素材を学ぶ《綿−6》
2000/07/18
綿紡績の基本−紡績段階で重要な役割果たす
最終綿製品の品質には、長い生産工程すべてが関与するが、中でも紡績段階は特に重要な役割を果たしている。ここでは基本的なものとして、太さ(番手)、撚り、毛羽の三つを取り上げるが、このほかにも強力、糸むら、ネップ、光沢など試験項目が三十ほどある。
(1)綿糸の番手は英式綿番手で、一ポンド(四十五グラム)の糸の長さが、標準長(八百四十ヤード)の何倍かによって、その倍数で表す。使用量の多いのは二〇番手。太いものは一番手、細いものでは三〇〇番手までできる。
(2)撚りの強弱は綿布の風合いを変える。綿糸の撚りは、長さ一インチ(二・五四センチ)の間にかけられた撚りの数で表す。撚りの強さで、甘撚り、普通撚り、強撚などと区別している。普通撚りは、例えば二〇番手で十八回、四〇番手で二十五回程度。番手によって撚り数が変わるので、撚りの強さはどの番手にも共通する「撚り係数」を使う。
撚りの度合いと製品用途との関係は、一般的には表の通り。
(3)毛羽(けば)−綿のような短繊維の紡績糸は、繊維の端が糸の表面から出やすい。それが毛羽で、綿繊維の先端は麻や毛と比べて柔らかいので、それが最終製品になった時の柔らかさや温かみといった綿特有の風合いをつくりだす。
しかし織り編み工程では、生産の高速化により、毛羽の少ない糸が要求される。特に毛羽のむらや極端に飛び出した長い毛羽は、ピリング(毛玉)や染めむらの原因になる。
毛羽を少なくすると、糸の光沢が増す。それには繊維の長い綿花を使い、短い繊維をくしけずって除去するコーマという工程を通す。
これがコーマ糸で、強力、均斉度、光沢が増す。これに対してコーマを通さないで紡績した糸をカード糸という。
(国際綿花評議会顧問=日比暉)
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