素材を学ぶ《ウール−6》
2000/05/09
ウーステッド−薄く、軽く、しなやか
ウールを糸にするには長めの原料を梳(す)いていくか、短い原料を紡いでいくかの二方式がある。原毛のまま絡み合わせていき、板状にするのがフェルト。大きく分けると三つの仕組みがある。
主流をなすのは「梳毛(そもう)」である。英語では「ウーステッド」(WORSTED)。薄く、軽く、しなやかなスーツ地などに向く。その工程は極めて長く複雑だが、概略すると
(1)羊毛を選別する(選毛)=原毛(脂付き羊毛)一俵ごとに太さ、長さ、不純物の混入などを調べて、不要なものを取り除く。
(2)羊毛を洗う(洗毛)=羊毛には八〜二○%の脂や土砂が含まれているので、せっけんとソーダで洗い落とし、一八%程度の水分を含ませる(洗い上げ羊毛)。
(3)洗った羊毛をほぐす(カード)=洗い上げた羊毛を、表面に針を植えたローラーで構成するカード機にかけて繊維一本一本にほぐし、薄い毛膜にし、これを重ねてロープ状の篠(スライバー)にする。
(4)羊毛をくしけずり、そろえる(インター、コーマー)=スライバーを六〜十本合わせ(ダブリング)、くしけずりながら引き伸ばす(ドラフト)作業を繰り返し、均一な太さのスライバーを作る。そしてコーマーで不要な繊維や不純物を取り去る。ここで出来上がるのが中間製品である「ウールトップ」である。最近は、ここまでの工程を海外で行う企業が増えている。
(5)糸に紡ぐ準備をする(前紡)=一メートルにつき二十五グラム程度、赤ちゃんの腕ほどの太さのスライバーを、箸(はし)の太さほどにまで引き伸ばす。
(6)糸を紡ぐ(精紡)=一分間に一万回転もするスピンドルにスライバーをかけ、一気に糸の太さにまで引き伸ばすとともに、撚(よ)りをかける。ここで出来る糸が「単糸」。
(7)単糸を二本合わせて撚りをかける(合糸・撚糸)=撚りをセットし、二本組み合わせ、逆の方向に撚りをかける。ここで出来るのが「双糸」である。
ただし、最近は「サイロスパン」に続いて、「ソロスパン」という高性能単糸紡績技術が開発され、単糸のままで織物にする方法も増えている。
(ザ・ウールマーク・カンパニー業務統轄部長=大内輝雄)
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