素材を学ぶ《綿−5》
2000/07/11
商品企画と綿の品質−各社の差別化原綿ブランド
繊維長と糸番手−繊維長が長いほど細い糸が紡績できる。大雑把にみて、バルバデンセのグループは超長繊維綿と長繊維綿で、アプランド綿(ヒルスツム)は中長繊維綿と中繊維綿に、デシ綿(アルボレウム)は短繊維綿に分類される。
一般的に言って、繊維長とそれによって紡績できる糸番手は次のとおりだ。(1)中繊維綿・二〇番手以下の太い糸(2)中長繊維綿・五〇番手以下(3)長繊維綿・八〇番手以下(4)超長繊維綿・八〇番手より細い糸。
二〇番手はタオルによく使われる太さで、ニット肌着は三〇番手や四〇番手が多い。八〇番手は、薄いローンのシャツやブラウス地などに使われている。
紡績の基本は混綿−綿花は植物繊維だから、たとえ品種が同じでも、気候風土の違う所で作ったものは繊維の品質に違いが出てくる。同じ品種を同じ土地で作っても、年によって気候条件が変われば品質は同じにはならない。
しかし工業品としての綿糸は、常に所定の品質を保たねばならない。日本の紡績では綿花をすべて海外から輸入しており、いろいろな綿産国の綿花を組み合わせて混綿し、一定の品質の綿糸を生産してきた。各国の異なる品質の綿花をどのような割合で混綿するかは、長年培われた紡績各社のノウハウだ。この混綿技術は、日本の紡績業が独自に作り出した大切な技術であった。
単一混綿の原綿差別化商品−独特の風合いを持った綿製品を作るために、特定品種の綿花を単独で使って綿糸を作り、その綿花の持ち味を出す方法がある。これを原綿差別化商品と言っている。
原綿差別化戦略で長い歴史を持つのは海島綿だ。日本では一九七六年から、西インド諸島海島綿協会(東京)が中心になり、海島綿の製品化とマーケティング計画を続けている。またスーピマは、米国のスーピマ協会(アリゾナ州フェニックス)の商標。アメリカ・ピマ綿を一〇〇%使った製品に付けてあり、日本では紡績十三社がライセンスを取得している。
そのほかにも、紡績各社はそれぞれ独自の原綿差別化素材を展開している。
(国際綿花評議会顧問=日比暉)
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