FB基礎講座/宝飾編
2001/11/05
《ジュエリースタイル−14》
ルネサンス・リバイバル−起源は古代ギリシャ
19世紀の美術・工芸の分野は、新しい時代像を求めていたにもかかわらず、その時代全体を呼ぶ様式名がありません。イギリスではビクトリア女王の名を取ってビクトリアン様式といっていますが、様式的には実態のないものです。
第2次世界大戦後のジュエリーもこの傾向が続いており、「現代のジュエリーにはヒストリーがない」といわれるのも、明快な様式が生まれなかったためかも知れません。
それはともかく、この時代は新古典主義、ゴシック・リバイバル、ネオ・バロック、ルネサンス・リバイバル、ロココ・リバイバルなど、過去の様式を再発見し復活させるというブームが巻き起こりました。これはヨーロッパにおける美の起源は古代ギリシャにあり、ギリシャがお手本となるという考えにほかなりません。したがって、いつの時代にも、絶えず“ギリシャ”に返る、あるいは戻るという発想があるのです。これはヨーロッパ人特有の考えで、日本人には理解し難いところかも知れません。
ジュエリーにおけるルネサンス様式の特徴はいろいろあるのですが、そのなかでも「エナメル」は大変な流行をみました。また技術的にも高度になったのです。したがって、ルネサンス・リバイバルのジュエリーも、エナメルの用い方に独特の特徴がみられます。
写真のブローチは、カメオの周りを白エナメルで施し、中心にバロックパールをつり下げた、ルネサンス・リバイバルのなかでは比較的おとなしく、シンプルなデザインといえるでしょう。
ルネサンス・リバイバルを代表するジュエリーデザイナーに、カルロとアーサー親子のジュリアーノ一族がいました。父親のカルロは、考古学様式で有名な、カステラーニの影響を受けたジュエリーを作りますが、次第にルネサンス様式を踏襲し、エナメルを用いた、カラフルな色使いのジュエリーを作り出します。
ジュリアーノの特徴は、不透明な白エナメルの上に黒の点や、ブルーの上に白の点などを配した技法でしょう。これに真珠、ダイヤモンド、色石などを用いて、神経質なまでに規則的な配列のデザインは、ジュリアーノならではのものといえます。
(資料協力=アルビオンアート/増渕邦治=宝飾評論家)
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