FB基礎講座/素材編
《快適性素材−11》
2001/06/12
衣服圧−伸びて戻るストレッチ素材
必要な服地の伸びを得るのに大きな張力が必要であると衣服圧は高くなる。通常の織物の伸びは数パーセントであるが、糸使いや織り組織を工夫することによって一〇%程度の伸びを有する織物も開発されている。ニットは織物に比べ良く伸びる。特別な糸を使い通常の織物やニットより良く伸び、しかも元に戻る性質(伸長弾性回復性)に優れるものをストレッチ素材という。これに必須(ひっす)の糸には次の二つがある。
伸縮加工糸 合繊の仮撚り加工糸の伸縮力を利用。一般にナイロン加工糸の方がポリエステル加工糸よりも伸縮性に富む。最近話題となっているPTT(ポリトリメチルテレフタレート)繊維の特徴の一つはストレッチ性にある。
ポリウレタン ゴムのような伸縮性に富む糸であり、弾性糸、スパンデックスともいう。ポリウレタンは単独で使われることよりも、他の繊維素材と複合して使われることが多い。
ポリウレタンは乾式紡糸法で紡糸されるタイプが主であるが、溶融紡糸法によるものもある。用途の広がりに応じて特徴をうたった多くのタイプが開発されている。
ストレッチ素材を便宜上、伸び率により三つに分類する。
コンフォート・ストレッチ 伸び率が約一〇〜二〇%で伸縮加工糸使い、あるいはポリウレタン使いの織物である。用途は作業服・ユニフォーム、スラックス、ジャケット、ジーンズなど。
パフォーマンス・ストレッチ 伸び率約二〇〜四〇%で、伸縮加工糸使いダブルニットが中心である。用途はトレーニングウエア、野球ユニフォームなどのスポーツウエアが主。
パワー・ストレッチ 伸び率四〇%以上のニットで、衣服は体より小さく伸ばして着る。ポリウレタンを他の繊維でカバーしたものを編成したり、そのまま他の繊維と交編する。たて編みには一方向にしか伸びないワン・ウエー(一方向に強く締め付けるファンデーションなど)とツー・ウエー(二方向に伸びる水着やレオタードなど)とがある。
ストレッチ素材は伸びることにより細身のスタイルが実現できるところにその意義がある。
(原田隆司=御幸毛織技術顧問)
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