素材を学ぶ《ウール−2》
2000/04/11
メリノとクロスブレッド−血統により大別
羊の種類は三千種類といわれる。世界の各地で環境に合わせて飼育されてきたためだが、これらの羊から刈り取られるウールは、羊の血統によって「メリノ」「クロスブレッド」「その他」に大別される。
「メリノ」の歴史は、はるかローマ時代にさかのぼる。それまでの羊はヘアとウールが混在し、色も白、茶、黒などが混ざり合っていた。糸にしやすく、手触りが柔らかなウールの比率を高め、どんな色にも染めることの出来る白い羊毛を育てることを目指して、優性羊同士の交配を重ねた結果、ローマ統治下のスペインで開発されたのがメリノ種である。開発者の名前はルチアス・コルメラという。以来、メリノ羊は、ナポレオンがイベリア半島に侵攻するまでスペイン王室の独占財産となった。その後、メリノはドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、南アフリカなどに渡り、今から二百年ほど前にオーストラリアに到着した。以来、オーストラリア・メリノはアパレル・ウールの最高峰として今に至っている。ニュージーランドやアルゼンチンでもメリノが飼育されているが、ほとんどがオーストラリア・メリノの血統である。
「クロスブレッド」とは雑種のこと。さまざまな種類の羊をかけ合わせて新しい血統を固定した羊だ。英国やニュージーランドの羊の大半はクロスブレッドである。有名なところではシェットランド、ロムニー、ブラックフェース、リンカーン、チェビオット、サウスダウン、シロップシャーなど。毛はメリノより太く、品質もさまざま。特徴によって使い分ける。
「その他」に分類されるのは、一切改良されていない野生種の羊の毛で、ムフロンはその典型だ。
(ザ・ウールマーク・カンパニー業務統轄部長=大内輝雄)
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