素材を学ぶ《ウール−5》
2000/05/02
ラムとホゲット−刈り取り期間で違い
ウールの刈り取りは一般的には年に一度、初夏のころに行われるが、最初の刈り取りウールだけは特別な表現が採用されている。生後五カ月前後までに刈り取られるものが「ラムウール」(ラムズウールともいう)だ。「ラム」とは子羊のこと。英語ではLamb。雄羊も「ラム」だが、スペルはRam。ラムウールの定義は生後五カ月以内、あるいは授乳中の子羊の毛。光沢があり、しなやかだが、毛足(繊維長)が五センチに満たないものもあり、紡毛式で糸にするのが普通。手触りも良く、ニットに向いている。
ラムウールの後にくるのが「ウィーナーズ」や「ホゲット」である。「ウィーナー」とはオーストラリア独特の表現で、乳離れしたメリノ羊のこと。生後五〜六カ月の羊を指すが、ウールとしては生後六〜十カ月に刈り取ったもの。ラムウールとして一度刈られたものも、生まれて初めての刈り取りでもこの期間内ならウィーナーズと呼ぶのがオーストラリア流である。毛の長さはまだ五〜六センチ。ラムほどではないが、つやと柔軟性に富む。
生後一年目にして初めて刈り取った毛を「ホゲット」という。オーストラリアではラムあるいはウィーナーがほとんどなので、ホゲットは見当たらないが、ニュージーランドではラムでは刈り取らず、ホゲットまで待つのが普通。生後六〜十二カ月、誕生の翌年に初めて毛刈りを行う。イギリスではホゲットと呼ばず「ホッグ」と省略する。生後六〜十八カ月で初めて刈り取る。したがってラムよりも毛足は長めになる。
ラムとホゲットのあとは通常のウールになる。モヘアの場合は「アダルト」という区分があるが、ウールでは成羊に特別な呼び方はない。そして歯が抜け始める六歳ころまで年に一回、規則的に毛を提供してくれる。ここでの例外は、牧草に恵まれたニュージーランドに多い「セカンド・シェアー」だ。二年に三回刈り取るウールのことである。
(ザ・ウールマーク・カンパニー業務統轄部長=大内輝雄)
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