素材を学ぶ《毛皮−1》
良い毛質の条件−養殖の発展や加工技術向上
2000/12/12
哺乳動物の被毛のこと。一般的には刺し毛、綿毛、それらを支える皮革部より構成され、品質、色、柄などは、動物の種や生息環境で大きく異なる。毛皮の歴史は古く、穴居時代から原始人は食物と衣料のために動物を捕らえており、衣料素材として最も古い。古代において、毛皮は富と権力と威信を意味するもので、紀元前二年、バビロンの女王はインドから八千枚のトラの毛皮を持ち帰り、宮廷の床を飾ったり、中期のエジプト王朝ではヒョウの毛皮を王家の象徴とした。
十一世紀以後、急速な発展を遂げたインカ帝国はチンチラを王家の毛皮に定め、西ヨーロッパではアーミンが王権の象徴であった。
十九世紀後半に入り、それまでライニングやトリミングとして使われていた毛皮は、初めてガーメント(毛皮の表使い)として用いられる。
その後、養殖の発展や加工技術の向上に裏付けられ、毛皮は急速な発展を遂げる。
〈良い毛質の条件〉
- 刺し毛と綿毛のバランスが良いこと(特に綿毛の密度の濃いもの)
- 光沢が良く、背筋のキャラクターが鮮明なもの
- 触った時にシルキーでソフトなもの
- 刺し毛(guard hair)
- 上毛(じょうもう)とも呼ばれる。強くて弾力性に富んだ身体を守る役目をする毛のこと。種の特徴は、主に色彩もさまざまな刺し毛に表れる。
- 綿毛(wool)
- 毛皮の刺し毛の下に生えている下毛(かもう)。極めて細くやわらかな毛が密生していて、体温の発散を防ぐ防寒の役目をしている。毛皮の値打ちを決める上で、この綿毛の密生の度合いが一つの重要な要素になる。
- キャラクター(character)
- 斑紋や背筋などで、動物の特質や特色をあらわしたもの。
- 本節(prime)
- 一般に哺乳動物は春秋二回、または春一回の季節換毛するが、毛が生えそろい、色艶が一番良い、毛皮として最良な状態の時のこと。その前後を節早(せつばや)、節遅れという。
- 節早(un-prime)
- 毛皮動物の本節前の状態のこと。節早の毛皮は、色は美しくシルキーではあるが、毛が十分生えそろっておらず、綿毛も密生度に欠ける。
- 節遅れ(over-prime)
- 毛皮動物の本節を過ぎた状態のこと。本節の毛皮に比べると、毛質は色及びシルキーさに欠ける。
- ショートナップ(short-nap)
- 刺し毛と綿毛の毛の長さが短いものを言う。
- ロングナップ(long-nap)
- 刺し毛と綿毛の毛丈の差が長いものを言う。
(資料提供=社団法人日本毛皮協会)
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