FB基礎講座/素材編
《快適性素材−6》
衣服内気候−雨は防ぐが汗は透す
2001/05/08
水の熱伝導率は空気の25倍もあるので、雨が浸入したり汗が残留し、服地が水にぬれると保温性は急激に低下し、体にまとわり付くなど不快となる。以下、雨から身を守る素材について紹介する。
- 撥水(はっすい)素材
- 撥水性は、服地が通気性を保持したまま水にぬれにくくする(水滴をはじく)性質をいい、耐水性、漏水性とともに防水性の重要な要素の一つである。
撥水性の付与のためには、繊維表面を疎水化し、水の接触角を90度以上にする必要がある。繊維表面に疎水性の加工剤を後加工法で塗布する。
別の発想によるものとして、蓮(はす)の葉をお手本にしたものがある。潜在捲縮型のポリエステル極細繊維と通常のポリエステルから成る、かさ高混繊加工糸により作られた高密度織物で、後加工工程で織物表面に微細なループを形成する。このループ表面に空気層が蓄積されて撥水効果が高められる。
- 透湿防水素材
- 服地に0.1〜0.5マイクロミリ程度の微多孔を作ると、防水と透湿という相反する性質を両立させることができる。この原理は、水蒸気の分子径が0.0004マイクロミリであるのに対し、雨滴の直径が霧雨で100マイクロミリ、雷雨で3000マイクロミリと大きいことによる。
透湿防水素材の作り方には、大別して三つの方法がある。
- 微多孔質のフィルムを織編物にラミネートする。
- コーティングにより微多孔質の被膜を織編物上に形成する。
- 繊維間のすき間を細密化した高密度織物に撥水加工する。
無孔質でも親水性樹脂から成るフィルムでは微多孔質のものと類似の効果が得られる。耐水圧、透湿性、風合いのいずれも良くすることは難しく、使用目的に応じて素材の選択がされる。冬山登山用品、雨具などに広く使われている。
透湿現象は水蒸気圧差によって発生するので、外気側の気温が低くないと、水蒸気は肌側から雨が降っている外気側へは移動しない。
- 特殊機能衣服
- 冷凍冷蔵庫での作業や林業・漁業などの冬季の作業で着る衣服、極寒下での救命用の防水耐寒救命服、冬季の登山服などの特殊服には様々な工夫がされている。激しい運動を伴う場合は汗の処理が重要な課題となる。
(原田隆司=御幸毛織技術顧問)
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