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素材を学ぶ

《化学繊維・高機能繊維−12》

人工スエードと極細繊維−表面は細い繊維群で構成

2000/11/28

 スエードの表面は極めて細い繊維群から構成されている。これを人工的に作り出したのが人工スエードで、超極細のポリエステルやナイロン繊維を不織布とし、表面を起毛して作られる。天然の繊維で最も細い絹は、生糸の状態では2本のフィブロイン(絹繊維)をセリシン(にかわ質)で包んだ構造であるが、このセリシンを取り除いたフィブロインの細さが約 1dtex である。極細繊維の明確な定義はないが、一般的には、この絹より細い 1dtex 未満の繊維を指す。また超極細繊維とは、0.1dtex 未満の繊維を指す。通常の紡糸方法では、0.3dtex 程度の細さが限度で、それ以下になると繊維が切れやすく、後工程で毛羽となる。極細繊維の製法には図のように、複合紡糸技術を応用した分割形と海島形と呼ばれるものがあり、いずれも2成分からなる繊維を製造し、織・編物などにしてから2成分に分割したり、一方の成分を溶解させたりして極細化する。複合紡糸法による極細繊維化はデュポンのタナー、ブリーンの技術が基本。しかし、生産技術に応用し、改良したのは日本のメーカーである。複合紡糸法による極細化の技術は1970年代から工業化されており、前述の直接紡糸による極細化技術よりも先である。
 なお、メルトブローン法と呼ばれる合繊不織布の製法があるが、同法によっても超極細繊維が製造できる。溶融状態のポリマーを細孔から吐出させ、音速域の加熱気体で吹き飛ばし、金網上に捕集して不織布状とするもので、0.1dtex レベルの極細繊維が得られる。
 極細繊維の用途は、ピーチスキン調の新合繊が話題となった一般服地用途から前述の人工スエード、さらにはワイピングクロスなどまで様々だ。

(日本化学繊維協会大阪事務局技術グループ担当部長=山崎義一)

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