素材を学ぶ《ウール−4》
2000/04/25
オークション−取引を公開競売
「オークション」とは、言うまでもなく競売のこと。ウールの国際的価格指標となるのは、オーストラリアの競売価格である。この国では伝統的にウールの取引を公開競売で行ってきた。公開競売の良い点は、買い手がだれで、どれだけの値をつけたかが、即時にわかる点である。価格の形成にオークションほど公正な方法はない。
本当の買い主に代わって競売に参加するのは委託を受けたウール・バイヤー(エクスポーター)で、各地の牧場から集められたウールをブローカー(売り方問屋)の倉庫で検品し、あらかじめ買い値を決めたうえでオークションに臨む。
競売人(オークショニア)がカタログにそって、次々に競りにかけていく。バイヤーが決まれば、ウールは出荷先の国ごとに仕分けられ、コンテナに詰められて船で運ばれていく。単純な流れのようだが、船積みまでに介入する職種にはウールグロワー(牧羊者)、シェアラー(毛刈り人)、クラッサー(羊毛選別人)、ウールブローカー(問屋)、ウールバイヤー(買い付け人)、ダンパー(輸出用再こん包人)があり、このほかに、羊毛の販売用品質データ作成のためのラボラトリー、運送業者、港湾作業者なども欠かせない役割を担っている。ウールの生産、販売には実に多くの人と手間がかけられる。
羊毛販売のすべてがオークション、というわけではない。「相対販売」、つまりプライベートな取引も以前から行われてきた。「カントリー・バイイング」ともいう。
インターネット時代に入って注目されているのがEコマース、電子商取引である。すでにオーストラリアでは複数のルートで電子商取引の実験が始まっている。しかし、これまでのところではオークションの合理性・経済性に太刀打ちできていないのが実情である。
(ザ・ウールマーク・カンパニー業務統轄部長=大内輝雄)
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