素材を学ぶ《綿−7》
2000/07/25
紡績の付加価値技術(1)−最終製品の風合いに変化をつける
紡績工程には、生産性の向上だけでなく最終製品の風合いに変化を付ける技術がいろいろあり、綿製品の付加価値を高める技術として重視されている。
精紡交撚糸−双糸のように撚り合わさった構造の単糸。精紡工程で二本の粗糸をドラフト・ローラーで細くした後、一個のリングにかけて撚りあわせて作る。毛のサイロスパンと同じ原理だ。バルキー性がある上、表面が滑らかで光沢があり、単糸に比べてムラが少なく、通常の撚り糸よりかなり毛羽が少ない。
コア・ヤーン−コア(芯)になる繊維束とシース(鞘=さや。コアを包む繊維束)で構成される糸。綿のストレッチ・ヤーンはポリウレタン弾性糸をコアにして、綿のシースで包んだ二層構造糸。三層以上の多層構造糸もある。応用範囲が広い技術で、いろいろな繊維を組み合わせることにより、風合いや機能性を変えた複合繊維の糸ができる。
ファンシーヤーンのいろいろ−精紡工程の工夫で、比較的大きな節のあるスラブヤーン、小さなネップが所どころに入ったネップヤーン、手紡ぎ糸のように太さが不ぞろいなむら糸などをつくることができる。スラブ糸やむら糸はコンピューターを精紡機に結びつけ、手作り感覚の不規則なむらを作るようにしている。
わた染め−紡績工程中にスライバーの状態で染め、もう一度、混打綿工程で混綿して紡績するため、霜降り調の味わいのある効果が得られる。粗糸の段階で染め、異なる色の粗糸を合わせてから精紡機に掛ける方法もある。以前は霜降り糸、おぼろ糸と言っていたが、最近は杢糸、メランジなどともいう。
スーパーハイドラフトのTS糸−都築紡績が開発したスーパーハイドラフトのTNS式紡績は、スライバーを高湿度の熟成室に長時間置いて、たっぷり水気を吸わせた後、乾燥させながら一気に糸にするので、毛羽の少ない綿糸を作ることができる。
(国際綿花評議会顧問=日比暉)
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