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FB基礎講座/素材編

《快適性素材》−8

衣服内気候−目にも涼しい清涼、親水化

2001/05/22
各繊維の公定水分率
綿8.5%
12.0%
11.0%
羊毛15.0%
レーヨン11.0%
キュプラ11.0%
アセテート6.5%
プロミックス5.0%
ナイロン4.5%
アクリル2.0%
ポリエステル0.4%
清涼素材
 蒸し暑い夏を涼しげに暮らすためにさまざまな工夫がされてきた。代表的な絹織物が強撚糸を使った粗い組織の絽(ろ)や紗(しゃ)であり、見た目にも涼しさを感じさせる。
 強撚を掛けた通気性の高い夏の背広地は日本独特のものであるが、最近では軽さも併せて特徴とする軽・涼スーツが開発されている。
 地球温暖化問題に関連して話題となっている冷房設定温度28度C対応シャツは衣服内湿度の上昇抑制を特徴としている。
親水性―吸湿性と吸水性
 気相の水分(水蒸気)を吸収する性質を吸湿性といい、液相の水を吸収する性質を吸水性という。汗には不感蒸泄(気相の水分)と発汗(液相の水)があり、汗の処理に対しては二つとも重要な意味を持つ。
 吸湿性は繊維素材の化学構造により決まる。吸湿率は雰囲気の温度・湿度で異なるが、尺度として20度C、相対湿度六五%での吸湿率に基づいて定められた公定水分率が使われる(表参照)。
 吸水性は、繊維表面のぬれやすさや繊維形状が関係する。
合繊の親水化
 吸水性の付与は疎水性である合繊でも繊維表面を改質すれば比較的容易に実現できる。具体的には、ナイロン、アクリル、ポリエステルを異型断面にし毛細管現象を起こしやすくする、繊維表面を多孔構造にする、親水性化合物を配合し繊維表面をぬれやすくするなどの原糸・原綿改質が行われる。また後加工法により繊維表面に親水性の層を形成させても吸水性は得られる。なお吸水性を付与したものを吸汗性繊維という場合があるので注意が必要である。
 吸湿性を付与するには繊維の化学構造を改質する必要がある。具体的にはナイロンの分子構造へ親水基を導入する方法や、吸水ポリマーを芯にした芯鞘(さや)構造のもの(原糸改質)、ナイロンやポリエステルに後加工法で親水性化合物をグラフト重合する方法がある。綿の吸湿性を目標としているものが多いが、価格その他の理由で限られた用途にしか使われていない。
 アクリルを化学変性したアクリレート系繊維には、吸湿率が綿の約三・五倍のものや、自重の百五十倍もの吸水性を示すものがある。
(原田隆司=御幸毛織技術顧問)
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