソタクチック構造)を持つポリプロピレンを合成したことが始まりである。同法により合成されたポリプロピレンは、結晶性があり、繊維形成能に優れている。同年にイタリアのモンテカチーニ社から特許が出され、1959年、同社が「Meraklon」の商標で商業生産を始めた。石油を精製する際に大量に副生するプロピレンを原料とした合成繊維であるため、大きな注目を浴び、1957年、アメリカ、イタリア、西ドイツなどが独自に生産を始めた。日本では1962年になって三井化学が生産を始め、その後、東洋紡・三菱レイヨンが「パイレン(Pylen)」、日東紡・大和紡・チッソ・東亜紡織・宇部日東化成が「ポリプロ(Polypro)」の商標で生産を始めた。
 原料が最も安く調達できることから、日本では「夢の繊維」と呼ばれ、当初は前出の8社がモンテカチーニ社と技術導入契約を結んで生産に取り組んだが、耐熱性、染色性、風合いなどの点で衣料用途に適さず、数社が撤退していった。
 その後、繊維産業も衣料用途以外に、産業資材、生活資材分野などが成長するに伴い、ポリプロピレン繊維も同分野での需要が拡大した。さらに、近年の地球環境保護の立場からポリプロピレン繊維が見直されている。製法におけるエネルギー消費量が最も少なく、またリサイクルする場合、融点が低く、簡単に再溶融でき、サーマルリサイクルをする場合も、熱分解油化が可能であり、さらに炭素と水素から成る化合物であることから、焼却時の有害ガスの発生が極めて少ないなどの特徴があるためである。
 ポリプロピレン繊維も種々の改質が行われている。最も優れた改質は、別図のように、芯部分がポリプロピレン、鞘(さや)部分がポリエチレンで構成される熱融着繊維で、この繊維を他の繊維に混ぜて不織布を作り、熱を加えるとポリエチレン部分が溶けて周囲の繊維と融着し、薄い布状になる。この繊維は、紙おむつやナプキン用不織布に多く使用されている。

(日本化学繊維協会大阪事務局技術グループ担当部長=山崎義一)

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