FB基礎講座/素材編
《快適性素材−1》
快適性とは−衣服は人にとり友達
2001/04/03
・衣服の役割−被う(快適性)と装う(感性)
“人に優しい”は商品開発のキーワードである。優しいは、英語ではフレンドリーというが、衣服はいつも人のそばにあってどこへでも付いていく、文字通り、人にとっては友達なのである。
衣服の基本的な役割は「被う」と「装う」の二つである。被うは、外界から身を守ることを、装うは自己表現を意味する。衣服に求められる品質を考えてみると次の四つが挙げられよう。
- アピール性 消費者が購買したくなる性質で、「装う」という衣服の役割に相当し、感性ともいわれる。好みの要素もあり、人の心理的要因が強く影響する。時代の感性がファッションといわれるように、時とともに変化する性格がある。また、個人の感性が個性といわれ、個人による差も大きい。
- 着用時の快適性 着心地ともいわれ、「被う」という衣服の役割に相当する。人の生理的要因と外部環境条件の影響を受ける。
- 着やすさ 衣服の基本構成と人体寸法、体形、動作が関与する。
- 耐久性、メンテナンスのしやすさ 購入した時の品質が簡単な手入れで必要な期間維持される品質で、衣服の場合は洗濯や保管による品質変化の程度が重要となり、あるレベル以下であると消費者苦情が発生する。
衣服の品質には、確保すべき品質と魅力品質とがある。どれが魅力品質であるかは、時代によっても異なるが、現在は「快適性」が魅力品質として注目されている。
四大文明発祥の地で使われた繊維といえば、エジプトは麻、インドは綿、中央アジアは羊毛(ローマ帝国の時ヨーロッパへ)、中国は絹であった。より良い繊維を獲得するための努力は、絹を求めたシルクロードや大量の綿織物の生産を可能にした産業革命など世界史を変えた。イタリアのルネサンスやスペインの大航海時代などは、繊維産業で得られた富がバックにあって実現した。また、科学技術の面でも合成染料の発明は化学工業を、ナイロンの発明は高分子化学工業を発展させた元になった。
最近の技術を結集して開発された、快適性の向上をめざす「快適性」素材を順次紹介する。
(原田隆司=御幸毛織技術顧問)
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