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素材を学ぶ

《化学繊維・高機能繊維−10》

スーパー繊維 高強度・高モジュラス繊維−ゴム補強材などに使用

2000/11/14

 ナイロンやポリエステルなどの合成繊維は、分子量を上げ、延伸倍率を上げることによって強度自体はある程度増加するが、半面、伸度が小さくなる傾向にある。タイヤコード用のポリエステルやナイロンはこのようにして作られる。
 一方、新規ポリマーで高強度・高モジュラス繊維の開発が進められている。この代表例がアラミド繊維で、分子構造の違いによってパラ形とメタ形があるが、高強度・高モジュラス繊維はパラ形タイプである。同タイプの繊維は、東レ・デュポンの“ケブラー”、帝人“テクノーラ”などの商標名で展開されている。ケブラーはベンゼン環を多く含み、これらをアミド結合で結んだ固い構造の高分子(PPTA=ポリパラフェニレンテレフタルアミド)を原料とし、これを硫酸で溶かして紡糸した繊維である。PPTAは剛直性高分子のため、延伸はほとんどかからない。一方、テクノーラは、PPTAに第3成分としてジアミンを共重合させた繊維で、これにより紡糸後に延伸することが可能で、またPPTAとは少し異なる糸質となる(耐摩耗性に優れる)。これらパラ形アラミド繊維は、同じ太さで比較してスチールより1.2〜1.4倍の強さがあり、軽さはスチールの5分の1である。
 その他の高強度・高モジュラス繊維として、クラレの“ベクトラン”(ポリアリレート繊維)並びに東洋紡の“ザイロン”(PBO繊維)などがある。
 これらスーパー繊維は土木建設資材、ロープやベルト、ホース、タイヤなどのゴム補強材として用いられているが、防弾チョッキや耐切創用手袋など防護衣料も大きな用途となっている。また、高度情報化に欠かせない光ファイバーを支える緊張材として活躍している。光ファイバーは歪が生じると光損失が大きくなるため、回りをアラミドなど高強度繊維で保護している。さらに新しい用途に、アラミドを芯にして熱硬化性樹脂で固めたアラミドロッドがあり、鉄筋代替として使われ、軽量で錆(さ)びない新しい建設資材として注目されている。

(日本化学繊維協会大阪事務局技術グループ担当部長=山崎義一)

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