FB基礎講座/素材編
《快適性素材−13》
2001/06/26
清潔な衣生活−抗菌防臭や制菌など
用途によっては、「清潔」が重要な意味を持つ品質となる。話題になっている抗菌性、ダニ防止、消臭性、紫外線遮蔽(しゃへい)について述べる。
抗菌性 生活環境には多数の微生物が存在するが、繊維製品との関係では抗菌性が問題となる。人体から分泌される汗、脂質その他老廃物が服地に付着し、これらを栄養分として微生物が繁殖する。その結果、これらが分解されて悪臭が発生したり、皮膚が刺激されて皮膚障害になったり、引いては疾病の原因にもなる。抗菌は、熱や殺菌剤による殺菌から、微生物を除く除菌、有害な微生物の繁殖を抑えることまで広い意味で使われるが、繊維製品では抗菌防臭と制菌が定義されている。
抗菌防臭加工 菌の繁殖を抑制して悪臭の発生を防ぐもので、黄色ぶどう球菌を試験の対象としている。抗菌剤(有機シリコン第四級アンモニウム塩系、有機第四級アンモニウム塩系、ビグアナイド系、ポリフェノール系、キトサン、銀担持コロイダルシリカなど)を含浸もしくは塗布する後加工法と、合繊の製造段階で無機金属系抗菌剤(ゼオライト担持銀系など)やキトサンを練り込む原糸・原綿改質とがある。繊維製品新機能評価協議会の判定基準に適合した商品にはSEK青ラベルが貼付(ちょうふ)される。用途は靴下、下着など。
制菌加工素材 繊維上の菌の増殖を抑制することを目的とし、対象とする菌が多いことと洗濯耐久性が抗菌防臭とは異なる。対象とする菌は、一般用途の場合は黄色ぶどう球菌に肺炎かん菌、大腸菌、緑膿菌が、特定用途(医療機関向け)にはMRSAも加わる。技術は抗菌防臭加工と類似しているが、一般用途の洗濯が四〇度で最大十回、特定用途では八〇度の高温洗濯で最大五十回の後の抗菌耐久性が要求されるので、耐洗濯性に優れた加工技術が必要となる。一般用途にはSEKの橙(だいだい)ラベル、特定用途には赤ラベルが貼付される。
防ダニ素材 ダニは空調の普及で年中室内に存在するようになった。ダニ・アレルゲンを回避するために有機系ダニ忌避剤を練り込む方法(原糸・原綿改質)と、後加工で塗布する方法がある。また繊維間のすき間がダニより小さい極細繊維から成る高密度織物は、ダニの通過を防止する。
(原田隆司=御幸毛織技術顧問)
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