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FB基礎講座/素材編

《快適性素材−16》

2001/07/17

新商品開発−より豊かな衣生活のため

 本シリーズで取り上げた「快適性」素材開発の経過を通じ、新商品開発には次の三つのことが重要であると思っている。
・機能性は感性に変換することにより広く受け入れられる。
 保温性素材やストレッチ素材で述べたように、保温性やストレッチ性という機能を、細身のスタイルになるという視覚で分かる内容に変換することにより広く受け入れられた。吸汗・速乾素材はスポーツファッションのための有力な素材になった。抗菌素材や消臭素材も清潔を望むライフスタイルにマッチし、ある意味の感性に訴えた。
・環境――時代の感性の影響。
 商品開発は環境の影響を強く受ける。ここでいう環境は広い意味で使っており、「時代の感性」といってもよいもので、時代の経済、文化、人々の考え方など世相を反映するものである。
 一般的にいって消費者の欲求は、もっと欲しい→良いものが欲しい→人と違うものが欲しいと変化するといわれている。「快適性」素材の開発が活発になったのは、量的拡大が求められた高度成長期(もっと良いものが欲しいという時代)が終わり、人と違うものが欲しい時代になった一九七〇年代後半ごろからである。
・新商品開発とは「技術〜機能性・有用性〜用途」で新しいストーリーを作ることである。
 技術、機能性・有用性、用途は、

  • 技術…コア技術に新たな技術が加わったもの
  • 機能性・有用性…消費者が求めているもので、従来品とはっきりと分かる違いがあるもの
  • 用途…新しいライフスタイルを提案するもの

 であり、これらを結び付けて新しいストーリーを作ることが新商品開発であるといえる。
 なかでも新技術の開発が重要である。かねてから開発の成功のカギ(KFS)は、極限化(K)、複合化(F)、ソフト化(S)と、ごろ合わせをしているが、これらを徹底的に追求することが、バブル崩壊後の「刺激的なものがあれば買う」時代に対応した、さらなる発展への道であると考えている。特に基礎研究が時代の感性と結び付いた時に画期的発展が期待される。

(原田隆司=御幸毛織技術顧問)
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