素材を学ぶ《綿−1》
2000/06/13
綿製品の商品化と特性−全繊維生産の4割強占める
綿花の生産量は年間約九千万俵だ。一俵が四百八十ポンド(二百十七・七キログラム)だから、約千九百六十万トンになり、全繊維生産の四〇%強を占める。これが熱帯・亜熱帯の八十カ国以上で生産されている。
日本の綿花輸入
一九九〇年代に綿工業設備が大幅に縮小したため、綿花の輸入も八〇年代と比べて半減以下になり、年間百二十万〜百三十万俵を三十数カ国から輸入している。
米国からの輸入が最も多いが、九九年は米国が不作だったため、オーストラリアが米国を抜いた。量的には少ないが、シリア、メキシコ、インド、ウズベキスタン、エジプトと続くが、綿産国の事情によって順位は毎年変わる。
農業と工業の複合生産
綿は「あおい科わた属」。綿花は種子の表皮細胞が細長く成長したもの。栽培は年一回。白くはじけた綿の実(コットンボール)を摘み取り、繰綿工場で綿繊維と種子を分離、紡績して糸にし、織り編み、染色、仕上げ加工、縫製という工程を経て、最終製品となる。
綿製品の品質
肌触りの良さが求められる衣料向け用途は広い。肌触りの良さという点では、多くの繊維のなかで綿が最も優れている。さらに、洗濯に強い、冬暖かく、夏涼しい、染色加工がしやすいという特徴がある。合成繊維が発達した今も大きな比率を占めているのは、実用的な用途で重宝されていることを示している。また、超高級品の素材としてもよく使われる。
生産においては毎年変わる天候の影響を受けるため、綿繊維の品質を一定に保つことは至難の業である。しかし、綿製品は工業製品である以上、年により品質が変わる綿花や気候風土の違う国々の綿花を原料として使いながら、製品の品質を安定させ、標準以上のものに仕上げねばならない。
(国際綿花評議会顧問=日比暉)
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